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Yamareco

記録ID: 282979
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無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

南アルプス/栗沢山〜アサヨ峰

2012年07月11日(水) [日帰り]
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yaman-chu その他2人
GPS
--:--
距離
8.4km
登り
924m
下り
924m
過去天気図(気象庁) 2012年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
仙流荘駐車場
予約できる山小屋
北沢峠 こもれび山荘
仙水小屋〜仙水峠間から見上げた摩利支天と甲斐駒ケ岳。
2012年07月11日 10:24撮影 by  u1050SW,S1050SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/11 10:24
仙水小屋〜仙水峠間から見上げた摩利支天と甲斐駒ケ岳。
栗沢山山頂から甲斐駒ケ岳。個人的にここから見る甲斐駒が好きです。栗沢山山頂は南アルプス北部の大展望が楽しめるお手軽展望台です。
2012年07月11日 11:40撮影 by  u1050SW,S1050SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/11 11:40
栗沢山山頂から甲斐駒ケ岳。個人的にここから見る甲斐駒が好きです。栗沢山山頂は南アルプス北部の大展望が楽しめるお手軽展望台です。
アサヨ峰の頂上から北岳。残念ながらこの日は一度もその頂は見せてもらえず…。
2012年07月11日 13:07撮影 by  u1050SW,S1050SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/11 13:07
アサヨ峰の頂上から北岳。残念ながらこの日は一度もその頂は見せてもらえず…。
早川尾根の連なり。極小画像ですが、オベリスクも写っていますので探してみてください。
2012年07月11日 13:09撮影 by  u1050SW,S1050SW , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/11 13:09
早川尾根の連なり。極小画像ですが、オベリスクも写っていますので探してみてください。

感想

南アルプス/早川尾根 北沢峠発 往路/仙水峠経由 復路/駒仙小屋経由

with Ki氏&Ka氏

4月の八ヶ岳以来、奥三河・明神山に2度行った以外は山に行けない日々が続いていました。原因は雨…。水曜日が来る度に狙い撃ちされたように雨…雨…。そういう天候を倏澑時期瓩箸いΔ里も知れませんが、雨で出かけられなかった翌日、快晴の元で仕事をするのは辛かったです(笑)。何分仕事は天候に左右されないものですから…。
今週も伊那ダム発の越百山→南駒ケ岳→空木岳山行を摺鉢窪避難小屋泊まりで計画しておりましたが、前日にまさかの雨予報…。現在各地で大雨被害が出ていますので、大事を取って日帰りに変更しました。登山計画書も作成し、小屋泊まりのパッキングも完了していたのに…。

そういう訳で、元々南駒ケ岳に一緒に行く予定だったbird-mountainさんと、私の職場に4月から入社したK氏と3人で出かけました。K氏は完全な初心者なので、体力を確かめる意味も含めて何かと便利な狷逎▲襯廛后Ψ沢山瓩鯡榲地としました。

5:00
私の自宅で集合。Ki氏の車で豊田東ICから東海環状自動車道経由中央自動車道の駒ヶ根ICまで高速移動。中沢峠を越え、始発バスの出発時間15分前に仙流荘の駐車場に到着しました。
8:00
仙流荘からバスで北沢峠へ。同じバスには我々の他には4名しかお客さんがいませんでした。
9:00
北沢峠でバスを降り、約1年ぶりにこの峠に降り立ちました。去年まで連続で6月15日の北沢
峠行きシーズン初の始発に乗車してきましたが、今年は15日が金曜日だったので仕事を休む事ができず、約1ヶ月遅れとなってしまいました。この辺が今年の狃价戮譴討覺境瓩虜源なのかもしれません。
9:10
北沢峠のトイレを利用し、出発の準備を整え、記念すべきK氏の初狹綿發膿肯啗続Ρ曚┐領広瓩始まったのです。Ka氏は私の勤めている会社に4月から新卒で入社した新人です。本人曰く「ジブン運動関係の趣味がナイっすから、山登りしたいっす」と嬉しい事をいうもんですから、この日の運びとなったわけです。私と体格が似ているので装備は全部貸し出しました。本気でやる気になったら少しづつ揃えていけばいいですし。
歩き出した時は北沢峠の巨木群の隙間から真っ青な空が見えていましたが、昼から50%以上の確立で雨の予報だったので、自然と早足になっていました。どうしても絶景の栗沢山の頂からの風景を二人に見せたかったのです。
9:20
工事中の駒仙小屋の前を通過しました。テント場も2/3程に縮小され、トイレを残して旧小屋の跡地に鉄筋の基礎が出来ていました。現在小屋は仮設のプレハブのみとなり、おそらくテントの受付だけの営業となっていると思われます。ちなみにビールの自販機は相変わらずあったのでご安心下さい(笑)。
9:40
仙水小屋に到着したので、小屋の主人に声をかけ、狷逎▲襯廛垢療形蛙絖瓩鯤箋襪気擦討發蕕い泙靴拭仙水小屋のご主人が「何処からバスに乗ってきた?」とか「何時のバスの来たの?」とか「何人くらいバスに乗ってた?」とか矢継ぎ早に質問してくるので爐福腸燭覆鵑澄帖瓩隼廚辰討い燭蕁⊆膺陽く「予報が急に悪くなったんで何人かキャンセルしたから今日は開店休業だ…」とのこと。でも「予報よりも天気は持ちそうなので君たちは運がいい」ともおっしゃっていました。そう言われると何だか嬉しい…。それからはペースをやや落として歩きました。
仙水小屋を出発し、樹林帯を少し歩くと、明るい道に出ます。右岸は人間の頭ほどの大きさの火山岩が積み重なり、左岸を見上げると、本日最初の目的地である栗沢山のピーク付近が見えます。私はこの辺りが好きです。高度は2200mほどですが、すでに森林限界の雰囲気を持っているので、「あぁ〜…、今年も夏山が始まったな…」と実感出来るからです。このあたりの木々は低く、ハイマツも生えているからそう感じるのかも知れません。振り返ると南アルプスの女王狎臂罐岳瓩真っ青な空の下に鎮座し、進行方向右岸の斜面からは少しずつ猖猴支天瓩顔を覗かせ、ジワジワと我々のテンションを上げてくれます。
10:25
仙水峠に着きました。
私の記憶では、ここから栗沢山の東斜面の横に鳳凰三山地蔵ヶ岳のオベリスクが見えたと思いますが、この日の山梨県側はガスが沸いていたので視界ゼロでした。しかし、甲斐駒ケ岳と摩利支天は期待通りの威風堂々とした山容を余す事無く見せてくれていました。後は栗沢山の頂までの1時間半のアルバイトをこなせば更なる絶景が見られるはずです。せめてそれまでは天気がもって欲しいと祈りつつ、ここで10分休憩しました。
Ka氏は一生懸命携帯を操作しようとしていましたが、残念ながら圏外です。

それが南アルプスなんですっ!(キリッ)

私なんて出発前から電源OFFです。今後はそれくらい潔い大人になってもらいたいものです(笑)。
携帯が強制的に使えない空間で、己の体と精神と向き合う、

それが登山なんですっ!(キリッ)

10:35
甲斐駒ケ岳に向かう駒津峰方面への道に背を向けて、栗沢山への直登ルートに取り付きました。
ここから登るのは初めてです。これがなかなかの急登。標準コースタイムで1時間半の我慢だと脳では理解しているので、急がず張り切らずもっちりもっちり距離を詰めていきました。約半分くらい登ると、高度的にフライング気味の森林限界が始まります。真夏の太陽が照りつけるような時期は帽子が必須となるでしょう。でも、大好きなハイマツが足元に生えているだけ私はテンションが上がりますし、後続確認で振り向く度に甲斐駒ケ岳が目前に聳え立っているのも気分も上々でした。この辺りからKa氏のスピードはどんどん低下し、表情も不安げに変化してきました。勿論私が同じくらいの経験値だったら血を吐くほど辛いと思いますが、約20も歳の離れた若者ですから余裕かな?と思っていました。しかし、やっぱり辛いようです。
「しんどくなってきた?」
「しんどいっす…」
「昨日は良く寝たの?」
「ほとんど寝てないっす…」
原因はそれかっ!
まさかこんなにキツいとは想像していなかったのでナメていたようです。
でも、これで山登りが嫌になってもつまらないので、
「なぁに、ゆっくり行けばいいさ!」
とさわやかに諭しつつ、休憩無しで登り続けました。
ゆっくりペースで高度を詰めていき、周りの岩が段々大振りになってくると
11:35
栗沢山の山頂に到着しました。北方には甲斐駒ケ岳の全容。西方には雄大に裾野を広げる仙丈ヶ岳。南方には高度日本2位の北岳。その右に間ノ岳。さらに右奥に塩見岳。南東に続く早川尾根の先にはこれから向かうアサヨ峰。その奥に鳳凰三山。雲の切れ間に地蔵ヶ岳のオベリスクも見えました。
コレ全部百名山!(アサヨ峰以外)
バスを降りてたった2時間半(初心者同行&休憩含む)でこの景色はコストパフォーマンス最高!
仙水峠を経由せずに駒仙小屋から直登すれば2時間で来ることができます。エキスパートスラスの方には物足りないかも知れませんが、これから南アルプスを旅しようと思っている方には最適の場所だと思いますのでおススメします。その際は是非仙水小屋で冷たい南アルプスの天然水を汲んでから、この山頂でおいしいコーヒーや紅茶を入れてみてください。きっと山登りが好きになると思います。
そんな頂のスペースでKa氏は倒れこむように座り込み…対照的にKi氏は何も無かったかのようにカメラの三脚を組み立てながら本日山デビューの超高級1眼レフをセットし、測量士の如く構えで景色の撮影に没頭し始めました。
私はお腹が空いたので、今回もKi氏から支給して頂いたおにぎりを頬張りました。
本当は折り返し地点のアサヨ峰でお湯を沸かして味噌汁と一緒に食べるつもりだったのに、結局ここで3つ全部平らげてしまいました。Ka氏も同じく(笑)。更に足りなかったので、中央アルプス小屋泊まり山行用にブレンドしたミックススナックも食べました。その間もKi氏は黙々とシャッターを切り続けていました。
1時間近くそうしていましたが、Ka氏は体力的にキツそうなので、
「なんだったらココで寝ながら待っててもいいけど?俺たちサクッとあそこ(アサヨ峰を指差し)まで行って帰ってくるから」
そう言い終わるかどうかという辺りでカブリ気味に
「はいっ!そうします!」
と即答(笑)
爐泙/寡埖だからしょうがないか…
と思いつつ、無理をさせても事故につながるし…
12:30
ザックをデポしてKi氏と空身でアサヨ峰に向かいました。
2年前にも奥様とこの尾根は縦走しているのですが、忘れていたハードな岩の通過などがあり、
Ki氏が
「よくこんな道を奥さんと来ましたね…」と
「確かに…」と私…。
そこら辺の低山なら鎖かロープが取り付けてあるであろう場所にも爐助け設備瓩覆靴叩
岩のペンキマークも擦れて無くなりかけ(元々少ない上に)…。
殆どが岩の上を跨いで歩く尾根道です。
しかし、そこがこの早川尾根の魅力でもあると思うのです。
痩せ尾根ではないので怖いほどの高度感のプレッシャーは感じることは無いと思います。
途中で爛タダケソウ瓩忙た白い花を見つけ、これは世紀の発見か!と一人で興奮していましたが、こんな一般登山道の道端で世紀の発見などあろうハズも無く、帰ってインターネッツで画像検索して自分で撮影した画像と比較してみたらやっぱりただの爐茲似た花瓩任靴拭幣弌法M佞侶舛六ていたし、花びらの筋が似ていましたが、花びらの数と形が微妙に違いました…残念。北岳の対面に位置するだけに爐△蠅┐覘瓩と思いましたが…。
そして
13:10
本日の折り返し地点爛▲汽菠瓩謀着しました。
残念ながら北岳も仙丈ヶ岳も手に取る距離に近付いたハズの鳳凰三山でさえもガスに巻かれて見えなくなってしまいました。それどころか振り返ると栗沢山の頂上も雲の中…。
「アイツ今頃雲の中で爆睡しているのだろうか…」
と若干心配になってきたので、雲の切れ間からオベリスクが見えた瞬間だけを撮影し、早々にアサヨ峰を出発しました。
途中、霧雨も出てきて自分たちの足元も心配になりました。岩の道は濡れると滑るからです。
更に、空身で来たことも後悔し始めました。2時間も水分補給が出来ない事はやっぱり辛かったです。結果、自然とハイペースになりました。
相変わらず栗沢山の頂はガスにすっぽり包まれています。
はたしてKa氏は無事なのでしょうか?
初心者を標高2700mの頂に置き去りにしてきたことが一番の不安の種になりました。
アサヨ峰で折り返してから、Ka氏は心配だし…喉が渇いたし…雨が強くなると面倒臭いな…といろいろな不安要素が脳内を渦巻く中、岩の上を飛び越えながら可能な限りハイペースを保ちました。
やがて山頂に近付くと、Ka氏が手を挙げてこちらに合図をしているのが見えてきました。どうやら無事なようです。

13:57
栗沢山の山頂まで帰ってきました。
「よく寝た?」
「はいっ!爆睡っす!」
「雨降ってた?」
「いえっ、雨というよりも雹が降ってきたので目が覚めちゃいました」
「雹?…それまでは寝てたの?」
「はいっ!快適でした」
「・・・・・・・・・」
とにかく安心はしましたが、山頂全体がガスに巻かれてどんどん酷くなりそうだったので
14:10
早々にその場から出発しました。
北沢峠から里に降りる最終バスは16:00発。ここから北沢峠まで標準コースタイムで1時間20分。30分の余裕はありますが、足元も悪くなってくるでしょうし、若干急いで下りました。
駒仙小屋からの直登ルートは平凡な樹林帯の一般登山道なので特筆する内容はありません。
15:20頃駒仙小屋前を通過し
15:30
北沢峠のバス停のテントの下に逃げ込みました。
結局雨カッパは着ずにウィンドブレーカー(パタゴニア/フーディニ)で凌いでいたのでインナーは蒸れ蒸れ…キモチワルイ・・・。しかもバスを待つ間は動いてないのでどんどん体温は低下していく・・・サムイ・・・。
お湯を沸かすには時間が中途半端。元々テントの下はコンロの使用が禁止ですけど…。
降りしきる雨を見ながら去年か一昨年もこれくらいの時期に同じように寒い思いをして、
「次回からは絶対着替えを持ってこよう!」
と心に誓ったハズなのに・・・同じ失敗を繰り返すとは・・・迂闊な男ですワタシ・・・。
取りあえずザックから化繊のベストを引っ張り出して暖を取って凌ぎました。
16:00
バスに乗り込んで座席ブルブルしていると、運転手さんがヒーターをつけてくれました。
17:00
仙流荘のお風呂に入ってから帰路につきました。

Ki氏、お疲れ様でした!またご一緒しましょう。
Ka氏、お疲れ様でした。楽しめたかい?また行こう!

全て読んでいただいた方、今年もリアルな山行のレポートしますのでご期待ください!

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