弧絶した南アの岩峰「鋸岳」（日本二百名山）[釜無川ルート]

2020年08月14日(金) [日帰り]

• GPS: 10:17
• 距離: 28.8km
• 登り: 2,215m
• 下り: 2,206m

コースタイム

日帰り

• 山行: 8:36
• 休憩: 1:29
• 合計: 10:05

5:00 林道駐車地点
5:08 5:08 釜無川ゲート
7:00 7:04 ログハウス（小屋）
7:33 7:38 「富士川の水源」標識
8:02 8:06 横岳峠
9:22 9:37 三角点ピーク
9:54 9:55 角兵衛沢ノ頭
10:18 10:36 鋸岳
10:46 10:54 鹿窓
11:08 11:19 鋸岳
11:34 11:35 角兵衛沢ノ頭
11:52 12:04 三角点ピーク
12:47 12:53 横岳峠
13:11 13:11 「富士川の水源」標識
13:33 13:37 ログハウス（小屋）
14:59 14:59 釜無川ゲート
15:05 林道駐車地点

天候

晴れ☀

アクセス

利用交通機関：

自家用車 自転車

●釜無川ゲートの手前1kmの幅が広くなった林道路肩に駐車
・ゲート前は、駐車禁止の標識が設置され原則駐車不可
・ゲート手前に駐車場らしい場所はなく、止む無く手前1kmまで戻った
・砂利採掘で大型ダンプの往来が多いため、平日の駐車は厳しいかも

●ゲートから6km地点の分岐まで、折畳自転車を利用
・ゲートから6km地点まで標高差260mほど上る
・緩やかな区間は乗車可能だが、全体の半分は手押し（復路は全て乗車可能）

コース状況／危険箇所等

★登山道整備度：0〜1（良5・4・3・2・1悪）階段や木道、鎖等の整備度
★体力難易度　：5（難5・4・3・2・1易）歩行距離、累積標高差、急登等
★技術難易度　：4（難5・4・3・2・1易）鎖場等の頻度や時間等
★登山道の眺望：4（良5・4・3・2・1悪）
★山頂の眺望　：5（良5・4・3・2・1悪）


●すれ違った登山者の数：2人（復路の林道）


◆ルートの状況（釜無川ゲート〜ログハウス）
・ゲートからログハウスまでの9.2km（標高差600m）は、砂防用の管理道（林道）が整備されていたが、昨年の台風によりゲートから6km以降の残り約3km区間は激しく被災し通行不能となっている。
・現時点で一旦、林道から釜無川の河床に下り、迂回せざるを得ない箇所は3地点ある。増水時の渡渉は注意が必要であるが、水量が少なければ迂回箇所に踏み跡もあり危険性はあまりない。
・被災林道で特に注意が必要なのは、ゲートから6.7km地点で路体が大きく崩壊した箇所。現在、幅員が1m程度と狭くなり、谷側は直高10〜20mほどの断崖のため、擁壁側をできるだけ静かに歩こう。今後、完全に落ちてしまう恐れもある。

◆ルートの状況（ログハウス〜横岳峠）
・序盤は本流の左岸側を登り、富士川水源の標識付近から樹林帯に入るルート。
・ログハウスから富士川水源の標識まで、上流から流出した転石が散乱し、ルートが不明瞭となっている。目印やペイントも少ないので、ルーファイしながら進む必要あり。
・富士川水源の標識付近から樹林帯に入る。徐々に踏み跡は1つに集束してくるが、薄い踏み跡が複数あり、まさに破線ルートと言った感じ。GPSを確認しながら道迷いに注意して歩こう。

◆ルートの状況（横岳峠〜鋸岳）
・横岳峠から三角点ピークまで標高差600mの樹林帯をひたすら登っていく。単調だが、ルートは比較的明瞭で危険性のある箇所はない。
・三角点ピークから鋸岳までは、小さなアップダウンを繰り返しながら岩稜を進む。南側が切れ落ちている区間が多いので足元を確認しながら進もう。
・鋸岳と三角点ピークは視界が開け見晴らしがよい。特に鋸岳山頂は、360度の大展望が広がり、周囲の名峰を見渡せる。

◆ルートの状況（鋸岳〜鹿窓）
・鹿窓は、鋸岳の第1高点から小ギャップまで標高差60mを下降し、小ギャップから標高差20mを登り返した痩せ尾根付近にあり、第1高点から往復30〜40分程度。小ギャップの下り、上りには難度が中程度の鎖場が設置されており注意が必要。

写真

8/14 5:00

釜無川ゲート手前1kmの林道幅員が少し広くなった路肩に駐車。

8/14 5:08

両脇に隙間が無いので自転車を持ち上げ、釜無川ゲートを通過。

8/14 5:22

序盤は舗装された区間も少しある。

8/14 5:57

ゲートから6km地点の分岐まで、自転車を利用。
ゲートから標高差260mほど上るので、自転車で走行したのは全体の4割ほど。
この分岐を右奥に入り災害による難所区間へ。

8/14 6:11

ゲートから6.7km地点の災害で崩壊した林道を進む。
中央の擁壁の水路地点が幅員1m程度と最も狭く慎重に通過。
今後、林道が落ちたら、擁壁天端も歩けそうだが、更に厳しくなるかもしれない。

8/14 6:27

ゲートから7.8km地点で完全に林道が消失。
ここは直進できないので、

8/14 6:26

一旦、林道を50m戻り、コンクリート舗装が浮いている箇所から右下に下り河床へ。

8/14 6:31

河床を上流に100mほど歩き、再び林道に上がる。
本日は飛び石で渡渉できたが、増水時は要注意。

8/14 6:51

ゲートから8.8kmは、崩壊箇所をトラバースして通過。

8/14 6:59

ゲートから9.2kmの最後の標識。
その先にログハウスが見える。

8/14 6:59

長く険しかった林道の終点に到着。
そして左奥にはこれから向かう横岳峠が見えた。

8/14 7:05

ログハウスに到着し小休止。
この小屋は利用できないが、矢印のある地下部（軒下）は利用可。

8/14 7:00

青空を眺めながら小休止。

8/14 7:14

ログハウスから本格的な登山道へ。
と言っても、目印等は非常に少なく、本流の左岸側をルーファイしながら進んでいく。

8/14 7:28

標高1680m地点まで登ると本流が分かり難くなってきた。
GPSを確認しながら左奥の沢に進み、中央の森林に入る。

8/14 7:38

森林の中に入ると、薄い踏み跡が色々ついていたが、無視して登っていくと徐々に集束し1つの登山道となった。

8/14 7:55

あとはガンガン登るだけ。

8/14 8:06

標高1987mの横岳峠に到着。
では、鋸岳を目指そう！

8/14 8:12

樹林帯歩きが続くが、背後を振り向くと木々の隙間から横岳が見えた。

8/14 8:30

踏み跡は明瞭だが、やはり破線ルートだね〜

8/14 9:06

横岳峠から三角点ピークまでの標高差600mを登り続ける。

8/14 9:28

突如、視界が開ける。
お〜、標高2607mの三角点ピークに到着。

8/14 9:29

ついに、鋸岳（第1高点）の頂をロックオン。

8/14 9:29

その前に三角点ピークで小休止しながら周辺の名峰を見渡す。
西側には中央アルプス。

8/14 9:34

明日登る予定の御嶽山をはじめ、

8/14 9:30

北側には乗鞍岳、

8/14 9:33

そして、北アの穂高岳や槍ヶ岳まで見渡せる。

8/14 9:38

では、鋸岳まで行ってみよう！

8/14 9:42

樹林帯は花が無かったが、三角点ピークから花が見られる。
お〜、なんと、タカネビランジが咲いていた。

8/14 9:53

鋸岳までアップダウンがあり、南斜面が急崖となった尾根を進んでいく。

8/14 9:56

角兵衛沢ノ頭から鋸岳を眺める。

8/14 9:57

角兵衛沢ノ頭から角兵衛沢のコルまで標高差40mを下る。

8/14 10:00

ウメバチソウ

8/14 10:01

ミヤマダイモンジソウ

8/14 10:01

ミネウスユキソウ

8/14 10:05

最後に角兵衛沢のコルから鋸岳の山頂まで標高差を120mを登り返す。

8/14 10:06

山梨県警のヘリが周囲を2周して去っていった。
パトロールのようだ。

8/14 10:12

ついに、頂が目の前に現れ、

8/14 10:31

念願の鋸岳（第1高点）に到着！

8/14 10:15

鋸岳から西側の眺望。
中央アルプス（左）と御嶽山（右奥）。

8/14 10:16

鋸岳から北側の眺望。
蓼科山（左奥）と八ヶ岳（右）。

8/14 10:16

鋸岳から北側の眺望。
八ヶ岳のアップ。

8/14 10:17

鋸岳から北側の眺望。
左奥の北岳＆間ノ岳と右の仙丈ヶ岳。
眼下には北沢峠も見える。

8/14 10:17

北岳（左）と間ノ岳（右）のアップ。

8/14 10:17

仙丈ヶ岳のアップ。

8/14 10:16

そして南東方向には、甲斐駒ヶ岳まで続く稜線。

8/14 10:16

甲斐駒ヶ岳のアップ。

8/14 10:35

時間に余裕があるので、おまけに鹿窓まで行ってみる。

8/14 10:42

まずは、小ギャップまで標高差60mほどを下る。

8/14 10:45

山頂から10分弱で小ギャップに到着。

8/14 10:45

小ギャップから鎖を使って20mほどの急崖を登り返す。

8/14 10:48

急崖を登り返し、痩せ尾根を進むが、鹿窓は写真の左下方向に少し下る。

8/14 10:51

お〜、鹿窓だ〜
確かに眼下の林道からも見えるね！
山頂から15分強で到着。

8/14 10:58

復路も小ギャップまで下り、鎖場を登り返す。

8/14 11:05

タカネビランジは見頃終盤のようだが、見れた良かった。

8/14 11:03

ミヤマシャジン

8/14 11:18

2度目の山頂に戻ってきた。

8/14 11:19

では、下山しよう！
まずは三角点ピークに戻る。

8/14 11:19

下山はさらに花を眺めて。
オトギリソウ。

8/14 11:20

ミヤマキンポウゲかと思いきや葉を見るとミヤマダイコンソウ？

8/14 11:21

イワインチン

8/14 11:32

トウヤクリンドウ

8/14 11:41

三角点ピークに少し登り返し、

8/14 11:57

しっかり、三角点にもタッチ！

8/14 12:03

三角点ピークから名残惜しく鋸岳を眺めて下山する。

8/14 12:47

三角点ピークから標高差600mを約50分で横岳峠まで下り、

8/14 13:34

更に標高差450mを約50分で下るとログハウスに到着。

8/14 13:41

再び長い長い林道歩きスタート！

8/14 14:22

林道歩きで危険性を感じる箇所は、やっぱりここ。
あとは、全体として上部斜面からの落石。

8/14 14:38

ゲートから6km地点から折り畳み自転車に乗車。

8/14 14:59

復路はゲートまで約20分で到着。
いや〜、猛暑でも風が気持ちよかった！

8/14 15:05

更に1kmほど下り、駐車地点に到着。
お疲れさまでした！

撮影機器：

PowerShot G5 X Mark II CANON

感想

Joker

日本二百名山の完登まで、あと12座。
今年は新型コロナや長梅雨でアタックする機会を逃していましたが、南アルプス周辺は、夏晴れが続いているので、久しぶりにピークハントに出かけてみました。

登る山は、南アルプスの鋸岳。
鋸岳といえば、南アルプスには珍しい尖った岩稜を持ち、一般的な登山道が無いことに加え、どのルートも登山口までのアプローチが長く、難易度が高い山と知られています。

こんな孤絶した鋸岳ですが、山頂は南アルプス北部をはじめ、中央アルプスや北アルプス、八ヶ岳等の数多の名峰を360度に一望でき素晴らしい景色が広がっていました。

本日は、長い長い林道歩きは精神的にキツイものがありました。
でも、復路の林道ですれ違った人以外、他の登山者は入山しておらず、終始貸切で絶佳の頂を満喫でき大満足の1日でした。


＜翌日の御嶽山に続く＞
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2506035.html