飯豊の分水嶺 鉾立峰〜アゴク峰〜大樽山(足ノ松尾根から周回)
- GPS
- 23:26
- 距離
- 18.7km
- 登り
- 1,787m
- 下り
- 1,784m
コースタイム
- 山行
- 15:30
- 休憩
- 1:58
- 合計
- 17:28
天候 | 晴れのち一時霧雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
足ノ松尾根は急な場所もあるが比較的歩きやすい.ここは飯豊連峰の主稜線に登る登山道の中では歩きやすく短時間で着ける. 鉾立峰からアゴク峰に向かう稜線に入る.最初は踏み跡もありやぶも腰高程度と低く歩きやすい.少し下ると岩場があるが北側を木に捕まって下れる,アゴク峰までのやぶ漕ぎは前半は胸高の部分が多いが下るにつれて潅木の背丈が高くなりやぶ漕ぎが辛くなる.歩いた痕跡や踏み跡も時々あるがすぐに見失う.アゴク峰からもやぶ漕ぎが続く.背丈を越える潅木のやぶが目立ちつる性のやぶも加わりさらに大変になる.1339mの池塘は乾いた草原もあり休憩に良い場所.大樽山が近づくと踏み跡がやや目立つようになる.やぶが被さっているが見つけて利用できれば時間短縮になる.大樽山からも同じようなやぶ漕ぎが続く.920m峰が近づくにつれて踏み跡が少し明瞭になる.やぶが被さっているが利用できれば楽になる.920m峰からは踏み跡が明瞭になり下るにつれて登山道と変わらなくなる. 今回はアゴク峰のある稜線を下りで歩いた.体力的にやや楽だが視界が悪い時のルートファインディングが難しく踏み跡を見つけるのが登りよりも大変であまり勧められない. |
写真
感想
左下腿の筋損傷の痛みが消えず先週は休養日にした.7週間経過した右下腿,5週間経過した左下腿の筋損傷の痛みはやっと消失した.左下腿の違和感は残存しているが,リハビリも兼ねて長いコースを歩くことにした.最初は日光の分水嶺の続きを歩く計画を立てていたのだが,天気予報で東日本は広範囲に天気が悪く断念した.ただ新潟の海岸近くだけ晴れマークが出ていたので大変だが今回のコースを歩くことにした.アゴク峰のある稜線(分水嶺)は大樽山から北上し日本海に近い平野に没している.
天気予報通り良い天気の中,足ノ松尾根を登る.下腿に負荷をかけないようにややゆっくり歩く.鉾立峰までに2人の登山者に抜かされた.主稜線が近づくと日本海や佐渡が見える.今日は快適だと思ったが,大石山以外の主稜線近くは山形側の天気で霧雨と強風だった.特に鉾立峰からアゴク峰までは台風並みの強風で主稜線よりもひどかった.アゴク峰の下りからまた晴れてきて風も弱くなった.
鉾立峰から登山道から外れてやぶに入る.最初のやぶは背丈が低く歩きやすかったが,下るにつれて潅木のひどいやぶになった.奥利根あたりや祝瓶山南の柴倉山付近の潅木のやぶに似ているが,通過をためらうような猛烈な根曲がり竹のやぶはなかった.ここは歩いた痕跡がたくさんあるが大樽山まで利用できる踏み跡はあまりない.稜線が広く皆んなバラバラに歩くためと思う.道が明瞭になるのは920m峰からであとはやぶ漕ぎになる.1339mの池塘は乾いた草原もありやぶの続く稜線でオアシスのようだった.
今回はやぶが思ったよりひどく24時間に近いコースタイムになり私の日帰り山行の最長記録を更新してしまった.ただし下腿をかばいながらゆっくり歩いたことや元々途中でビバークしてもいい感じで計画したので休憩時間は長めにしていた.また暗くなってからは休憩を頻繁にとり無風で暖かいので星空を眺めながら横になり仮眠もしていたので実際に歩いていた時間はかなり短い.想定外だったことはやぶ漕ぎの前半が霧雨の強風だったので歩くのが大変で姿勢を維持するのに体力を消耗したこと,いくら拭っても霧雨ですぐにメガネに水滴がつきやぶの中でルートを決めるのに支障が出たこと.後半は日没を迎えヘッドランプを点けてやぶの中でルートファインディングをしたことである.でももっとも大変だったことはビバークしようとしたらザックに付けたペットボトルがなくなっていたことだ.交換したばかりでまだ封を切っていない最後に残った飲料水だったのでショックが大きく,これで水分が足りなくなり歩くしかなくなった.地形図とGPSを見ていても暗闇の中でやぶの中を下るのは結構難しい.登りだと暗闇でも高い方へ行けば良いが,下りだとGSPを見ていても二重山稜や微妙な起伏があると誤った方向に行きやすい.また意外な場所に沢登り用と思われる踏み跡やけもの道があったりして間違いやすかった.実際に楽をしようと踏み跡を追って何度も間違って下り登り返した.暗闇の中のやぶ漕ぎは何度も経験しているので危機感はなかったが,脱水症気味で大変で辛かった.だがこれだけ厳しい山行をしても下腿の痛みの再発はなかったので筋力的には自信がついた.過酷だが貴重な体験だったのでこの経験は今後の山行に役立てようと思う.
暗闇の中でやぶ漕ぎした主な日帰り山行:
奥利根の中央分水嶺 丹後山9合目〜越後沢山〜本谷山〜小穂口ノ頭
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1367174.html
日高の分水嶺 ピロロ岳南の鞍部〜1221.3m峰〜広尾岳
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2220406.html
日高の分水嶺 楽古岳〜小楽古岳〜ピロロ岳
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2220404.html
ここから北に続く分水嶺山行:
飯豊の分水嶺 地神山〜大石山〜鉾立峰〜朳差岳
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2060509.html
ここから南に続く分水嶺山行:
飯豊の分水嶺 大石山〜地神山〜門内岳〜二ツ峰〜胎内尾根
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2059308.html
コメント
この記録に関連する登山ルート
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ヘッデンで下りの藪漕ぎは雪山の広尾根を下る以上に難しいのではないでしょうか。いつ足を滑らせてもおかしくないので相当な集中力が必要だったと思います。それでも休みを取りながらリスクを減らしつつ安全に下山、勉強になりました。
コメントありがとうございます.
昔だったら飯豊のような深い山で暗い中での下りの藪漕ぎは遭難に直結していた可能性が高いですが,今はGPSで現在位置がわかるので地形図を見ながら冷静に行動すれば私にとっては霧の中の藪漕ぎとあまり変わりません.ただ今までの経験から藪漕ぎをする山行にはなるべく光量の強いヘッドランプを持参して歩きやすいようにしています.また予備のヘッドランプやGPSも持っていきますし電池は多めに持参しています.スマホにもライト機能やGPS機能がありますのでこれらの文明の道具を駆使して歩いています.この山行は夕方近くに自宅に帰る予定でしたが,家族には時々現状を連絡していましたので問題ありませんでした.
想定外だったのがザックの脇に入れたペットボトルを藪の中で紛失し水分不足になったことです.暖かかったので脱水症気味になり少し辛かったです.下山して奥胎内ヒュッテの自動販売機で購入した飲料水をがぶ飲みし生き返りました.高齢になり体にガタがきていますのでこれからは気をつけて山歩きを続けたいと思います.
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