北岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 31.6km
- 登り
- 3,052m
- 下り
- 3,692m
コースタイム
広河原7:25〜大樺沢二俣〜八本歯のコル12:10〜北岳山頂13:50〜肩ノ小屋14:30〜小太郎分岐15:05〜大樺沢二俣〜白根御池小屋16:40(冬期小屋泊)
●11月10日(土)
白根御池小屋11:50〜広河原13:30/13:45〜(アルプス林道)〜夜叉神の森16:45/17:05〜夜叉神峠17:55(テン泊)
●11月11日(日)
夜叉神峠5:30〜高谷山5:50/〜山の神5:55〜山の神7:45〜芦安駐車場7:55
※ 南アルプス林道、広河原〜夜叉神の森のコースタイム(徒歩)は約3時間でした。
天候 | 11月9日(金)晴れ 11月10日(土)晴れ 11月11日(日)曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
芦安駐車場6:30〜広河原7:25 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●どのコースも、アイゼンがあった方が良いです。 ●大樺沢コースは何度か沢を渡ることになります。濡れた苔石は凄く滑ります。要注意。 (シーズン中は仮設の橋が掛かっているようです) ●時間に余裕があるなら御池小屋方面の方が安心安全です。急登ですが(ーー;) |
写真
感想
(敬語省略します)
11月9日と言えば、南アルプス林道のバス乗り入れ最終日。
その11月9日(金)が、代休になっている。
これも何かの運命かも知れない。
北岳に行こう。
帰りのバスはない。
計画は、こうだ。
9日(金)バスで広河原へ。北岳に登る。広河原山荘まで戻り冬期小屋に泊まる。
10日(土)白鳳峠登山口から白鳳峠へ。鳳凰三山を経て南御室小屋にテン泊。
11日(日)夜叉神峠、高谷山を経て芦安駐車場に戻る。
しかし南アルプスは、私が考えるほど甘くはなかった。
北岳は、いつも私に試練を与える。
●1日目【挫折】11月9日(金)
0時15分、談合坂SAに到着。
用事を済ませていたら、こんな時間になってしまった。
最近、職場では咳風邪が流行りだし、私も2、3日喉が痛かったのだが、ついに咳が出だした。
眠気は寝不足のせいか体調不良のせいか……
芦安駐車場に着いたのは、1時45分。
バスの出発時間まで仮眠を取る。
6時半、バス停に行くと運転手に驚かれた。
「どこに行くの?」
「広河原まで」明らかな宿泊装備に疑問を持ったのだろう。
「今日でバス終わりなんですよね。帰りは歩くので大丈夫です。」
「本当に大丈夫かい……」大丈夫ではなかった。
7時半、バスの中でも寝てしまい、気が付いたら広河原に着いていた。
予想に反して広河原インフォメーションセンターが開いている。1階には人の気配がない。
トイレを済ませて、さっさと出発する。
今日、宿泊する予定の広河原山荘の冬期小屋も確認。
ここから先は、登山道だ。
去年の台風12号の影響で、通行止めになっていた大樺沢コースが復旧しているので、こちらを選択。
多少、時間を稼げるはずだ。
ところがこのコース、何度か沢を渡らなければならない。
復旧したはずではなかったのか?それともこれ位の沢は、渡って当然という事か?
生命に危険はないものの落ちて靴を濡らすようなことがあれば、山行を中止せざるを得ないであろう。
細心の注意をして渡る。
見覚えのある大樺沢二俣を通り過ぎ、今度は左俣コースを行く。
この辺りから体調が悪化してきた。身体が熱っぽく、足が思うように進まない。荷物が重い。
稜線に出るまでは雪道となり、アイゼンを持たない私にはさらに悪条件となった。
しかし、不思議と登頂を諦めようとは思わなかった。
これが正しい判断だったかは分からない。
山では勇気ある撤退も必要だ。進むだけが正解ではない。
ようやく山頂に着いたのは、14時。
日のある時間に下山するのが厳しくなってきた。
-6℃の寒さもあり、景色を堪能する間もなく、さっさと下山する。
とりあえず計画通り肩の小屋方面へ。
こちらのコースにも雪が残っている。雪道は下山時の方が危険だ。
アイゼンを持っていない事を後悔する。まさかこの時期にこんなに積もっているとは……
雪は北岳、間ノ岳、農鳥岳の稜線に降ったらしい。白根三山だけが白い。
大樺沢二俣に戻った時には16時になってしまった。日没が近い。
大樺沢コースを行けば下山まで後2時間。
白根御池小屋方面へ行けば、30分で御池小屋に着く。
体調はすこぶる悪い。咳がひどく、登りは一歩進むだけでも息が上がってしまうような状態だ。
こんな状態で夜道を下山するのは正直しんどい……。
御池小屋方面へ行くしかない。
去年に続いて、今年も御池小屋に足止めされる事になるとは……。
とにかく冬期小屋に入り、簡単な食事を済ませて薬を飲む。
明日の予定には、比較的余裕がある。4時に出発すれば、巻き返す事が出来るだろう。
明日4時に体調が回復すれば、計画を続行しよう。
回復しないようなら、何とか北岳から脱出するしかない。
●2日目【脱出】11月10日(土)
4時。起き上がるのも辛い。
計画の続行(鳳凰三山)は諦めよう。もう少し寝て体調回復を待つ。
やっと起き上がれたのは12時近く。
まずは広河原に下山する。もちろん広河原からのバスはない。
南アルプス林道を歩いて帰るのが最短ルートだ。
夜叉神の森まで行って、そこで一泊しよう。
南アルプス林道を歩くこと3時間。
丁度、日暮れギリギリに夜叉神の森に到着。ここには人の気配がある。
一安心だが、テントを張れるような場所はない。
ここから芦安までは10km。2時間ほどで駐車場に着けるだろう。
しかし夜叉神峠までは1時間だ。いつだか夜叉神峠での日の出を逃したのを思い出す。
夜叉神峠はテント指定地でもあるので堂々とテントを張れる。
「よし、夜叉神峠まで上がろう。」
日は暮れてしまうが18時までには到着出来るだろう。
山小屋で怒られるかも知れないが仕方があるまい。
夜叉神峠に着くと、テントが一張。
小屋に立ち寄り幕営代を払う。400円。
「今、上がって来たの?」怒られはしなかったが、飽きれられた。
万札しかない申し訳なさから飲み物を2本も買ってしまった。2本で500円。
トータル900円。これでも秩父の幕営代よりも安い。
真っ暗なので先にテントを張っていた方が、幕営地の範囲を教えてくれた。
なんでも夜空の写真を撮るために上がって来たんだとか。
確かに星がとてもキレイだ。
明日の日の出も期待ができる。
●3日目【帰宅】11月11日(日)
夜、あんなに綺麗な星空だったのに、雨が降った。
5時頃、外を見てみると曇っている。これでは日の出を楽しむのは無理だな。
諦めて高谷山・芦安方面に出発する。
今日はさっさと帰ろう。
山道を抜けて芦安駐車場に着いたのは8時。
白峰会館の日帰り湯は9時からだが、8時半までに何とかしてくれるとの事だったので、荷物を片付けながら待つ。
営業前の風呂を満喫して、今回の山行は終了だ。
再び訪れる事を誓って南アルプスを後にする。
コメント
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TELAさんの「北岳脱出」山行記録を拝読したとき…
むむ?あの時の方かな?
TELAさん凄いな〜
と思ってました。
もう少し、ゆっくりお話できたら良かったですね
また何処かで、お会いしましょう
やっぱり、あの時の方でしたか!!あの時、あのコースには我々2人しかいませんでしたもんね(笑)
むしろ私はNAGさんの速さに驚きましたよ。あの時間に降りてるなんて凄いです。
毎年、最終日に登っているんですか?
私もチャンスがあれば来年リベンジしようと思います。
その時に(^-^)/
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