命崖!青薙崩通過 山伏〜青笹山〜青薙山周回
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- GPS
- 23:46
- 距離
- 35.3km
- 登り
- 3,017m
- 下り
- 2,891m
コースタイム
- 山行
- 5:50
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 5:55
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 7:55
天候 | 8/8土〜8/10月 雲多めだが晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
山の日を含めた三連休だ。何としても山に行かねば…。
夏は北アルプス3,000m級の山だ。第一候補は鹿島槍、五竜の縦走だ。今まで2度歩き、いずれも雨今度こそ。と思ったが台風4号崩れの低気圧の影響で中日が危ない。では天気のいい南へと変更する。しかしコロナで入山できない所もあるとのこと。そう言えば静岡100山の未踏、井川青笹山縦走計画があったな。標高が低く暑そうだがやってみるか、と言うことで決定した。
なぜ計画しながら放っておいたか?
1、井川から山伏へのまともな登山道がない。
2、山伏から青笹山、更には小笹平までの笹と道の状態が分からない。
3、最難関の青薙崩が通れるか。
4、青薙山肩から無岳山、アマゴの里までのバリルートが不安。
などの問題があり、先延ばしになっていた。だから静岡100山も96座で1年近く停まっていたのだ。
青薙崩通過はいくつかのレコで研究したが、楽に通過したというものと超危険で数年で通行不能と言うものまであり、本当の所が分からなかった。行って自分の目で確かめるしかない。通行できなければ引き返して、青笹山からバリルートで東河内へ下ろう。そう決めたものの不安は拭い切れずいまいち乗り気がしない。
また井川からの登山路も小河内か井川大橋からか決めかね、結局現地に着いてから山地図の破線ルートにした。
1日目 井川大橋〜山伏小屋
まずは駐車地探しだ。井川大橋は車でも渡れるそうだが、とても怖くて渡れない。そこで袂の少し広い所に駐車した。吊橋は広くて揺れもなく安心だったが、車じゃ怖いな。空き家横に神社の入口を見つけ、ここからなら行けそうだと見当をつけて登って行った。5分位で地区の神社に到着したが、登り口が見つからない。普通神社の裏手から登れることが多いんだが…。仕方ないので強引に直登した。すぐに汗だくとなった。結局林道の井川峠まで道らしきものはなかった。
峠からは作業道を入った。しいたけ栽培地と茶畑があったが、いずれも耕作放棄だ。しいたけ跡地を登って植林地帯に入ると、明確な道が現れた。やったー!と気が楽になって歩いていると、右足脛辺りにチクッと痛みがあった。あれ〜?ひょっとしてとズボンの裾を捲って見るとヒルだ〜!しまった!全くの無警戒だった。急いで八つ裂きにし左足を点検したするとこちらにもヒルが…(T_T)。よく見ると靴にも。もう嫌だ。血止めのバンドエイドを張って出発。その後点検の度にヒルを見つけ、もうおちおち歩いてられない気分になった。出だしからこれかよと最低の気分だ。
道はあったりなかったりで、登りは問題ないが下りは難しいかも。1,350m辺りで巨木の森遊歩道に合流した。この歩道を辿ったら林道にある駐車場に出た。
その後は百畳峠駐車場までアスファルト道路を歩いた。数人の登山客とすれ違ったが山伏へ天泊装備で歩いているのはただ一人だ。小屋に泊るのは7年ぶりだ。ここは水場が近くていい。戸の立て付けが悪く開かなくなった。
2日目 山伏小屋〜山伏〜小河内山〜青笹山〜小笹平
大笹峠までは道あり。その後高くて膝までの笹。踏跡なのか獣道なのか分からない道を拾いながら歩く。山梨県側は崖になっており、基本は崖に沿って歩く。水無峠山、三ノ沢山は広く地形が複雑で迷った。
百畳峠駐車場からのピストン客に追い越された。まさかこんな所で人に会うとは思わなかった。この方とは青笹山手前で再びすれ違った。
日影沢崩からは青笹山、青薙山や大無間山等が望めた。本日一番の展望地であった。青笹山山頂は樹林帯の中で全く展望がない。三角点はあるが何の特徴もなく、静岡100山に選ばれてなかったら誰も来ないだろうと思った。一度来れば十分って感じ。
その後も同じような感じの道を歩きイタドリ山へ。これまた山頂標識があるだけで何の変哲もない山頂だ。下って小笹平に出ると展望が広がった。レコの写真でも見ていたが、実際笹原の広がり伸びやかさ輝きは表現できない。TS適地でないとのことであったが、その通りであった。TS地を探して歩き回ったが見つからず、尾根の樹林帯にテントを張った。本日の予定は10時間と見積もっていたが、1時間以上早い到着となった。きっと笹漕ぎがなかったからと思う。
水場は笹原の一番下だ。下り5分、登り10分ってとこだ。豊富な湧き水で2ℓが10秒くらいかな。
3日目 小笹平〜青薙崩〜青薙山〜無岳山〜あまごの里
前日と変わらない感じの道を1時間半くらい歩いて、青薙崩に到着した。最低鞍部を通過すると根っ子のハングがある。静岡県側は一面に崩れているが山梨県は緑がある。ちょっとスリルがあるが、手掛かりがしっかりしているので楽しくクリアできた。次はザレた岩場でここは左側から巻けば難なく通過できた。荒れたとこだからか、花が健気できれいに見えた。花を楽しめたのもここまで、以降全く余裕なし。
この感じならさほどの難関でもないかなと思ったのも束の間、超危険、最難関のガレが現れた。両側が切れ落ち、巻くこともできない。ここか!確かに怖い。こんな恐ろしい所は記憶にないな。ここを渡るのは命懸けだな。恐ろしいけどよく観察してみると距離2m位が特に危険。その後高さ5m位の小石混じりのもろい岩場登りだ。手掛かり足掛かり見当たらない。まずは一歩目、靴一足分のほぼ平らなステップがあった。よく見ると獣の足跡らしきものが見える。案外しっかりした足掛かりと思えた。しかし狭い!二歩目は?つま先上がりのガレに僅かに窪みがある。しかし3歩目以降は目では追えない。小石があって滑りそうだし、そもそも脆そうな岩場だ。左右にバランスを崩せば、一巻の終わり。何としても前に倒れて岩にしがみ付くしかないな。その後は芋虫のように這って登るか。天泊荷物が重いな。そんなことは言ってられない。
覚悟を決めて、左足で狭いステップにそっと乘った。パラパラと小石が崖下に吸い込まれていく。何とか乗れた。2歩目は窪みにと思うが、これで完全に安全地帯から離れることになる。さすがに躊躇する。でもこんな所で迷ってはいられない。なにせ股下は両側とも切れ落ちているんだから。右足を窪みに乗せると同時に両手をザレた岩場に着き四つん這い状態になる。3歩目は小石の乗る脆い岩場しかない。滑りそうな右足に体重をジュワっとかけて、スッテプの左足を引き上げる。3歩目は更に滑りそうである。緊張も頂点に達していただろう。4歩目のためにそ〜っと体重をかける。何とか滑らずに持ちこたえている。手で4歩目の小石を払う。右足を引き上げて4歩目。あと少しで草付に手が届きそうだ。焦るな!更にもう一歩、草付に手が届いた。しかし手掛かりはない。更にもう一歩笹か雑木かが掴めた。傾斜も緩くなってきた。しっかり手掛かりを掴んで四つん這いで進む。ようやく一番危険なガレを通過した。極度な緊張は緩むが数分は危険なガレが続く。草や木をしっかり掴んで確保しながら進む。尾根末端の笹原に入り一息つく。さらに進んで安全な場所でザックを下ろし休憩した。いや〜こんなに緊張したのはいつ以来か?
小休止して急登を笹を掴んで登る。振り返れば富士山がきれいだ。稜線に出ると看板が二枚あった。正に青笹通行不能だ。
青薙山は複雑で8年前同様に迷ってしまった。山頂には立派な山頂標識が立っていた。青薙の肩から無岳に向かうが、東に行くのを恐れて小尾根を歩いてしまった。途中で進路変更し、無岳の尾根に乗る。無岳の手前と頂上に崩れがあり、東の展望が得られた。2,050mの右折と2,030mの左折で迷いGPS に頼ってしまった。また1,500m地点でも行き過ぎ戻った。ここは急な下りで尾根もわかりにくく要注意地点だ。この尾根は下草もなく歩き易い。900m辺りから更に急坂となり、ルートミスかと思ってしまうほどだ。両側が川なので間違って降りてしまうと渡渉できず大変なことになる。ミスが許されない状況で超急坂、降りるのもためらわれる。ここは登りで使いたくないな。
川の音も大きくなりもう直ぐと分かる。しかし最後で尾根末端のトラバースに入る。本来は尾根に上がり林道に降りるのだが、そのままトラバースしてしまい、最後は10m位の崖を下ることになってしまった。数mの滑落もありながら無事道に降りることができた。予想より2時間近くのCTオーバーだ。急坂の下りに手間取ったからだ。県道にデポしたチャリで40分かかって車に戻り、2泊3日の縦走がようやく無事終わった。
※感想
青薙崩は通行不能!最近のレコで馬乗りになって渡ったとあるが、これはまともには渡れないと言っていると思う。つまり同意見で通行不能と言うことだ。とても残念だ。たった2mで縦走ができないなんて。もし行かれるなら2人で確保しながら渡るしかないと思う。安易に渡れましたと自慢できません。なにせ二度と渡りたくないと思っているのだから。このレコを参考により良い判断をして頂きたいと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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小河内山ー青笹山間で2度お会いしましたね!
まさか翌日青薙山まで行かれるとは思いませんでした
青薙崩れは崩落が相当進んでいると聞いていたので山伏に戻ると思っていました。ロングコースの周回お疲れ様でした。
*今回以外でもどこかでお会いした事あるような気がしています
山伏〜青薙山間の赤線が途切れていたので、何とか繋ぎたいと思っての山行でした。ですからピストンの考えはありませんでした。青薙崩れは是非通過したいと思っていました。でも自分の実力で通過できるかは自信がありませんでした。
レコは投稿者の経験や実力などが分からず、その感想は十分注意しなければいけないと感じました。つまり自分の物差しで考えてみる必要を感じました。
今でも思うことは、怖かった。
※深南には年数回入っています。静岡百山は生木割、びく石、日本平が残っています。山梨百や甲斐百も挑戦中なので見かけたら声をかけて下さい。m(__)m
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