初冠雪の北八ヶ岳・天狗岳縦走。ガチガチ雪で滑りまくりの巻[坪庭-縞枯山-茶臼山-麦草峠-中山-東天狗岳-西天狗岳-唐沢鉱泉-渋の湯]
- GPS
- 25:40
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,089m
- 下り
- 1,486m
コースタイム
07:30 新宿駅
⇓ [あずさ3号 \3800-(えきねっと割引)]
09:51 茅野駅
10:25
⇓ [アルピコ交通 北八ヶ岳ロープウェイ線 \1200-]
11:17 北八ヶ岳ロープウェイBS
11:40 山麓駅
⇓ [北八ヶ岳ロープウェイ \1000-]
11:47 山頂駅
11:50 山頂駅
↓ 0h45
12:35 縞枯山 ▲
12:40
↓ 0h40
13:20 茶臼山 ▲
13:25
↓ 0h50
14:15 麦草峠
14:20
↓ 1h10
15:30 高見石小屋
*テン泊
-10/26(Fri) day2-----------------------------------------------------------
06:10 高見石小屋
↓ 1h00
07:10 中山(展望台) ▲
07:20
↓ 0h30
07:50 中山峠
↓ 1h00
08:50 東天狗岳 ▲
08:55
↓ 0h15
09:10 西天狗岳 ▲
09:35
↓ 0h35
10:10 第二展望台
10:10
↓ 0h20
10:30 第一展望台
10:35
↓ 0h30
11:05 分岐
11:10
↓ 0h50
12:00 唐沢鉱泉
*昼休憩
12:40
↓ 0h50
13:30 渋の湯
*入浴
14:50 渋の湯BS
⇓ [アルピコ交通 渋の湯線 \1100-]
15:41 茅野駅
16:20
⇓ [あずさ26号 \3800-(えきねっと割引)]
18:34 新宿駅
天候 | 25日;曇り→晴れ 26日;快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●高見石小屋のテン場の状況 ・キチンと整地された箇所は4〜5張り程度という感じでした。 ・柔らかい土の地面の為、ペグは打つ意味はないです。林の中のテン場なので、風の心配はいらなそうでした。 ・トイレ: 外トイレ。洋式便座。ペーパーなし。 ・水: 小屋で分けてもらえますが、雨水を貯めたものなのか茶色く濁っており、茶色い藻が混じってる状態でした。たまたま今回だけだと思いますが、気になる方は自分で担ぎ上げた方がいいかもしれせん。 僕は煮沸してキッチンペーパーで濾して飲みました。腹下しはなし!(笑) ●登山道の状況 通常の無雪期であれば全く危険箇所はありません。ただ今回は前々日に降雪があった為、北斜面に残雪が残っている状況でした。 特に残雪が多かったのは、中山の北斜面、東天狗の北斜面、西天狗の西斜面で、特に西天狗の西斜面は溶けた雪が凍りガチガチの状態でした。 ただ岩がかなり出ているのでアイゼンは使えず、かといって登山靴のみだとかなり滑るという厄介な状況でした。 ●下山後の温泉・飲食情報 ルート上の唐沢鉱泉で食事、入浴可です。 また登山口の渋御殿湯では15時まで日帰り入浴可です。料金は\800-です。ただし浴場にボディーソープはありますが、なぜかシャンプーはありませんでした。 |
写真
感想
=初冠雪の北八ヶ岳へ=
今シーズンのちょびガッツリ系テン泊山行の〆で1泊2日で北八ヶ岳に行ってきました。
「雪が降る前に登っとこー」という事で計画し、週間天気予報では両日とも晴れ。「これは晴れ男キャンペーン(by muscatさん命名)継続か?シメシメ…」と思っていたのですが前々日に降雪し、オイオイまじですかという状態に。
とりあえず北八ヶ岳の各山小屋のHPをチェックしたところ、数センチ程度の積雪ですぐに溶けそうとの事で、「ダメだったら引き返せばいいや」という気分で予定通り出発することに。そんな初冠雪山行はいかに?
=おぉー雪だ=
茅野駅からバスに乗り北八ヶ岳ロープウェイへ。ロープウェイを降り縞枯山荘に向かうと、木道には雪がかぶってる状態でツルツル滑る滑る。「ここでこれだけ残ってるという事は上は大丈夫か?」とも思いましたが、テント背負って坪庭散策〜(笑)で帰れる訳もなく、いざ!縞枯山へ!!
=晴れてるのに土砂降り=
そんな感じで始まった縞枯山。心配された雪は北斜面はかなり残っていましたが、気温が高くかなり溶けかかっており全く問題ありませんでした。しかしそれよりも大変だったのは足元ではなく頭上。木に降り積もった雪が溶けて落ち、もはや本降りの雨状態。「せっかく晴れたのに意味ね〜」という感じでした。
そんな擬似雨地獄を抜けてたどり着いた縞枯山の山頂。展望はないものの、天を突くように立つ縞枯れの白い幹が印象的な山頂です。山頂からはしばし縞枯れの稜線を歩き、その後は再び苔の森へ。南斜面のため雪は完全に溶けていました。そして茶臼山の北斜面ではまた雨地獄。そして南斜面の苔の森歩きと繰り返し中小場へ。
中小場からは、明日行く天狗岳、振り返れば縞枯山と茶臼山の緑濃いシラビソの山の絶景が。北八ヶ岳は深い森歩きが主ですが、それゆえ深い森を抜けた時に現れた絶景は心に残ります。
そんな絶景の後は再び苔の森へ。傾き始めた秋の日射しが森深くまで入り込み、苔が輝く様はハッとさせられる光景でした。
=八ヶ岳の魅力とは?=
苔むした森を過ぎると麦草峠に到着です。国道299号線を越え麦草ヒュッテへ。車道を越えるということは当然ここまで車でこれる訳で、なんだか複雑な気分に。
「ここまで歩いてきましたよー」とプラカードを掲げたい気分になります。(人としての器ちっさ〜)
八ヶ岳は人里が近く、狭い範囲に山小屋が点在し便利なのが魅力。しかしそのぶん下界との隔絶感が希薄な感じも否めないのですが、苔むした森は他の山域にはない独特の奥深さを感じるのも事実。人の気配と深い森が入り組んで存在している不思議な山域だなぁなんて思います。
=静かな森のテン場に一人=
そんな事を考えつつ麦草峠を越え丸山へ。丸山を越えれば今日のキャンプ地の高見石小屋です。シラビソの森から顔を出す高見石のすぐ脇にある高見石小屋。デッキテラスのあるこじんまりとした小屋です。
テン場のスペースは4〜5張りといったところですが先客なし。まあこんな季節外れの平日なんで予想はしていたのですが、久々の一人きりのテン場となりました。
今まで燕岳、小梨平、神津島とテン場に一人きりというのは何回かありましたが、ものすごく恐怖を感じる時と逆に心地よさを感じる時があるのですが、今回はとても心地いい一人テン場でした。
北八ヶ岳の森はなんというか空気が軽やかというか、森の暗さが怖くないというか、気分の持ちようだとは思いますがそんな気がします。(ちなみに怖かったキャンプ地は小梨平と神津島です)
=お気に入りのラジオプログラム=
そんな誰に気兼ねする必要のない森の中の一人テン泊。そんな時に活躍するのはやはりラジオ。山に行った時にしか聞けないお気に入りの番組があるのです。平日の19時からやっているA.O.Rという番組で、パーソナリティのユキ・ラインハートさんの落ち着いた語り口調が静かな山のテン場にはピッタリ。
全国の多くのFM局で聴けるのですが、なぜか東京では聴けないプログラム。なので北アルプスなどに行った時はFM長野やFM富山にchをあわせて聴くのが楽しみで、僕にとってはいわば山のスペシャルプログラム。これを聴くと「山にいるんだなぁ」という気分になるのです。
いつもはイヤホンで聴くのですが、今日は他に誰もいないっ!ラジオのスピーカーから流れるプログラムを聴きながらパスタとビール。北八ツの静かな夜は穏やかに過ぎていきました。
=2日目、雪の森へ=
朝4時。テントの中の温度は0度。マイナスを覚悟していたので思ったよりも暖かくすごせました。テントから顔を出すと満天の星空。目を覚まして「外はどんなかなぁ」とテントから顔を出す瞬間はなんだかとてもいいですよね。布地1枚で外と隔たっていると同時に、つながっている気がします。
そんな気持ちのいい朝の空気の中、テントを撤収し雪の森へ出発です。
高見石小屋から中山を目指し歩き出すと、昨日溶けた雪がそこかしこで凍り、地面はガチガチの氷状態。縞枯山も中山もさほど標高は違わないのですが、雪の量が昨日よりもかなり多い状態に、「天狗岳は大丈夫かぁ?」と一抹の不安にかられるも、雪の森の美しさにノックアウト。一歩一歩足元を確かめながら登ります。
=中山からの絶景。そして天狗岳へ=
そんな雪の森を登り、広い台状の中山の山頂部に到着。大きなゴロ石を渡り、展望台の端のケルンまで行くと、双耳峰の天狗岳はもちろん、北アルプスや中央アルプスも一望できました。
そんな中山の展望台を後にし中山の山頂へ。山頂には黒百合平から上がってきたシニアのグループの方が。今日初めてすれ違った人です。そういや昨日も誰かとすれ違った事あったっけ?そのくらい人がいない静かな平日の森。その方たちは白駒池からニュウに向かうとの事でしたので、登山道の状況をお互い報告しつつエール、中山峠に向かいます。
中山峠からはいよいよ天狗岳へと取り付きます。黒百合ヒュッテ〜天狗の奥庭経由のルートもありますが今回は稜線ルートを行きます。その天狗岳。さすがに北八ヶ岳最高峰だけあって雪の量も多い。しかし標高が高い北斜面のせいか雪はまだ溶けておらず氷になっていなかったので比較的楽に登れました。とはいえ足元はやはり不安定。一歩一歩確実に足を進め登ると、、、
=絶景の天狗岳に到着=
やっとたどり着いた東天狗岳の山頂からは、これまたやっと拝めた雪化粧した南八ヶ岳が。というのも今までは南八ヶ岳は天狗岳に隠れていて見えなかったのでした。烏帽子のように天を突く赤岳と阿弥陀岳。雪化粧した姿はより険しく美しく見えます。
南八ヶ岳はまだ一度も踏み入った事がない山域。今年中に登っちゃうはずだったんですが、北アルプスLOVEなものでどうしても後回しに。よしっ、来年は一気にまとめて全山縦走しちゃうぞ!って大丈夫かぁ?
東天狗岳で南八ヶ岳と対面した後は西天狗岳へと向かいます。ゴツゴツとした岩山の東天狗とは対照的にたおやかな山容の西天狗。西天狗の東斜面には雪もなく、東天狗から15分ほどで到着です。広い山頂からは360度の大絶景。北アルプスに中央アルプス、そして南アルプスも。南八ヶ岳も東天狗から見るよりもキレイに見えました。
快晴無風の山頂で絶景を見ながらしばし休憩。この後訪れる地獄も知らずに、呑気に「ほげ〜」と過ごしたのでした。
=地獄の西尾根=
西天狗で絶景を堪能し小休憩した後は、西尾根を唐沢鉱泉へと下ります。
西斜面なので雪は溶けてると思ったのですが、うんな事はない、ガチガチに凍った雪だらけ。角のとれた丸い岩に硬く凍った雪が乗っている状態で、どこに足を置いても滑る状況。かといって岩がかなり出てるのでアイゼンは使えず、ノーマルの靴で凍った急斜面を下らなければならないという最悪の状態でした。ズルっと滑り弁慶の泣き所を岩に強打したり、散々な西尾根でした。
西天狗の急斜面が終わり樹林帯に入ってもしばらくその状態は続き、思いのほか時間がかかってしまいましたが、天狗岳まで予定よりも早く着いていたので、焦らずゆっくりと下山しました。
=苔の森を通り唐沢鉱泉へ=
標高2300mあたりからやっと雪もなくなり苔の森歩きに。どこを見ても苔、そしてまた苔。斜面一面が苔の絨毯だったり、黄金色に模様替えした苔があったりと見飽きません。
北八ヶ岳の森は足早に通り過ぎるのではなく、時間を気にせずゆっくりと歩くのがいいのかもしれません。昨日、高見石の上で出会ったソロの女性は3泊4日かけて北八ヶ岳の小屋を泊まり歩くと言ってました。登山の素晴らしいところはいろんなスタイルの山歩きを受け入れる懐の深さがあるところですね。
西尾根をトラバースする形で苔の森を下ると沢の音が聞こえだし、視界が開けると唐沢鉱泉に到着です。唐沢鉱泉は山小屋というよりは旅館の佇まい。ゴールは渋の湯なのでまだまだ先ですが、時間が余っていたので唐沢鉱泉で山菜蕎麦を頂く事にしました。山菜にキノコ、野菜のかき揚げにトロロ。蕎麦は太めの手打ちでコシがあり「うま〜!」でした。
=これぞまさに苔の散歩道=
唐沢鉱泉で一息いれた後、中山から延びる尾根を登り返し渋の湯へと向かいます。緩やかな歩きやすい斜面をトラバースしながら尾根上まで登り、十字分岐を過ぎると下りに。ここから渋の湯までの道は素晴らしかったです。
葉を落とした明るいカラマツ林の中の苔の絨毯に、人ひとりが通れる程の幅の道が通る様子は、さながら苔の散歩道。カラマツの落ち葉が敷きつめられた道は疲れた膝にも優しく快適そのもの。秋の柔らかい日差しの中、そんなフカフカの道を歩き渋の湯の登山口へ。車道と合流し200mほど登ると渋の湯に到着。初冬の北八ヶ岳縦走は無事終了となりました。
=まとめ=
昨年の秋と今年の冬に続き3度めの北八ヶ岳。晩秋の山歩きのはずが降雪によって初冬の山歩きになってしまいましたが、雪を抱いた八ヶ岳の山々を体験できてとても良かったです。
苔むしたほの暗いシラビソの森、ゴツゴツとした岩山、明るいカラマツ林の苔の散歩道などなど、北八ヶ岳の色んな表情が見れ、今シーズンのいい〆山行となりました。
次はこの時期恒例の?島旅トレッキングシリーズ。冬の森から一気に晩夏の南の島に飛ぶ予定です。さてはてどうなることやら。台風はもうこないよね?
こんにちは、zawadaさん
多少の難はあったようですが全般的には晴れと言ってよさそう
もはや単なるキャンペーンではなく、実力のある晴れ男かも
中途半端な積雪でアイゼンが使えない下りは怖いですよね。
まずは無事の下山何よりです(弁慶の泣き所は気の毒でしたが)。
>「ここまで歩いてきましたよー」とプラカードを掲げたい気分になります。
これはよくわかります。せっかく自分の脚で登ってきた先に車道って…
今秋も島旅シリーズがあるんですね。今回はt2さん、k4さんもご一緒ですか?
それならザッパーンなテン場で怖い思いをしないで済みそうですね
また楽しいレコ楽しみにしています
こんばんは、muscatさん。
実力なんて言われちゃうと、なんだか雨降るような気がしてきました
アイゼンを使い慣れてる方だったらああいった状況でも大丈夫なんでしょうが、いかんせん慣れていないのでかえって危ないかなとそのまま突破しました。
神津島から1年、島旅シリーズ再びです。今回はt2とk4は東京に置き去りして一人で行ってきます〜
海辺の白い砂浜のキャンプ場にテント張って、島中を歩いてこうようと思ってますが、そんなところでザッパーンになったら泣けてきます
なんとしても晴れてくれーーー という気分です。
気の持ちようで、楽しめるかそうでないか決まりそうですね。
私は怖いかも…笑
島旅シリーズ、いいですね〜!
神津島もよさそうだったし(でもキャンプ場が怖かったってのは気になる…)
レコも楽しみにしてます
返信遅くなりましてすいません。
ただいま、南の島の島旅から戻ってきました。
一人のテン場は気の持ちようも大いにあると思います。
あと案外、人里近くのキャンプ場とかの方が怖いかもです。北アルプスのテン場に一人きりでも全然怖いくないどころか気持ちいいですけど、奥多摩に一人で張れと言われたらちょっと厳しいかもですね。
なんだかんだ言って一番怖いのは人と、かつて人だった人達がさまよっていそうな感じになる所かなぁなんて。
神津島はですね、海が結構荒れててザッパ〜ンとなっていたのと、張ったキャンプ場の裏手が廃墟のホテルだったんです
でも神津島には3か所キャンプ場があって、管理人のいるキャンプ場もあるので、そちらだったら大丈夫ですよ。
島の人はほんと温かいので、ホッとする旅ができますよ
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