焼山北面台地
- GPS
- 07:59
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 2,020m
- 下り
- 2,003m
コースタイム
08:30 焼山
10:30 笹倉温泉
天候 | 快晴微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雪切れはひとつもなし。つづら折りは所々ショートカット可能。 |
その他周辺情報 | 下山後の温泉はもちろん笹倉温泉。食事は糸魚川すし活にて。 |
写真
感想
3年前の3月。僕が北海道から本州に引っ越してきた最初の週末。先生たちが火打山の北面ルンゼに連れていってくれた。北海道のパウダーばかり滑っていた僕はカッチカチのアイスバーンの滑り方なんて知らなかったので泣きそうだったのを覚えている。そして帰りに見た焼山の美しさも鮮明に覚えている。いつか登りたいと思っていたがチャンスが来た。今日は一人だが行くしかない。昨日は高妻山を下りたら北上して長野県から日本海へ出た。それから南下して糸魚川へ。いつか行きたいと思っていた先生行きつけのお店、すし活は…残念、月曜休業。楽しみにしていたのに。他のめぼしいお店もほとんど休み。なんてこったい。仕方ないので糸魚川インター近くの「インター食堂」で豚生姜焼き定食を食べた。これが美味いのなんの。白米がうまい。さすが米所。新潟県。お腹いっぱいになったら笹倉温泉へ移動して車中泊した。雨が降っていた。雨か。明日は大丈夫だろうか。知っている山なら風が吹こうが吹雪こうがどうってことないが、無雪期にも来たことがない知らない冬山に一人で行くのは怖い。この感覚は久しぶりだ。
2時起床、2時半出発。幸い雨は止んでいた。前日のトレースがある。これは楽できそうだが夜の雨で雪はずぶずぶ。トレースを辿っても沈む。橋を渡ってつづら折りの林道を適当にショートカットしながらひたする前へ進む。満月が近いので月は明るいが、山は雲がかかっていて見えない。気温が高いので腕まくりして登る。このトレース、昨日のにしては新しくないか? 上を見上げると単独行のヘッドライトが見えた。マジか。まさか先行が居るとは思わなかった。この時期に一人でこの山に入るなんて何者だろう。これは友達申請だな。追いついて挨拶したら3月に一緒に北岳に行ったよもやま君だった。うおおおお久しぶり!! なんだよ既に友達だったよ。それからは特に一緒に行こうと言ったわけではないが交互にラッセルしながらおしゃべりしながら楽しく北面台地を目指す。台地に上がるといつのまにか目の前の雲は取れて月灯りに照らされた火打、焼山がドーンとそびえ立っていた。遠いし高いしデカいし急だぞ。これは鳥海山と対峙した時とよく似ていた。あそこに行くのか、行けるのか? よもやま君は北面からの焼山は登ったことがあるのでルートをよく知っていた。頼もしい。徐々に斜度は増していって雪も硬くなってきた。下界は雨だったので上の方の雪は不安定かもしれない。溶岩流のトラバースでクトーをつけた。さっきまで朝焼けが綺麗だな、なんて言っていたのにいつの間にか辺り一面霧に包まれて風も出てきた。視界が無い、風が強い、滑落はできない、ルートはよくわからない。独りだったらここで帰っていたと思う。溶岩流を渡って尾根に乗って岩を回り込んで…難しいところはよもやま君がトップで切り拓いてくれた。難所を抜けて外輪に出ると空の雲がグングン流されていって急に目の前に岩壁が、焼山の山頂が見えた。もうお互いテンションMAX. 黒い岩と白い雪と青い空。なんて素晴らしい。息を飲むような絶景で泣きそうだった。最後の登りをやっつける頃には360度のパノラマが広がっていた。海の方は雲海。白馬、戸隠、昨日登った高妻山もよく見える。太陽サンサンで暖かい。いつまでもここでゆっくりしていたいが、この暖かさはヤバい。雪が死ぬ前に早く帰らないと大変なことになる。
山頂でシールを剥がしたら火打に向かって飛び込んでゆく。登りとは真逆の方向だが焼山の上の方は斜度があるので、ぐるっと回り込めば北面台地に帰ってこれるらしい。糸魚川は雨だったが高いところは新雪だったようで南東斜面にはフレッシュなパウダーが溜まっていた。これはもうタマランチ会長。目の前の火打に圧倒されながら溶岩流へ落ちてゆく。よもやま君は「ここから火打に登り返して北面ルンゼ滑る予定」とか言っていたが「もう十分楽しかったからやめようぜー、雪が腐る前に早く帰るべ帰るべ」となだめた。溶岩流も日陰なのでパラパラのパウダーが溜まっていてもう2人でやりたい放題。賽の河原まで落ちてきたらシールを貼って横移動してトレース合流。火打、焼山に別れを告げたらトレースに乗って自動運転。2人でならしてきたトレースなので帰りは早かった。北面台地から温泉までは雪がゆるんでジャバジャバ。ここからは消化試合かと思いきや不沈艦Pon2oonならこんな雪でも最後まで楽しかった。林道はスキー場のようだった。そういえば3年前はこの帰り道も必死だったな。今日は12時間は覚悟していたが終わってみれば8時間の速攻だった。会心の山行だった。記録を書いている今でも興奮している。
下山後は笹倉温泉でざぶーん。シールの糊が怪しい感じになってきたので長岡か上越あたりで調達するか、金沢からやってくる仲間に調達してもらうか悩んでいた。そしたらよもやま君がPOMOCAの糊を持っていたので売ってもらった。何から何までありがとう。それから糸魚川すし活リベンジ。お昼なので空いていた。ちゃんと魚も食べたよ。その後はシールのメンテをしたり洗濯したりネカフェで充電したり記録書いたりやることがたくさんある。まだまだ旅は続く。本当の戦いは明後日からだ。
今日の写真は素晴らしかったのでフル画質をflickrに上げました。ぜひ。
https://flic.kr/s/aHsmTeTtDk
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