1m近い積雪にすっぽり覆われた広野ダムを出発。スタートから吹雪を予想していたが,空には晴れ間が見え意外な思い。恐らく,この周辺は荒天域と晴天域のちょうど境目なのだろう。
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1m近い積雪にすっぽり覆われた広野ダムを出発。スタートから吹雪を予想していたが,空には晴れ間が見え意外な思い。恐らく,この周辺は荒天域と晴天域のちょうど境目なのだろう。
ダムのバックウォーターが凍り付いている…。車の温度計でマイナス7℃だったから,むべなるかな。
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ダムのバックウォーターが凍り付いている…。車の温度計でマイナス7℃だったから,むべなるかな。
林道はノートレースだが,スキーで足首程度の沈み込みで,意外に快適に進める。林道からフルラッセルになったらどうしよう,と思っていたのだが,これなら距離を稼げそうだ。
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林道はノートレースだが,スキーで足首程度の沈み込みで,意外に快適に進める。林道からフルラッセルになったらどうしよう,と思っていたのだが,これなら距離を稼げそうだ。
こんな風に側壁から落ちた雪が溜まって川底に向かって滑り台状になった箇所もあるが,慎重に通過すれば問題ない。
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こんな風に側壁から落ちた雪が溜まって川底に向かって滑り台状になった箇所もあるが,慎重に通過すれば問題ない。
イノシシやシカがやたらとあたふた走り回っていた。急に雪が積もってしまったので慌てているのだろうか。食べ物になる草木もすべて埋まってしまって,お腹を空かせているだろう。
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イノシシやシカがやたらとあたふた走り回っていた。急に雪が積もってしまったので慌てているのだろうか。食べ物になる草木もすべて埋まってしまって,お腹を空かせているだろう。
登路とするP1069mの北東尾根の取り付きに到着。岩谷川を渡らないといけないのだが,うまい飛び石が見つからず,しかも渡渉用のビニール袋を持ってくるのを忘れたため,仕方なくブーツを脱いで裸足で渡渉(スネ程度の水深)。さすがに冷たいというか激痛のレベルで,閑静な谷間に奇声が響き渡った。
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登路とするP1069mの北東尾根の取り付きに到着。岩谷川を渡らないといけないのだが,うまい飛び石が見つからず,しかも渡渉用のビニール袋を持ってくるのを忘れたため,仕方なくブーツを脱いで裸足で渡渉(スネ程度の水深)。さすがに冷たいというか激痛のレベルで,閑静な谷間に奇声が響き渡った。
スキーを履きなおして,急斜面を斜登行で上がっていく。ここはなぜか新雪の層の下に氷化した層があり,スキーが横滑りしてかなり大変だった。
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スキーを履きなおして,急斜面を斜登行で上がっていく。ここはなぜか新雪の層の下に氷化した層があり,スキーが横滑りしてかなり大変だった。
急斜面の区間を越えると,尾根は穏やかになる。大抵はスネ程度,一部急斜面で膝程度の沈み込み。よく冷え込んでいるせいか雪質がサラサラのパウダーで,スキーが抵抗なく進み,ラッセルしていて気持ちがいい。
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急斜面の区間を越えると,尾根は穏やかになる。大抵はスネ程度,一部急斜面で膝程度の沈み込み。よく冷え込んでいるせいか雪質がサラサラのパウダーで,スキーが抵抗なく進み,ラッセルしていて気持ちがいい。
雪をかぶったブナの森が素晴らしい。藪もほとんど埋まっており,どこでも歩ける感じ。
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雪をかぶったブナの森が素晴らしい。藪もほとんど埋まっており,どこでも歩ける感じ。
P1069mに登り上げた。
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P1069mに登り上げた。
穏やかな手倉尾根を進む。
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穏やかな手倉尾根を進む。
左手にはなんと晴れ間が見え,三国岳を望むことができた。一日吹雪に叩かれることを覚悟していたので,ありがたい眺めだ。
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左手にはなんと晴れ間が見え,三国岳を望むことができた。一日吹雪に叩かれることを覚悟していたので,ありがたい眺めだ。
夜叉丸から三周ヶ岳方面も望めた。
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夜叉丸から三周ヶ岳方面も望めた。
わずかな日差しに浮かび上がる雪の陰影が美しい。
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わずかな日差しに浮かび上がる雪の陰影が美しい。
行く手に雪庇を連ねた白い稜線が見渡せた。ぱっと見,あれが上谷山と勘違いしてしまいそうだが,あれは国境稜線のジャンクションピークだ。
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行く手に雪庇を連ねた白い稜線が見渡せた。ぱっと見,あれが上谷山と勘違いしてしまいそうだが,あれは国境稜線のジャンクションピークだ。
次第に細くなる稜線を進む。
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次第に細くなる稜線を進む。
灌木への着雪がすごい。
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灌木への着雪がすごい。
連なる雪庇が美しい。
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連なる雪庇が美しい。
雪庇を警戒して,樹林との境目を進む。
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雪庇を警戒して,樹林との境目を進む。
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左手には,三国岳,夜叉丸,三周ヶ岳の稜線の眺め。
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左手には,三国岳,夜叉丸,三周ヶ岳の稜線の眺め。
三周ヶ岳付近の稜線は,ひときわ白く輝いている。
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三周ヶ岳付近の稜線は,ひときわ白く輝いている。
右手には橋立尾根が見える。以前,手倉尾根から上谷山に登った際に,周回した尾根だ。懐かしい。
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右手には橋立尾根が見える。以前,手倉尾根から上谷山に登った際に,周回した尾根だ。懐かしい。
雪を崩すのがもったいないような,とんがり帽子の雪稜を越える。
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雪を崩すのがもったいないような,とんがり帽子の雪稜を越える。
目の前に,豊富な積雪で真っ白になった丸い峰が現れた。あまりに形が良いので,一見,これが上谷山と勘違いしてしまいそうだが,これは上谷山の一つ前のピーク。
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目の前に,豊富な積雪で真っ白になった丸い峰が現れた。あまりに形が良いので,一見,これが上谷山と勘違いしてしまいそうだが,これは上谷山の一つ前のピーク。
前衛ピークを登りながら,辿ってきた稜線を振り返る。
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前衛ピークを登りながら,辿ってきた稜線を振り返る。
たおやかな乳白色の稜線を行く。
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たおやかな乳白色の稜線を行く。
前衛ピークを登り切ると,前方に見えるあの高まりが,やっと本当の上谷山。上谷山は,近づいてからが結構遠い山だ。
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前衛ピークを登り切ると,前方に見えるあの高まりが,やっと本当の上谷山。上谷山は,近づいてからが結構遠い山だ。
上谷山山頂に到着。上谷山は,ちょっとしたジャンクションピークといった感じで,あまり山頂らしい感じはしない(むしろ,先ほどの前衛ピークのほうがよっぽど山頂らしい)。背景は三国岳と夜叉丸。
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上谷山山頂に到着。上谷山は,ちょっとしたジャンクションピークといった感じで,あまり山頂らしい感じはしない(むしろ,先ほどの前衛ピークのほうがよっぽど山頂らしい)。背景は三国岳と夜叉丸。
しかし,眺望は素晴らしい。雪雲から漏れる日差しに光り輝く琵琶湖が遠く望めた。完全な冬型気圧配置下にある今日,この眺めが見られると思っていなかったので,これは感謝するしかない。
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しかし,眺望は素晴らしい。雪雲から漏れる日差しに光り輝く琵琶湖が遠く望めた。完全な冬型気圧配置下にある今日,この眺めが見られると思っていなかったので,これは感謝するしかない。
こちらは橋立尾根方面への稜線。
しかし,上谷山で少し休んでいるうちに,次第に風雪が強まり始めた。
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こちらは橋立尾根方面への稜線。
しかし,上谷山で少し休んでいるうちに,次第に風雪が強まり始めた。
急速に湧き始めたガスに視界が閉ざされ始める中,急ぎ足でジャンクションピークまで戻り,三国岳への稜線へと歩を進める。
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急速に湧き始めたガスに視界が閉ざされ始める中,急ぎ足でジャンクションピークまで戻り,三国岳への稜線へと歩を進める。
この稜線は,終始樹木が生えているため,ガスに包まれても空間識を保つことができ,歩きやすい稜線だ。
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この稜線は,終始樹木が生えているため,ガスに包まれても空間識を保つことができ,歩きやすい稜線だ。
風雪が強まっていることを除けば,至極穏やかな稜線で,ブナの散歩道のようだ。スキーの沈み込みもスネくらいで,雪質が軽いのでラッセルの負担もそれほどない。
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風雪が強まっていることを除けば,至極穏やかな稜線で,ブナの散歩道のようだ。スキーの沈み込みもスネくらいで,雪質が軽いのでラッセルの負担もそれほどない。
吹雪に叩かれたかと思うと,急に視界が開けて静かになったり,目まぐるしく天候が移り変わる。写真は一瞬の晴れ間に望めた夜叉丸にかけての白い稜線。
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吹雪に叩かれたかと思うと,急に視界が開けて静かになったり,目まぐるしく天候が移り変わる。写真は一瞬の晴れ間に望めた夜叉丸にかけての白い稜線。
三国岳への鞍部まではちょっとスキーで滑りたくなるような斜面もあったが,すぐに登り返しになってしまうため,シールを付けたまま滑り降りていく。
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三国岳への鞍部まではちょっとスキーで滑りたくなるような斜面もあったが,すぐに登り返しになってしまうため,シールを付けたまま滑り降りていく。
三国岳への登り。本格的に吹雪が強まり,視界は真っ白だが,樹木のおかげで地形は十分把握でき,問題なく進める。
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三国岳への登り。本格的に吹雪が強まり,視界は真っ白だが,樹木のおかげで地形は十分把握でき,問題なく進める。
三国岳の山頂台地に登り上げた。大きなブナの木が点在する,一面の凍てついた雪原。
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三国岳の山頂台地に登り上げた。大きなブナの木が点在する,一面の凍てついた雪原。
樹氷が美しいブナの木々を縫いながら,山頂があると思しき高みへとスキーを進めていく。
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樹氷が美しいブナの木々を縫いながら,山頂があると思しき高みへとスキーを進めていく。
氷雪のお化けのようになったブナの木々。
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氷雪のお化けのようになったブナの木々。
三国岳山頂に到着。山頂は無木立の丸い雪原となっており,晴れた日ならさぞ爽快だろうが,吹雪の今日は遮るものもなく存分に風雪に叩かれてしまい,風に向かって立っているのもやっと。
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三国岳山頂に到着。山頂は無木立の丸い雪原となっており,晴れた日ならさぞ爽快だろうが,吹雪の今日は遮るものもなく存分に風雪に叩かれてしまい,風に向かって立っているのもやっと。
山頂を去る前に,プローブで積雪量チェック。240cmの短めのプローブがほぼ埋まるくらいの積雪だった。風が強い山頂でさえこの積雪なのだから,深いところなら3m以上は行っているだろう。
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山頂を去る前に,プローブで積雪量チェック。240cmの短めのプローブがほぼ埋まるくらいの積雪だった。風が強い山頂でさえこの積雪なのだから,深いところなら3m以上は行っているだろう。
三国岳を後にし,依然として吹雪に覆われた稜線を進んでいく。
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三国岳を後にし,依然として吹雪に覆われた稜線を進んでいく。
グローブがガチガチに凍り付き,稜線の西側からの風雪に叩かれ続ける左頬の感覚がなくなっていく。ただ,この区間は風が強いせいか雪面がクラストしており,スキーはほとんど沈み込まず,快適に進めた。
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グローブがガチガチに凍り付き,稜線の西側からの風雪に叩かれ続ける左頬の感覚がなくなっていく。ただ,この区間は風が強いせいか雪面がクラストしており,スキーはほとんど沈み込まず,快適に進めた。
吹雪の合間に,一瞬,ちらりと夜叉丸への稜線が見えた。
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吹雪の合間に,一瞬,ちらりと夜叉丸への稜線が見えた。
振り返ると,三国岳と,辿ってきた稜線。
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振り返ると,三国岳と,辿ってきた稜線。
夜叉丸手前は,東側に雪庇が発達しているようで,目を凝らしながら慎重に進む。山頂直下にちょっと急で尾根も狭い箇所があり,わずかな距離だが,スキーを脱いでツボ足で上がった。
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夜叉丸手前は,東側に雪庇が発達しているようで,目を凝らしながら慎重に進む。山頂直下にちょっと急で尾根も狭い箇所があり,わずかな距離だが,スキーを脱いでツボ足で上がった。
夜叉丸山頂に到着。夜叉壁側に大きな雪庇が出ているようで,一番高いところは雪庇の上になっている可能性があり怖くて近づけず,その3mほど手前を仮の山頂とした。
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夜叉丸山頂に到着。夜叉壁側に大きな雪庇が出ているようで,一番高いところは雪庇の上になっている可能性があり怖くて近づけず,その3mほど手前を仮の山頂とした。
本当は雪に埋まった夜叉ヶ池も見ていきたかったのだが,本格的に風雪が強まって視界が真っ白なのと,時間が押しているので諦め,夜叉丸の山頂から直接北西尾根に滑り込むことにした。
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本当は雪に埋まった夜叉ヶ池も見ていきたかったのだが,本格的に風雪が強まって視界が真っ白なのと,時間が押しているので諦め,夜叉丸の山頂から直接北西尾根に滑り込むことにした。
シールを剥がして滑降準備完了。いざゆかん。
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シールを剥がして滑降準備完了。いざゆかん。
今日の雪質なら楽しめるかも,と思っていた通り,気温が低いおかげでサラサラのパウダー。最高である。
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今日の雪質なら楽しめるかも,と思っていた通り,気温が低いおかげでサラサラのパウダー。最高である。
ブナの木々を縫い,ターンごとに浮遊感を楽しみながら下っていく。
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ブナの木々を縫い,ターンごとに浮遊感を楽しみながら下っていく。
下部の急斜面はブナの点在する広い斜面で,特に楽しいスキーができた。
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下部の急斜面はブナの点在する広い斜面で,特に楽しいスキーができた。
最後は夏季登山口の目の前にドンピシャ滑り込んだ。雪に深く埋もれた小橋を足元を探りながら恐る恐る渡り,雪に埋もれた鳥居を腰をかがめてくぐって,林道に帰着。ちょっと暗くなりかけてしまったのは反省点…。
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最後は夏季登山口の目の前にドンピシャ滑り込んだ。雪に深く埋もれた小橋を足元を探りながら恐る恐る渡り,雪に埋もれた鳥居を腰をかがめてくぐって,林道に帰着。ちょっと暗くなりかけてしまったのは反省点…。
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