【ノートレースの高島トレイルを歩く】長尾〜三重嶽〜武奈ヶ嶽〜赤岩山周回
- GPS
- 10:42
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 1,204m
- 下り
- 1,211m
コースタイム
天候 | 微風快晴 山頂気温7度 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
石田川ダム〜三重嶽登山口 石田川ダムからの林道は、無積雪期でも車通行不可、2/6現在積雪50〜70cm程。沢の出合では、完全に林道が埋まっていますので、斜面をトラバースすることになります。雪が腐ると時間がかかりそうです。 三重嶽登山口〜長尾〜三重嶽 2/6現在、尾根上は積雪が風で飛んでいる部分もありますが、下部で30cm、上部では1m近くの積雪 夏道は雪に隠れて全くわかりません。一部ショートカットしてトラバースした部分は、積雪状態によっては尾根通しの直登が良いと思います。 三重嶽〜武奈ヶ嶽 同じく夏道は雪の下で全くわかりません。稜線をルーファイしながら適当に歩きます。 武奈ヶ嶽〜赤岩山〜石田川ダム 赤岩山分岐は見落としやすいかもしれません。目印はなかったように思います。赤岩山からはダイレクトに尾根筋を急下降しています。倒木多く積雪状態によっては、深みにハマり苦労するので、積雪期は尾根の倒木を遠巻きに歩く方が楽でしょう。 |
写真
感想
この日もどこに行こうか迷った。昨夜は仕事に疲れて前夜発ができず終い。晴天予報に早起きして行ける範囲は滋賀県内まで、「Yahoo!天気」で積雪深を確認して高島トレイルの最奥部の一つ、三重嶽を目指すことに決める。
石田川ダムまでは除雪されており、難なくダムにたどり着く。林道をしばしツボ足で偵察するが、さっそくツボりまくる。今日は気温が高くなると言う。この調子では午後からの林道はグチャグチャのツボりまくりパターンが脳裏によぎる。登山計画書には先に武奈ヶ嶽→三重嶽だったが、林道は朝のうちに歩いた方が良いのではと計画を変更してワカンを装着して林道を歩き始める。
林道は沢の出合は雪が流れ積もり急斜面になっている所が多数、それらをトラバースして行く。幸いワカンなら5cmほど沈む程度のやや硬めの雪だ。長尾に取り付く三重嶽登山口の辺りはガードレールがすっかり隠れる程度の積雪だった。
登山口といっても夏道は雪の下、全くわからないので植林地帯の急登を適当に登り切り長尾の尾根上に出る。しばらくして、小ピークをショートカットするトラバースへ。しかし、結構な急斜面のトラバースにヘキヘキし尾根上へ出る。やはり積雪期は忠実に尾根上を行くのが結果的に楽だ。
長尾は、長尾の名の通り、緩やかな尾根が延々と続く。やがてコナラやブナの若木などの落葉した雑木林の隙間から今日の最終目的地である武奈ヶ嶽が姿を見せる。遥か対岸の頂だ、今日は長い一日を覚悟する。
三重嶽山頂に近づくにつれ、ブナの疎林となる。無雪期ならば足元には多くの薮木が姿を見せているのだろうが、今はそれらは雪の下、それ故に背の高いブナだけが目に付くのでブナの疎林と目に映るのだ。
着いた三重嶽主峰は雪原となっていた。高島トレイルのポイント柱の頭部だけが雪の中から出ている。おそらく1m程の柱だったので、積雪もそれくらいだろう。
山頂からの北東〜南方面の眺めは素晴らしい。東には大御影山へと続く長く穏やかな稜線が間近に見える。あの稜線は全てブナ林のようだ。霧氷の日には素晴らしい景色が待っていることだろう。
時間が少々押してはいるが、せっかくこのような晴天の三重嶽に来たのだから、北峰にも足を伸ばす。北峰へと続く雪原は純白のまま、正にバージンスノーの覆われている。ここに足跡をつけると後続の人がガッカリするだろうなあと思いつつ、一歩踏み出す。
北峰は主峰よりも一層眺めが素晴らしい。北西に2018年2月に登った三十三間山〜轆轤山の白き稜線が見える。あの時、あちら側から見て憧れた三重嶽を今歩いている訳だ。北に若狭湾、北東に野坂山へと連なる山々、東に大御影山、東南に三周ヶ岳〜伊吹山の白い山並が浮かぶ。堪能した後、気ままに行きとは別の足跡をつけて戻る。自分のトレースを見て、白いキャンバスにトレースで何か描けば良かったと思ったが、後の祭りだ。
せっかくなので南峰にも寄る。南峰からは南に琵琶湖、西に目的地の武奈ヶ嶽、その奥には比良の武奈ヶ岳が並んで見えた。
さあ、ゆっくりし過ぎた。晴天が欲張りにさせた。これが後ほどのヒヤリハットの種となるのだが、この時はまだ楽観的だ。
武奈ヶ嶽を目指して、もうひと頑張りだ。いくつかの小ピークを越え、稜線上をひたすら歩く。鞍部から武奈ヶ嶽までの稜線は穏やかだが、長い。足が疲れてきていてペースが一向に上がらない。日没迄には下山すると一踏ん張りして武奈ヶ嶽山頂着。出発から9時間経過していた。稜線上の雪は適度に硬くワカンが5cmほど沈む程度にも関わらず、この時間だ。今日は天候に恵まれた、感謝しよう。
武奈ヶ嶽には今日登ったらしい足跡がいくつかあった。そのうちの一つは私と同じ方向だ。普段は他人様のトレースの後を歩くのが嫌なクセに、時間もないしルーファイしなくても良いとばかりにスノーシューのトレースに足を重ねて歩く。
しかし、甘くはなかった。赤岩山分岐でトレースは角川集落へと向かっていた。私は赤岩山を越えて石田川ダムまで戻らなければならない。またノートレースのルーファイしなくてはならないが、ここでルートミスは痛いので、慎重に方向を確認しつつ下ることにする。
赤岩山からの下りはこれまでとは打って変わって急斜面だ。重力を味方につけた積雪機ならではの力押し歩きでどんどん下る。
後残り標高差300mという所で、突然、ワカンが外れた。見ると、前方の横ベルトが切れている。余りの強引な歩きによる強い負荷に耐えられなかったようだ。しかし、4年前にも同じトラブルに見舞われた事があるのでワカンを持っていく時は必ず対処方法をリュックの中に入れていたのだ。準備していた結束バンドを取り出して応急修理完了。ここからは、できるだけワカンに負荷をかけないよう慎重に進む。
赤岩山登山口にあったチラシに記載されていた倒木地帯にさしかかる。倒木の周囲は積雪が空洞化していることが多く、ワカンが深みにハマりやすい。慎重に雪面を見て下る。何度かハマったが、ワカンに大事はなく無事通過し登山口に下りることができた。後は距離にして400m程林道を歩くだけだ。
駐車場に着き、息を整えようとするが、荒い息が続き、全身汗まみれだ。車に乗り込むと同時に日没となった。終わってみれば、今日は誰一人出会っていない。間違いなく今シーズン一番に全力で歩いた山行だった。晴天が味方してくれたおかげで、ライトをつけて歩かずに済んだ。積雪期の福井県境の山々を歩きたい誘惑にかられるが、私にはまだまだ体力が足りないようだ。今回の山行を教訓として、日頃から少しずつトレーニングを積むこととしよう。
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