【まぶしすぎるよ黒部の太陽♪紅葉真っ盛り♪下ノ廊下】


- GPS
- 13:20
- 距離
- 30.6km
- 登り
- 5,449m
- 下り
- 4,655m
コースタイム
- 山行
- 4:46
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 5:12
- 山行
- 6:44
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 8:10
天候 | 10/21 ![]() ![]() 10/22 ![]() ![]() 両日とも「ど」がつく位の快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
立山黒部アルペンルート 黒部湖14:00→16:07立山 6,560円 富山地方鉄道 立山16:17→19:14宇奈月 2,040円 宇奈月駅前駐車場 1日 900円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道はここでいうまでもなく全体通して危険 とにかく木や岩に頭をぶつけます。背の高い人は特に注意。ヘルメット被ると安心です。 ほぼ水平の道ですが、旧日電歩道は細かいアップダウンがあります。 登り降りのきついところは 欅平 ⇔ 水平歩道始点 (高低差約440m) 阿曽原温泉 ⇔ 権現峠 ( 〃 約240m) 黒部ダム徒渉点 ⇔ ダム上部 ( 〃 約200m) |
写真
感想
今年の紅葉はどこも色づきがよくて、ヤマレコ拝見してても楽しくなります。
涸沢もよかったし、最後はどこで締めようかといえば、やっぱり黒部でしょうか
ただこの時期の黒部はむちゃくちゃ混みます。土日なんていえば布団一枚に2人は当然。テン場も130張なんて記録もあるとか
できれば平日に行きたいということで、事前にやりくりしてどうにか月曜日の休みを確保。問題は天気でこればっかりはどうしようもない。明日晴れるからいこうなんてお気軽な身分でもないし。
日頃の行いはどうかわかわらないけど、天気予報では日曜、月曜とも晴れ。山友のcoral_reefさんといざ宇奈月駅へ出発。
今回ヘタレの私は小屋泊まり、力持ちのcoral_reefさんはテント泊です。もっと軽い装備に出来ればいいんですが、来年はミニマリスト目指して頑張ろうっと
【Day1】
始発のトロッコ電車はガラガラ。紅葉シーズンではあるのですが、欅平周辺はまだピークではなく、今年は少し遅いとのこと。欅平周辺散策だけだったら始発で行っても時間もてあましますからね。
欅平には9時前に到着。これから水平歩道の始点まで標高差440mの激登りです。2年前に降った経験はありますが登りは初めて。降った時でさえ長くてうんざりした記憶が...欅平駅の構内アナウンスが聞こえるのになかなかゴールが見えないので余計にそう感じるのかもしれません。
とはいえ、登りもスタート直後だし、快適に高度を稼いで概ね1時間で水平歩道の始点に到着。ここからは真っ平らな水平歩道をひたすら歩きます。
実はこれが結構退屈で、最初は高度感があって緊張するのですが、危ない箇所の連続なので緊張感を持続するのが大切。ここは黒部の水平歩道ですから谷側へ転べば命に関わります。
志合谷に近くなってくると左手前方に黒部の怪人「奥鐘山西壁」が大迫力で迫ってきます。奥鐘山は頂上付近の紅葉がピークで、極彩色に彩られた山肌がメチャ綺麗です。
しかし、ここに来るといつもそうなんですが立ち止まっては写真撮りながらの山行になるのでペースが遅い遅い。でもめったに来れるとこじゃないですからね、ましてや天気に恵まれればゆっくり歩かない方が損ってもんです。
欅平から阿曽原へ向かう人は少なく、抜きも抜かれもしません。今朝、阿曽原から出発した登山者は大太鼓くらいで殆どいなくなり、水平歩道を独占状態。天気も最高で実に気分がいいです。この時間がずっと続いてくれたらいいのに
折尾の大滝を過ぎると道は樹林帯に入り、いいかげん水平歩道に退屈してきたころに阿曽原へ向けて急激に降ります。水平に慣れきった足にこの急な降りは応えます。長い降りにいやになったころ、木々の合間からプレハブの阿蘇原温泉小屋とテン場が見えてきて一安心。
テン場はそれほど混んではいません。小屋の方は団体さんが入っているらしく、48名の定員に対し60名。あれれ、布団が大変だと思ったら、予約を早めに入れておいたおかげで、早期予約者には布団一枚1名の配慮をいただきました。あーよかった。一安心していると、小屋主の佐々木さんが
「後になると温泉混んできて大変なことになっから、はよ温泉行ってこられ、今なら空いとる」
おー、なるほど、そんなら早めに入ってくるか。温泉は男と女の時間が1時間単位で区切られています。高熱隧道から引湯している源泉かけ流しの野趣あふれる温泉、無色透明、硫黄臭はほとんどありません。
あ〜、気持ちいい〜、ここに入るために来たといっても過言ではありません。黒部川の対岸の紅葉を愛でながらの温泉は極楽です。
風呂上りはやっぱビールでしょ、今日のアテはカマンベールチーズで作る簡単チーズフォンデュ。アルミホイルでカマンベールチーズを包んで火にかけると中がとろりとしてきます。それにガーリックラスクをディップしていただくと、もービールがとまりません。あ、ワインのほうがよかったかも
さらに小屋の夕食のカレーを食べたら、さすがにおなかいっぱい。谷底から見上げる空には星が輝いて明日もどうやら晴れてくれそうです。帰りのアルペンルートの時間もあるので、翌朝は5時に出発予定。早々に布団に入りました。
【Day2】
団体さんが4時に出発とのことで3時過ぎからざわつき始め、結局3時半には完全に目が覚めてしまいました。おかげでゆっくり用意しても十分間に合い、5時にはヘッデンつけて出発です。
仙人谷ダムでは高熱隧道の入り口を通過してダムの建物内に入ります。ここは今も熱気がムンムンする高熱区間。カメラのレンズも曇ってしまうほど。多数の犠牲者の上に完成した工事だそうですが、それを考えると感慨深いものがあります。
この高熱隧道は今年の夏に関西電力さん主催の見学会に参加しました。その時のレコも参考までにどうぞ
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-221742.html
ダムからは飛竜峡と対岸の雲切の滝が望見できて見事。いよいよここからが下の廊下の始まり。東谷の吊橋を渡るともうワクワクドキドキ。
ガイドブック通りの景色なのは当たり前なんですが、そんなことにも感動することしきり。黒四発電所の送電線出口とか作朗谷の関西電力宿舎とかマニアックな建造物にも一々感動。よくこんなところに道を作り工事資材を上げ、人工建造物を作ったものです。
十字峡は下の廊下のハイライトポイントですが、全体を眺めるには広場横の赤テープの入り口からちょっと降って大岩の上にでます。ここから見る十字峡は格別。剣沢の落ち口のエメラルドグリーンの滝つぼは必見です。
次なるポイントは白竜峡ですが、その前に昨年の地震で崩壊した落石現場を通ります。上を見上げると落ちきっていない岩がオーバーハング上にかぶさっていて危ない印象を受けますが、現在は不安定だった岩が剥落し、安定した岩盤がでているため、安全とのこと。ここでは落石事故で女性の登山者が1名亡くなっており、手を合わせて通過しました。本当にお気の毒なことです。
白竜峡は十字峡にも勝る絶景。両岸の距離は30mあるかないか、白い花崗岩が流水で磨かれてツルツルでここだけが異次元の世界。登山道は岩盤を穿ってつけられていて、こんなところに足を踏み入れているのが不思議な気分になります。よくこれだけの自然の造形物ができたもんです。
別山谷出合までは岩を穿ってつけられた道を通りますが、別山谷から大へつりを過ぎれば河床との高低差が次第になくなり、緊張感を強いられた登山道も少し楽になってきます。
新越の滝を過ぎて、内蔵助谷が近づくにつれ見えてきたのが黒部丸山の山肌の燃えるような紅葉。いやー、これはしびれました。色彩感覚おかしくなってしまいます。涸沢の紅葉も絶景ですが、ここ黒部も甲乙つけがたい素晴らしさ。
青空にダケカンバの黄色が映え、見上げればそのダケカンバの葉っぱがひらひらと空中を舞い、まるで雪が降っているよう。沢山写真を撮りましたがどれも本当の色を出し切れていません。やはりこればっかりは生で見ないと伝わらないですね。
素晴らしい日本の紅葉、素晴らしい黒部、ずっと歩いていたいほどの絶景ですが、残念なことに黒部ダムでフィナーレ。観光放水も終わって水は澄み切っており、所々に点在するプールにはイワナの魚影が見えます。
昔はそのイワナを求めて入渓する職漁師や獣を獲る猟師たちだけの世界だった黒部もダム建設以降、こうして私のような素人登山者でも歩けるようになって俗化されてしまったのでしょうね。
開発される前の自然のままの黒部を見てみたいような、でもまたこうして歩きやすくなったからこそ歩ける黒部の方がいいような複雑な感じです。ただ言えるのはだれでも来易くなったからこそ自然を大事にしなければいけない。休憩場所にはタバコの吸殻やアメの包み紙が必ずと言っていいほど落ちてますし、闇テンしてイワナをごっそり釣って帰る不届き者もいるらしいです。皆で気をつけていくしかないですね。
黒部ダムを見上げて徒渉点を渉ると、後はトロリーバス乗り場までの急坂を登るだけ。最後のひと踏ん張りを登りきってダム内の駅に入ってみれば、あふれんばかりの観光客。平日ですがさすが紅葉シーズンかなり混みあってます。
急に現実に引き戻されたというか、ヘルメット被った私の方が違和感あったかもしれません。ここからは乗り物で帰るだけです。ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバス、バス、またまたケーブルカーと乗り継いで、最後の最後にまた電車に乗って宇奈月駅には18時過ぎに到着。
いやー楽しかった。1年のうちで数日しかないであろうベストのタイミングで、しかも最高の天気。今度行っても同じ経験は二度と出来ないかもしれません、でもまた来年も行きたいですね。行っちゃうんだろうなー(笑
書きたいことはほとんどSakuraさんが書いてくれたので、簡単に。(笑)
下ノ廊下、ずっと憧れていたのだが、なかなかチャンスに恵まれず。
水平歩道は一昨年、昨年と通ってはいるのだが。
実は昨年も、Sakuraさんと下ノ廊下に行く予定を立てていたのだが、
直前になってあの地震による崩落。
あの時は、はたして来年以降通れるようになるんだろうか?と心配してましたが、
チーム阿曽原の偉大なる力により、登山道復活。
チーム阿曽原含め、登山道修復に関与された皆様、本当にありがとうございます。
道中の詳細はSakuraさんの文を読んでいただくとしましょう。
Sakuraさんとは感動するポイントがほぼ同じですから。(笑)
個人的な感想を言うと、いやはや、下ノ廊下、険しいですな。
水平歩道とはまたレベルが違う。
高さは水平歩道より低いんですが。
川床が近い分、流れる水の迫力がハンパじゃない。
あと、道もより険しく。
ついでに、なんと頭を岩に打った回数が多い事か。。
十字狭は子供の頃、NHKで見たその景色にずっと憧れていた場所。
やっとその場に立つ事が出来て、感慨深いものがあった。
白竜狭はまさに神秘的!
こんな場所に人間が立ち入ることが出来ていることが不思議なくらい。
そして紅葉はもはや錦繍の状態。
今年は紅葉の当たり年と言われますが、そんなタイミングで、この天気で来れてよかった。
今年はどこに行っても素晴らしい紅葉に巡り会えました。
そういえば、白竜峡を過ぎた辺りから手持ちの水も少なくなり、体力もかなりバテバテ。
食料を取りたかったが、食べると水が欲しくなり、後半ヤバイことになりそうな状態。
そんな中、内蔵助沢出会いに到着。
沢水をガブガブいただく。
これがまた冷たくて美味いのなんの!
やっと食料にありつき、元気も取り戻せた。
ここがなかったら、かなりヤバかったかも。
てことで、阿曽原からダムを目指すルートの場合は、一応水はそれなりに持って行った方がいいですね。
二日間、最高の天気と紅葉に恵まれた山行でした。
sakura0725さんcoral_reefさん、こんにちは。。。
行きたい行きたいと思っても、機会を逃しなかなか行けない下ノ廊下、記録
秋空の快晴のもと山並み渓谷美を堪能し、紅葉の一番いい時期にここを歩く
最高のシチュエーションですね〜!
去年の地震の影響が危惧されていましたが、立派に復旧されて関係者のご尽力に感謝感謝ですね
阿曽原の秘湯の温泉
白竜峡や十字峡、この目で見てみたい見所ばかり
来年の紅葉の時期には何としても訪れたいと思っています
簡単チーズフォンデュ
おはようございます
予定通り行ってまいりました
峡谷の自然美は言うに及ばずですが、よくこんな場所に人間が道をつけてダムを作ったもんだと感心させられます
来年はぜひご一緒させてください
この日を最後に北アルプスは冬モードに入りましたね、本格的な積雪になったようです。標高の高い山は私では無理ですが、低山でもう少し楽しみたいと思います
Sanpo69さん、こんにちは!
これぞまさしく秘境!
魅力たっぷりの山行(ハイキング?)でした。
人間がこの場所に入れるのが不思議になるくらいです。
機会があれば、ぜひ訪れてみて下さい!
写真ではとてもじゃないがスケール感を表現出来ません!
こんにちはsakura0725さん、はじめましてcoral reefさん
「下の廊下」名前は知っていましたが、玄人のための場所っぽいため
リストには入っていませんでした。
こういう場所って二通りのスタンスがあり得ると思っています。
一つは単なる自然破壊=人間の傲慢さの象徴と捉える考え方。
もう一つは圧倒的な自然の力を生活に活かそうということで
非力ながらもその力を束ね、叡智の限りを尽くして
困難に立ち向かう人間の営みに感動する考え方。
私は後者の立場を採ります。
と、大げさなことを書きましたが要するに
「すっげーな〜、よくまあこんなところにこんなものを
と言う立場なんですが…
当分の間は無理ですがいつか行ってみたいと思います
>「すっげーな〜、よくまあこんなところにこんなものを 」
これ、激しく同意でございます。coral_reefさんとも歩きながら話してたんですが、「よくまぁこんなとこに....」っていう感動が随所にありました
阿曽原温泉小屋のご主人である佐々木さんも、先日のTV番組の中でそのようなことをおっしゃってました。
「危ないとこだけど、よくこんなとこに道つけたなって観点で歩いてみてください」って
山登りほどアップダウンきつくないですから、muscatさんなら楽勝ですよ。お勧めです
muscatさん、初めまして。
自然破壊を言ってしまうと、そもそも登山自体も否定しちゃいそうですね。
いろんな考え方、価値観があるとは思いますが。
渓谷美にしろ、ここに作られた道にしろ、とにかく
「すげぇなぁ!」の一言に尽きました。
自然に対する畏敬の念と、ここを切り開いた人間の可能性に対しての敬意を感じるしかありません。
sakuraさん 毎度です! coral_reefさん はじめまして!
2週間違いで下の廊下を歩いたんですが、場所の名前や岩の名前が記されていて、すごく参考になりました
しかしこのルートは皆に行ってもらいたいですよね?
昭和史をなぞって歩ける素晴らしいルートだと思います
BMさん 毎度です
地元で近いせいもあるのかもしれませんが、昔から黒部が好きで、今にして思えば小学1年生の時に初めて黒部峡谷鉄道に乗った記憶が今も鮮明に残ってるんです。
それからもう黒部マニア(笑
色んな文献とか昔の山行記録とか読みあさりました。実際に下の廊下を歩いたのは2年前が初めてなんですが、もう感激の連続でしたわ
息子さん連れてくの大賛成です、きっと深く印象に残ると思います
こんばんは。
いいタイミングで行きましたね。
お天気もよくて最高じゃないですか。
本当なら私も同じ景色を楽しんでいたのに。
財布さえ落とさなければ・・・。
あ〜悔しい〜。
阿曽原の小屋の営業は今月いっぱいなんですか?
実は11月7日〜8日と連休でして。
まだどこへ行くか決めてなくて・・・。
おふたりのレコを見たら行きたくなってしまいましたよ。
ButaModernさん、こんにちは。
このルートを通る時は、歴史をある程度知ってからがいいかもですね。
それにしても、関西電力は偉大だ!と感じるルートです。
Siriusさん、こんにちは。
天気も紅葉も、もう二度とないんじゃないかと思うくらいのタイミングでした。
阿曽原温泉、残念ながら11/5,6で小屋締めだそうですよ。
siriusさん コメありがとうございます
小屋はどうやら11/6で終わりのようですが、解体作業とかもあって、温泉と水場はすぐには終わらないのではと思います。
なのでテント泊なら行けるかもしれません
一度、小屋に聞いてみてはいかがでしょうか
sakura0725さん、こんにちは。
タイトルの一言に尽きます!
以上(笑)
shirayamaさん こんにちは
船窪小屋とセットでどうですか?
約一週間前に逆コース歩きました。
気になっていた紅葉の様子を見せていただき嬉しかったです。
それ以上に嬉しかったのが、志合谷宿舎の写真や、トンネルの写真です。
行った後に「高熱隧道」を読み、「黒部の太陽」を見て本当に凄い場所を体験してきたんだなあと思うと同時に見逃してきたものを残念に思っていたのです。
「関西電力見学会」のレコも興味深いものでした。
ありがとうございました。
mattyanさん コメありがとうございます
志合谷宿舎の写真に共感していただけるなんてうれしいです。アップした甲斐がありました
ところで、三毛別羆事件のこと...
事件のことはなにかで聞いて記憶にはかすかに残ってたんです。
で、いま一度wikiで調べてみたんですが...もうだめ、かわいそう過ぎて
熊嵐読んだことないのですが、とても事件の全容を知った後では最後まで読みとおす自信がありませーん
コメントどうもです。
記録拝見しましたが、一週間でずいぶんと紅葉が進むのですね。
我々は本当にラッキーな時に行けたと思います。
吉村昭氏の小説は高熱隧道しか読んだことないですが、
これも十分暗いというかなんというか。。。
最後まで重くなる話ですが。
でも、読んでから行ったおかげで、色々と感じること出来ました。
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