鹿倉山ー岩岳ー大菩薩嶺ー白草ノ頭縦走
- GPS
- 56:00
- 距離
- 60.9km
- 登り
- 4,834m
- 下り
- 4,886m
コースタイム
2日目:ハシカキノタル(4:15)-前飛竜(5:45-5:55)-熊倉山(6:35)-丹波天平(7:30)-丹波(8:20-8:30)-追分(10:40-10:50)-フルコンバ(12:30-12:40)-大菩薩峠(13:15-13:30)-福ちゃん荘(14:05)
3日目:福ちゃん荘(4:20)-大菩薩嶺(5:20)-大菩薩峠(5:55)-長峰分岐(6:30-6:40)-白草ノ頭(9:15-9:25)-カネツケノ頭(9:40)-トチ平(10:45)-拓動橋(11:15)-松姫鉱泉(12:35-14:15)-小寺(14:20)
天候 | 1日目:晴れ後曇り 2日目:快晴後みぞれ 3日目:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:小寺〜大月駅(富士急山梨バス) |
感想
GW後半も天気がいい。予定通り、2泊3日の山旅に出かけることにした。
■1日目
GWということもあって、奥多摩駅は混雑している。いつも空席がある小菅行きのバスも今日は満席だ。途中、小河内神社で下車しようとする人に、運転手が「ドラム缶橋が外されてますけど、降りますか」と聞いている。渇水で外されてしまったのだろうか。誰も降りず。
深山橋でバスを降り、今年の冬に登ったルートで、大寺山に向かった。今日の目的地は岩岳だが、丹波行きのバスは9:30発と遅い。それならば、2時間早いバスに乗って、鹿倉山にも登ってしまおうという計画だ。
すぐに仏舎利塔のある大寺山に到着。前回は、雪に阻まれて、ここから林道にエスケープしてしまった。今日は、直進して鹿倉山に向かう。
ここは、道標にハイキングコースと書かれているだけあって、とても歩きやすい。大寺山を過ぎれば、あとは緩やかな登りが続く。今日は、水を7L担いでいて、20kgほどの荷物だが、涼風のお陰かそれほど辛くない。
ほどなくして鹿倉山に到着。山頂は少し広く、展望はない。早めの昼食を摂ってから、大丹波峠に向かって下る。
こちらも快適な道。途中で林道のような砂利道と合流し、見覚えのある大丹波峠に降りた。
沢沿いの道を丹波まで下って、岩岳の登山口のある余慶橋に向かうと、丹波のバス停のすぐ先に水場があった。うっかりこの水場を忘れていた。ここで、美味しい水を調達できたのに、家から水道水を担いで来たのは、なんとも馬鹿らしい。
余慶橋に到着すると橋の手前右手に踏み跡がある。最初が少し分かり辛いものの、少し斜面を登ると、しっかりした踏み跡が見つかった。道は、登山地図に大高巻きと書かれているように、かなり上の方に登って行く。
一度、沢に降りると、すぐ先に桟橋が見える。4つ程桟橋を渡るが、ここはとても良く整備されている。靴を脱いで熱くなった足を沢に浸けて、しばらく休憩。とても気持ちがいい。
山道は、尾根の北側の山腹を巻いて登って行く。この巻き道は、非常に長い。巻き道が長く続くのは、あまり嬉しくない。往々にして危険な箇所があるからだ。落ち葉に埋もれた道には、見えない石がごろごろしていて、下手に足を乗せるとバランスを崩しそうだ。この道も危険なところがあって、ヒヤヒヤしながら進んだ。
それでも、道は比較的良く整備されていて、石垣のようなもので補強されているところもある。これは、岩岳に登るための登山道ではなく、水源巡視路なのだろう。
ようやく稜線に出ると、道は、稜線の反対側を巻くように進む。どうも岩岳も巻いてしまうようなので、適当な所から尾根上に乗ってみると踏み跡がある。鹿の糞が多い薮道を進んで行くと、三角点を発見した。山名プレートの残骸のようなものもあるが、欠けていて文字は確認できず。
薮の中の狭い山頂を後にして、今日の寝床を探す。岩岳の先の1515ピークの先の鞍部が、ハシカキノタルだ。ここは、少し平らになっていて、テントが張れそうだ。
まだ、少し早いけれど、この時間に、ここを通る人はいないだろうと、テントを張る。寒いので、すぐに潜り込んだ。
夜中、寝ていると、なんだか獣が近づいてくる気配がする。今日は、熊の糞らしきものもいくつか目撃したから怖い。しばらく心配で眠れなかったが、疲れからか、いつの間にか眠りに落ちていた。
■2日目
3時頃起床。4時過ぎに暗い中、テントを回収して、出発する。
ここから、前飛竜まで登山地図にルートが描かれていない。しかし、踏み跡は明瞭で、尾根を登って行くだけなので、特に不安はない。
ツツドリのポポーという鳴き声を聞きながら登って行く。それにしても、倒木が多い。太い木は乗り越えるのが大変だ。
緩い登りと急な登りが交互に現れる。踏み跡の左右はシャクナゲが増えて来て、時折、ザックを掴まれるが、進むのが困難ということは無い。
しばらく登って行くと、前飛竜に到着。ここまで来れば、ひと安心だ。ここからは、富士の眺めがとてもいい。雪は、先週見た時より少し増えたようだ。
考え事をしながら、熊倉山、サオラ峠と、一般登山道を下って行く。今日は、大菩薩まで行く予定なので、丹波に一度降りる。歩いたことのない、丹波天平からの下りルートを使うことにした。
丹波天平は、とても開けた場所だ。山の中でこれだけ広いところも珍しいだろう。4年前には見た覚えのないアンテナ鉄塔の先から、丹波に下る道がある。ここは破線になっているルートだけれど、道は明瞭。ただ、山腹を巻きながらジグザグに下って行くのだが、滑落しそうな場所があり、案外危険だ。
慎重に下って行くと、小学校の裏に下りた。柵を開けて、小学校の敷地内を通って、丹波に降りた。
丹波のバス停でしばらく休憩。丹波に来る朝一番のバスより、大分早い時刻だ。
吊り橋を渡って、追分に登るルートに向かう。ここには釣り堀があって、子供連れの家族で賑わっていた。
丹波から藤タワに向かうルートは、遊歩道のように整備されていて、道の沢側には、手すりが付けられている。
ここは新緑がとても綺麗。GWの時期に毎年、奥多摩に来ているけれど、裾野の方が緑で溢れている。沢を流れる水と、明るい新緑の林で、清々しい気分になる。
学生の団体と2度ほどすれ違った。昨日は大菩薩でテント泊したのだろう。皆大きな荷物だ。
追分に到着。ここは1ヶ月半前に来たばかりだ。ベンチに腰掛け、前回同様、石尾根を眺めながら昼食。今日の雲取も大勢で賑わっていることだろう。
今日は、夕方から雷雨との予報だったので、少し先を急ぐ。
この先は、なだらかな登りが続く。考え事をしながら登って行くと、フルコンバに到着した。薮の中を少し下ったところにある水場(湧き水)で、4.5ℓほど水を調達。
大菩薩峠に着くと、ものすごい登山者の数で驚く。外国の方も多い。
福ちゃん荘で、テントの受付をしてテント場に向かうと、既にかなり埋まっている。しかし、昨日は100人程テントで泊まったとのことで、テントを詰め合って張ったらしい。
テントを張って1時間程で雨が降って来た。雷も鳴り、雨はみぞれに変わって、あっという間にテントの周りは白くなった。隣には、遅れて到着した学生さんが、寒い寒いと大騒ぎで巨大なテントを張っている。
■3日目
朝、誰よりも早くテントを畳んで出発。今日は、大菩薩嶺に登った後、長峰を下る予定だ。
雷岩まで、薄暗い道を登って行くと、富士の写真を撮っている方がいる。朝靄の中に浮かび上がった富士の姿は素晴らしい。
露岩から大菩薩嶺までは、昨日の夕立で、うっすらと雪が積もっている。思いがけず誰も歩いていない雪を踏むことができて嬉しい。山頂から大菩薩峠に向かう途中、所々、水たまりに氷が張っている。パリパリと踏みながら進む。
介山荘の脇をすり抜け、石丸峠を過ぎて、長峰分岐へと向かった。
長峰は、登山地図で黒破線のルートで、結構大変な道らしい。このような道は、色々とゆとりを持たせないと心配だ。長峰分岐に着いた時点で6:30で、時間は十分あり、水は4.5ℓ、食料は行動食も入れて2日分、テントもシュラフもあるから、大丈夫だろう。
長峰を指し示す立派な道標から、南東に下って行く。最初から踏み跡に笹が掛かって来ているが、踏み跡はしっかりしている。
地形図とコンパスで確認しながら進む。地形図に現れない小ピークを越えて、更に南東に下って行くと、背丈を超える笹薮になって来た。ただ、今の時期はまだ葉もそれほどなく、かき分けるような薮ではない。
もう一度、等高線に現れない小ピークで道は東に向かう。ここを60mほど下れば鞍部のはずだと思い下って行くと、予想通りに鞍部に着いた。次の20mほど登り返すピークは、南側を巻くように踏み跡が付いている。この踏み跡は、途中で南に下って行く方向と、東に戻って行く踏み跡に分かれていて、紛らわしい。南に向かってはいけない、と東に戻る踏み跡に乗り、尾根に戻った。
その後、30m程下って、平らになった辺りで、踏み跡が怪しくなるが、しばらく進むと、また踏み跡を発見した。どうも踏み跡は、尾根の少し南側に続いているようだ。
1256を過ぎたと思われる辺りは、一升瓶が散乱している。この辺りが、エイベイ小屋跡だろうか。この先は、尾根が広がる。
次の登り返しで、白草ノ頭に着くだろうと思い、下って行くと、思いがけないことが。
なんと、下から人が登ってくる。あちらも私に気が付き、お互い、思わずオーと声を上げてしまう。
こんなところで人に会うとは思わなかった。先方も今日は誰にも会わないと思っていたらしく、驚いていた。40代程の男性で、今日は車を拓動橋に止めて、ピストンで長峰を往復するらしい。この辺りの一般登山道はほとんど歩いてしまったので、色々と開拓しているとのこと。同じ趣向の人と話をするのは、とても楽しい。私も岩岳の話などして、しばらく話が弾んだ。
この先の道の状態などを交換し合って、分かれた。男性の話によると、この先は、かなり分かり辛いとのこと。
白草ノ頭は、踏み跡が南を巻いている。強引に尾根に乗ってピークに立ってみるが、山名標もない。三角点があるはずだけれど、見当たらない。おかしいなと思いながら、昼食休憩。
その先、尾根伝いに下り、登り返したところが、カネツケノ頭だった。プレートには、「カケッネノ頭」とある。
この先、比較的明瞭な踏み跡に従って、東に下って行くと、緩やかになった辺りで、踏み跡は北に向きを変えて、松姫湖の方に向かって行ってしまう。これに引き込まれてはいけないと、尾根に忠実に進むことにする。
しかし、尾根には踏み跡らしきものがなく、倒木だらけで歩き辛い。1143ピークに無理矢理登ってみるが、やはり踏み跡がない。さっきの北に向かった踏み跡は、すぐに東に向きを変え、このピークを巻くようになっていたのかもしれないと思いつつ、急な斜面を東に降りて行く。
下りが緩やかになった辺りで、祠を発見する。後は、この先の△939を見つけられれば、問題ないと思ったのだが、ここからが分かり辛い。等高線に現れないピークを970圏のピークと勘違いしてしまう。薄い踏み跡は、南に進んでいるが、明らかに方向が違うので、強引に東に向かうが、倒木に阻まれ手こずる。
テープの類は、時折見受けられるのだけど、あちこちに付いているので、あまり信用できない。
次のピークが△939だと思って登ってみると、三角点が見つからず、不安が増す。拓動橋へは、△939を少し東に緩やかに下った後、北東に向かう。ここが△939のはずだと思いながら、東に進むと、先にもう一つピークがあるではないか。ここで、ようやく、さっきのピークが970圏のピークだったことに気が付いた。
次のピークで、三角点を見つけ、ようやくここがトチ平(939m)であることが分かり、安心した。あとは下るだけだ。
しかし、等高線を見ても、拓動橋に向かう北東の尾根は、明確な尾根とは言えないし、等高線が詰まっているのも気になる。
△939の先、左手に注意しながら、東に緩やかに下っていくと、ほんの少し出っ張っている斜面を見つけた。赤や黄色のテープもそちらに続いている。
急な尾根を慎重に下って行くと、更に、ジグザグに下る踏み跡を発見した。これは助かる。
しばらく踏み跡に従って下って行くと、山の山腹を西に向かう踏み跡との分岐を発見した。登山地図に書かれている黒破線は、△939を通らずに山腹を登っているので、これかもしれない。
かなり怖い下りになるところだったけれど、踏み跡のお陰で、滑落の心配をすることもなく、拓動橋まで降りることができた。
下山して、ようやく景色を楽しむゆとりがでてきた。この辺りは新緑に溢れていて、とてもいい。下の湖面をゆっくり泳ぐ鴨の親子を見ていたら、私ものんびりした気分になった。
ここ3年、GWは天候に恵まれて、1泊2日と2泊3日の2回のテント山行をしているけれど、どれも自分の中では気に入っているものばかりだ。今年の山行も、とても思い出深いものになった。
コメント
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いや〜相変わらず凄い健脚ですね。
自分は最近ダラダラのダメダメモードの毎日です。
月末に購入したbk のテントの試し張りをかねた山行を計画していますが、ダラダラのダメダメモ〜ドなので山行日迄に気持ちを上手く持って行って楽しみたいです。
boneさん、こんばんは。
テント買ったんですね。試し張り楽しみですね。
boneさんの日記の、黒戸尾根→甲斐駒→アサヨ峰は、テント担いで1日で行くのは、相当大変だと思います。私は、黒戸尾根→甲斐駒→北沢峠で、グッタリしました。
しかも、三伏峠までですか。長いですね。私の場合だと、以下のような感じになりそうですが、かなり疲れそうです。1日目がキツければ、北沢峠→甲斐駒→北沢峠にすれば良いと思います。
1日目:黒戸尾根→甲斐駒→北沢峠
2日目:北沢峠→アサヨ峰→広河原→白根御池小屋
3日目:白根御池小屋→北岳→間ノ岳→熊の平小屋
4日目:熊の平小屋→塩見岳→三伏峠
でも、三伏で待ち合わせて塩見だと、塩見に2回登るってことになりますから、塩見と甲斐駒・アサヨは別の山行にするのがよさそうですね。
やっぱりそう思うよね?参考にさせてもらいます。
アサヨを諦めて仙丈回りも良いかな?って色々悩んでます。
本命の塩見、蝙蝠には行ければ本望です。
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