槍ヶ岳(上高地〜槍ヶ岳〜新穂高) 冬直前の様相
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- GPS
- 32:30
- 距離
- 32.2km
- 登り
- 1,832m
- 下り
- 2,226m
コースタイム
10/23(月)槍ヶ岳山荘6:59→7:18南岳新穂高分岐7:21→8:22千丈分岐8:22→10:03槍平小屋10:21→11:36滝谷出合11:37→12:45白出沢出合12:56→13:25穂高平小屋13:31→14:15林道ゲート14:15→14:28新穂高ロープウェイ入口
天候 | 10/21(日)快晴、上高地の朝の気温は5℃位、日中の気温は15℃位で湿度低く快適。天狗腹分岐から先の標高2300m以上では冷たい北西からの風が谷沿いに吹き降ろしてくることがある。日陰は寒く日向は日差しが鋭く暖かいが、午後3時を過ぎると殆ど日陰となる。午後5時過ぎの山頂付近は冷たい北西からの強めの風が吹きすさぶ。西からの日差しが当たり温かさは少し残っていた。 10/22(月)快晴、朝は槍ヶ岳山荘の尾根周りは冷たく強い西風が吹きすさぶ。顔周りの防寒推奨。飛騨乗越の谷沿いに吹き上げる西からの強風があり、これが冷たく体温を奪う。千丈分岐から下は温かく快適だった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
10/23(月)午後 新穂高ロープウェイ入口→平湯温泉 870円/夕方 平湯温泉→新宿 5,500円 休憩は諏訪湖SAのみ。休日の中央道と違い渋滞がなく予定より30分早く着いた。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・上高地〜徳沢:道幅は2m位あり非常に良く整備されたハイキング道。ここまでは都内の公園道の様でビジネスシューズ靴で問題ない。勾配は殆ど感じない。早朝のため戻りの登山者とは20分に1人位しか会わない。穂高連峰の紅葉が素晴らしい。距離を稼ぐべく1里/時間ペースで歩く。 ・徳沢〜横尾:道幅は2m位あり非常に歩きやすい道。スニーカーでも問題なさそう。朝早めのため余りすれ違わないが、横尾に近づくにつれて若干すれ違いが増える。穂高連山の眺めが良い。上高地から横尾まで散策して宿泊して帰るだけならお年寄りや小さなお子さんがいる家族連れにも勧められる。 ・横尾〜槍澤ロッジ:登山道だが一ノ俣までは道幅が広く歩きやすい。槍澤ロッヂの先にある槍澤キャンプ場を越えると殆ど登山者と会わなくなる。穂高連山と常念岳の両側の紅葉を楽しめる。気温は快適。 ・槍澤ロッジ〜天狗原分岐:段々と勾配が出てくる。天狗原分岐になかなか辿りつかない感覚があった。槍ヶ岳が姿を現し、目指しながらの歩きとなるが、まだまだ遠い。 ・天狗原分岐〜槍ヶ岳山荘:いよいよ勾配がきつくなる。とは言うものの堅い岩のため火山性の山と比べると踏み易く登り易い。ここまで槍澤キャンプ場から1名位/時間しか会わず寂しい思いをする。山小屋が空いているのか不安になってくる。ガレ場あり。1000の文字が現れるが900、800と中々減らない。殺生ヒュッテの分岐までなかなか着かない。この時期この辺りの午後2、3時は日陰部分が多く冷たい北風が吹き下ろす。登りで暑くなり温度調節の脱ぎ着が忙しくなる。 ・槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳山頂:登りと下りは別ルート。山頂では3名。降りの方との擦れ違いで5名と会う。山荘で少し休息を取り、これまでの長い上りの疲れを少し回復。夕食前の午後5時頃に登り始める。慣れないハシゴは恐怖心を呼ぶ。踏み台も何も鉄で皮手袋で握ると若干滑るのでハシゴを抱く様に一段づつステップを登る。登りが西側になると西北の強めの風が吹き緊張感が増す。指がかじかんでくる。 山頂に上がると360度の大展望が望める。思ったより狭くないが風のせいで余りたちたくない。東側に槍ヶ岳の大きな影が映える。 下りでも慎重にハシゴを降りる。岩で足の置き場所を悩み始め先に譲った人の降り方を参考にする。登りでハシゴを降りていた女性はかなり慎重に鎖場を降りていた。 眼鏡はハシゴや岩にぶつけて落したりしないかヒヤヒヤした。後ろ紐で繋ぐべきだと思った。指出し手袋はかじかむ。皮手袋でも滑るのでグリップの良い手袋を着けたい。脱落帽子のため靴ひもは足首まで結んだ方が良かったかもしれないが、ただ足首まで結ばず登り易かった。鉄でも滑りにくい靴底はないだろうか? 山頂の様子→ http://youtu.be/uaxF_of6f9Y ・槍ヶ岳山荘〜南岳新穂高分岐:午前7時に下山開始。外のトイレの先の尾根を下る。尾根から西側のキャンプ場に出た途端、西からの冷たい強風が吹きすさぶ。風で飛ばされない様にしっかりロープを張ってテントを張っている。この辺りの体感気温はマイナス5℃は下回っている。テント泊者を尊敬しつつ分岐に向け下る。強風で体温を奪われ目出帽で対抗。鼻水を飛ばしつつ降りる。分岐でストックをもう一本増やし2本体制にする。 ・南岳新穂高分岐〜千丈分岐:飛騨乗越と名付けられるだけあってガレた岩場の急坂が続く。浮石多いが、堅い岩盤の道で富士山などの火山性の山より下り易い。下り始め先に降りた登山者があっという間に分岐の先で小さくなるのを見届けながら、時折り谷底から吹き上げる冷風に向かい下り続ける。見通しが良いだけに風通しも良い。千丈乗越から奥丸山の尾根すじを見ながら下山。2600m付近から低木が立ち始め景色のバリエーションが増える。まだ朝のせいか対向者は0。 ・千丈分岐〜槍平小屋:ガレ道は減るが岩場の急坂は続く。奥丸山の尾根すじ、遠く笠ヶ岳連山の景色を堪能しながら歩く。クマザサなどの茂みに低木が加わった道となる。地表には霜柱が立っていた。槍平小屋まで小休止しか取っていないが中々辿りつかない。川沿いのキャンプ場に入ると槍平小屋となる。ここのウッドデッキで休息している方としばし歓談する。ここまで3名しか会わなかった。 ・槍平小屋〜滝合出合:渓流沿いを歩く。原生林の中をひたすら下る。だんだんと坂は緩くなるものの膝と足に疲労が溜まり出した身には決して楽な下山ではない。陽気の良い午前。ここから麓まで向かいの登山者には会わなかった。 ・滝合出合〜白出沢出合:原生林が続く。川幅が広がったせいか存在感のある音が聞こえてくる。急とは言えないが勾配が続き爪先の痛みを誘う。若干の上り下りあり。白出沢の小さな鉄の橋には一人づつと注意書きあり。ここで昼食をとる。 ・白出沢出合〜新穂高:林道は99%未舗装の砂利道。爪先の痛みを独り言でごまかしつつ下る。穂高平小屋から近道の登山道があるが、弱った身には堪える登山道だった。ゲートを越えしばらくすると観光駐車場が見える。その料金所の先がゴールのロープウェイ入口。 帰りは平湯温泉の立ち寄り湯を利用。翌日まで温泉の匂いがするほど成分の濃いところだった。 http://www.hirayunomori.co.jp/ ここも気になるところ。 http://hirayu-hotakasouclub.com/ 新穂高から平湯温泉に掛けて多くの温泉が点在し、足湯や立ち寄り湯も多い。松本郊外まで含めると更に多くの温泉があるので、適当なところで体を休められる。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
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ファイル |
当日の天気図
(更新時刻:2012/10/24 20:46)
天気図(10.21 15)
(更新時刻:2012/10/24 20:47)
天気図(10.22 06)
(更新時刻:2012/10/24 20:47)
天気図(10.22 15)
(更新時刻:2012/10/24 20:47)
天気図(10.22 21)
(更新時刻:2012/10/24 20:48)
天気図(10.23 06)
(更新時刻:2012/10/24 20:48) |
写真
感想
■全体として
晩秋での安定した気候に感謝するしかない。雪や濡れた岩に苦労することなく登ることができ、かなりの間体力を温存することができた。
槍ヶ岳山頂は感動を呼ぶところだった。
当初槍ヶ岳に一泊二日は難しいと思っていた。日が沈む前に山頂に到達でき上手く行った。少しづつ難易度を上げて今回の登山に臨め、登りでは登山の持久力は着いてきた。大休止で時間をロスすることが無かった。上高地から横尾までは時間を稼ごうと時間一里のペースでひたすら歩いた。しばらく遠くに槍ヶ岳山頂が見えたが、心を折ることなく進んだ。天狗原分岐以降の急坂は覚悟した通りだった。堅い岩盤ベースのため、しっかり足を踏むことができ、思ったよりペースが落ちなかった。急登に入り長い寒い日陰から脱出しようと休むタイミングがなかったこと、途中抜かした方に向きになって抜かされない様にひたすら進んだこともあって、ペースダウンを招かずに進めた。
■失敗した点
横尾の先のハイキングコースで思いっきり転んだ。左掌と左ヒザに軽い怪我をした。ほぐれた靴ひもを踏んでしまったことによる。以降、二重に結ぶか紐の中に入れる様にした。
■課題
下山の60%位から左右の足の爪先が痛みペースダウンした。特に両方の小指薬指中指。滝合の先で靴ひもを足首まで結び直すが一旦痛み出したせいか効果は薄い。少し爪が伸びていたので下山前には爪の長さを確認し爪を短くする必要がある。
丁度左右の中指から小指が浮指になっていることが判明。浮指とは足の指に体重が掛かっていない状態を指す。これが膝にも悪影響を及ぼすようだ。
登山靴が合っていない可能性もあるようだ。
なお浮指はストレッチで改善できるという。テーピングでの対処もあるらしい。
http://biyoukenkou77.blog.fc2.com/blog-entry-3.html
今後は寒冷期だと捉え腹巻は必須かなと感じた。
写真から40代の方とお見受けしましたが、上高地出発で初日に登頂されるとは流石ですね。
それだと1泊2日で行けますね。
山頂の寒さや手袋が鉄の梯子で滑る臨場感が伝わってきました。
私も帰りのつま先の痛みは、どうする事も出来ず、ペースが毎回落ちます。尾瀬でもう下りのつま先の痛みを伴うと日暮れとの戦いになりました。0.5cm通常履いている靴よりも大き目のサイズを履いていましたが、それ以来1cm大きめにしました。
お察しの通りの年代です
確かに0.5cmしか多めでなく、このために、つまさきがいつも痛くなっていました。そこで1.0cm多めで、より足にフィットする靴"LOWA"をゲットしました。その後、まだ山に行けていませんが(笑)
富士山、槍ヶ岳を連続登頂とは恐れ入りました。
実は、私も40代後半。突然、10月に行った尾瀬の帰りにちょっとした登山となり、目覚めてしまい、八ヶ岳、丹沢へ行きました。この山行記録はなんだか勇気をもらった気分です。来年是非槍にチャレンジしたくなりました。
上高地から出発し、登頂した後、新穂高温泉で1泊2日とは一番楽しめるルートだと思います。
写真も綺麗です。天候に恵まれて良かったですね。
私はこの日八ヶ岳でした。
実際の山頂からの光景は、写真では表現出来ない感動なのでしょうね。
LOWAゲットおめでとうございます。
何度か山へ行き、足の疲れ、下りの膝の痛み等を体験し、シューズの重要性を痛感し、現在スポルティバ他物色中です。年齢による体力の衰退は、ギアで補おうと(笑)
尾瀬良いですね。今年は間に合いませんでしたが、田代平に行ってみたいと思います。
当日は天候に恵まれましたね。穂高連峰や常念岳が綺麗でした。八ヶ岳の方もきれいに晴れていたのでしょうね。下山後の温泉で癒されました。日帰り湯も新穂高等色々選択肢があり嬉しい迷いでしたね。
登りでは靴紐を足首まで結ばずに緩めで歩いて、全く問題なかったのですが、下りではしっかり靴ひもを結んでも数キロと持たず痛くなってきました。購入した店に行かず別の登山用品店に行くと+0.5mmは小さいです、+1mmがいいですと指摘されました
フジヤマやセミオーダーも履き心地が良く最後まで悩みましたが、より路面に喰いつきそうな現代的なソールで、クッション性が良いLOWAにしました。
Yaskazさん
私のログにコメント頂きありがとうございます。
本日気が付きました。
お返事遅れて申し訳ありませんでした。
同日宿泊されていたのですね。
Yaskazさんが1日で槍沢上がって来られたというのを拝見し感服致しました。
22日は快晴で素晴らしい青空でしたね。
翌日からは雪ということで天気予報どおりでしたが
真逆すぎて槍沢などが一気に銀世界になるなんて信じられませんね。
10月初旬3連休は雪だったということで下旬も厳しいかと思いながら天気予報とニラめっこしてました。
山行4日前「週末は確実に晴れる」と感じ準備を始めた次第です。今年3度目の槍で初めて天候に恵まれラッキーでした。良い写真が撮れました。
私は2晩連泊しており21日宿泊者数は20日の半数以下になってましたのでYaskazさんに気が付いても良いぐらいなのですが到着時刻が例の件で遅く食堂でご一緒に食事していませんのでお顔をご拝見出来ておりませんでした。残念です。。。
折角のご縁ですので今後ともヤマレコの場にてお付き合い宜しくお願い致します。
遅くなって失礼しました。
ヒザ等に不安があったので、帰りに楽をしたかったのです。横尾までは1時間1里で距離を作戦でした。
槍澤ロッジから勾配がきつくなりましたが、槍ヶ岳の山頂が見えると、モチベーションが上がりました。また、天狗原から先の日陰が寒く、早く日向に出たくて、ひたすら登りました。日が傾くにつれ日向が遠ざかるのですが(笑)
翌朝、飛騨乗越を下るとき吹き上げる風がとても冷たかく、その日の夜に雪が降ったのも納得する位でした。
あの日に夜間に来られた方は4組以上いたと思います。
暗闇の中腹からライトが向かってきて、良くやるなと思っていました。考えてみると怪我や体調不良で、予想外に遅れる要素はありますよね。あの中にいらっしゃったのですね。
是非こちらこそ、よろしくお願い致します。
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