蔵王 丸山沢滑走
- GPS
- 06:38
- 距離
- 11.3km
- 登り
- 896m
- 下り
- 1,005m
コースタイム
9:30 リフトトップ(リフトを利用)
10:30 刈田岳避難小屋
11:50 熊野岳避難小屋
12:50 下山開始
13:20 かもしか温泉跡
15:00 ロープ塔跡トップ
16:00 リフトトップ帰着
16:30 すみかわスノーパーク駐車場に帰着
天候 | 雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
経験豊かなテレマーカーの岳人さんの導きと、前日のトレースのお陰で 我々のような道具だけは良い素人集団でも特にストレス無く山行を終えられましたが 時期、天候、条件によっては非常に危険なルートになると思われますので 行かれる方は、リスクを覚悟で、自己責任にて安全な山行を楽しんでください |
写真
感想
撮影:sazabi
編集:satoruj7
素人こそ良い物をと、良さそうな道具を揃えて、道具を揃える事が趣味みたいな
物欲と堕落の権化となってしまいましたが
そんな道具を活かすルートに挑戦してみたくなるのも又人情
素人ながらに山の力量と滑走レベルで検討した結果、屏風と中央蔵王の沢が候補に上がり
今シーズンの最大の目標を丸山沢に合わせて刈田岳に何度か足を運びましたが
如何せん、山知識と経験が乏しいので折角のチャンスを何度も逃し
三名揃った今回こそは!!と思って意気込みましたが
すみかわスキー場に到着の時点で予報通り雪が降っており暗澹たる気持ちになります
9時のリフト始発に乗り、リフトトップに着くころには
湿雪がモサモサ降る状態
ただ、視界はそこまで悪く無いし、風も穏やか
行けるのではないか?と、とりあえず刈田を目指してハイクアップ開始
日曜の刈田なのに、後ろにも先にも誰も居ない、なんとも不安を感じる状況です
さすがに、この天気では山行を控えるのか
今シーズン、何回か通ってますが、こんな静かなリフトトップは初めてです
刈田岳非難小屋に着くころには、ガスで視界が効かず
風も、そこまででは無いけど出始めて、顔に当たる雪も痛いです
熊野の非難小屋まで休憩無しで行くつもりでしたが
今後の計画の話し合いも含めて刈田非難小屋で休憩します
とりあえず、熊野の非難小屋までは行こうとなり
凍結斜面だし、昨日の偵察で雪が切れてる部分が多かった事を確認してるので
板を担いで、念のためアイゼンも履いて熊野非難小屋へ向かいます
ガスは晴れず、風雪は強くなり、目印を頼りに熊野非難小屋に到着しますが
視界も無いし、丸山沢の目印のロバの耳なんて見える気配も無く、もう撤退気分100%
とりあえず、小屋で昼食として、今後の計画を立てます
食事を取っていると、経験値の高そうな山屋さん二名が小屋に入ってきます
足元を見るとテレマークブーツだったので、どちらまで行かれるか聞くと
丸山沢を滑って我々温泉までと言うではないですか!
雰囲気、装備、会話の内容から、丸山沢に通いなれている、経験豊かな岳人さんと伺えます
これは!と勇気を出して、途中までご一緒させて下さいとお願いしますと
快諾して頂け、より風と雪が強くなる中、丸山沢ドロップ地点まで向かいます
視界があればロバの耳を目印にドロップ地点の判別が出来ると思いますが
こうも視界が無いと、やはり我々だけでの突撃は危険でした
導いて頂いた岳人さんには感謝の言葉もありません
斜面は氷結斜面に数センチの薄い新雪が乗った状態
ターンの度に新雪がスラフ状に落ちますが、雪崩の心配は無さそう
念願の丸山沢ですが視界が無いし、斜面もガチガチ+ズルズルなので
慎重にターンを重ね、標高を下げると少しずつガスが切れてきて
丸山沢の喉と思しき部分が薄っすら見えます
これはチャンスと、安全マージンを残しつつも、ターンを楽しみます
評判通りの大きさと斜度
今まで山スキーだと思っていた斜面とのスケールの違いに感動します
これが晴れていれば最高なのですが
その後、所々口を開けたクラックや滝らしき割れ目部分を慎重にかわしながら
カモシカ温泉跡が見える最後の急斜面を
ここまでくれば安心とターンを楽しもうとしたら
腐った新雪に阻まれ凍結斜面にエッヂが噛まず、新雪ごとずり落ちて転倒
山スキーでの転倒は、自分ルールでは負けなので
安全地帯に出て視界も利いて調子に乗った自分が残念極まりなく
滑走については大きな不満と反省が残りました
我々温泉に向かう岳人さんに感謝を述べて
カモシカ温泉からは我々だけのルートファインディングになります
ただ、前日に大人数の山岳会やガイドパーティが入っている事は知っているので
なんとかトレースがあるのではと、山屋の風上にも置けない心持で辺りを見回すと
消えかけの多数のシュプールを発見し、GPSで方向を確認すると、ビンゴ!!
同行者の、と言うかM16の迷言に惑わされないよう
GPSでチェックしながら新雪で消え始めているトレースを辿っていきます
登山道からは少し外れますが
濁川が見渡せる尾根にツボ足で登ると、最後の難所ひよどり越えが見渡せます
噂どおりの急登ですが、前日のツボ足の跡がくっきり見えて
ルートも判りやすく、ツボ足の跡を使えば、登坂の難度も随分下がる事が予想出来一安心
板を履きなおして、濁川まで滑り降り
川の辺で板をザックにつけて慎重にスノーブリッジを渡り
いよいよひよどり越えに突撃
記録では、皆さん高い登坂能力と経験によって、ツボ足とストックで登っているようですが
山の素人である所の我々は躊躇無くアイゼン、ピッケル装備で臨みます
ひよどり越えレベルの斜度になると、アイゼンはもちろん、ピッケルの安心感が半端ありません
一番急な場所では、別に必要無いのでしょうけど、ダガーポジションで絶大な安心感
気分だけは岳人です
まーコスプレみたいなもんですが
ひよどり越えを登りきり、丸山沢を終えた充実感に満たされ
カモシカ温泉跡をバックに何度も記念撮影し、喜びを表します
その後、すみかわのリフト券が三回分余っているので、クールダウンクルージングをしようと
エコーラインを降るのは止めて観光道路を目指して、シールを張り直し駒草平を適当に進みます
途中で往路に合流し、すみかわに戻りリフト乗り場に行くと
なんとギリギリリフト終了、、、ちょっと残念
いろいろな導きのお陰様で無事、今期最大の課題だった丸山沢滑走を遂げました
天候、条件を考えると我々の力では少し背伸びをした山行でしたが
それ故に、事故無く終えられて、これぞ山スキーな醍醐味を味わえ
良い年度末を迎える事が出来ました
悪天でしたが難度、斜度、スケール、ロケーション全て、今までで最高の山スキーでした
今度は、もっと天候良く、ザラメのタイミングを狙って、滑走のリベンジを果たしたいと思います
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