奥岳川川上本谷障子沢
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- GPS
- 09:33
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 1,278m
- 下り
- 1,275m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
九州遠征の終盤は川上本谷へ。
今回はtaka6320さんとの3人。
地形図では1200m以降に急に高度を上げるため核心となるだろうと話し合いながら、尾平登山口からスタート。
ここから本日の目的地である烏帽子岩等がきれいに朝日を浴びている姿が見えとてもワクワクした。
川上本谷への入渓は三枚谷を過ぎた位置から。
三枚谷と本谷との出合い付近が分かりにかった。
入渓後はぬめるナメや巨岩が多く、意外と進みにくい。
大きめに巻いたり、数m程度の懸垂下降も行った。
HMS型カラビナ&ムンターでの懸垂は初めてやったが手軽でロープもスムーズに動き降りやすかった。
taka6320さんに、カラビナにかけながら手早くムンターを結ぶ方法を教えてもらったのでマスターしておこうと思う。
ナメが終わると小滝や岩がボチボチ出てくる。
特に難しくなく、ボルダームーブを練習したり色々試した。
時折ぬめるため、確実な登攀を意識しお助けを出してもらうことも。
シャワークライミングとなる滝では、巻こうかと思っていたらtaka6320さんがサッと直登したので続くが、すぐにホールドが見つからずちょっと時間をかけた。
この辺はオブザベーションの能力の差だな…
聞くとオンサイト力を鍛えるためにボルダリングではオブザベーションに力を入れて取り組むようにしているとのこと。
本当に学ぶべきことが多い。
行動食のカロリー談義の休憩を入れつつ、1060m二俣付近へ。
taka6320さんの情報で、今回登る本谷は伏流しており支流のスリウス谷に水があるとの情報。
実際そこに差し掛かると出合いの手前から伏流して水はなくなっていて、出合いははっきりしているもののガレ場であり、さらに明らかな水流音が左のスリウス谷の先の方から聞こえる。
事前情報がない状態で何となく進んでいたら間違いなくスリウス谷へ入り込む気がする。
コンパスを当てると地形図通りに出合っていた。
距離や標高など自分の感覚はある程度持っておいた方が良いが、コンパスの示す角度の方が信頼性は高いということを意識すべき。
きちっと出合いに立って方角を取る、地形図に水線を引く、という基本の重要さも再認識した。
そして1200m付近、本谷と烏帽子本谷の二俣に到着。
事前の打ち合わせ通り、初級〜中級である左の本谷へ進むが入り口からCSが立ちふさがる。
ここでyoshikitoさんリード、taka6320さんビレイでトラバース気味に突破を試みた。
案外岩はしっかりしており剥がれにくそう、と思った直後、yoshikitoさんが手をかけただけの大岩が壁から剥がれ落下!
2mほどの高さから長さ1m弱(重さ100kg近くある?)の岩が落ち、音を立てて真っ二つに割れた。
幸いyoshikitoさんは落下せず、taka6320さんもビレイしながら後方へ飛びのいたため負傷や損傷はなし。
taka6320さんは事前に足場を見て後方に下がれることを確認してからビレイをしており、落石時には後退とともにロープを引いてyoshikitoさんの落下に備えたらしい。
経験値の高さから来る完璧な対応だった。
ビレイヤーは自身の安全を確保しながらクライマーの確保をする意識は本当に重要と思った。
クライマーは怪しい箇所では確実な三点支持をしてホールドが剥がれても落下しないよう姿勢を取ることも重要。
今回、yoshikitoさんは登る際に手で剥がれないかきちっと確認していたが、より丁寧に確認するにはハンマーで叩いて音の違いや岩が動かないことを確認した方が良いとのこと。
また、落石に挟まれロープが切れることも多いと教えてもらった。
自分は横から見ていただけの状況だったが、この経験は絶対に今後のためになると思う。
怪我がなくて本当に良かった。
本谷はこのような微妙な突破が続くと予想、初級と記載のある障子谷へ入るよう方針を変更した。
そこからはかなり急登のガレ場歩き。
地形図と実際の岩壁がどれほど一致するかは不明だが、地形図の岩壁の切れ目(烏帽子岩すぐ北の、主稜線まで南西へのびる谷)を目指して二俣を選択していく。
所々巨岩がCSとなっており、一か所空身突破で荷揚げした。
徐々に両側が岩壁となり、谷が細く伸びているような地形に。
地形図の読み通り岩壁の切れ目となっている様子で、yoshikitoさんの読図・ルート選択能力を絶賛しつつ進む。
またCSが出てきて、taka6320さんの突破力を頼りリードしてもらう。
支点の取り方が難しそうで、カム・ナッツ・木の根と様々だったが適切に判断するのは難しそうだった。
左の草付きを登るルートへ。
セカンドで登ったが、先ほどの落石が頭をよぎり、岩が剥がれそうでけっこう怖かった。
谷への復帰は簡単にでき、その後は尾根へ上がった。
目指した地形図上の岩壁の切れ目ではなく烏帽子岩北にある東西にのびる小さな支尾根。
地形図が実態とあっていない可能性が高い気がする。
藪漕ぎなどなくすんなり登れ、登った先は快晴かつ紅葉が綺麗で、めちゃくちゃ気分が良かった。
下山は2時間以上の登山道。
急で足場も悪い箇所が多く相当しんどかった。
川上本谷はクマガ谷とは異なり登攀要素が強く、冒険感の高い沢だった。
今回も自分の登攀力ではけっこう一杯一杯で連れて行ってもらった感が強く、そこはやはり悔しいところ。
色々知識を入れたりトレーニングをしつつ、丹沢とかでリード練習をしたいな…
地形図を見て考えるべきポイントも訓練しなくては。
まだ書き切れていないこともある気はするが、ひとまず自分に不足している部分が大量にあるとはっきりしたので即座に動き出すことにしよう。
yoshikitoさん、taka6320さん、本当にありがとうございました!
この日は川上本谷を遡行する予定。障子岳へ突き上げる沢で、上流部Co1200で烏帽子岩に沿って二分し、左が本流(中級)、右が烏帽子沢(初中級)とされる。
クマガ谷は全体を通して均一に歯ごたえがあったが、川上本谷はCo1200以降の500m(全行程の1/2)で中級の難度が付いているようだ。後半部に凝縮。。登攀強度高いよな。。と思いつつ駐車場を出発した。
登山道への道中に、朝日に照らされる障子岳が見える。直下の烏帽子岩は綺麗な菱形をしていて、詰め上がる沢が良く見え、登攀意欲をそそられる。アルパインクライマーがxx奥壁を目指して、という文章を見たことがあるが気持ちがよく分かった。
登山道を行くと枝沢が複雑に入り混じって、分かりづらい。慎重に読図しながら目的の川上本谷に入る。綺麗なナメ沢だが、滑る。お助け紐でちょっと懸垂したり(finetrackのフローティングは細いが表面ザラザラなのでムンターより、ATCの方がスムーズに降りられるみたい)しながら進む。
割と際どいトラバースもあった。Co870の枝沢あたりから、徐々にナメから小滝の連続に変わる。上部の登攀に向けて体力を温存しておく算段だったが、我慢できなくなってきてボルダー大会を始める。パッと見、難しそうな場所は登攀力の高いtakaくんにすっと先頭を譲りつつ笑、楽しく登れた。
大分はこの時期でもシャワーができる。Co1050で伏流した。しかも、どう見ても南西への支流が本流にしか見えない。ここはtakaくんのパートナーが先週遡行して正しいルートを選べたが、初見ではほぼ確実に間違えるだろう。
Co1200を左へ。CS滝があり、きわどい右トラバースがルートのようだ。リードじゃんけんに勝利し、自分が空身で登り荷揚することになった。1ピン目取って数手進み、核心部手前へ。1足を出すために右手ホールドを軽く引くと、ズズッと今まで感じたことのない感触があった。
岩の砕ける音がして、右側を見ると岩がごっそり削れ、ロープが軽く張られているのが見えた。ビレイヤーは気を抜かず、逃げられる位置に立っていたし、咄嗟にロープを思いっきり引かなかったので自分も落ちずに済んだ。誰も怪我しなくて、本当に良かった。
登り始めで思いっきりテイスティングして頑丈なタイプの岩場だと思い込んだことと、手元の細かい部分だけでなく丸ごと岩が崩壊するという想像力が欠如していた。きわどいトラバースだったので、ばっちり三点支持だったことは良かった。その後、対策を離したが、やっぱりクラックが走っているような場所ではハンマーで叩いて確認しながら登る必要がある。フォローもリードと別のホールドを使うなら気を抜けない。
落石があり、本谷には拒まれているような嫌な感じがしたので、右俣の障子谷に変更しようと提案した。二人共、すぐに了承。この辺りの理解度がとてもありがたかった。
障子谷の前半部は延々と岩登りの続く、筋トレ系。太腿によく効く。徐々に細くなっていき、最後は岩壁に挟まれたような面白い景観になった。大岩に阻まれた所はtakaくんリードで抜け、支尾根へ藪漕ぎなしに出ることができた。
天狗岩から登った障子谷と登れなかった本谷のラインを確認し、行けるもんだなと思った。その後は、辛い下山でヘトヘトになりながら2時間で下山。
大分県にある丸福(唐揚げ定食屋、大分スタンダードだと1,000円で腹いっぱい食べられる)で夕飯食べて、そのまま2時間以上話して解散。
今回の九州遠征は本当に面白かった。会内だと同じ流派というか、当たり前になってしまうことも別の視点からの意見を聞けたし。山に対して一生懸命で何より馬鹿みたいに楽しそうで。
九州にはまだまだ魅力的な沢がありそうなので、ぜひ再訪したいと思う。
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