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Yamareco

記録ID: 29021
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
尾瀬・奥利根

小沢岳・丹後山・兎岳

2003年04月27日(日) ~ 2003年04月29日(火)
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tanno1967 その他1人
GPS
56:00
距離
32.5km
登り
2,988m
下り
2,980m

コースタイム

4/27
十字峡登山口9:10―10:10栃の木橋―11:30内膳落合11:35―中尾ツルネ1296m峰―18:10本谷山肩(小穂口ノ頭、幕営)

4/28
本谷山肩6:30―9:00下津川山9:15―10:00小沢岳10:30―下津川山―13:40本谷山肩14:45―15:35本谷山15:50―17:15越後沢山17:40―19:45丹後山避難小屋(泊)

4/29 
丹後山避難小屋6:40―7:15大水上山7:20―7:45兎岳7:55―8:15大水上山8:20―8:50丹後山9:55―12:10栃ノ木橋12:30―13:20十字峡登山口
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2003年04月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
十字峡までは問題なく車で入れたが、残雪の状況によっては入れないことも考えられるので、確認する必要があるだろう。2008年のゴールデンウィークには車は三国川ダム管理所先で通行止めになっていた。

十字峡から丹後山登山口を経て内膳落合までは、雪解けの濁流が流れる三国川を遡行する。夏なら林道歩きだが、残雪期には林道は雪の急斜面のトラバースとなっており、通過には大いに神経を使う。スノーブリッジを乗り越える箇所も何箇所かある。丹後山登山口までは踏み跡があったが、そこから内膳落合まではなかった。内膳落合の手前には、傾斜50度ほどの雪の斜面を20m程だがトラバースする箇所があり、下には雪解けの濁流が渦巻いているだけに、重荷での通過には非常に神経を使った。

内膳落合からの登りは、取り付きの部分が急で道も悪かった。いったん尾根上に出るとよく締まった残雪の快適な登りとなったが、1296m峰の手前、また峰を越えた鞍部から先の登りには、かなり急な個所があり、アイゼンをつけてのキックステップ登りはふくらはぎの筋肉を使った。本谷山の肩(小穂口ノ頭)にはテントを張るには十分な平地があった。

本谷山肩から下津川山を経て小沢岳への往復は、この時期残雪と、笹の中をゆく道が半々くらいだった。小沢岳への登りは雪の斜面で、小沢岳の頂上も気分の良い雪の円頂になっていた。

本谷山肩から本谷山にかけての稜線には一部痩せているところがあった。越後沢山を過ぎて鞍部に下るあたりの稜線はヤブが多かった。

本谷山肩から小沢岳を往復して丹後山まではやや強行で、丹後山避難小屋に着いたのは日が暮れた後だった。

丹後山から大水上山までは平坦で快適な雪の稜線。兎岳への登りはすぐだった。

丹後山からは雪の尾根を快適に下ったが、雪があっても、強い日差しの中のブナ林の下りはかなり暑かった。これはこの日、日本海側でフェーン現象が生じていたためと思われる。

十字峡の避難小屋は立派な小屋で、前日のうちにここまで入って泊っておくと行動は楽になるだろう。


山行期間前半の天気図。低気圧が抜けた後、移動性高気圧に覆われた。
2009年11月02日 17:59撮影 by  EPSON scanner, SEIKO EPSON CORP.
11/2 17:59
山行期間前半の天気図。低気圧が抜けた後、移動性高気圧に覆われた。
最終日の29日、高気圧はすでに遠ざかりつつあったが、まだ東北の東海で強い勢力を保っており、日本海側はフェーン現象が生じたという。確かに十字峡に降りてくると夏のように暑かった。
2009年11月02日 18:01撮影 by  EPSON scanner, SEIKO EPSON CORP.
11/2 18:01
最終日の29日、高気圧はすでに遠ざかりつつあったが、まだ東北の東海で強い勢力を保っており、日本海側はフェーン現象が生じたという。確かに十字峡に降りてくると夏のように暑かった。
丹後山登山口にて。
丹後山登山口にて。
中尾ツルネ1296m峰付近からの中の岳(2085m)
中尾ツルネ1296m峰付近からの中の岳(2085m)
小穂口の頭の幕営地
小穂口の頭の幕営地
小沢岳(左)と下津川山(右)。本谷山との鞍部付近から。
小沢岳(左)と下津川山(右)。本谷山との鞍部付近から。
小沢岳頂上にて。後方は巻機山
小沢岳頂上にて。後方は巻機山
本谷山付近からの平が岳。
本谷山付近からの平が岳。
越後沢山から望む平が岳
越後沢山から望む平が岳
丹後山の避難小屋
丹後山の避難小屋
大水上山から振り返る丹後山の稜線。
大水上山から振り返る丹後山の稜線。
兎岳から振り返る今回の行程。右奥に小沢岳と下津川山、左が本谷山と越後沢山、その手前に丹後山と大水上山。
兎岳から振り返る今回の行程。右奥に小沢岳と下津川山、左が本谷山と越後沢山、その手前に丹後山と大水上山。

感想

奥利根の小沢岳や越後沢山あたりの山々には20年以上も昔、高校生のころ、図書館で見かけた奥利根の探検記(小泉恭司氏の「奥利根の山と谷」であったかもしれない)を読んでから憧れていたのですが、機会を逸して登り損ねていました。

2001年の秋、北側の五十沢側から巻機山に登りました。http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-31600.html
その時、永松渓谷の奥に見えた小沢岳あたりの連嶺の奥深い連なりが見事だったので、2003年の5月に登ってみました。多少ヤブはありましたが、残雪の奥利根を満喫した山行でした。

このコースの最大の難所は内膳落合までの三国川沿いで、雪の状態によってはかなり困難なルートになると思います。多くの人は丹後山を往復するか、中の岳・越後駒方面とつなげるか、もしくは巻機山から縦走するかで、中尾ツルネを登り降りする人は少ないようです。

あまり目立ちませんが、小沢岳は巻機山と中の岳をつなぐ稜線上では一番立派な山だと思います。山の深さ、残雪の豊富さ、登山道の未整備を考慮に入れれば、多少とも探検的要素を含んだ山登りをしたい人にはこたえられない魅力のある山ではないでしょうか。個人的には「300名山」くらいには入れてもいい山だと思っています。

越後沢山は稜線上のなだらかな盛り上がりに過ぎませんが、この山に突き上げる利根川の支流、越後沢は、200mほどの大滝を二つかけていることで知られています。いつかまた天気の良い時に平が岳方面を訪れて、この幻の大滝を観察したいものです。

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