日高の旨味がギュッと〜神威岳(浦河)
- GPS
- 08:51
- 距離
- 10.4km
- 登り
- 1,246m
- 下り
- 1,250m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は危険個所は特にない。ただし登山時間が短いわりに体力は必要。また、沢の後半は若干登攀的なので、サンダルや運動靴では危ない。沢靴は必要だと思う。 そしてこの山の核心は登山でなく、林道の運転である。崖から落ちたり、穴にハマったり、バンパーをぶつけて壊したり、わだちで底をぶつけたりしないように細心の注意が必要。 |
その他周辺情報 | 三石昆布温泉 蔵三 450円 |
写真
感想
9/22(火) 晴れのち曇り: 神威岳ピストン
もともとこの日はチロロ岳を登る予定だったが、事前調査通りパンケヌーシ林道が土砂崩れで通行止めになっていた。自転車なら通れるみたいなので、日高町の近所でレンタサイクルをやっている店も探してみたが、うまく見つからなかった(道の駅しむかっぷで無料レンタルをやっているが、電話で聞いたところ日をまたがってのレンタルはダメだそう)。林道は片道10キロあり、徒歩だと往復で4時間かかることになり、それなら神威に登ろうと、方針変更した。
北海道には神威岳という名の山がいくつかあり、ややこしいことに日高にも二つある。一つは戸蔦別川から残雪期に登られる北日高の神威岳で、もう一つがここだ。写真のコメントにも書いたが、私は小学生の頃にこの神威岳の近くの町に住んでおり、そのときに祖父の友人の大塚さんが路迷いで遭難されて、大騒ぎになった。結果、遺体で見つかるという最悪の結果になり、子供ながらに怖い山なんだという意識が植えつけられた。その神威岳に一人で登ろうというのである。緊張以外の何物でもなかった。
前夜8時半に神威山荘に到着したが、林道のあまりの悪路っぷりには参った。これでは登山よりも運転のほうがよっぽど命がけだと思ってしまう。11年前にペテガリからコイカクまで縦走した時にもタクシーでここまで来ているが、その時よりも林道の崩壊がだいぶ進んだようだ。登山口には車が3台。おそらく山荘内に登山者が宿泊しているだろうが、明かりはすでに消えている。コロナの件もあるしご迷惑はかけられないので、小屋の外にテントを張って寝ることにした。昨晩と違い標高も低いので、暖かくぐっすり眠れた。
翌朝起きるとすでに登山者は皆準備されて出発しようとしていた。全部で2パーティ。ソロの方がだいぶ朝早くにすでに出発、もう一つ6人パーティの方々も出発したが、第2の渡渉ポイントで追いつき、先に行かせてもらう。ニシュオマナイ川は難しい箇所は何もなかった。沢の傾斜も緩いので、増水時でなければ渡渉もテキトーで大丈夫である。目印もしっかりしているので安心だ。ところどころあるゴルジュを避けるときに巻き道の目印を見逃さないようにするのが、目下の関心事であった。
714で右股に入り、急な枝沢を少し上ると大岩に赤矢印が書いてあり、ここから尾根に取り付くことが分かった。登山靴に履き替え、沢靴はここにデポする。すぐに急な登りになるが、日高らしくジグザグは切らずにひたすら直登だ。コイカクシュサツナイ岳、楽古岳などと全く同じである。慣れていないと戸惑うかもしれないが、日高ではこれはもうおなじみの尾根道だ。傾斜が急なので、笹を掴みながらのワイルドな登りになる。ただ道が乾いていて滑らないので思ったより楽だった。
標高1250mくらいで傾斜がいったん緩むが、その後また急傾斜になり、ハイマツが出てくると山頂は近い。ここでソロの方が下ってきたところに遭遇。随分足の速い方だ。「テン泊してた方ですよね」と言われたので「そうです」と答えた。山頂は楽古岳の山頂の雰囲気ととてもよく似ていた(看板のデザインが同じせいもあるかもしれない)。眺めを期待していたが、ご近所のソエマツ岳以外は雲に隠れており、全くダメだった。5年前登ったピリカヌプリも見えず、あの端正な三角形に出会えないのはとても落胆だった。でもソエマツ岳の日高ヒダはものすごい迫力で、それを満喫できたのは良かった。30分以上粘ったが、雲が晴れそうもないので、下ることにした。
下りも順調。暑くなってきたので水の中がとにかく気持ちよかった。沢が簡単だからと言ってこの神威岳は面白くないわけでは全くなかった。小粒ながらも沢を詰め、急な尾根を登って山頂に立つ、日高のエッセンスを充分に具えた山だった。短い時間だったがとても楽しめたのである。内地にもこのようにウォーターウォーキングとピークハントがハイブリッドになった山がたくさんあればよいと思うのだが、私がすぐに思いつく限り、赤石岳、皇海山くらいしかない。その意味でも日高のワイルド低山は貴重だと改めて思うのである。
おしまい。
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