稲子湯〜みどり池〜中山峠〜中山展望台〜東天狗岳〜黒百合平〜渋の湯
- GPS
- 46:25
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 1,358m
- 下り
- 1,080m
コースタイム
稲子湯11:50〜13:20みどり池
2日目
みどり池8:20〜10:05中山峠〜10:40アタック失敗・撤退〜11:10中山峠〜11:55中山展望台
中山展望台12:00〜12:30中山峠・天狗岳再アタック開始〜13:05天狗の奥庭分岐〜13:25東天狗岳〜14:20黒百合平
3日目
黒百合平8:20〜8:50唐沢鉱泉分岐〜10:05渋の湯
天候 | 1日目 雪 2日目 雪のち晴れ 3日目 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
予約の際に申し込む必要があります。 小屋の都合により送迎できない場合もあるようです。 渋の湯〜茅野駅 バス ¥1,100 |
コース状況/ 危険箇所等 |
しらびそ小屋 1泊2食 ¥8,500(冬季暖房費込) 黒百合ヒュッテ 1泊2食 ¥8,000(冬季暖房費込) 渋の湯 日帰り入浴 ¥800 しらびそ小屋のトイレに通じる階段は滑りやすいので注意が必要です。 中山峠の東直下の斜面はアイゼンがあったほうがいいです。 中山峠〜天狗岳はアイゼン必須です。ピッケルも持っていきましょう。 稜線は風がとても強いです。バラクラバ・ゴーグルがあったほうが幸せだと思います。ただゴーグルは曇ります。 中山峠〜中山展望台は緩斜面が続く歩きやすい道です。 |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
感想
講習会で習ったことの復習に、せっかくの長い正月休み、
北八ヶ岳に出かけてみることにしました。静かな冬山を求めて稲子湯から入ることにしました。
何にもない松原湖の駅まで今晩お世話になるしらびそ小屋の方が迎えに来てくれました。
助手席に宿泊者(私のことですね)を乗せた軽四駆は稲子湯まで凍結した道をひた走ります。
冬季はバスが運休しているので別途送迎料金は掛かりますが、これは嬉しいサービスです。
しかも私一人のために。
ほどなく稲子湯の先のみどり池入口の駐車場に着きました。
私がもたもた支度しているうちに小屋の方はとっとと出発していきました。
アイゼンに慣れるため最初から着けて歩き出しました。
しかし、傾斜が緩いため、アイゼンの効果がいまひとつ感じられません。
とりあえず講習会でならったフラットフッティングを意識して歩くように心掛けました。
雪が舞う森の中を歩くことわずか1時間半で宿泊地のみどり池・しらびそ小屋に到着です。
ちょっともの足りないので池の近くを意味もなく歩いてみたりしましたが、
寒いので、楽しみは明日にとって置くことし、さっさと小屋に入ることにしました。
小屋に入ると先客がお二人いらっしゃいました。
聞いてみると小屋の方のお知り合いの地元の方で
普段は全く山登りはやらないけど遊びに来てみたとのことでした。
そんなお二人とともにコタツで暖まりながら、特に何をするわけでもなく、
贅沢に時が過ぎていきます。
お二人からは、みかんやおにぎりを頂きました。
ロクに昼食を摂っていなかったのでありがたく頂戴しました。
夕方、名古屋からのパーティー8名が加わり、静かだった小屋が一気に賑やかになりました。
この日の夕食のメインは肉餃子でした。
大皿に食べきれないほどの量でしたが、全部美味しく頂きました。
普段アルコールは飲みませんが振る舞い酒も一杯だけ頂きました。
夕食後も談話室で8名のパーティーと一緒にゴロゴロするだけです。
本当に贅沢な時の過ごし方てす。
これぞ至福の一刻ですね。
ちょっとした遭難騒ぎもありました。
まず本沢温泉付近で男性が10mほど滑落したみたいでした。
この方は自力で下山されたようでした。
もう一件は女性1名の所在がわからなくなったとのことでした。
この女性に関してその前の状況からみどり池までの道のりで私とすれ違っている可能性が高いらしく、
小屋の御主人が私のところに確認をしに来られましたが、正直覚えていませんでした。
その女性の齢、格好を聞いてもそう言われればそんな人とすれ違ったかもしれないとしか言えませんでした。
(この女性はこの後無事の下山が確認されました)
このような小さな事象はある意味日常的なことだと思います。
その度に小屋の方をはじめ関係者の皆さんはご苦労されていることと思います。
そんな皆さんに改めて感謝するとともに自分の未熟を改めて思い知らされました。
自分自身の安全はもちろんのこと、山で出会う人、一人一人に注意しなくてはいけませんね。
翻ってそれが自分の身を守ることに繋がるのですから。
そして、静かで賑やかな小屋の夜は更けていくのてした。
2日目
朝6時(だったかな)に起床。
外の気温は−14℃です。
朝食の前に8名さんからコーヒーを勧められて、御一緒にさせて頂きました。
頂いてばかりなんです。
7時から朝食。
お餅入りのお雑煮を美味しく頂きました。
朝食後に再びコーヒーを頂いてから、身支度を整えて出発しました。
降り続いている雪の影響で小屋の前のトレースが消えていて、一瞬焦りましたが、
昨日池の周りを意味もなく歩き廻ったことが意味があったらしく、事なき得ました。
森の中に入るとトレースがきちんと残っていました。
そんな緩斜面の道を黙々と登っていきます。
本沢温泉への分岐を過ぎると少しずつ傾斜がきつくなっていき、
中山峠の直下は距離としては短いもののかなりの急登でした。
中山峠を登りきるとそこは違った世界でした。
それは何といっても風です。
先ほどまでの無風状態から想像もできないほどの風が吹いていました。
その風の影響でしょうか、雪の締まり具合も違っていました。
相変わらず雪は降り続いていますが、行けるところまで行くこととして、
とりあえず天狗岳に向かうことにしました。
森林を抜けると風雪はさらに激しく、かなりあぶない状況でした。
とても初心者一人で登れるコンディションではありません。
10時40分、誠に残念ですが、断腸の思いで撤退を決定しました。
急いで中山峠まで戻ります。
中山峠まで戻ってもまだ11時です。
今日の宿泊地の黒百合平にこんなに早く行っても何なので
急遽中山展望台まで行ってみることにしました。
中山展望台までの道のりは緩斜面が続き、危険なところはありません。
晴れていれば北アルプスも見渡せるはずなんですが、
当然のことながら展望台からは何も見えません。
しかし、ふと天を見上げると雲の切れ間から青空がみえました。
天気は急速に回復しているようです。
一度は諦めた天狗岳。
登頂できるチャンスがあるかもしれないと、急いで中山峠まで戻ることにしました。
天候は本当に急速に回復して、中山峠に戻る頃にはすっかりよくなりました。
天狗岳に再アタック開始です。
森林をぬけると先ほどは確認できなかった山頂付近がはっきり見えましたが、
風は依然強く、吹き飛ばされないように一歩一歩進んでいきます。
フラットフッティングやら、対風姿勢やら、習ったことを総動員して登っていきます。
体は寒くないのですが、顔の肌が露出しているところだけ、とてつもなく痛いのです。
しかしバラクラバで顔を覆うとメガネが雲ってしまいます。
困ったものです。
皆さんはどうされているんでしょうか。
そんなこんなで格闘すること、ついに13時25分、東天狗岳の頂きに立つことができました!
東天狗岳冬季単独登頂に成功です。
これは登山史上、何十万、いや何百万人目かな?の快挙ですよね。
硫黄岳はガスで隠れていましたが、蓼科までの北八ヶ岳は一望することができました。
そんな大パノラマの山頂にもっと長くいたかったのですが、
とにかく顔が痛いので写真を撮り終わるとすぐに下山することにしました。
せっかく登ってきたのに、ちょっと残念です。
でも、冬の天狗岳を登りきり、その興奮は尋常ではありません。
テンションを必死に抑えながら慎重に下って行きます。
黒百合ヒュッテはそんな私の思いとは裏腹に淡々と時が流れているようでした。
それがかえって何かいい感じでした。
なんともうまく表現てきませんが、そんな気がします。
いつものように何もしない時間か数時間続いたあと夕食を食べ、
正月の恒例らしい演奏会を聞いて、一人余韻に浸りながら眠りにつきました。
この日宿泊者は30名ほどでした。
3日目
目が覚めると6時3分でした、
食堂から「ご飯とお味噌汁を取って席についてください!」
そのような大声で目が覚めたのでした。
慌てて食堂に下りていきます。
今日は最終日。
あと下山するだけなので私としてはもっと遅い時間のほうが有難いのですが、
仕方ありません。私の都合で地球が回っているわけではありませんので。
朝食が済んで他の登山者が出かけるのを見届けてから
静かになった部屋の片隅で荷物を整理して小屋を出ました。
外は文句のつけようのない青空が広がっていました。
今日登る人をちょっと羨ましく思いましたが、
こっちは荒天も好天も味わえたんだぞ!と強がってみたりもします。
最後に小屋の前の急斜面を登り、もう一度天狗岳を眺めてから下山しました。
総括的なこと
無事に下山でき、ホっとしています。
今回も多くの人のお世話になりました。
全ての人に感謝です。
東天狗岳に登ることができ、それはそれで良かったのですが、
技術的なことを考えてみると、どこがどういいのか、悪いのか、
自分ではさっぱりわかりません。
天狗岳は冬山の入門と言われている山です。
登った後だから言えることですが、天候さえ間違わなければそれほど難しい山ではないと思いました。
しかしさらなる高みを望むなら、定期的に誰かに指導してもらう必要があると感じました。
まぁ、あまり急がずに身の丈にあった山行をしていくことですね。
「想い出の山」写真&レポートコンテスト 「山行記録部門」 by モリパーク アウトドアヴィレッジ(MOV)
しらびそ小屋から上がられたのですね。
私もしらびそ小屋は2回ほど宿泊していますが良い小屋の思い出です。
翌日のコースを小屋のオーナーに話したところ「それは帽子をかぶらずに歩くようなものだ」と注意された事があります。
意味はムボウ(無謀)な計画を注意されたのです。
小屋の人達は皆さんプロですから自分の計画を話しておくのも安全登山に繋がりますね。
力量はすぐに見抜かれますから。
このコースは峠の直下はホントに垂直に近く大変ですよね。
3日の朝はまだ晴れ間を期待できないので帰りの渋滞を考えて天狗を登らずに下りてしまい勿体ないことをしたかしら。
冬季には3回くらい頂上を踏んでいるのであまり執着がなかったから軟弱になっていました。
貴方の展望の写真を見てちょっと後悔してます。
唐沢鉱泉から西天狗コースで廻るのも面白いですよ。
真面目に習った事を実践しているninotsugiさん、偉いです。
尊敬します。
OBABAさん、ありがとうございます。
ちょっと褒めすぎですが。
そんなに褒められても何もでませんよ(笑)
宣言したからには下手なことは書けないと
いつも以上に力を入れて書いてみました(*^^*)
実は小さい時に親に連れられて登っていた頃以来の営業小屋泊まりでした。
ワクワク、ドキドキの小屋泊まり、楽しかったですね。
テントを担がなくていいですし、食事の心配も下山後の後片付けも不要です。
圧倒的に楽ですね。
もう、テントを担いで登れないかもしれません(笑)
本音はもちろん、冬のテントは無理!っていったところ何ですが f(^^;
しらびそ小屋の御主人は私の力量を見抜いていたようで、
こちらが問いかける前にルートについて色々アドバイスしてくれました。
しらびそ小屋、素敵な小屋でした。
また、泊まりにいきたい小屋ですね。
冬山の魅力の虜になりました。
ちょっと危ないけれど、多くの方が登られる理由が改めてわかりました。
「山好きは夏よりも、冬!」
一度は言ってたみたかったセリフです(笑)
きっとすれちがっていますね。
サングラスとバラクラバの問題は
私も困っています(-_-;)
稜線の風で
右ほっぺたに凍傷こしらえてしまいました。
houkyouさん、はじめまして。
黒百合ヒュッテでご一緒のようでしたね。
何をするわけでもないのに、小屋での時間は楽しいですね。
凍傷、お大事に。
ありがとうございました
雪山講習のあとの実践、
お疲れ様でございます。
今期あと何回くらい実践に繰り出すのでしょうか?
なにはともあれ反復練習あるのみですね。
気をつけてがんばってください。p(^^)q
日記、一日目の最後のくだりが良いです。
「山で出会う人、一人一人に注意、
それが自分の身を守ることに繋がる」
山での挨拶は大事ですね。(^ω^)ノ
bird_playさん、挨拶は大事ことなんです!
けれども、何気ないと印象に残らず覚えていないんですよねぇ。
ちゃんと意識してしないといけません。
なかなかできませんけど。
登山は
「ただ山を登ればいいというものではない!」
ってことですね。
「頭を使って登る!」
そこに面白さがあるんでしょうね。
あと1、2回はどこかの雪山に遠征に行きたいですね。
明日にでも行きたいです。
あとは近場の山かな。
冬枯れの山も楽しいですよ!
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