谷川岳 西黒尾根
- GPS
- 25:08
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 1,346m
- 下り
- 1,340m
天候 | 1日目:晴れ 2日目:晴れ時々曇りのち暴風雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
踏み抜き多数 雪庇は崩壊を始めてるもの結構あり 以下写真 Nikon D600 AiAF Zoom-Nikkor f/3.5-4.5D 18-35mm IF-ED (stk) |
写真
感想
この土日八ヶ岳のバリエーションに行こうと思ってたが、赤岳鉱泉でアイスキャンディのイベントがあるとの事。混むのはちょっと、、なので転進を考える。西ほど日曜の天気は早めに崩れる予報もあり、前々から画策していた谷川岳西黒尾根に行くことにした。
ここ数日は異常な高温。いろいろリスクはあるが、東尾根とかいくわけでもないし二日目早めに出て雪が硬いうちに登れば大丈夫かな、という事でアタック。そうそう、東尾根といえば卦蘢度の岩場で構成されるバリエーションなのでいつかやれればなあと思っている。その尾根を間近に見ることも目的の一つであった。
■初日は春山
予想通り雪は腐りまくり。トレースは明瞭だが、それでも潜ること多し。樹林帯でも雪庇が多くさすがの雪量と感じた。途中下山者に何度かすれ違う。西黒尾根は下山路に結構使われるらしい。そういうプランも考えた事あるが、やはり日本三大急登のクラシックルートを雪道で初めて登るってのはやってみたかった。
途中、雪洞訓練をしてるらしきパーティーも見かけた。この雪量なら丁度いいのだろう。一度はやってみたいものだ。1100mくらいのピークでトマ、オキノ耳の両ピーク、それに一ノ倉岳が姿を現す。僅かだが一ノ倉沢の岩壁群ものぞける。衝立岩が存在感を放っていた。ポカポカ陽気で大休止し写真をかなり撮った。途中ドドドド〜〜と雪崩の音が4回くらい聞こえた。1回は東尾根の南面で起き、崩れる様子も見えた。スノーシャワーのように見えたが、1,2秒後にそれじゃない音が聞こえて不安を煽られたものだ。
メシを食った後、テント場を探しながらの登りに。よい宴会エリアを探して登っていくといい場所発見。
■最高のテン場
1250mくらいだったろうか。緩い斜面を幕営地に決定。風もなく雪もザクザク掘れるナイスな場所だ。なんといっても白毛門がどーんと目の前に聳えている。本当は北側の東尾根が見えるような場所があればとも思っていたが、そんな場所は結局1516mピークくらいまでいかないと無かった。このあたりはリッジ状の地形なので、結果としては一番よい場所を選んだ気がする。日も長くなり時間はタップリあるのでじっくり幕営地を整備した。今回は快適テントライフを求め、いつも3人で使っているXライズを2人で使用。「超」広く感じ、寝ながら湯を沸かしたりメシを食べたり出来た。ウイスキーは450mlくらい。あまりの暖かさに谷川岳の雪でロックにして飲んだりした(笑) 天気は穏やかそのもの。それほど染まらない日の入りではあったが残照を楽しめた。
夕飯がてら明日のプランを考える。当初は、天神尾根を下る計画にしていたが、明日は前線通過で荒れる予報。落雷等もありえるということもありなるべく早めに降りるため、重いテントを背負わず空身ピストンに切り替える事とした。
■西黒尾根は好みの被写体
翌日は5:20くらいにスタート。雪は昨日に較べれば締まったが、この時期としてはかなり柔らかい状態だ。ラクダの背を越えたあたりで日の出迎えられたらいいな〜と思っていたが、まさしくその通りに出来た。西黒尾根はリッジ状の地形が絵になる。日の出後も朝の淡いオレンジ色に染まった雪稜の写真は結構満足だ。ただ、雪が黄砂か雨の影響で汚い部分が多かったのだけ残念。1500m〜1600mあたりの急斜面はかなりの斜度。気温が高いのが気になりあまり長居はしたくない場所だ。そこを越えると一番お気に入りの場所。連続する雪庇が複雑に絡み合いここでもいいのが撮れた。
■山頂はかなりの人
尾根を登り切ると、一気に風が強まる。天神尾根との合流はだだっ広い場所だ。奥には肩ノ小屋がある。大休止し頂上を目指した。天気ももっているので頂上では大分長い時間過ごした。風は普通に強いが寒さはない。いろんな角度で写真を納得いくまで撮った。
■穏やかな天候が維持されてるなか下山開始
腹ごしらえし下山開始。下りはあっという間だ。途中何人かとすれ違う。ボーダーの人もいた。下山路は風が無いので暖かい。例の急斜面を下る前に暑すぎるので服を脱いだりした。雪はこの時間でも相当腐ってズブズブの状態。アイゼン団子も巨大になる事があり、叩き落さないと危ない。そうそう、話はさかのぼるが、自分のアイゼンが折れるという事件があった。一昨日、かなりバキバキに割れたアンチスノープレートを変えていて終了時に気づいたのだが、右足の前内側がパッキリと折れていたのだ!アンチスノープレートを付ける時にはそこそこ力は掛かるが、それが原因?相当金属疲労していたのだろうか?それとも前から折れていて気づかなかったのだろうか。クロモリ鋼、そんな簡単に折れんでくれよ。。という事でt-kinjouに急遽借りたアイゼンだったが、団子を落とすために叩きまくってしまいました^
それともう一つ気づいたのが、東尾根アタックしている人が見えた事。シンセンのコルでロープを束ねている姿を見ることが出来ました。最終的には2パーティーを確認。急な雪稜を果敢に進んでいる姿は印象に残りました。
■寒冷前線通過で天気は激変!
ラクダの背と急斜面の間のコルで二人組とすれ違う。この前後5分が前線の地上面通過の境界であった。急斜面の下りにあれ?雨かな?というのが一瞬あった。その後やんだ気がしたが、5分後にみぞれと共に突如の暴風が吹き荒れる事となる。まさしく寒冷前線通過らしい状況であった。一気に気温が下がりさっき脱いだばかりのアウターをあわてて着る。着てる間にホワイトアウトに近い状況になる。写真の通りの状況だ。トレースがあるので道迷いの心配はないが、体が煽られそうな風なのでイヤな感じだ。みぞれで濡れたズボンが強風に冷やされあっという間に凍り付いていく。レインウェア出せばよかったかな〜〜と思いつつもテン場はすぐなのでそのまま進んだ。テントは念のために潰しておいたので飛んでいってることは無かった。そのまま撤収するかちょいと休むか悩んだが、なんとなく休憩したかったのと腹が減っていたのとで、ポールを張りなおしてテントの中でひと時の休息をとる選択をしました。これ判断ミスでした。腹ごしらえ出来たのはいいですが、途中大キジをどうしても撃ちたくなって、暴風の中強行w まぁ凍りつくかと思いましたわ(笑)感覚がにぶいおしりでこれですから相当な冷凍力ありましたね。乾かした服もびしょ濡れです(笑) その後、風が弱まるタイミングを図っていたが、強まるばかりでどうしようもなし。気温は下がってほぼ雪になっていく。厳しいコンディションではあるが下山を強行する事に。強くなった風の中でのテント撤収はかつてない厳しいものに。。テントをたたむのが困難な強風なので最後は体に巻きつけながら無理矢理ザックに突っ込む。風を受けてバタつくテントは手でつかんでいたら破れそうなほどの力を受けてましたね。ちょっと体が冷えたが、行動開始すればさすがに温度はそこまで低くないので問題なし。グングン高度を下げ登山指導センターに到着。土合も地吹雪のような状態。駐車場の建物に入ってようやく落ち着けました。(ロープウェーも徐行運転してました)
■
いろいろありましたが、西黒尾根はいい尾根でした。ただ天候の急変はやはり緊張させられるものです。無理は禁物ですね。東尾根のパーティーもおそらく核心部で嵐に見舞われたので相当厳しい登攀になったのでは?と、山の怖さを改めて考えさせられました。
私たちは八ヶ岳の権現岳に行ってまして、10時前に撤退を決定。
寒冷前線の通過は、怖いですね。一変しますもんね。
日帰り温泉に着いた時には、下界も大荒れ。
ラッキーしました。
西黒尾根、いいですね。私たち夫婦の最初の登山がロープウエイから西黒尾根下降でした。
ピクニックの服装で、下山は真っ暗。遭難寸前でしたが。(笑)。
それとアイゼンなんですが、奥のカジタが、折れたんですよね。右内側の前から二本めの爪(前爪除く)の所が。
カジタ?
おふたりが下降中にすれ違ったスノーシューのオッサン2人組です。
僕らは嵐に備えて衣服を整えた直後で、承知で突入していったんですが、みなさんは「良いタイミングで逃げ切れたな〜」と思っておりました。
以外な事情で同じ境遇だったとは思いませんでしたね。
それにしても、春から冬への変化は激しかったですね!
あ、僕らのツーショット写真、勝手にコピーさせていただきました。ありがとうございます。
どうもこんばんは〜〜
乗鞍に権現ですか〜 後ほどじっくり見ますね〜
アイゼンですが、カジタです。以前カジタのが折れたという日記か記録読みましたよ。左の前外側でした。ポッキリ折れてました。前からなのか、アンチスノープレート交換時かは今となってはわかりません。まだ5年経ってないんですけどね〜。 ウィークポイントなのでしょうか?
次何を買おうか迷ってます^
いや〜〜すれ違った後、戻ってくると思いましたが。。
あの嵐に特攻とはスゴ過ぎですよ!
温度はそれほど下がってはいませんが、雨ゆえの厳しさはありましたね。
風と視界の悪さは樹林帯に入ってからも続いて驚きでした。。
そうそう、せっかくなんでお二人が写ってた写真もう1枚上げときましたよ^
「年寄りの冷や水」って言葉通りに冷や水かぶってました。アハハ…
写真、遠慮なくいただきます。深謝。
いただいただけじゃなく、使用させてもらってますぅ。(笑)
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-275615.html
大田山の会のyasunaoです。
山頂ではお騒がせしました。と同時に急にタイミングよく現れたstkさんに不躾にも撮影をお願いしまして大変失礼いたしました。
トマの耳ではどなたもおいでになられなかったので参加者12名全員での写真がとれませんでしたが、オキでは絶好のタイミングでstkさんが、しかも前から現れたので半ば強引にお願いしてしまいました。
撮影後山頂に留まることなくスっと行かれてしまったので気を悪くされたのかと少々気にはなっていたのですが、引き返しだったから素通りされたんですね。こちらのページを拝見し納得しました。
私どもも、あの後、気象の急変の真っただ中で訓練などを呑気にしていましたら、危うくロープウェイが運航中止になる憂き目にあうところでした…。
またどこかでお会いした際は、よろしくお願いいたします。
stkさん、t-kinjouさん、こんばんわ。
昨日スマホで記録を発見し、感想を興味深く拝見し(笑)、
でも写真が相当綺麗そうなのでPCで見れるまでコメントを差し控えておりました。
下山中の天候の急変はさておき、
なんて景色のよさそうなテント設営地。
そして溜息ものの写真の数々ですね〜。
今回は私が拍手しまくっております
「逆光の西黒尾根!」は思わず、うわぁ〜とひとりで歓声です。笑
谷川岳、行ったことないんですが雪が綺麗そうでいつか絶対行きたい山ですね。
返信遅くなりました。。
パートナーに先行して山頂着いてたので、かなり長時間ウロウロしてました(笑)
あれだけの人数ですと全員写真撮りたいですもんね^全然気を悪くなんてしてないですよ〜
それにしてもロープウェーも最後徐行運転してましたね。帰れてよかったです^
返信遅くなりました。。
写真じっくり見て頂きどうもです〜
黄砂の影響さえ無ければもっとキレイにとれたと思うのだけ心残りですが。。あと1週間前がベストだったかもしれません。
谷川岳は日本の登山史が凝縮された山、ぜひとも行かれるとよいですよ〜〜^
テン場は過去最高クラスでした!ただ、翌日の撤収は過去最悪でしたが
お邪魔いたします。
素晴しいお写真ばかりですね。時間と光と、反射と影と。。
優しかったり清々しかったり、そのときそのときで表情が全く違って。
「好みの被写体」すごく納得です。
黄砂の影響がとの事ですが、それも絶妙なぼかしが入っているかのようでうっとりと見入ってしまいます。
1枚1枚がとても印象的で、枚数は多くはないのに、久しぶりに写真で酔わせて頂きました。
良いもの見させて頂きました、有難うございました。
どうもこんばんは〜
写真じっくり見て頂きありがとうございます〜 褒められすぎでやや恥ずかしいですが^
ねぼすけの自分はなかなか味わえない「稜線での日の出」を経験でき、微妙な光加減の写真を撮る事ができましたよ〜^ そうそう動画もアップしたんでよかったらどうぞ^−
残り少ない雪山シーズンになってしまいましたがお互い楽しみましょ〜〜(最近は一休み中ですかね?)
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