頸城山塊 金山・裏金山周辺滑降
- GPS
- 56:00
- 距離
- 39.3km
- 登り
- 4,082m
- 下り
- 4,081m
コースタイム
/27 駐車地点 5:12-5:35 除雪終了点 -6:55 林道九十九折れ終了点 7:10-8:30 1020m地点 8:55-10:07 1240m北面台地端 10:30-12:25 1680m 12:30(滑降)12:34 1600m -13:25 1740mボボダキ岩手前 13:45-15:30 富士見峠(泊)
/28 8:05(滑降)8:15 裏金山北側1890m 8:30-9:14 裏金山西側P 9:30(裏金山谷滑降)9:50 1525m尾根取付き 10:20-11:30 金山谷・裏金山谷を分ける尾根1955m 11:50-12:27 金山南側P 12:55(金山谷滑降)13:20 地獄谷出合 13:55-15:21 1760m 15:35-16:37 ベース(泊)
/29 9:20(地獄谷滑降)9:38 1845m 9:45-10:33 ベース 11:00(水無谷滑降)11:25 高松山方面1750m 11:38(進路変更)12:20 北面台地1600m 12:30-12:50 1750m 12:57(北面台地滑降)14:30 笹倉温泉
天候 | /27 晴れ 稜線南風強し /28 雨のち晴れ /29 1300mより上部晴れ、それより下部ホワイトアウト(かなり焦った…)、登山口霧雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
松本ICから下道利用(条件反射的に降りてしまった。) |
コース状況/ 危険箇所等 |
日程全体が気温が高く、/28の滑降はスノーボールが続々出来上がり、雪崩の危険大でした。天狗原山頂から滑りたかった… /29は一ノ倉谷を滑る予定でしたが、尾根上がガスでエントリー位置がわからないと困ると思い焼山北面台地を戻ることにしたが、雲海と思っていた1300mから下部が ほぼホワイトアウト。2日前の自分のトレースを外さないように必死で下りました。 あの状況、本当にやばかった…北面台地端で昨日のものと思われるシュプールを見つけ、それも参考に滑降していたが、コンパスワークとかそんなものは一切役に立たない状況だったと思います。 自分は北面台地のU字谷を渡るのに、いつも一旦1750m位まで登り沢上部をトラバースして1600m位まで滑るとさらに渡れるところがあるため、そこから水無谷をボボダキ岩へ向けて登るようにしています。すんなりですが4月中旬は分かりません。 富士見峠にベースを作りましたが、もう少し考えようがあったと思います。巨岩が多いのでその影を上手に使った方がいいと思います。 |
写真
感想
久々の大荷物、どちらかと言えば敗退気味のこの山域を、ここ最近まるで行われない我が会の春合宿に見立て、単独入山。除雪は笹倉温泉で終了、積雪はおよそ2mくらいか。九十九折で一気に高度を稼ぐ林道に取付き、絶対トラバースのしくじれない部分を通過。(以前、同行者が午前中の固雪での通過時、谷に滑落しかけた…)ド快晴、地形ははっきりわかっているものの、枝の林道を進んでしまったりと相変わらずルーファイが下手くそである。下山時、大変なことになるのだが…
今日中に絶対富士見峠まで上がると心に決め、アマナ平から焼山北面台地に上がると、雪一面の大斜面が広がる。一見の価値あり。
気温が高く2日ほど前に降った雪はシャバ雪となっている。台地上は南風が強く、まず1700mまで上がるとU字谷は平坦になり、西側の斜面に移ることが可能。多くのガイドが焼山を目指しているからか、さらに上部のU字谷の渡れる部分を渡るとしているようだが、自分はいつも1600mくらいまでシールを付けたまま滑り、次のU字谷を渡る。ボボダキ岩左岸の沢筋を登り、バテバテになって富士見峠にたどり着く。通常と異なる方向からの風のため、3方向に壁を作り快適生活を狙う。明日狙う金山の斜面は雪べったりである。
/28 夜中トイレで起きると、月夜に網目のような雲が風に乗って流れるシーンを目撃する。雲がやや虹色になっていたのがとても幻想的だった。また、糸魚川市街の夜景も見える。
朝は視界はいいものの小雨で出パを躊躇していたが、ここまで来て迷っていても仕方ない。まず北面側の沢を少し滑り状況確認。登り返した先が裏金山西側P、うわさに聞いていたがヨダレが出てしまう斜面である。昨日から吹き続けている南風が心配で、やや傾斜の緩いこのPから裏金山谷にエントリーする。
滑り始めてすぐベースにワックスを忘れたことに気付く。たまった新雪状がワックスなしでは厳しいことを物語っていたが仕方ない。小尾根上を滑る。古い雪が露出しているところが快適である。ブロック雪崩あとがちらほらあるが、まぁ午前中勝負だろう。沢はおおむね開放的でゴルジュ記号もいいハーフパイプである。1530mで登り返しの尾根に取付く。取付き目標は地形図上で平坦になっており、ブナ巨木の雰囲気のいい尾根である。この頃から晴天となる。
尾根を順調に登るが雪が緩い。途中正面に見える雪庇を右からトラバース、1958の平坦地はシラビソの生える良い所。ラストの登りは雪質と斜度がちょっとプレッシャーだ。登りきると天狗原山と金山の中間P、ここはさらに良い所でこちらがベースでもいいなぁと思ったくらいだ。斜面に雪玉を投げてみると、あっという間に大量のアンモナイトが完成!!天狗原山は目の前だったが、行けばその直下斜面を滑りたい欲求に負けてしまいそうで、立ち寄りませんでした。
金山谷内を滑るのをあきらめ、登って来た尾根を滑ることに決めるが、欲求には勝てずすぐに沢方面に進路変更。たまたまなだれなかっただけで、1730あたりから登って来た尾根に復帰して地獄谷出合を目指す。滝記号は確認できませんでした。
地獄谷はとても広く水流は全く出ていない。正面に焼山を見ながらひたすらベースに向けて登る。こちら側の景色は苦労した人間でないと見られない。重い足を気持で動かしながら正面はっきりした沢形に入ったが、地獄谷はその手前を左に入るのが正解だった。途中でどうも雰囲気が違うと思い1760m周辺でさらに左へ向かって歩くと、左眼下に緩やかな傾斜の地獄谷が…こんなに晴れているのに間違えた自分にあきれる一方、最後の傾斜が雪崩れたらどうしようという事もあって、巨岩の点在する尾根状を登ることに決める。
とは言いながら、歩くと一昨日の雪が『バシッ』という音をたてて、足元周辺が少し沈むのを見ると精神衛生上よろしくない。ラストの斜面を登りきると風景も素晴らしいく、写真を撮ろうとのぞいた斜面の下にテントが…登りすぎていました。ガスだったらと考えたらゾッとする話である。
/29 今朝は富山では雨が降っているらしい。毎日雲海状になっていたので今日も高松山が見えないのは時間とともにと思っていた。昨日予定より滑る数が一本少なかったので、撤収してから昨日登った斜面を滑りに行くことにする。早く下って♨…でも…『じゃいつやるの?今でしょ!』の境地である。朝一でも程よくゆるんだ斜面はワックスもいらない。1840m位まで滑って登り返す。
ベースに帰ってくると目的にしていた方面の雲が増えていることに気付く。とりあえずボボダキ岩まで滑る。ここも古い雪の部分は最高である。1850mから高松山方面の尾根に取付く。結果、この尾根でガスが濃くなりしばらく待つ。ただ北へ向かえばいいはずなのに一ノ倉谷のDPがわからないと最悪だし、昨年もやっちまった事もあり…つまりビビりが入り、まだ視界の確保されている北面台地を戻ることにする。
U字谷を渡るところまで来てガスが晴れて、高松山が完全に顔を出した。1時間くらい待てばよかったわけで…天気も読めない自分に腹が立つ。ここまで来て戻ることはできず北面台地を登り返す。行く手を見ればガスというよりも雲海が立ち込めており、ちょっと嫌な予感。案の定1450mくらいからホワイトアウトする。あんなに上部は晴れていたのに…もはや自分が登って来たトレースを外すことなく滑ってゆくしか帰り着く手段がなくなってしまった。
目標物もない白い斜面はこういう落とし穴もある。見えていて3m先かどうかくらい、小ターンで雪面をにらめっこである。台地の端と思われる雰囲気のところで、昨日ここまで来たと思われるスキー跡がたくさん出てくる。まだ油断はできない!地元の人間しか知らないルートで、違うところに出てしまったらえらいことだ。アマナ平まで下っても視界10mあるかないか、自分のトレースはもう見つからず、滑り帰っているトレースを信じ下るしかない。もう計器行動なんて言葉は自分には当てはまらない。とにかく必死である。一心不乱に下ると見覚えのある林道トラバース、九十九折の林道に出る。これを一気に下り川を渡ったところで大休憩した。何の面白味もないまま1750mから1時間20分くらいで下ってきてしまう。
下界は霧雨、車道で別の登山者と遭遇、高松山から滑ったらしいがGPSがないと無理と言っていた。彼らも別人のトレース頼りで下って来たそうです。
車にたどり着くと張り紙が…駐禁ではなく普段車が止まっていないところに停めていたため、警察へ下山後連絡するようにという内容であった。自宅にも実家にも連絡が行ったようで、ちょっとした騒ぎになってしまいした。どうもすいません!!
焼山ピークと天狗原山を再履修しに行かねばなりませんね。人に迷惑かけることなく…
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