角館の背後に座る山へ 小滝山〜白岩岳周回
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 1,147m
- 下り
- 1,143m
コースタイム
天候 | 曇り時々小雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
小滝山へ登るには、みずほの里ロードから小滝川沿いの林道を入り、「ふれあいの森」から登山道を登りますが、この道はピーク711付近で消え、藪に覆われます。今回は白岩岳への登山道がある入角沢林道から入り、登山道の無い尾根を辿ってピーク711に立ち、雪の斜面を登って小滝山に立ち、さらに白岩薬師を経て白岩岳に達する周回ルートを歩いてみました。小滝山〜白岩薬師間も夏道はありません。 入角沢林道は雪で覆われていましたので、入口付近に駐車。林道を1K半ほど歩き、入角沢左岸へ橋を渡ったところから尾根に取り付き、ピーク711へ。林業関係の踏み跡があり、さほど藪はありません。標高600m付近からは残雪の上に新雪が積もった状態。ピーク771でワカンを付けました。以後、小滝山〜白岩薬師〜白岩岳間は締まった残雪の上に新雪15cm程度、踏み抜きもありませんでした。白岩岳からの下山は、夏道が雪に覆われていたので慎重に判断しながら歩みを進めました。入角沢林道は雪が融けるのがGW以降、融けた後も車両が入るには整備が必要な状況と思われます。 |
写真
感想
みちのくの小京都、角館には花見期間中、120万人もの人が訪れるという。年間を通して県外観光客の途切れることがなく、秋田県を代表する観光スポットだ。この角館の背後に牛が寝ているような、ピークのはっきりしない山がある。左手に白岩岳、右手に小滝山、和賀山塊の一角を占めている。
一昨年の秋頃、小滝山に登ろうと小滝川の林道を入って「ふれあいの森」から登山道を辿ったことがあった。ところが道はピーク711付近で消え、天気もイマイチだったので笹やぶの斜面を少し登ったところで引き返した。それからは残雪期に登ろうと、その機会を待っていた。
20日の天気は寒気が入っていて曇り、お昼頃から時々晴れるという。上に上がった時に曇っていればそのまま引き返すことになるので、昼過ぎに山頂に立つつもりでゆっくり出発する。できることなら、和賀岳や羽後朝日岳を眺めたい。
林道にはまだ雪があり、無理せず入口付近に車を止めて歩きだす。尾根取り付きは登りにくいので、沢のデブリから登り、尾根に上がる。この時期の杉林の尾根は藪も酷くはない。ピーク711手前の平坦地からすばらしいブナ林が広がる。気温が低く、ブナの小枝に付いた霧氷が美しい。小滝山への登りは一面ブナ林の広い斜面、呼吸を整えながらゆっくり登る。ピークに上がったその少し先が山頂部だ。
山頂部に立つと、正面にでっかく和賀岳が現れる。標高1,099mの小滝山から750m下の袖川沢をはさんで、今度は1,100m近く立ち上がった姿は圧巻だ。光が当たらず、いい写真が撮れないのが残念。林道を深く入り、標高差900mを登ったその遥か先に、豊かな森をたたえて和賀岳はそびえている。
小滝山の三角点は山頂部の南端にあるようだが、一番高い所に立って、今度は白岩岳目指して歩きだす。幸い新雪はさほど増えず、ワカンを付けて足首程度。白岩薬師付近からは大きく発達した雪庇の上を行く。白岩岳山頂部は平らで、ピークらしきものはない。少しゆっくりしたかったが、小雪が舞って寒いので長居はせず。
ルート全体的に危険なところはないが、白岩岳からの下り始めは急斜面な上に痩せていて、慎重に通過した。白岩岳へは過去2度登っただけなので、下山は地形・方向を確認しながら辿った。杉林の中に新雪に覆われた登山道を見つけたが、やがて判別がつかなくなり、結局自分の感覚で下った。登山口の看板の立つ林道には下りずに、そのまま急斜面の尾根を辿り、保呂羽沢の標識のある林道に下り立った。
今年の残雪期も和賀山塊を歩くことができた。霧氷の輝く美しい山々、長い尾根を見ることができて幸せだった。GWの後半には角館の桜も見ごろになるだろう。桧木内川沿いの桜を楽しむ時、少し目を遠くに向けていただきたいと思う。白岩岳と小滝山が目立つことなく、しかしどっしりと座っているのがお分かり頂けると思う。この山々もまた、角館の風景に無くてはならないものなのだ。
コメント
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和賀の前衛峰というには雄大なコース。上りも下りもkamadamさんのオリジナルコース取りでしたね kamadamさんらしい素晴らしく美しいルートです
白岩岳、以前和賀岳を白岩越えでピストンされていましたが、あの怖いナイフリッジ、冬期は無理でしょうね
四月なのに、こちらも朝から積雪となりました。写真を拝見すると初冬の様相。GWはきっと一気に春が戻ってきますね。
ところで太平山行かれたとき、早起きしたのは和賀周辺を歩くつもりだったからとおっしゃってましたが、このコースだったのでしょうか?
薮が適度にあって楽しそうなコースですね
でも稜線上は広くはないので、なかなか気が抜けそうにありません
このコースをあっさりと歩かれる方はそんなに居ないでしょう。
昨年のkamadamさんに車で送ってもらった和賀岳〜白岩岳の周回コースを思い出しました。
先日和賀山塊で予定していたのは、もっと細い稜線を歩くルートです。今年はもう諦めましたよ せっかくの冬靴がまだ値札付いたまま・・今回も長靴オヤジスタイルでした
白岩岳から和賀岳へ向かう尾根上にあるキレット、「錫杖の森」のことですね。積雪期はエキスパートの世界かと思います。
ここ数日本当に寒いですね。桜も秋田市手前で足踏みです・・
雪の無い時期、小滝山へは夏道が途中で消えるので、それからはtooleさんの本領発揮の世界!ブナの疎林に笹藪が美しいですよ 小滝山〜白岩薬師間もブナ林がほとんどなので、意外と歩けるかもしれません。ただ、白岩薬師への登りにかかると、しつこい灌木に覆われているかと推測しますが
広大な和賀山塊、マタギのように縦横無尽に歩くことに憧れますが、いかんせん、林道歩きがまず長い でも上に上がると、その労を補って余りある雄大な景観に出会えますね
難しいルートの事はわかりませんが
霧氷と向こうに見える春を迎えた平野部のコントラストがとても綺麗ですね〜
ここにも美しいブナジュリーンがあるんですね
和賀山塊…連休明けから課題の峰峰です
お嬢さんと登られた沢尻岳、よく覚えてますよ〜 腕を組んでダンスを踊られた写真も
標高700m近くまで雪はどんどん消えてきていますが、和賀山塊の主稜線はまだまだ雪に覆われています。ぜひ晴天を狙って大荒沢岳まで ブナジュリーンと残雪の山並みがきっとmeikenさんを待っています
白岩岳へは入角沢沿いの荒れた林道を5キロぐらい入るので、角館から近いのにあんまり気軽に登れる山ではないのですが、林道が整備された後で経験者と一緒に登るのはお奨めです。ブナ林がいいのと、広大な和賀山塊の大展望 実は白岩岳に登っても白岩薬師まで足を延ばしたことがなかったのですが ここは見事な展望スポットでした 特に羽後朝日岳の姿がすばらしい 晴れた日にぜひおいでください
奥に聳える山並みがなかなかシブいなあと思っておりました。
そうですか、この山でしたか。前衛と言うのはもったいない山です。
和賀山塊は未踏ですが、kamadamさんやtooleさんのレコを拝見していると憧れてしまいます。
今年はちょっと足を延ばして行ってみたいところです。
不勉強で申し訳ないのですが、白岩岳の名前をは初めて耳にしました。秋田では登山対象として結構メジャーなのでしょうか?
それにしても、このくらいの山も長靴で行ってしまうんですか
これぞ"kamadam style"のような気がします
「kamadam style」なんて書かれると、なんかカッコいい ステッカー作って、長靴に張ろうかな
白岩岳は、メジャーとは言えないでしょう。でも秋田で山登りが好きな人なら結構登っているのではないでしょうか。近年、和賀岳はニッコウキスゲの群落と原生的な自然が残されている山として県外からも登山者を集めるようになりましたが、白岩岳はまだまだ入山者は少ないかと思いますよ。山頂部には「万年シャクナゲ」があるそうです。
私は角館の住民ではないのですが、訪れる方お一人でも多く後ろの山々を眺めていただきたいな〜と思って、レコを書いてみました〜
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