東岳 知円別岳
- GPS
- 06:50
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 1,714m
- 下り
- 1,713m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪の状態は最悪です。一時の暖気のせいで、下はモナカ気味のカチンカチン、途中からシュカブラ地獄、上は硬い氷。スキーはほとんど楽しめませんでした。 壁までの台地は特徴が無い似たような地形が続き、視界不良の時は注意が必要。 壁は遠目には急に見えますが、意外に簡単に登れます。そして山頂直下の台地も特徴が無く、視界不良時は注意が必要。 |
写真
感想
前日から障害続き。前の日からやらないと話していた作業を、何を気変わりしたか後輩がやっぱりやることにしたので、腰に負担のかかる肉体労働で残業。夜、帰ってみると車検から帰ってきているはずの車が無い。電話をしてみると明日にして欲しいとのこと。何をアホなことを言っているんだ!天気の良さそうな休日、車検ごときの不手際で無駄にするわけにはいかない。で、代車を頼み、装備を再考し、ストックとピッケルを降ろしてないことを思い出し、追加で持ってきてもらうことを注文。早く寝て早く出発する計画が、既に駄目になる。
朝4時に目覚ましをかけるが、二度寝。しかし、奇跡的に5時半に起きてライブカメラを見ると、斜里岳も知床も快晴。さあ、知床だ!とスキーとブーツ、ストック、ピッケル、ザックを載せ、あれ、サングラスが無い。山専車にしていたので、車に乗ればすべて装備は大丈夫なのだが、此処に来てそれが仇となる。予備のサングラスも車の中。しかし、空は快晴。怒りの収まらないまま、とりあえず知床へ。
コンビニでサングラスを探すが、美幌、東藻琴、斜里、計3種6店すべて無かった。しかし、晴天の休日、お金を出してでも手に入れたいもの。車検の納車ミス程度に負けるわけにもいかない。そして、この負の感情のまま登っても事故る。と、考えに考えた案が、サランラップ&黒マジック作戦。とりあえず保険として先へ進む。
最初の計画の知円別は時間が押してきている。知西別も考えたが、スノーシューは車の中。カリカリのブッシュの尾根歩きは敗退必至。東斜里もインチキサングラスでは敗退必至。結局、東岳でもいいやと根北峠を越える。
峠を越え、眼前に海別からラサウ、遠音別の山々が白く輝く。その向こうに羅臼からの知床連峰も聳えている。サランラップとマジック作戦で多少気が楽になり、後で笑い話に出来るだろうと景色を楽しみながら、それでも羅臼のコンビニに寄るがサングラスは無し。旧知円別小学校のロータリーに駐車する。予報通り風が少し強め。北浜岳へと悩んだが、青空に遠く白い稜線が呼んでいる。悪戦苦闘し眼鏡にしわにならないようにサランラップを巻き、黒マジックを塗ってかけてみると、あら結構いける。多少雲に霞んだ空が、綺麗に青く見える。まるで偏光レンズの様。何処まで行けるか判らないが、とりあえず出発。
カリカリの森の中を進み、右に谷を感じながらチンタラ進んでいく。インチキサングラスは見えるが、視界は完全ではない。ラップのしわで視野が不完全なので、余計な景色に惑わされることもなく、快調に台地に登ってしまうが、待っていたのはシュカブラと呼べないほどの雪原。雪の上に魚の背びれが無数に生えているような一面の台地は、帰り道とても滑れそうにない。ハイマツも多少出ている所も見える。それでも歩きやすそうな最短距離を目の前に聳える白い壁に向かって進む。
ヒートテック長Tにフリースシャツで汗をかきながら進んだが、さすがに風も強くなり寒くなってくる。頭のタオルも知らぬ間に凍りついていた。急斜面になるので、アイゼくんを装着。帽子をかぶりスキー手袋、上カッパを着て更に登るが、壁途中でシーアイゼンも通らない程硬い氷が出てくる。そこからアイゼンにチェンジしてシーデポ。試しの行動食の焼き芋ようかん(凍って無かった、厳冬期では無いからか?)を食べ登り始めるが、アイゼンも先しか刺さらない程硬い氷。しかし、遠目に見ると凄い壁に見えるが、滑落しても止まりそうなシュカブラと斜度。吹き溜り浅いパック雪を探しながら頂上直下の台地に出る。
目の前に東岳がどーんと現れるが、前回カリカリでも滑れた台地は超シュカブラだらけ。シーデポしてきて良かった。南風を避けながら尾根下を山頂に向かって歩き、登りつめると羅臼が、そして硫黄山がどーんと現れる。呆気なく東岳山頂。KissDXを代車に置いてきてしまったことに気が付く。それでも前回はiphoneを持ってなかったので出来なかったphotosynth、インチキサングラスではiphoneの画面が見えず、風が強くて多少不完全だが、一回で止める。で、意外に早く着き、意外に余力もあるので、本来の目的地、知円別岳に足を向ける。
パック雪か硬い氷の台地なので、ラッセルにならずサクサクと歩ける。あっと言う間に東岳が後ろに遠のき、硫黄山が角度を変え、より見えるようになってくる。夏道縦走路に合流し、風が複雑に渦を巻く。壁に見えた知円別の登り、あまり酷かったら此処まででも良いか思う程の景色だったが、遠目ほど急ではなく、シュカブラだかエビのしっぽだかが階段のように付いていて、ピッケルを出す程でもなく。呆気なく念願の知円別岳山頂。さすがによろける程風は強いが、東岳より硫黄山がカッコよく、多少羅臼方面も近くに見える。そして半島両側の海と流氷。絶景です。北西側は絶壁なので、近寄らないようにして素早くphotosynth。風でゆっくりできないが、それでも景色を堪能して、焼き芋ようかん、テルモス紅茶で補給してから大満足で帰途に就く。
目印の無い似たような頂上台地、最初東岳の麓まで行くつもりだったが、iphoneで見ると楽にショートカット出来そう。既に予備バッテリーをつないでいるので安心。自分のトレースを見つけるが、カリカリ氷と風で見失い、適当に降りるが、簡単に見つけられると思ったシーデポ地点。壁も広く、似たような景色が続くので多少焦り、iphone頼みで修正。見つけて一安心。面倒臭くてもピンを記録しておかねばと海別に続いて反省。全く学習して無い。シュカブラを避けシートラして降り、唯一の滑走ポイントでシールを外すも、急に旋風が巻く程の強風。山頂景色に満足しすぎて滑りなんかどうでもいいや状態で、安全第一超斜滑降で滑り出すが、パック雪と日陰の斜面、インチキサングラスの視野で安定して滑れない。日も傾いてきたし、此処でサランラップサングラスを外し、滑走開始。数ターンして終了。後はカリカリ斜面と超シュカブラを超斜滑降&横滑りで何とか突破。下に降りればザラメになっているかと期待していたが、やっぱりカリカリ&モナカの樹林帯。加速する板を止めるのに超ボーゲンと超斜滑降で何とか降りたが、途中木の枝を避け切れず、頭をコチンとしてしまった。全く怪我もなかったが、ヘルメットも考えた方が良いのか。日が山の端に隠れる前に、何とか無事に車まで到着。
普段なら此処で温泉だが、代車で明るいうちにオホーツク圏に帰ろうと帰途に就く。最後に警察に捕まって落ちが付くということが無いように、安全運転を心掛け、朱に染まる羅臼と知西別、遠音別、ラサウ、海別、斜里、尖峰などの景色を楽しむ。途中で羅臼の写真を撮るために止まって振り返ると、空に二筋の弧を描く飛行機雲。スクランブルでもあったのか?と思っていたら、翌日ニュースでやっていた女満別を飛び立って行方不明になったグライダーを、方向は違うが一応探しにきたのだろうか?
いろいろあったが、最高の景色と良い天気、そして最悪の雪でも大満足の山行だった。インチキサングラスは効果があったが、横長眼鏡のせいで上下から光が入り、紫外線をカットしているか判らない。眼球の充血も視力も落ちてないが、翌日気持ち目が痛い。下りで外したせいもあるかもしれないが、いずれにせよ余り褒められたものではない。今回限りとしよう。
そして知円別岳の絶景。機会があればまた来年。今度はPLフィルターを効かせて撮ってみたいものだ。
東岳山頂より
知円別岳山頂より。
コメント
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こんばんは!
5時半に起きて、知床に行けるのですね
道北からなら移動に一日欲しいとこです(涙
即席サングラス、笑いました
私はよくサングラスを壊すので、装備にラップとマッキーを
入れておきたいと思います。あ、眼鏡がないとダメか。
写真がどれも素晴らしいです。
凄く気象が厳しいところなんだろうなって。
焼き芋ようかんを山おやつにしてるんですね!
私もお気に入りで、広めようと活動?してますが、
最近、コンビニからも消えつつあるんですよね
ウトロ側は2時間圏内、羅臼側は3時間圏内、ライブカメラを見て出発できるのは幸せかもしれません。ただ、札幌圏の方のパウダー滑走記録を見ると羨ましいです(無い物ねだりでしょうが)。
おやつ行動食は厳選中?で、子袋入りの甘いものを探しています。ちびブラックサンダーやちびスニッカーズを食べていたのですが、厳冬期は硬くなって、スニッカーズなどは食べるのに疲れて。焼き芋ようかん気に入ったのですが、厳冬期はやはり凍るのでしょうか? でも美味しいですよね。厚手の手袋で封を切りにくいのが残念ですが。
今度からサングラスの予備をザックに入れっぱなしにするようにします。たかがサングラスで晴れた休日を台無しにするのはあまりにも残念なので。笑い話で終わって良かったです。
結びには、恐れ入りました。
まさに執念ですね、しっかりお腹を抱えて笑わせて頂きました。
しかし、良いアイデアですね。
山ではコンタクト+サングラスなのですが、
普段使っている眼鏡のまま、山に行けたらいいのにと思っていたことがあります。
度付きサングラスだと、暗くなってからどうする?というのがあるので、
こういうフィルムが出てくれれば、即買うのにと思います。
もちろん、カッコよさは気にしたいですが。
photosynth、知床半島の両サイドの海が見れていいですね。
最悪の雪質のなか、長距離山行、お疲れ様でした。
この時期に20勹曚┐箸蓮感服いたしました。
昨年の自分の記録を見ましたが、東岳まで15。64km、知円別まで地図で片道800m程度。18km足らずという所でしょうか?iphoneではやはり長く出ます。
現在、北浜〜相泊間が通行止め。知床岳への扉が閉ざされているので、半島深部の1000m峰は此処が一番楽なようです。今年は雪が氷化して歩き易く、スノーシューでもお勧めです(アイゼンは必須ですが)。
ブラウン系のオーバーサングラスは幌平山で落としてきたので、今は黒系のみ使っていますが(今回は使えませんでしたが)、ネットを見ると変色調光サングラスというものがあるらしく、明るい時は黒、暗くなってくると黄色系に変色するらしく、今心ひかれています。ブラウン系は視野が明るくていいのですが、世界が黄色くなるのが一寸・・・。一寸値段が張るのが悩ましいです。
今回大満足で帰って来て、次回知床以外を考えていたのですが、ネットを見たら同日に別の知床の山に入っていたブログが。また知床の山が頭から離れなくなりました。
次は自分の車なので装備もばっちりのはずです。
昨日、知床岳を目指したのですが、
その通行止めにやられました。
変色調光、確認してみましたが、
結構なお値段するのですね。
自分はサングラスを良くなくしてしまうので、それを考えると、正直手が出ないです。オーバーサングラス、改めてネットで検索しましたが、これ使いやすそうですね。
考えてみます。
知床ブログ、自分も拝見しました。
林道が空いているとは、さすが地元ならではの情報ですね。遠音別、向こう側から登ると、大迫力ですね。惚れ惚れしました。
次の休みまで道が走れるかが問題ですが、やはりあの遠音別の白い壁を見せられると行ってみたくなります。いまいちルートがはっきりしませんが、ピークまで行けなくても勾玉沼までと・・・、天気次第ですね。
ところでinkomaniaさんの前富良野はどうして判ったのですか?日記を読み返してみたけど、さっぱり判りませんでした。
山頂まで行かなくても、
あの壁が間近に見れるだけでも、気持ちよいでしょうね。
といっても、行けば、山頂に行きたくなるのでしょうが。。。
前富良野は、
たしか、熊が出たところのピークに標高が書いてあって、
その標高がある山域と、
以前、日記に、前富良野を予定しているってことが書いてあったので、なんとなく分かってしまったということです。
なるほど、こんなとこで謎が解けました
気になって眠れないとこでした。良かった、眠れそうです。
っていうか、脳内ナビ パないですね
いつもお二人のレコにドキドキさせてもらい、
とても感謝しています。
崇高なレコに私のような者がコメントするなどという
愚行をお許しください。
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