【関東百名山・お盆の父子山行】黒斑山〜浅間外輪山巡り(高峰高原よりプチ周回+ピストン)
- GPS
- 05:28
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 787m
- 下り
- 777m
コースタイム
- 山行
- 4:15
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 5:40
天候 | 終日晴れ(昼前、稜線上一時曇り) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・黒斑山手前の急斜面、右側のガレ場外縁のルートはスリップ注意(左側樹林帯に巻き道あり) ・黒斑山より先、外輪山尾根上の浅間側が開けた区間多数、噴気状況や風向きによっては有毒ガス注意(※黒斑山頂に無人監視・警報設備アリ) |
その他周辺情報 | 高峰高原ホテルにて日帰り入浴可(11:00〜最終受付17:30、大人800円;サービスタオル付き) |
写真
感想
お盆休み父子日帰りハイキング第2弾、今回のパートナーは少し山慣れた社会人の長男ということで、前回より標高を上げて標高2,400m超の「準アルプス級」浅間外輪山をターゲットに。前回ツアーから僅か中1日での出発に、小生もさすがに寝不足とそこそこの筋肉痛が残り、なるべくラクに歩こうとスタート地点を標高約2,000mの高峰高原に設定(前回の最高到達点〈浅間隠山頂〉より遥かに高い…!)。上信越道・横川SAの車中泊で寝苦しい夜を過ごし、スヤスヤ熟睡状態のムスコ殿を乗せ、朝6時半過ぎに高峰高原ホテルの駐車場に到着。さすが「雲上のお宿」のキャッチコピー通り、眼前には蓼科から赤岳までズラリ八ヶ岳の大伽藍、右に目を転ずれば中央アルプスに北アの山々、左奥には日本一の富士山、横には金峯〜国師から端を発する奥秩父の国境稜線、と遮るもののない大展望。ようやく覚醒したムスコは「この大パノラマですっかり満足した。もう帰っても良いんでは?」と冗談めかして呟きますが、東京に戻れば酷暑が待っている一方、ここは雲上の涼気溢れるパラダイス。今日も雷雨・夕立の心配なく、ゴージャスな展望の稜線歩きが楽しめそうです。
山靴を履き、前回同様に日焼け止めと虫除けスプレーを念入りに塗り込んで、7時過ぎにいざ車坂峠の登山口を出発。往路はやや遠回りながら、尾根伝いに登っていく「表コース」をチョイスします。最初は寝不足からか父子揃って調子が上がらず、歩き始めて20分弱のお花畑で早速休憩、更にガレ場上の大展望地「コマクサ展望台」にて2回目の撮影休憩。見下ろせば、佐久平の雲海の彼方、アルプスの山々に加え御嶽や乗鞍も堂々たるお姿を表し、これで更に高度を上げ、八ヶ岳の背後に隠れる南アの主稜が見えれば、日本の3,000m峰が全て見渡せるかも、と期待感も高まります。ここでワンちゃん連れの家族パーティや若者グループ等に道を譲り、このペースだとどれだけ時間が掛かることやら、と先が案じられる頃になり、ようやく2人のエンジンもかかってきます。その後勾配もキツくなり息が上がる中、1ピッチで外輪山の一角・槍ヶ鞘に到着。ここへ来て初めて浅間本山の「巨大プリン」が目の前にドーン!その大迫力に2人揃って圧倒され、居合わせた他のパーティとともに、この佳き日にこのような絶景を仰げる幸せを噛み締めながら、記念写真を撮り合います。
ここからはガレ場の縁の急斜面を辿り、車坂峠へのショートカット路(中コース)の分岐を過ぎると、ザレた岩混じりの道を一登りでトーミの頭に到着です。ここは岩峰のてっぺんで、槍ヶ鞘以上に展望絶佳。八ヶ岳・天狗岳の双耳峰の間にチョコンと鎌首をもたげるピークが垣間見え、当方「あれが北岳では?」などと色めき立つも、ここはハイカーも多数休憩中でやや「密」な状況のため、休憩もそこそこに早め出発。やがて進行方向右側のガレ場を避けて樹林帯の中を緩やかに進む道となり、半ピッチほどで本日のメインターゲット、黒斑山に到着。細長い山頂広場の一角には、登山口から電源ケーブルを引いてきた火山活動監視・警報用の設備があり、活火山・浅間のすぐ近くを歩いている緊張を改めて実感します。眼前の浅間ご本尊の火口からは盛んに噴気が立ち昇り、心なしかうっすら不気味な赤っぽい色が付いているようにも見え、足下ではこの日も活発にマグマが活動中の様子…。
「関東百名山」踏破の証拠写真を撮り、Jバンド方面へと向かう他のパーティに続いて、我々も取りあえず歩を前に進めます。程なく、少し前を歩いていたはずの女性ソロの方が足早に戻ってきて、すれ違いざまに「今日はいつもより硫黄分が多い感じ。どうか気を付けて…」と声がけして下さいます。感染予防のため、スライドするたびに着脱していたマスクを慌ててポケットから取り出し「有毒ガス」回避に努めますが、今のところ前方からはムスコ殿の汗臭いTシャツ臭!?がするぐらいで、火山ガス流入の兆候は感じられません。
樹林帯中の涼しい道と眺望の良い日向の区間が交互に現れる中、浅間本山から立ち昇る噴気の様子を注意深く観察しつつ外輪の尾根を辿り、1ピッチで岩ゴロゴロの蛇骨(じゃこつ)岳に到達。そろそろお腹も空いてきますが、心身が覚醒してやおら元気になったムスコは「この勢いでJバンドまで行こう!」と意気軒昂。ただ、ここからの尾根は火山活動で樹林も少なく、ザレた尾根道を辿るコースなので、熱中症・シャリバテ防止のためチョコやスポーツドリンクで素早くカロリー・水分補給。一頻り急な岩混じりの斜面を下った後、左手に菅平や志賀・草津の峰々を見下ろしながら、息を切らせて登り詰めるとこの日の折り返し点、仙人岳着。ここまで来ると、行き交うハイカーの数もぐっと減り、代わって浅間本山がグッと眼前間近に迫ってきます。暑さを避ける日陰もなく、ここで本格的な噴火でも起こったらひとたまりもない、と俄に緊張も高まって、早々に山頂を後にして蛇骨岳へと引き返します。
日も高くなってグッと気温も上がり、樹林帯の緑陰と冷気に助けられつつ、程なく黒斑山に立ち戻り、ここでおにぎりとフルーツゼリーを流し込みます。時刻は11:30、この時間でも下から登ってくるハイカーは引きも切らず、山頂の「密」状態を避けるべく早々に出立。スライド時のマスク着脱・社会距離確保を頻繁に繰り返し、いい加減疲弊してきた頃にトーミの頭帰着。相変わらずハイカーで一杯の山頂をスルーし、ガレ場の縁を一頻り下ると、車坂峠への「中コース」下山路が分岐します。このルートは出だしが暫く程よい斜度の歩きやすい道、その後は深い雨裂や滑りやすいザレ場等の続くシンドイ区間で、下りに強い(!?)我々父子は前方のパーティを次々と追い抜いて快調に進んでいきます。途中、2個目のフルーツゼリーで更に元気回復、コースタイムを3分の2ほどに短縮し、無事登山口の車坂峠へ帰り着きます。
まだ時間も午後1時前と早いので、オープンしている環境省ビジターセンターに立ち寄ると、籠ノ登山の眺めの良い快適なテラスがあり、自販機のジュースも下界値段、と良心的なため、ここで2回目のおにぎり休憩。土産品の調達も済ませ、残るお楽しみは温泉での日帰り入浴のみ。高峰高原ホテルの日帰り温泉(午前11時より)は時間が早いせいか幸いほとんどお客さんもなく、我々父子の独占状態で展望の良いお風呂を楽しみます。着替え後はまたまた至福の炭酸ジュース一気飲みを満喫、火照った心身もすっかりクールダウン。折角の上信ツアー、午後も天候が崩れる心配ナシということで、歴史好きのムスコへのサービス(ご褒美)として、昨年家内と訪問しそれなりに見応えのあった世界遺産・富岡製糸場へと向かいます。小諸ICから上信越道経由にて1時間強で製糸場近くの市営駐車場到着、ここで再び“夢の中”のムスコ殿が覚醒、1時間半後のピックアップを約して彼を送り出します。
小生は下山後の「食欲爆発」!?に襲われ、近くのコンビニにて食料・ドリンク調達。本日3回目の昼軽食の後、しばし休憩していると長男が製糸場見学から戻ってきます。食欲不振状態だった彼もやっとお腹が空いてきたようで、予想よりは少しマシな関越道のお盆休み渋滞(約15km)を抜け、高坂SAにて早くも父子で夕食をガッツリかき込みます。その後は目立った渋滞もなく、午後7時過ぎには無事自宅帰着。汚れ物の洗濯も済ませ、明日からまた仕事の長男君、そして夏休み残り1日となった小生も心地良い疲労感とともに早々に就寝します。
当面はコロナ禍で泊まりがけの山行も難しく、これにて今夏の山歩きは事実上終了となりそうですが、やはり3,000m級のアルプス稜線歩きの感慨が味わえないのは残念至極です。信州の山小屋の経営危機も心配ですし、秋の紅葉シーズンまでに現下の感染拡大が何とか収束に向かうことを期待しつつ、暫くは下界の酷暑を耐え忍び、体力温存・増強に勤しむこととしたく思います!
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