白山 〜加賀禅定道・楽々新道〜
- GPS
- 32:00
- 距離
- 29.8km
- 登り
- 2,628m
- 下り
- 2,506m
コースタイム
- 山行
- 10:36
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 11:45
- 山行
- 7:57
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 8:12
天候 | 晴れ後霧雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
楽々新道(13.9km)は殆ど登り返しがなく七倉山直下と尾根末端を除いて登山道は緩やかで加賀禅定道(15.5km)に比べると楽なコース。ただし、いずれも距離が長いので健脚者向きコース。 ヤマレコのコースタイム(登り片道)は加賀禅定道が10時間35分、楽々新道が10時間15分。休憩時間や水場への往復時間は含まないので余裕を見た方が良い。 |
写真
装備
備考 | 室堂での宿泊者への新型コロナ対策で寝具を持参(マット&シュラフ)。 |
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感想
(1日目)
まだ登ったことがない白山北面の静かなロングコースを周回で計画する。薄暗い新岩間温泉に駐車し自転車で加賀禅定道の起点となるハライ谷登山口まで4.5kmのダウンヒル。登山道は樹林帯の中を九十九折れに登っていく。杉林が終わるとブナ林が見られるようになり次第に檜が交じってくる。御仏供水(おぶくみず)の水場は分岐から急坂を下りて5分、登り10分ほど。この時期は結構ハード。立派な檜に囲まれ檜新宮が鎮座している。しかり場分岐手前で目指す四塚山方面の展望が初めて見えてくる。山頂部に雲が流れているが好天が期待できそうだ。
アップダウンの多い加賀禅定道、しかり場分岐を過ぎると奥長倉山まで小刻みなアップダウンを繰り返しながら標高を上げていく。次第に高木が少なくなりダケカンバに笹と潅木の混合が続く。口長倉からは尾根の東側が切れ落ちて展望が開ける。根曲竹薮に囲まれてひっそりたたずむ長倉避難小屋を過ぎればいよいよコース最大の急登、美女坂が待っている。標高差230mを一気に登り切れば美女坂の頭だ。ようやく高山の雰囲気が漂う。シラビソ林の中に湿原が点在するなだらかな尾根歩き。百四丈の滝展望台からはU字型に崩落した谷と堂々と流れ落ちる滝、そして滝上に広がる雄大な源頭部台地、最奥に聳える猫耳山容の四塚山が圧巻だ。ゆっくり休みたい場所。
天池室跡と呼ばれるなだらかなピーク(2138m)は四方を石垣に囲まれ中にお花畑が広がっている。ニッコウキスゲ、白山フウロ、白山シャジン、マルバダケブキ、クガイソウ、シモツケソウなど。カライトソウの咲く緩やかな坂を下れば本コースのハイライト、天池に到着。直径25mほどの池で鏡のような池面に青空と白い雲を映してオアシスのようだ。畔の木道で腰を降ろし小休憩。
左前方に大きくなった四塚山を見ながら膝丈の笹原の中を伸びやかに進む。御前ヶ峰はまだ四塚山に隠れて見えない。次の2158m小ピークはニッコウキスゲの咲く山腹をトラバース。油池分岐から木道を歩いてすぐに水草を浮かべた小さな池がある。池から涸れた沿いに急斜面を5分ほど下ると水場がある。水流は細いが汲むには問題なし。やはり登り返しはきつく下りの倍は見た方が良い。
ロングコースを歩き続けてきた登山者には四塚山の440mの登りは我慢のしどころだ。天池や清浄ヶ原の草原を見下ろす高さまでくると四塚山直下の肩だ。小さい塚を合わせれば4つ以上ありそうだ。時々ガスが覆ってくる。七倉の辻からは緩やかに下りながら白山フウロ、白山ボウフウ、深山キンポウゲ、ヨツバシオガマのお花畑を通過。鞍部の御手水鉢を通過すれば最後の大汝山分岐まで120mの登り返し。左下方に見下ろす赤茶けた山肌の火の御子峰と荒々しい地獄谷は印象的だ。大汝山を巻くと主峰、御前ヶ峰が見えてくる。明日登ることにして今夜の宿を目指す。半分以上雪渓に覆われている千蛇ヶ池の脇を通過して御前ヶ峰を回り込めば室堂は近い。
(2日目)
翌日は予報が急変したようで、早朝から濃霧に時々強風が吹く天気。御前ヶ峰を昨日登っておけば良かったと後悔されるが何度か登頂しているので今回はパス。楽々新道の分岐である七倉の辻へ向かう。大汝山の巻き道では10m以上の強風に小雨まで降り始める。辻から軽く登ると七倉山だがもちろん展望なし。七倉山北面の急坂は高山植物が多く、その中を九十九尾根に下っていく。所々草藪が登山道に覆いかぶさったり小岩が点在していたり歩きにくい。それでもクルマユリ、白山フウロ、深山シシウド、深山キンポウゲなど目を楽しませてくれる。下り切ると清浄ヶ原の台地が始まりシラビソと草藪に囲まれたしっとりとした水平道が続く。
台地が終わると尾根は細く右側が切れ落ちガスの合間から荒々しい地獄谷が浮かび上がってくる。見返坂の下りが始まると雰囲気が変わり針葉樹林帯へ突入。見上げると雲が切れ始めガスが晴れてくる。岩間道分岐に通行止めの看板があった。工事用道路で土砂崩落工事が続いているようだ。ほどなく右前方に広大な針葉樹の平原にポツンと一軒屋、小桜平避難小屋が見えてくる。三角屋根のメルヘンチックな小屋を過ぎると、小桜平と呼ばれる池塘群の中の木道を進む。池の水鏡に青空と流れる白い雲が映り込みきれいだ。ここの標高はまだ2000m、距離は半分少々しか進んでいない、気を引き締める。
ひたすらシラビソやコメツガの多い樹林帯の尾根を黙々と下っていくのみ。時々コメツガの間から長倉山方面の長大な尾根が見え隠れする。標高1750m付近からは登山道脇の笹薮が刈り払われている。刈られた笹が少々邪魔になるが歩きやすい。天気はすっかり回復し広葉樹林が増えてくると次第に暑くなり始める。ここまで涼しかったので水の消費は少なかった。標高1360mの小沢を横断する地点は涸れ沢で夏は水場として使えない。急な下りが始まると下るにつれ暑さはうなぎ上り。丸石谷林道のヘアピンカーブ地点に折り立てば登山道は終わり。あとは猛暑の中、賑やかなミンミンゼミの声を聞きながら林道を新岩間温泉へ向かうのみ。
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