恩賀高岩 雄岳南壁「御会話ルート」
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- GPS
- 07:05
- 距離
- 4.7km
- 登り
- 1,204m
- 下り
- 1,196m
コースタイム
- 山行
- 0:45
- 休憩
- 6:19
- 合計
- 7:04
昨年12月にSM100Cさんと雄岳南壁右ルンゼ「桃岩ルート(仮称)」を登りましたが、その時検討した南壁の正面を弱点をついて登るルートも登ってみたいな〜
という事で、SM100Cさんを誘うと、今回も快諾してくれました。
ルート名は、桃奈々本名である岡島の「岡」=「おか」とSM100Cさんの本名の岩〇の「岩」=「いわ」から音をもらい、「おかいわルート」=>「御会話ルート」と名付けました。
勝手に名付けましたが、本当の名前が有るならお教えください。壁/稜/ルンゼ等の地形名称も勝手に付けた仮称なので、正式名称が有ればお教えください。
桃岩ルートが、真っ直ぐ伸びるルンゼ内チムニーから東南稜北側に回り込む比較的単純なのに対し、御会話ルートは弱点を突いた複雑なルートとなっています。
概要は、南壁左端のルンゼを登り、藪バンド中間岩壁の基部をを右斜上、分断ルンゼの手前の藪の多いリッジ状を登って中間岩壁を突破し上部岩壁基部バンドに立ち、左にトラバースして上部岩壁の比較的緩傾斜部をリッジの右側の弱点をついて登り、雄岳P1垂壁直下の上部ルンゼを登ってP1/P3間の鞍部に出ました。
(桃)
恩賀高岩 雄岳南壁「御会話ルート」桃奈々ブログは↓こちらです。
https://minkara.carview.co.jp/userid/256635/blog/44869408/
恩賀高岩 雄岳南壁「右ルンゼ桃岩ルート」の記録は↓こちらです。
https://minkara.carview.co.jp/userid/256635/blog/44640047/
https://minkara.carview.co.jp/userid/256635/blog/44640256/
https://minkara.carview.co.jp/userid/256635/blog/44640328/
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2022.03.29 追記
山岳巡礼倶楽部という山岳会のHP👇に、関連記事が掲載されました。
https://clubgams.com/takaiwa/
過去天気図(気象庁) | 2021年02月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
上部岩壁基部〜リッジ下は、たどん岩が抜けまくる危険な壁です。 その上のリッジ右側コーナー辺りも、3〜4m程度ですが傾斜の強いイワヒバ壁で非常に悪いです。 灌木は適度に有りますが、ハーケンを打つリスは少なく、カムも使用できるところも稀でした。念のため、ボルトとハンマードリルを重いのに持っていきましたが使用せず。なので残置ゼロです。アイスハンマーも使用する機会は有りませんでした。 弱点を狙い、バンドを左右に移動しているので登攀距離は長いですが、高度計の測定で標高差は150m位でした。 ●1P目土の詰まったルンゼ 露岩 20m 機銑 (ノーザイル) 下から見える最初の木まで、急な土斜面を木の根を掴んで登る。 太い樹木の所でアンザイレンした。 ●2P目 チムニー 20m 掘 (桃奈々) 11月登った右ルンゼと比較すると、傾斜が弱く容易。 太目の木が有ったので、ピッチを切った。 ●3P目 チムニー 25m + (SM100C) チョックストンが有るが、左壁が傾斜が弱いたどん壁なので、比較的容易。 後続の見える位置で終了。中間壁基部まで10m位コンテで移動。 ●4P目 藪バンド トラバース 48m 機銑 (桃奈々) 中間岩壁基部をトラバース。獣道らしき踏み跡が有った。 ●5P目 藪バンド トラバース 40m 機銑 (SM100C) 中間岩壁基部を中間壁の弱点を模索しながらトラバース。 鹿の糞が有ったので、獣道で有ることに間違いない。 ●6P目 藪バンドトラバース〜リッジ状フェース〜トラバース48m +(桃奈々) 藪バンドをルンゼが分断するところまで偵察し、藪の多いリッジ状のフェース15m程を登って上部岩壁の基部に出る。上部岩壁基部も藪バンドで容易だがザイル一杯にて終了。 左方の上部岩壁弱点直下まで、藪バンドを10m位ザイルを巻いてコンテで移動。 ●7P目 フェース 20m (SM100C) 岩の割れ目から3m程上がり右にトラバースし上の木まで登ると、3〜4m位傾斜が強い部分が有る。ここは、たどん岩が片っ端から抜ける不安定極まりないフェース。精神的に参ってしまい、何回も戻っては登りの繰り返しで消耗激しい。抜けたたどん岩は殆ど落石となり10個近く降ってきた。強傾斜部を抜けリッジの右側の灌木の上でピッチを切るが不安定。 セカンドの私はたどん岩が抜けきったのか、比較的快適に登れた。 ●8P目 フェース 〜 斜上バンド 15m (桃奈々) リッジ右際の出だし3〜4mが、傾斜強くイワヒバのへばりつく最悪のピッチ。 イワヒバの合間に有る細かいスタンスに乗り、イワヒバをホールドに祈る様に登る。 強傾斜のイワヒバフェース出口は藪が有り、そこから先はフェース基部の藪バンドを雄岳P1直下の垂壁基部まで容易に辿れる。 セカンドのSM100Cさんがイワヒバを剥がしてしまい、アッセンダーで登ってきたので、続登する場合は別のルートを探った方が良いかも。 ●9P目 ルンゼ〜フェース 20m (SM100C) 雄岳P1直下の水壁基部に沿って傾斜の弱いルンゼを登り、左のフェースに移ってP1/P3間の鞍部に出て終了。ルンゼ内は灌木/藪が有り支点が多い。 右のフェースは傾斜の弱いたどん岩で容易そうだが、支点が取れないのと、たどん岩抜けが怖いので、ルンゼ最後の灌木まで出なかった。 (グレーディングは渓流靴で登った私の感触です。岩の悪さで正確性が落ちている可能性も多々ありますので、続登して異論が有る場合は遠慮なくご一報ください。修正します) イワヒバが剥げ落ちた8P目を回避するには、7P目からリッジの左側傾斜の弱いたどん岩のフェースを登るルートが候補に挙がります。 ただし、支点となる灌木/藪は無く、カムやハーケンも使用できそうに無いので15〜20m位は支点が取れない。また、この辺りのたどん岩は、かなり抜けやすく細心の注意が必要です。当日未確認ですが、空撮動画を見ると、右にトラバースも出来そうに見えます。 (桃) |
写真
なんて、遅すぎだろ(*_*;
昨晩は、またまたSM100Cさんと飲んだくれ、就寝12時過ぎです。(桃)
飲んだくれるところからがアルパインです(´ω`)(S)
それでも、8時40分・・(*_*;
今回も二人とも、スワミベルトでは有りませんよ〜(桃)
この時間になると陽が入って暖かくなり始め、快適ですね。さぁ本日はどうなることやら。(S)
ルンゼは高度感をそれほど感じないので良いのですが、乾いた泥が降ってくるのは先回と一緒です。出だしから目に粉塵が入り、上をなかなか見れません。(S)
という事で、トップは私で登り始めます。
あれっ!
写真無いじゃん( ;∀;)
(桃)
ビレイ中に写真を撮るということは、ビレイが疎かになるので遠慮しました(´ω`)
というのは建前ですが、ホントは3人以上いるとたくさん写真撮れて良いんですけどもねー。(S)
岩なのかイワヒバなのかの見極めがポイントであります。岩だと思って気軽に体重を乗せるとズボッと抜けてmomo7nanaさんへまっしぐら。(S)
下が見下ろせる位置でビレイしています。
なのに・・・やっぱり写真無い(*_*;
3ピッチ目は丁度25mだったので、ザイル伸ばせば届いた事になります。(桃)
ビレイ中に写真を撮るということは(略)
この辺りはまだ余裕があったので、もっと写真撮れば良かったです…(S)
やっぱり鹿等が入り込んでいる獣道。
桃岩ルートを右ルンゼ登り切った所から南壁左方向に土バンドが有り踏み跡っぽかったのはここから繋がっていたのか(桃)
40m位伸ばした所でピッチを切り、私がトップです。
更に藪バンドを右へ右へ〜(桃)
この時は迷ったというか、先を見に行くのが怖かったというか。もし絶望的なフェースだったらどうしようかと。(S)
その先には見覚えのあるピークが見えます。
右ルンゼを登り切った上に有った東南稜のピークです。(桃)
おっ!写真撮ってくれた!(^^)!
(桃)
トラバース直後だったので、カメラを出せる余裕があったというわけですな。(S)
上を見上げると、雄岩P1直下の圧倒的フェースが覆いかぶさる様です。
写真偵察であてにしていたクラックは下まで伸びていません。
ハーケンを打てそうなリスは有りますが、傾斜は80度以上ありそうです。・・・どうしよう。
やるか!
殺られちゃうか( ゜Д゜)
(桃)
登れそうなルートがほぼなさそうな雰囲気… この先に我々の命運がかかる。(S)
リッジ左側は、傾斜が弱いたどん岩のフェースですが、灌木/藪無くハーケン/カムも使えそうにありません。
リッジ右側にルートを取ることにした様です。
(桃)
たどん岩抜けまくりの様です。何度か登ったり降りたり、ルートを変えたりしてチャレンジしていますが、落石はその度に頻繁に落ちてくる(*_*;
(桃)
りんごやみかんサイズのたどん岩をステップに使うと、ほぼ抜け落ちていきます。若干右方向へトラバース気味に登りたいんだけど、こんな状態なのでトラウマになってしまう。(S)
(桃)
確認してだいじょうぶ、これは行けると思って使ったホールドがここ一番でボロッと剥がれたのがかなり絶望的でしたなぁ。それでも何とかここは乗り切ったんですけども…(S)
傾斜強く、細かいスタンスに乗り、イワヒバしかないホールドに命を託してなんとか突破しましたが、ここはヤバすぎ(*_*;
(桃)
たどんの罠にまんまとハマってしまい、昇降を繰り返したせいで腕と大腿部の筋肉がパンプ気味であります。フォローのロープアップも切ないほど。しかも立っているのが外傾した狭い泥地で、ゆっくりとその足元が崩れて落ちていく状態。とった支点はたどんにスリングを回しただけという…
継続でこの先のイワヒバ壁は絶対無理と判断したけど、かといってここでビレイもかなりヤバイのです。(S)
ピッチを切ってSM100Cさんの確保をしましたが、イワヒバ剥がれまくって、結局アッセンダーで登ってきたとか(*_*;
続登する場合、ここは迂回するルートを探す方が無難かもしれません。(桃)
なんというか、フォローで登ることすら恐怖な3mイワヒバ壁。腕が回復していないし、潔くアッセンダーで簡易アブミ作って登りました。継続リード登攀してたら落ちていたでしょう…(S)
核心を乗り切って充分休憩を取り、最終に見えるルンゼは楽に登れそうという状況です。(S)
踏み跡バッチリなコルに出て、緊張も一気に抜けました。支点の位置のせいもあって座り込んでビレイ中。(S)
地震か降雪凍結の影響で崩れてしまったのか??
それともあんなところを平気でトラバースしたのか????
(桃)
いや〜あそこでそもそも確保出来そうにないですよ。何らかの変化があったのは間違いなさそうです。(S)
(桃)
ノンアルもこの状況で飲むと最高にうまいということがわかった。Amazonで購入した600円くらいの速乾Tシャツ、めでたく今回で天寿を全うしました。(S)
装備
個人装備 |
渓流靴 = 秀山荘忍者 => 桃奈々
アプローチシューズ = スポルティバ => SM100C シュリンゲ カラビナ アイスハンマー = 未使用 |
---|---|
共同装備 |
ザイル8.5mm x 50m 一本
カム = 数回使用 ハーケン ボルト & ハンマードリル = 未使用 |
感想
2ヶ月以上も怠惰な生活を過ごした後のこの登攀、果たしてうまくいくのか?という若干の不安を抱えたまま、またもや高岩で開拓的な山行となりました。
「行ってみなけりゃそこはどうなっているのかわからない」
この時代になってもそんな場所がまだあるなら、行ってみるしかないでしょう。
先回もそうであったように達成感は確かにすごいものがありますが、細部を検証すると色々と自分自身の弱い部分が浮き彫りになり、情けなくなります。
それらをどこまで克服出来るのかわかりませんが、まぁ所詮は趣味の世界。
これ以上のことをやろうとすればいつかは身を滅ぼしそうなので、今後も引き続き限界を超えたことをしないように、自分に戒めを持って楽しみたいと思います。
momo7nanaさん今回も大変ありがとうございました。
次はユルいところにしましょうo(・ω・´o)
傾斜の緩いルンゼを中間藪バンドに上がり、会話を楽しみながら藪を繋いで登れるかと思っていたら、本当に登れんのかな〜とドキドキする羽目に・・・
上部岩壁は、危険でかなり悪い壁でした。
途中からは、御会話する気になんてならないルート(*_*;
でも、前回の桃岩ルート同様に、自分で調査/偵察し、前人の記録/資料無しで弱点を探し初見/ワンプッシュで登り切ったのは感激です。
SM100Cさん、今回もありがとうございました〜(*^^)v
尚、ルートの検討には空撮山岳動画で有名なTakikichi Aさんの↓「高岩遊覧」「晩秋の高岩」を参考にさせていただきました。
空撮動画/静止画の掲載の了解は得ています。
ありがとうございました。
高岩 恩賀高岩 恩賀高岩南壁 恩賀高岩雄岳南壁 桃奈々
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またまたスゴイ所を攻略してしまいましたね
見ているだけで上からなんかが降ってきそうで粉っぽい
顔を洗いたくなってきました
何はともあれお疲れさまでした
モモさん、改良シューズの調子は如何でしたか?
SMさん、そろそろ守門岳の季節になりましたね!
毎度、強制コメ要求にお答えいただき、ありがとうございます〜(*'▽')
今回、結構な傾斜のフェースで上向いている時間が長く、首が凝ってしまい肩がガチガチです(*_*;
埃は右ルンゼ程では有りませんでしたが、落石が雨あられの様に降ってきて、おっかなかったです(+_+)
靴は今回履きなれた渓流靴忍者の新品を使用しました(*^^)v
筋肉痛で何をするにも動作が遅いSM100Cです
こういう所はお高い登山ウェアで行くともったいないくらいの汚れっぷりです。使い捨て速乾Tシャツがあるといいっすね。文字通り今回捨てました。。。
こちらも少しずつですが晴れる日も増えて来ましたね。
aburageさんも復活の兆しなので、守門も良いですね!
計画しますかー。
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