県境稜線10座縦走 滝の上〜三ツ石〜八瀬森〜大白森〜烏帽子岳
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
- GPS
- 55:17
- 距離
- 43.6km
- 登り
- 2,681m
- 下り
- 2,662m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 7:19
- 山行
- 8:02
- 休憩
- 1:57
- 合計
- 9:59
天候 | 1日目・・・晴れ時々曇り 夕方小雨 2日目・・・雨 一時滝のような豪雨 のち曇り 3日目・・・曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
20台程度駐車可能 水洗トイレ、足洗い場、休憩スペースあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
【コース状況】 滝の上〜大深山荘 ・きちんと整備されています 八瀬森分岐〜曲崎山 ・刈り払いはされていますが、泥濘、水たまり箇所多数 ・越えるのが大変な倒木あり 曲崎山〜大沢森 ・一応刈り払いされていますが、所々藪 ・泥濘、水たまり箇所多数 大沢森〜大白森山荘 ・全く刈り払いされていませんが、下道は見えます ・平泳ぎの練習になるでしょう 大白森山荘〜鶴の湯分岐 ・湿原は木道ですが、その他は泥濘酷し 鶴の湯分岐〜蟹場分岐 ・ヤブヤブ泥濘の連続攻撃+合わせ技 蟹場分岐〜田代平避難小屋 ・それまでが嘘のように歩きやすくなります 田代平避難小屋〜烏帽子岳 ・斜めった木道に注意 烏帽子岳〜滝の上 ・きちんと整備されています ・マムシ坂の崩落地帯は要注意 【水場情報】 ・滝の上の水場は滾々と湧き出ています ・三ツ石山荘の水場は風前の灯状態 ・大深湿原の水場は安定 ・八瀬森山荘の水場は大雨で小川状態のため確認できず ・曲崎山から大白森山荘の間に水場があったが濾過 ・大白森山荘から最初の沢越えのところに湧き水あったが濾過 ・蟹場分岐から上に水場あったが濾過 【避難小屋情報】 大深山荘 ・1階2階で20人くらいは泊まれそう ・トイレは小屋内で洋式 ・きれいです 八瀬森山荘 ・木板一枚のみで雨が壁から滲みてきます ・1階はテーブルありで5〜6人は泊まれそう ・2階は確認せず 大白森山荘 ・1階はコンクリートで真ん中にストーブとベンチ ・2階は宿泊スペースで4〜5人程度 ・トイレは和式で意を決してからでないと無理 |
写真
感想
今年のお盆休みはかねてからの念願だったこのコースをやろうとあちこちに声をかけてみましたが、2泊ということとお盆ということと、コースのあまりにもマニアックなこととでなかなか同行者が見つかりませんでした(クマが怖いので単独は無理)。諦めかけていたところで、gogo隊もこのコースに行きたがっていることを知り、声をかけたところ日程の都合がつくということで、実現することができました。gogoさん、ytkさんとは久しぶりの、ihatovさんとはお初の山行です。
ロングコースなので荷物は少な目。缶ビールは1本だけにして、11kg弱でスタート。
〈1日目〉
滝ノ上温泉駐車場に集合すると、ihatovさんが本当にハードクーラーボックスを持ってきていたのでびっくり。ビールがたくさん入っているかと思ったら期待外れでした。
滝ノ上から三ッ石までは結構な登りで、前日深酒をしたであろうgogoさんが脚を痙りましたが、三ッ石山荘で泊まるとも言わず大深山荘へ向かってくれたのでひとまず安心。
ニセ小畚からの下りでクマに遭遇(写真が撮れて嬉しい)。その後は時々叫んだり笛を吹いたり。ihatovさんの🔫は果たして効果あるのか?
小畚山手前で刈払い作業中のすーさん(八幡平のガイドでytkさんの同級生)に遭遇。昨年秋田との合同刈払いで八瀬森分岐から曲崎山までは刈払いしているし、大沢森までも一応秋田の人達が刈払いしているとのこと。
大深岳への登りで小雨が降ってきましたがそれほど濡れることなく大深山荘着。この日の宿泊者は60代と思われる東京から来た女性一人のみ。葛根田川を単独で遡行して、大白森方面へ抜けてからの今日で4泊目とのこと。凄すぎる〜。
夜になり風雨がどんどん強くなり、収まらないようなら縦走中止もありかと思いながら就寝。
〈2日目〉
4:30起床。風はだいぶ弱くなり、朝食後は雨も小降りになったので予定通り出発。水場で2日分の水5リットルを補給しました。
八瀬森分岐からは全員初めての道。確かに刈払いされてはいましたが、昨夜からの大雨で道はほとんど沢状態でした。男性陣は長靴でしたが、私は登山靴だったので、路肩を右に左に移動しながら歩いたのでかなり疲れました。ところどころ現れる湿原に癒されましたが、ガスで展望はゼロ。雨は降ったりやんだりを繰り返し、関東森を過ぎたあたりからはどしゃ降りになってしまいました。八瀬森山荘で雨宿りしましたが、その時点で靴の中まで浸水、全身びしょ濡れでした。雨はますます強くなり、本当にここで待機できて良かったです。午前中は雨予報でしたが、これほど強く降るとは思いませんでした。お茶で暖まりながり待つこと1時間ちょっとで雨があがり出発しました。
八瀬森の辺りで再び小雨が降りましたが、曲崎の登りの途中で完全に雨がやみ、時々薄陽が射すこともありました。
大沢森から先は完全に藪道でした。ほとんど廃道状態の所もあり、とても一般登山道とは思えませんでしたが、ピンクテープだけはやたらとつけてあり、迷うような所はありませんでした。
大白森山荘は小さいながらも新しく、作りは立派でした(当然貸し切り)。でも小屋周辺も藪だらけ、トイレに至ってはとてもまともに見ることができないレベルの汚さでした(そもそも掃除用具もない)。岩手側の大深山荘や三ッ石山荘はいつもきれいに管理してあるので、秋田側のやる気の無さにがっかりしました。
〈3日目〉
4:00起床。相変わらず激藪&泥濘の道を辿り、大白森の湿原に着いた時にはあまりの素晴らしさに大感激。ガスが時折薄くなり、秋駒や歩いた稜線が見えたりするのをのんびり眺めました。鶴の湯分岐までは泥濘はあるものの笹ヤブはなし。でも蟹場分岐までは再び激藪。その後はところどころ藪があるものの一応一般道らしくなり、田代平湿原では再び花や景色を楽しみました。乳頭山(烏帽子岳)の登りの途中からガスが湧いてきて山頂からの展望はあまりありませんでしたが、滝ノ上までの下りではたくさんの花や景色に癒されました。白沼からは足が棒のようになりペースダウン。下りでここまで足が疲れたのは初めてで、怪我しないように努めて慎重に下りました。
〈まとめ〉
歩いている最中は再びここを歩くことはないかもとも思いましたが、今振り返ると、1泊の短縮コースでもよいのでまた行ってみたいと思うようになりました。色々ハードでしたが、それ以上に魅力あるコースでした。
今回計画に乗って頂いた3人には本当に感謝しています。またマニアックなコースを計画した際にはよろしくお付き合い願います。
岩手秋田県境稜線縦走。「稜線縦走」という魅惑的な響きに反して、秋田側はひたすら気力体力を消耗しました。今回のコースにキャッチフレーズを付けるなら「岩と雪の殿堂」ならぬ「藪と泥濘の殿堂」です(笑)!!
男性3人はいずれも長靴で挑みました。40キロオーバーを長靴で歩けるが不安でしたが、なんとか足を痛めることも無く完歩しました。無数の泥濘通過にはマジで長靴がおすすめです!!
クマには一度遭遇したものの、一番警戒していた秋田側での遭遇は無かったのが幸いです。背丈より高い笹薮の中で遭遇したら本当にヤバイです。
天候に恵まれず眺望は乏しく、大雨や激ヤブ、泥濘、大白森小屋のトイレ・・・。
まさに「修行」の様な山行でしたが、最終日大白森山荘からの激ヤブを掻き分けて大湿原に出た時の感動は、言葉にできません。(鶴の湯方面から登っても感動しますが、山荘方面から登った時の感動とは比になりません)
乳頭山からの下山途中で、大深岳から曲崎山付近の稜線が姿を現してくれました。
「修行」の感慨に浸りながら滝ノ上温泉に無事下山。
下山後は、しばらく放心状態でした(笑)。
このコース、私一人では絶対無理でした。
メンバーに感謝。そして岩手側の登山道管理に尽力されているS君にも感謝!
いつかは歩いてみたい、でも歩けるか?
このエリアで最難関の縦走路、岩手・秋田県境縦走。
chemさんの立案した工程で、初の2泊3日の行程で
何とか成し遂げることができました。
今回の問題点は、八瀬森分岐から大白森までの区間。
登山道整備が全くされていないため藪漕ぎが凄いらしい。
そして、水の確保。
念のためソーヤーミニ濾過器を持参。
そんな時、小畚で八幡平の自然保護管理人でブログを
やっているスーさんと遭遇。
昨年、八瀬森までの刈り払いをしていたのでいろいろ
情報収集。
ありがとうございました。
そして、核心の2日目。
雨。
土砂降りの雨。
滝のような雨。
八瀬森山荘に逃げ込む。
土砂災害警報や大雨警報が出ている。
最悪、ここで1泊か?
しかし、1時間以上の停滞で小雨になったので出発。
その後は泥と水たまりと藪との格闘。
何とか大白森山荘へ。
ただ、藪は凄いが、登山道がしっかり見えているので
金十郎長嶺よりはましだと思いました。
3日目。
さすがに疲れました。
ただ、最初に大白森の湿原を見られたので心は潤う。
あとは烏帽子からの絶景を夢見て藪漕ぎ。
しかし、残念ながら烏帽子岳での絶景は拝めず。
それでも何とか40キロを歩ききることができました。
皆さん、どうもありがとうございました。
念願の県境稜線縦走に早くも挑戦出来る機会が与えられました。。。コレは行くしかない!
しかし、無人の避難小屋泊縦走は初体験。明らかに装備・食料の選択がミスチョイス!持久力は無いので気合いと根性のみ、休み休み這々の体になりながら諸先輩方に着いていくコトに専念致しました。
完走出来るとは思っておりませんでした。様々御教授頂いた諸先輩方誠にありがとうございます。
コレで鬼ヶ城から貝吹岳付近迄は繋がったので、次回貝吹岳からモッコ岳の和賀山塊北端を繋ぐべく、高級スリーピングマットを購入したいと思います(馬鹿)。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
歩いた距離
お疲れさまでした!
yamazukin1gouさん
こんばんは。
ニセ小畚から小畚に向かって2つ目のカーブを曲がった瞬間、ハイマツ帯にいる子熊が目に飛び込んできました。
距離は数十メートル有ったのでカメラを取り出しすと、あちらも気配に気づいたのか猛ダッシュを始めました。
3回シャッターを切ったら、たまたま足裏写真が撮れました。(残り2枚は全くのフレームアウト)
私よりも酷い扁平足だということが分かりました(笑)。
熊の足裏をはっきり見たのは、たぶん初めてだと思います。なんか、ぬいぐるみみたいでかわいいのですが、実際に近くで遭遇すれば相当な緊張でしょうね。貴重な写真、ありがとうございました!
皆さんこんばんは、初めまして。
裏岩手縦走(何の裏かは解りませんが)お疲れ様です。
20年前田沢湖から八幡平までバスで行き、八瀬森山荘に一泊し乳頭温泉郷下山をやったことが有りました。
その当時も八瀬森から大白森までは結構ヤブでしたがさらに酷くなったようですね。おまけに大白森山荘は気が付かずに通り過ぎてしまったし。
当時カモシカ林道からのタケノコ狩り地帯に入るとゴミが酷かったですけど、今も変わりなかったですか?タケノコハンターのマナーの悪さに憤慨した覚えが有ります。
ドざんの山行記で存じております。
大白森山荘は、朽ちた山荘までの立派な標識がありましたので大丈夫でした。😅
この登山道は、すでにゴミと化した「ゴミを持って帰りましょう」の看板がやたら多く滑稽でした。
大白森から蟹場分岐、孫六分岐までもやたらゴミが多かったです。
そりゃあ刈り払いもしない管理していない登山道?ですから当然だと思いました。
管理しないのなら廃道にしたら?と話しながら歩いていました。
辛辣なコメントすみません。
何故、岩手はできて秋田はできないのか不思議で仕方ありません。
やはりそんな状態でしたか・・・
悲しい事です
自分も少しはタケノコを採りますが、ゴミを散らかし熊を呼ぶタケノコマンが熊に襲われてもあまり同情は出来ません。ただこちらがとばっちりを受けるのはごめんです。
採ったタケノコを運ぶ為のスノーダンプにはびっくりしたものです
denki398さん
こんばんは。いつも楽しいレコを拝見しております(笑)。
残念ながらゴミは結構目に付きましたね。古いガラス瓶や、缶ジュースのプルトップ…。
そして錆びれた「ゴミは持ち帰りましょう」の看板がやけにあちこち有りました。
でもゴミを拾う余裕が有りませんでした…。
このコース、もう少し整備したら岩手秋田をつなぐロングコースとして魅力的だと感じました。
俺も誘われていたけど、休めなかったのでパスしましたが正解でした!
次回からも、こう言うハードな藪山の時は...chemにお付き合いしてやってください
お久しぶりです。
一生に一回だと思い行きましたよ。😃
ihatov君と帰りの車で「次は志和三山かな?」と
話していました。
いかがですか?😁
志和三山ですか!
送迎しますか(笑)
4人の皆様、お疲れ様でした。先月、私も同じようなルートで歩きまして、皆様のレコを「ウンウン」と頷きながら楽しませていただきました。「藪と泥濘の殿堂」…まさにぴったりです。雨もひどかったようですから、大変だったとお察しします。
実はchemさんの「また行ってみたい…」というお気持ちがわかります。マニアックというか禁断の果実というか、ワイルドなこのルートに妙に惹かれてしまいました。もう一度、今度は逆回りで歩いてみたいとも思っています。皆さんの岩手・秋田方面のレコをこれからも楽しみにしております。
mametan3さん
こんにちは。
八瀬森分岐〜田代平区間を通る過去レコを見て予習していましたが、
mametan3さんのほぼ同じコースのレコ、それも直近の情報だったので大変参考になりました。
特にも「長靴」の件は役立ちました!
レインパンツを外に出しても、結果的には内側が汗でビショ濡れになりましたが、あの泥濘に躊躇なく直進できるのは長靴ならではですね。足元に余計な気を遣わなかった分、消耗しなかったかな?と思います。
それにしてもあのコース単独行はスゴ過ぎです!!
私はまだまだ修行が足りませんが、下山後数日経って再チャレンジもありかな?なんて思っています。
おかげさまでした!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する