快晴無風の甲斐駒ヶ岳
- GPS
- 28:24
- 距離
- 21.8km
- 登り
- 2,614m
- 下り
- 2,622m
コースタイム
- 山行
- 8:26
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 9:28
- 山行
- 3:46
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 4:10
5:26駐車場-9:40五合目-10:47七丈小屋テント場
<休憩とテント設営>
10:37七丈小屋テント場-13:16甲斐駒ヶ岳山頂-13:35同発-14:46七丈小屋テント場
11月1日(日)
5:15七丈小屋テント場-6:20五合目-8:26分岐-9:42駐車場
天候 | 10月31日(土):快晴、無風 11月1日(日):晴れ、無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
七丈小屋までは乾燥路だが、七丈小屋の少し上から山頂までは雪岩氷のミックス。登りは何とかなるが、下りはチェーンスパイクなどがないと大変だと思う。七丈小屋より上でも日向は雪氷はないが、日陰や山陰は雪や氷があり通過の際は慎重に。七丈小屋の水場は利用可能。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
感想
昨秋は台風による登山道崩壊で出掛けられなかったが、今年は無事に黒戸尾根を利用し、七丈小屋にテント泊して甲斐駒ヶ岳を往復してきた。2日間とも天気良く無風で、特に初日は快晴。過去の甲斐駒山行と比較しても最高の天気だったと言える。
10月31日(土)
キャンプ場の駐車場には4:56に到着。クルマの外気温計は0℃を示していた。そろそろ路面が凍結する季節になってきた。諸般の事情で到着が30分ほど遅れ、当然出発も30分遅れ。まだ暗い中ライトを付けて食事と準備をして5:26に出発する。ヘッドライトを点灯して歩く。ここを歩くのは今年の6月以来。その時は、梅雨の季節の蒸し暑い中で、黒戸尾根を日帰りで往復して甲斐駒ヶ岳を訪問した。今回も全く同じルートだが、途中七丈小屋のテント場で一泊する。10月末の標高2400メートルでテント泊するため、防寒装備を色々持たねばならず、ザックの重量は16kgほどになった。今シーズンは、テント泊山行が全然できず、8月に1回行ったのみ。久々の重荷が黒戸尾根の急登なので、なるべく荷物は減らしたつもりだが、それでも歩き始めるとしばらくは重さに体がついていかない様子だった。ペースを落とし気味に歩いて足攣りなどを防止する。6時を回り夜が明けて周囲が明るくなると、紅葉が案外きれいなことに気付く。今年の紅葉は色づきが遅かったものの、台風などの影響をあまり受けなかったせいか、どこもきれいで当たり年のように思うが、ここ黒戸尾根も同様だった。あたりを見渡しながら歩くが、しかしここは急登が続くので、あまりのんきには歩いていられない。ザックは重いし、久々の重登山靴も重いので、ゆっくり確実に登る。歩きは楽ではなかったが、天気は抜群に良くて、樹間から見える空は真っ青だった。しかも風も全くなく、そよ風すら吹かない中での登降となった。これが真夏なら暑くてたまらないし、季節がもう少し早くてもやはり暑かっただろうが、今日は歩き出しの気温が0℃と低かったので、歩いている限りは暑くも寒くもなくちょうど良かった。しかし休憩時は何か羽織らないと寒くて仕方なく。10月も終わりであることを実感できた。
出発から4時間以上経過して五合目に到着。日帰りの時のペースよりだいぶ遅いが、重荷なので致し方ない。しっかり座って休む。この先階段が連続する難所なので、ストックはしまう。大きなザックで階段の連続は、緊張の連続だった。途中、ここまで調子よく見えた同行のZさんが徐々に遅れるように。この先テント場があるし、早めに行って場所を確保したかったので、先行させてもらう。Zさんには、安全確実に歩くように伝える。一時単独行となり、10:40に黒戸尾根のオアシスとも言うべき七丈小屋に到着。受付は12時以降とあるので、給水だけさせてもらいテント場へ行く。10:47に下のテント場に到着。2張り先客がいたが、これから撤収して下山するパーティだった。今日張る組では一番乗りだったかもしれない。5時間以上歩いて疲れてはいたが、さっさとテントを設営。久々なので何だか嬉しい。テント場は日当たりが良く暖かい。シャツのみで作業。そうこうしているうちにZさんが15分ほど遅れて到着。顔に生気がなく青ざめている。テントも張り終わったし、中で休息を提案したが、行けるところまで、とのことで11:37にテント場出発。七丈小屋までは雪氷を全くなかったが、ここから上は、2週間前に降ったものと思われる雪と氷が見られるようになった。事前に聞いていたとおりだったが、自分の想像以上に雪が多い。日当たりの良いところは軒並み溶けていて乾燥路だったが、日陰や山陰では各所で雪というよりも氷が残っていて、安易に踏んで滑らないように要心しながら登った。八合目まで来ると、Zさんはここまで、と言う。高山病なのか辛そうだし、一人で七合目まで戻れるか不安だったが、雪道も含め、何度か歩いたことのあるルートなので、ゆっくり歩いてテントまで戻るように言い、自分だけ山頂まで目指すことに。
八合目より先も雪岩氷のミックスは続く。チェーンスパイクは持参していたが、登りでは問題なさそうなので、装着はせずに登る。氷とは言ってもカチコチではなく、踏み固められた程度だったのでそのまま登ることができた。天気は相変わらず抜群。風も全くなし。黒戸尾根からの甲斐駒ヶ岳は、過去6月と11月何度も訪れているが、今日がベストの天候ではないかと思われた。雪道で時折滑りつつ、下りの登山者とすれ違いながら先に進む。時間は既に午後になり、登る人よりも下る人のほうが多かった。稜線まで上がるとこれまで見えていた鳳凰三山や富士山、北岳間ノ岳以外に仙丈ヶ岳も見えるようになった。皆雪が着いているようで、白く見えた。快晴無風のまま、13:16に甲斐駒ヶ岳の山頂に到着。先客が一名のみ。北沢峠へのバスが動いていれば、こんなに人の少ない山頂は有り得ないが、今日はこの好天の中山頂には2名のみと信じられない状況だった。今日は、防寒グローブをテント場に忘れてきてしまい、山頂付近でビュービュー寒風が吹いていたらどうしようかと気を揉んだが、全くの杞憂に終わった。無風で暖かい山頂に座って休憩する。素手でおにぎりやパンを食べても寒さを感じない。当たりの日だな、と思った。山頂からは南アルプスの山々だけでなく、近くの八ヶ岳や、遠く北アルプスも見られた。こちらはもっと白くなっていて、既に冬の装いに見えた。
20分ほど山頂で休憩後に下山開始。山頂付近は地面が露出していてチェーンスパイクを着けるところはなかったが、稜線から少し下がった辺りで恐怖感を覚えたため装着する。カチコチの氷ではないので、歯が短く、何より軽いチェーンスパイクが好適だと思った。ピッケルは、この日の状況であれば、持参してもあまり使うところはないように思えた。雪氷のないところもあったが、チェーンスパイクは外さずにそのまま歩き続ける。本当は良くないのだろうが、すぐに次の雪氷が出てくるのでこうした。そのまま七丈小屋の少し上付近まで戻り、さすがに雪がなさそうなのと、傾斜も緩いので、雪があっても下れそうと判断して外す。そして14:46にテント場に無事帰還。出発時は太陽が照っていて暖かだったが、この時間は既に日が陰っていて寒い。面倒にならないうちに、受付とトイレを済ませてこの日の行動は終了。体調不良だったZさんは、シュラフに入って寝ていた。体調が悪そうで心配。
11月1日(日)
3:30起床。近くの酒盛りテントがうるさくて夜あまり眠れなかったが、持参した防寒装備のおかげで、寒さを感じることはなかった。昨夜は満月で、テントの中にいてヘッドライト点灯させなくても、テントの中の物品がある程度何か分かるくらいに明るかった。心配したZさんは、昨夜のうちに食欲も回復し、今朝は顔色も良くなり下山も問題なさそうだった。後片付け、食事、パッキングを済ませて5:15にテント場を出発。ご来光狙いと思われる登山者が登る中、我々は下って小屋前のベンチにザックを下ろし、トイレと歯磨きを済ませ、5:35に小屋発。樹林帯歩きだが、朝焼けがよく見え、八合目あたりにいたらきれいな朝日が見られただろうと思った。我々は、帰りの中央道の渋滞を避けるべく、日の出前から下山を選んだが、来年来る機会があれば、ご来光を見てから下山が良いと思った。6:20頃に五合目に到着。ここまで厚着で歩いて来たが暑く感じるようになり、2人ともシャツのみに着替える。ここからは黒戸山へ登り返しになり、きついところ。大した登りではないのだが、いつ来ても楽ではない。ただ登り切れば後はひたすら下るのみ。今日は一日上で休息を取ったので、体は楽だったが、自分は途中から足裏にマメができてしまい、ペースを上げて歩くことができなくなった。いっぽう昨日は不調だったZさんは、今日は好調。自分よりも速いペースで先に進む。全く追いつけないほど。途中の分岐からは、先に歩いてもらうことに。自分は重荷だし足裏のマメも痛いので、ペースを落とし気味にして進む。それでもなんとか吊り橋でZさんに追いつき、駐車場には9:42に到着。秋の紅葉シーズンのため、予想はしていたが満車状態。帰りの渋滞も気になるので、後片付けを手早く済ませて帰路につく。心配した中央道の渋滞は全くなくて楽々帰宅。後片付けも早くできて早出の甲斐があった。
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