赤岳〜阿弥陀岳(念願のモルゲンロートに感動)
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- GPS
- 26:30
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 1,595m
- 下り
- 1,594m
コースタイム
11:45美濃戸 - <北沢> - 13:30赤岳鉱泉 - 14:15行者小屋(テン泊)
【2日目】
5:25行者小屋 - <地蔵尾根> - 6:35地蔵の頭6:45 - 7:00赤岳天望荘 - 7:40赤岳山頂7:50 - 8:45中岳 - 9:35阿弥陀岳 - 10:25中岳 - 10:50文三郎尾根分岐 - 11:25行者小屋(テント撤収)12:45 - <南沢> - 14:10美濃戸
※GPSログが壊れたのでルートは手書きです。
天候 | 1日目:曇 2日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
美濃戸口から美濃戸までは雪深く坂の勾配もきついため四駆+スタッドレスは必須。 更にチェーンを付けている車も多かった。 (対向車すれ違いのため脇によけた際にはデフロックも使用) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■コース状況 全般的にトレースはよくついている。 【美濃戸〜赤岳鉱泉(北沢)】 アイゼン不要。危険個所なし。 【赤岳鉱泉〜行者小屋】 アイゼン不要。危険個所なし。 行者小屋ではトイレ・水場あり。 【行者小屋〜赤岳(地蔵尾根)】 10本以上のアイゼン・ピッケル必須。 地蔵の頭までの斜面は急なので滑落注意。 山頂までのルートは歩きやすいが風が強い。 【赤岳〜文三郎尾根分岐】 10本以上のアイゼン・ピッケル必須。 急登+岩稜帯なので滑落注意。 急斜面のトラバースもあり。 【文三郎尾根分岐〜阿弥陀岳】 10本以上のアイゼン・ピッケル必須。 この区間は風が強い。 中岳は痩せた尾根を歩く必要あり。 中岳〜阿弥陀岳までの急登は今回の山行の最難所。 ピッケルとアイゼンの前爪を効かせながら長い斜面を登る必要あり。 風でトレースが消えている箇所あり。 【阿弥陀岳〜行者小屋(文三郎尾根)】 中岳沢は雪崩のリスクが高いので文三郎尾根まで戻った。 文三郎尾根は多少急だが特に危険個所はない。 【行者小屋〜美濃戸(南沢)】 日陰ではかなり凍っているので軽アイゼン程度はあった方が良い。 自分はノーアイゼンだったが何回か滑りそうになり後悔した。 ■ドコモ電波状況 ・行者小屋 ・・・ ▲ ・稜線 ・・・ ◎ ■温泉 赤岳の時はいつも「樅の湯」。 サウナ・露天風呂ありで500円。 |
写真
感想
今年に入ってからの山行は計2回。
1回目:甲斐駒ケ岳 ・・・ 登頂果たすもガスガスで眺望なし
2回目:仙丈ヶ岳 ・・・ 雪が深すぎてラッセル敗退
ということで、そろそろ当たりが欲しいと思っていた。
週末の天気予報は前線と低気圧の通過に伴い荒れるとのこと。
しかし時間ごとにみると土曜日の午後〜日曜日の午前中は晴れそうだ。
つかの間の晴天を狙って念願だった厳冬期の赤岳を目指すことにした。
まずはいつも通り石川から上高地をかすめて松本に向かう。
5:00に家を出たのだが、途中で眠気に襲われて仮眠。
2時間も寝てしまった。
結局美濃戸に11時30分に到着した。
午前中はやはり予報通り雨。
早く着きすぎても雨で濡れることになるので遅めに着いたのはむしろ好都合だった。
1日目は北沢経由で行者小屋を目指す。
行者までなら南沢の方が近いが、行きと帰りで別ルートを歩きたかったので往路は北沢を選ぶことに。
北沢はとても歩きやすくアイゼンなしでも特に問題なかった。
赤岳鉱泉に着くと名物アイスキャンディーに多くの人が群がっていた。
どうやら講習会が行われているようだった。
行者小屋に着くと、テントは2張りほどだった。(その後10張くらいに増えるが)
雪が深く整地するのに30分以上要したが何とかテント設営完了。
辺りは雨さえ降っていなかったがガスガスで視界不良。
本当にこれから晴れるのか不安がよぎる。
木々に当たる風の音も大きく、その強さを物語っている。
この日は驚くほど暖かかった。
厳冬期にも関わらず、テントの入り口を開放した状態でバーナーを使うことができた。
しかし夜になっても風の音は止まず、翌日のコンディションに対しては不安が残った。
2日目の朝、目を覚ますと風の音はやんでいた。
テントの外を見ると大同心が月明かりに照らされている。
ベストコンディションだった。
急く気持ちを抑えて、まずは朝食。永谷園のお茶漬け。
最近は頭を使わなくて済むこのパターンが定番となってきた。
外では他の人達もあわただしく準備している。
アイゼン・ピッケルを装着し地蔵尾根へGO!
この日の地蔵尾根はまだ誰も歩いていなかったがトレースはバッチリ。
樹林帯を抜け、後ろを振り返ると諏訪の夜景と車山高原の明かりが目に入った。
そしてその先に目を向けると、北アルプスと乗鞍、御嶽山が暗いながらもそのシルエットが月明かりに照らされている。
高揚感はますます高まっていく。
そして地蔵の頭へ・・・
最後の急登を一歩一歩昇っていく度に、稜線の向こうが1段階ずつ明るくなっていく。
そして稜線に昇りつめた時、そこには真っ赤に染まる奥秩父の山々と富士山、甲府盆地が待っていた。
まるで自分が来るのを待っていたかのように太陽が少しずつ顔を出す。
感動で気持ちが昂り、涙腺がゆるんだ。
正直、これまでの山行でここまで感動したことはなかった。
前回6月に登った時はガスガスで眺望なし、今年に入ってからの山行も恵まれなかった、そして大好きな八ヶ岳からの素晴らしい朝焼け、あとは郷愁みたいなものもあったのかもしれない。
よくよく考えると、稜線や山頂まで登った時に初めて見える景色というのはどこの山にもあるが、登って初めて見えるモルゲンロートというのはこれまで経験したことがなかった。
地蔵の頭で心ゆくまでその光景を眺め、赤岳山頂を目指した。
赤岳山頂までの道はアイゼンもよく効く歩きやすい道だった。
風は強かったが耐風姿勢を必要とするような強風ではなく、ある意味八ヶ岳としてはかなり条件はよかったと思う。
赤岳山頂。独占。
時間が早いせいか誰もいなかった。
そこには360度の展望が広がっている。
これまで見えなかった北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山が視界に入ってくる。
北アルプスも槍穂高はもちろん、遠く白馬岳まで望むことができた。
何という贅沢。
条件が悪かったらそのまま文三郎尾根から下ろうと思っていたが、当初の予定通り阿弥陀岳を目指すことにした。
赤岳から文三郎尾根までの下りは急な岩稜帯で狭いトラバースもあるので万全の注意を払いながら下る。
文三郎尾根から中岳方面は風が強く人も少ないため一気にトレースが薄くなる。
中岳ではナイフリッジと雪庇に注意しながら進む。
阿弥陀岳の斜面に取りつくと、そこからはトレースもほとんど消えかけていた。
右に目をやると北稜から登ってくる人達が見える。
アイゼンの前爪とピッケルによる急斜面の登りは一般道としては難易度が高いと思う。
そして阿弥陀岳山頂。またも独占。
間近に赤岳が迫り、南北八ヶ岳を一望できる。
権現岳と編笠山もド迫力の距離だ。
阿弥陀からの下山も前爪とピッケルを使って慎重に降りる。
中岳沢を降りたい衝動に駆られるが、万一雪崩が起きたことを考えて遠回りだが文三郎尾根まで登り返す。
文三郎尾根分岐まで来るとたくさんの人がいて八ヶ岳の人気ぶりをうかがわせる。
文三郎尾根を下り、行者小屋に戻ると気温はそれなりに低いがまるで春のような雰囲気だった。
のんびり昼食(ラーメン)をとり、南沢を下った。
今回の山行は出来過ぎな感もあったが、ともあれ記憶に残る山行になったことは間違いない。
写真見てるだけで感動が伝わる。
知らない誰かの写真じゃなく、撮ってる岩間な姿が想像できるからやろね。
やっぱり山はいい。だよね!
ミュージシャンのライブ然り、映画館で観る映画も然り、やっぱりリアルで見る景観は筆舌し難いですね。
特に雪山は人が少なく、静かな白の世界ということで現実離れしている雰囲気が更に感動を引立てます。
また近いうちに雪山、行きましょう!
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