八ヶ岳日和(赤岳-阿弥陀岳単独日帰り)
- GPS
- 12:00
- 距離
- 17.6km
- 登り
- 1,704m
- 下り
- 1,710m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
往復とも美濃戸口-行者小屋間はアイゼン無しでも歩行可。行者小屋より先は本格的雪山装備必須。 |
写真
感想
昨シーズンの反省を踏まえてゴーグルやジャケットなど新たな装備を充実させ、自称Ver2.0となった今シーズンであるが、天気予報が芳しくなくまだ出番がない。いつの間にか適正体重を4キロも超過し、そろそろメタボ解消のためにガッツリと冬山に登りたくなってきた。4日の八ヶ岳方面はかなり確実に晴れそうだったので今年の登り初めは昨年無念の敗退を喫した阿弥陀岳に再挑戦することにした。次いでに赤岳にも登ってしまおう。
昨年の反省から出発時間を早めた。早めに美濃戸口にやってきて4時半起床、5時に出発。月が明るいのでヘッドライトなしでも歩ける。北斗七星を眺めながら歩いていると大火球といえるほどの流れ星が出現して驚いた。行者小屋に着く少し前にやっと明るくなってきた。今日は体調も良く、ペースも速い。
まずは地蔵尾根から赤岳に向かう。雪の量は昨年の二月よりはまだ少ない。階段や鎖もまだ完全に埋もれていないので、急斜面であっても主観ではあるがそれほど危険は感じない。稜線に出てから頂上までは、マイナス20度の強風がさすがにこたえたが、防寒対策は万全であったので、赤岳まではすんなり登ってこれた。動作保証温度が0度であるデジカメ(OM-D)がこの寒さの中動作するかが心配であったが、どうやら持ちこたえてくれた。
赤岳頂上は人だかりができていた。頂上小屋の前でおにぎりを食べようとしたが、既にかちかちに凍っており、かろうじてテルモスのお茶に浸すことで食すことができた。そそくさと写真をとっていざ阿弥陀に向けまっすぐ下降しようとしたところ、誰かが後ろで叫んでいる。ふり返ってみると私が正規ルートを外れていることを注意してくれていたのだ。このまま進んでいたら南峰リッジのバリエーションコースにはまって往生していたかもしれない。その人は地図をよく見るようにと諭してくれたが、1/25000地形図上でも道は頂上からまっすぐに阿弥陀に向かっており、一旦南に向かって巻くということは現地に来てみないことにはわからない。礼をいって指示された方向に進んで行くと、今度は正面に権現が見えている。どうもおかしいを思って戻ってみると、阿弥陀方面(文三郎道)の分岐を見落していたことに気がつき、やっと正規ルートに戻れた。極寒の頂上という異世界の雰囲気が冷静な判断を鈍らせるようだ。こんな天気の良い日に道迷い遭難はしゃれにもならないと自分を戒めた。
文三郎道分岐を過ぎ、中岳を越えて中岳のコルという鞍部に差し掛かると、それまであったトレースが忽然と無くなっていた。途中の稜線沿いでは3人組とすれ違っていたのが、彼らはここで引き返したということか。こうなったら独力でラッセルするしかない。しかし中岳のコルからの登り返しは阿弥陀岳の登りでも最も急斜面かつ風衡地的地形によりパウダースノーと化していて遅々として進まない。でもここで引き返したら、完敗を認めることになる。時間、天気、体力すべての条件がOKなのだからここはGoだ。ラッセルにはコツがあると聞いたことがあるが、吹きだまりではなく、少しでも岩が露出しているところを選んでルートを拓けば足場が築けやすいということを体得した。ラッセルで頂上までもう半分は来たかと思える辺りで上から人が現れほっとした。この2人連れは南稜コースを登って来たという。御小屋尾根はトレースがなく、こちらに下りることにしたらしい。これでお互いのトレースを利用できる。これぞまさしくWinWinの関係だ。その後は斜度も緩くなり、ほどなくして頂上に出た。赤岳より低い阿弥陀岳だが、登頂の喜びはこちらの方が断然上回っている。
帰りはセオリー通り文三郎道を経由した。赤岳直下とも言えるくらい文三郎道の分岐は赤岳寄りで想像していたよりもはるかに高い地点にあり、中岳沢をまっすぐ降りていく誘惑に駆られたが、ここは安全を優先することにした。
駐車場に戻ってきたのは17時過ぎでもう星がまたたき始めているころであった。
駐車場の管理人の話では、年末から昨日までずっと天気が悪かったとのこと。今回の天候のありがたさをかみしめた。
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