剱岳別山尾根(チンネ行けず・・・)
- GPS
- 14:28
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 1,737m
- 下り
- 1,745m
コースタイム
- 山行
- 3:25
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 3:27
- 山行
- 7:52
- 休憩
- 2:10
- 合計
- 10:02
天候 | 8/9ガス、8/10ガス→晴、8/11ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
長次郎谷は雪渓崩落で通行困難とのこと |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
チンネを狙って剱に入ったが、チンネは行けなかった。
もともと7日〜11日の予定で剱の色んなルートを遊ぼうと思っていたが、悪天のため入山を2日間遅らせた。つぶれた2日間はフリークライミングで遊んだ。
当初の狙いはチンネ左稜線、中央チムニー、剣稜会ルート、魚津高ルート、源次郎尾根など。
友人情報・現地情報含め情報収集に努めたが、長次郎谷は通行が難しそうだった。5日間使えばどれかは行けるだろうと楽観視していたが、難しかった。
食事は、三の窓にビバークする日以外は自炊で麻婆春雨、麻婆豆腐、カレーに加え、米を12合ほど用意。
結果的に日程が短くなったのでかなり食事は減らせたので、総重量は20kg+程度であった。
またトレとしては前週の記録の通りだが、トレをできる日数が限られている中でできることはやったと思う。
さて前半2日間はフリーで遊んだあと、富山まで車を走らせて9日に入山する。
8日に剱沢に入山した友人からはかなり風雨が強い夜を過ごしたと聞き、かつ9日も岩場に行ける天気ではなかったので、遅らせたのは良かった。
9日は剱沢にテントを張り、ダラダラ過ごす。
10日は朝のうちガス、その後晴れて来て、夕方雨の予報。どのような戦略で行くか議論を重ねる。
最終的にまとまった計画は以下。
10日 幕営装備を担いで別山尾根経由で本峰へ。三の窓に設営後、晴れたタイミングでチンネを登攀。三の窓でビバーク。
11日 天気予報は午後から雨。行けそうならチンネ中央チムニーをやって別山尾根経由で帰還。帰れそうならそのまま室堂に下山。無理なら剱沢で1泊してから翌日下山。
10日は3:30に出発。幕営装備・ロープ・ガチャ・アイゼン等を詰め込んだ28Lアタックザックは15kg程あっただろうか。
ペラペラのショルダーハーネスが肩に食い込んで、15kgでもかなり重たく感じた。
別山尾根はガスガスのビショビショで悪い。フリクションが悪くて嫌らしい。
8時台には本峰へ。ガスが晴れる気配はなく北方稜線のルーファイがいやらしく感じて、9時過ぎまで待機することに。
濡れて身体が冷えているので、本峰北側の幕営適地にツェルトを張って休む。風もあって普通に寒い。
北方稜線を歩いたことがあるI君が、この天気だとこの先のルーファイに自信がないとのことで、僕は行ったことがないのでなおさら自信がない。
ガスが晴れるのを待って三の窓まで行くかかなり迷う。10日に三の窓に行けても11日は昼から雨の予報なので、11日にチンネに行ける可能性は高くない。
非常に悩ましい判断を迫られた。身体が冷えているので、悠長に停滞していられない。
9時を判断のリミットとしていたが、それまでに結論が出せなかった。
最終的には、撤退の判断を下した。
判断の理由は、ガスが抜けない&夕方雨予報のため10日中の登攀が難しいこと、昼から悪天の11日も登攀できる見込みが低いこと。
悔しいが、ツェルトをたたんで、ただの歩荷になってしまったザックを背負って下山する。
その頃、源次郎からパーティが上がってくる。源次郎を狙っていれば、行けただろう。だが今回はチンネを狙うというのが目的なのでやむを得ない。
下山して10時頃、ガスが下部から晴れてくる。そのうち、本峰もガスが抜けた。
ああ、あと少し粘っていればいけたかもしれない。
身体が冷えている中頭をフル回転させて出した結論が「下山」だったので、これが僕らの実力だ。悔しいが仕方ない。
下山途中、A2稜を遊んで帰るという案も出たが、ワクワクしない岩屑尾根なのでやめた。別山尾根をもう一度下るのがダルいというのもあった。
剣山荘でラーメンとビールを頂いてからテン場に戻る。
その日のうちに下山して翌日フリーに行くという案も出たが、もう一日剱を眺めていたくて、わがまま言ってもう一泊させてもらった
(担ぎ上げたカレー用食材を荷下げしたくなかった思いもある)。I君、わがままにつきあってくれてありがとう。
その日は夕方から雨予報だったが、本峰はずっと晴れている。。。
粘れば、この日チンネはやれただろう。
ヤマテンを信じたが、この日は外れたなー。
テン場で同じ日にチンネを狙った某山岳会のお二人と会話する。
一人はかなり経験のある方でチンネは何度か登っていらっしゃるが、この天気では、彼にとっても「撤退」の判断とのこと。
経験者がそういうのなら、僕らにとっても仕方なかったのかなと、少し安堵した。
翌朝、美しい剱を見ながら撤収し、下山。
始発のバスで富山に戻った。
都内まで車を走らせ、おかわりで一緒にジムに行き、終了。おつかれさまでした。
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今年やりたかった剱のアルパインに向けて、なかなかパートナーを見つけられずにいたけれど、I君がパートナーになってくれて本当にありがとう。
結果的には「今年こそは」と意気込んでいたチンネ左稜線を実現できなくてごめん。
何度目かの挑戦とは聞いていたけれど、相当強い思いがあったのは下山中に初めて知りました。
今回は保守的な判断をしましたが、その思いをもっと早く知れていたら、山頂での判断も変わっていたかなと思います。
そしてもう少し近づけたと思うので、(形式上ですが)CLをつとめた立場として、とても申し訳なく思います。
無雪期の剱は狙える期間が短いのに加えて、雪渓の状態に成否が左右されるので、社会人登山者にとっては成功しづらい山だと良くわかりました。
次目指すときには、早めに仲間を巻き込み、剱に複数日程を確保するくらいの用意周到さが求められますね。
僕はのらりくらりしている登山者なので、剱やりたいという仲間が見つかったら、また狙いたいと思います。
ただ、今のレベル以上のアルパインを安心感を持ってやるには登攀力が弱いので、今まで避けていたフリーをちゃんとやろうと思います。
なかなかやりたい山をやれず、自分の実力が上がらないことに焦燥感が募りますが、腐らずに淡々と山に向き合っていこうと思います。
以上
7日と8日は論外の天気。剱沢は大荒れだった模様で入山を遅らす。9日は雨やガスだが、一瞬剱沢から本峰が見えることもあった。11日もヤマテンは悪天候だといっている。チャンスは10日だけだ!この時点で10日に本峰経由で三の窓入りし、チンネ一本に目標を絞る事にした。
しかし10日朝、満点の星空を期待したが、ガスガス…。別山尾根もびしょ濡れで足どりが覚束ない。かなりツルツルになっていて、滑る滑る。タテバイでは、前の方が冗談抜きで落ちそうで慌ててセルフをとった…。タテバイ普通に難しいと思う。毎回怖い。
山頂についても相変わらずひどいガスだ。ここから先は北方稜線。自分は逆回りで以前行ったことがあるが、ルーファイが煩雑な記憶がありこのガスで全く視界が効かない上に濡れている状態で突っ込めなかった。山頂でツェルトはって待機する。9時迄に状態が回復しかなかったら帰る事に。結局、天気は回復せず…。南壁でも行くかと思ったが、取りつきを見て面白そうではなかったのでパス。クライミングというよりボロい岩屑の固まりだ。
が、別山尾根下降中に晴れてきてしまった!
オーマイガ〜!!山頂で躊躇せず突っ込めば登れたではないか…。とても悔しかった。しかし、絶対の自信が無い状況で突っ込むのは間違えだ。妥当な判断だったとも思う。
自分にとっては憧れのルートであるチンネ。行きたかったが、届かなかった。長次郎経由で行く場合は熊の岩にベースをはれる。今回は長次郎の状態が悪く、本峰経由で行かざるおえなかった。この場合、悪場にいる距離が長くなり1日の晴天が欲しい。体力的にもグレードがあがる印象だ。
下山日に眺めた剱は本当にかっこよく見えた。剱は自分にとって特別な存在だ。
一緒に挑戦して頂いたTさんには感謝。コロナで準備は出遅れてしまったが、このルートを目指すにあたってできるだけの事はやれたと思う。
もちろん、また挑戦するつもりです。
その時はまたよろしくお願いします。
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