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Yamareco

記録ID: 2950502
全員に公開
ハイキング
甲信越

7歳児とゆく3度の急登と心洗われる絶景大パノラマ・棚横手山(大善寺から)

2021年02月23日(火) [日帰り]
 - 拍手
子連れ登山 シューP その他2人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
06:46
距離
10.5km
登り
1,048m
下り
1,031m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:33
休憩
1:07
合計
6:40
距離 10.5km 登り 1,048m 下り 1,050m
8:52
39
9:31
9:34
69
10:43
7
10:50
10:56
6
11:02
11:04
37
11:41
33
12:14
13:08
63
14:11
47
14:58
14:59
27
15:26
15:27
5
15:32
ゴール地点
天候 快晴〜晴れ
どこまでも真っ青な空
過去天気図(気象庁) 2021年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
中央線勝沼ICを出てすぐ
勝沼堰堤に駐車場あり(3台分)
コース状況/
危険箇所等
完璧
やや落ち葉が厚いところも
その他周辺情報 正徳寺温泉 初花

露天風呂がやたら広い。源泉の温度が低めのお湯でいつまでも入っていられる

もちろんいちばん近いのはぶどうの丘の天空の湯だけど今はやってないから
勝沼堰堤(えんてい)の駐車場からスタート
車3台が駐車可能、でもうちだけ
トイレはあったけど使用禁止でした
2021年02月23日 08:42撮影 by  iPhone 8, Apple
1
2/23 8:42
勝沼堰堤(えんてい)の駐車場からスタート
車3台が駐車可能、でもうちだけ
トイレはあったけど使用禁止でした
大善寺入口からスタート
2021年02月23日 08:50撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 8:50
大善寺入口からスタート
お寺の敷地から高度を上げていきます
2021年02月23日 08:54撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 8:54
お寺の敷地から高度を上げていきます
獣よけゲート
2021年02月23日 08:57撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 8:57
獣よけゲート
最初は柏尾山まで急登
こまめなジグザグで進め!
2021年02月23日 09:09撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 9:09
最初は柏尾山まで急登
こまめなジグザグで進め!
今回は距離がある行程なのでガンガンいきましょう
妻が息子にハッパをかけ続ける
2021年02月23日 09:17撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 9:17
今回は距離がある行程なのでガンガンいきましょう
妻が息子にハッパをかけ続ける
岩がくずれてナイフみたいになってるよ
2021年02月23日 09:22撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 9:22
岩がくずれてナイフみたいになってるよ
ふー、急登おわり
2021年02月23日 09:29撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 9:29
ふー、急登おわり
柏尾山につきました
ここからはしばらく楽なはず
2021年02月23日 09:29撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 9:29
柏尾山につきました
ここからはしばらく楽なはず
気持ちいい尾根
2021年02月23日 09:34撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 9:34
気持ちいい尾根
丘の上の散歩道みたい
2021年02月23日 09:40撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 9:40
丘の上の散歩道みたい
塩山方面が見えてきた
2021年02月23日 09:45撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 9:45
塩山方面が見えてきた
ずいぶん気持ちのいいところだねえ
2021年02月23日 09:47撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 9:47
ずいぶん気持ちのいいところだねえ
尾根はゆるいのぼり、ややしっかりののぼりを繰り返して高度を上げる
2021年02月23日 09:55撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 9:55
尾根はゆるいのぼり、ややしっかりののぼりを繰り返して高度を上げる
塩山方面を眼下にのぞむ
塩ノ山もフルーツ公園もよく見えるね
2021年02月23日 10:00撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 10:00
塩山方面を眼下にのぞむ
塩ノ山もフルーツ公園もよく見えるね
まったいらになった瞬間爆走の息子さん
2021年02月23日 10:04撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 10:04
まったいらになった瞬間爆走の息子さん
甲州高尾山の手前は急登
ジグザグなので登りやすいけどすごい斜度
2021年02月23日 10:12撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 10:12
甲州高尾山の手前は急登
ジグザグなので登りやすいけどすごい斜度
林道が横切ってる
2021年02月23日 10:36撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 10:36
林道が横切ってる
ウスタビガのまゆ発見
この日はたくさん見つけた
2021年02月23日 10:42撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 10:42
ウスタビガのまゆ発見
この日はたくさん見つけた
甲州高尾山……じゃない?山に登りました!

ヤマレコの地図はここが高尾山だというけど、標柱には「甲州高尾山剣ヶ峰」、札には「宮宕山」とある
2021年02月23日 10:43撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 10:43
甲州高尾山……じゃない?山に登りました!

ヤマレコの地図はここが高尾山だというけど、標柱には「甲州高尾山剣ヶ峰」、札には「宮宕山」とある
ゆったり登る
2021年02月23日 10:50撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 10:50
ゆったり登る
こんどこそ「高尾山にのぼったよ!」
2021年02月23日 10:50撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 10:50
こんどこそ「高尾山にのぼったよ!」
ひとりティータイムをキメる
2021年02月23日 10:55撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 10:55
ひとりティータイムをキメる
このあたりからは絶景が連発する
2021年02月23日 10:57撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 10:57
このあたりからは絶景が連発する
ここからの富士はまだちょい見え
2021年02月23日 10:57撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 10:57
ここからの富士はまだちょい見え
平らなとこならまかせろ!
2021年02月23日 10:58撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 10:58
平らなとこならまかせろ!
青の中へ
2021年02月23日 10:59撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 10:59
青の中へ
振り返ると甲府盆地、そして南アルプス(?)
2021年02月23日 11:00撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 11:00
振り返ると甲府盆地、そして南アルプス(?)
思わず振り返っちゃう
2021年02月23日 11:01撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 11:01
思わず振り返っちゃう
パノラマ絶景ポイントにきたよ!
でもとくに名前とかはないっぽい
2021年02月23日 11:03撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 11:03
パノラマ絶景ポイントにきたよ!
でもとくに名前とかはないっぽい
尾根をゆったり
2021年02月23日 11:05撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 11:05
尾根をゆったり
山火事のあとだね
ちょっとかなしいね
2021年02月23日 11:20撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 11:20
山火事のあとだね
ちょっとかなしいね
頂上じゃなかった
2021年02月23日 11:24撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 11:24
頂上じゃなかった
それにしてもすごい景色
2021年02月23日 11:25撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 11:25
それにしてもすごい景色
富士山が見えてきた
2021年02月23日 11:26撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 11:26
富士山が見えてきた
塩山方面
2021年02月23日 11:34撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 11:34
塩山方面
富士見台かと思ったらまだでした
2021年02月23日 11:34撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 11:34
富士見台かと思ったらまだでした
もうちょっといこう
2021年02月23日 11:36撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 11:36
もうちょっといこう
ここが富士見台
2021年02月23日 11:41撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 11:41
ここが富士見台
きれいな富士山だねー
2021年02月23日 11:42撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 11:42
きれいな富士山だねー
山頂まえの急登
あとちょっとだー
2021年02月23日 11:56撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 11:56
山頂まえの急登
あとちょっとだー
と、林道を横切る
ここからは本当にあと少し
2021年02月23日 12:00撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 12:00
と、林道を横切る
ここからは本当にあと少し
最後だーがんばれー
2021年02月23日 12:08撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 12:08
最後だーがんばれー
見えた!
2021年02月23日 12:14撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 12:14
見えた!
棚横手山にロングコースでのぼったよ!
2021年02月23日 12:15撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 12:15
棚横手山にロングコースでのぼったよ!
おにぎりがぶり
2021年02月23日 12:21撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 12:21
おにぎりがぶり
無心で大好物のベトナムフォー
2021年02月23日 12:40撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 12:40
無心で大好物のベトナムフォー
山頂は別名・大富士見台だけあって
富士山が威風堂々
2021年02月23日 12:50撮影 by  iPhone 8, Apple
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2/23 12:50
山頂は別名・大富士見台だけあって
富士山が威風堂々
さておりてゆこう
2021年02月23日 13:07撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 13:07
さておりてゆこう
ママもパパもおそいのですわってまってますね
2021年02月23日 13:13撮影 by  iPhone 8, Apple
2/23 13:13
ママもパパもおそいのですわってまってますね
帰りはちょっと別の道を行こうか
2021年02月23日 13:30撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 13:30
帰りはちょっと別の道を行こうか
林のなかを下る
2021年02月23日 13:31撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 13:31
林のなかを下る
林道に合流
2021年02月23日 13:35撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 13:35
林道に合流
岩がけっこうおちてる
2021年02月23日 13:37撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 13:37
岩がけっこうおちてる
見晴らし台に到着
2021年02月23日 13:42撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 13:42
見晴らし台に到着
塩山方面の展望があります
2021年02月23日 13:44撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 13:44
塩山方面の展望があります
けっこうしっかりした道
2021年02月23日 14:07撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 14:07
けっこうしっかりした道
ネコヤナギをみつけたよ
まさにネコの手
2021年02月23日 14:08撮影 by  iPhone 7, Apple
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2/23 14:08
ネコヤナギをみつけたよ
まさにネコの手
もとのみちにもどった
2021年02月23日 14:13撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 14:13
もとのみちにもどった
急坂だけどジグザグだから大丈夫!
2021年02月23日 14:18撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 14:18
急坂だけどジグザグだから大丈夫!
妻はだいじょばない
2021年02月23日 14:25撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 14:25
妻はだいじょばない
やはり最高に気持ちいい尾根歩き
2021年02月23日 14:33撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 14:33
やはり最高に気持ちいい尾根歩き
柏尾山を通過
さあ最後の急坂ですよ
2021年02月23日 14:59撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 14:59
柏尾山を通過
さあ最後の急坂ですよ
害獣よけを開けて下界へ
2021年02月23日 15:21撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 15:21
害獣よけを開けて下界へ
お寺の(廃)参道を通って下へ
2021年02月23日 15:25撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 15:25
お寺の(廃)参道を通って下へ
棚横手山、大善寺ルートで登ってきました!
2021年02月23日 15:28撮影 by  iPhone 7, Apple
2/23 15:28
棚横手山、大善寺ルートで登ってきました!
駐車場に戻ってきたよ
ほんとによく歩いたね!
2021年02月23日 15:32撮影 by  iPhone 7, Apple
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2/23 15:32
駐車場に戻ってきたよ
ほんとによく歩いたね!
撮影機器:

感想

緊急事態宣言の下、休日は人混みの都会にいるよりは誰にも会わない自然の中にいようと山に登り続けた。

ただケガをしても病院で受け入れてもらえない可能性がある。だからあまり高くない山にしよう、そう考えてきた。

だが。藤野十五名山に登り、御坂山塊の山百に登り、としていて思った。

もうちょい、歯ごたえがほしいな。

妻に、次の山はもう少し標高差のあるところにしないかと持ちかけた。妻もやや物足りなさを感じていたようで、そうしよう、早起きしていこう、となった。

当日、妻は5時起きをして、本来僕が作るはずのスープとおにぎらずを完成させていた。ぐずる息子をふとんからひきはがして着替えさせる。車で朝ごはん食べることにして、8時前に家を出発した。

中央道で勝沼インターを降り、柏尾交差点を直進するとすぐ、今回のトレイルの出発点となる大善寺に到着する。しかし車は寺には止められないので、勝沼堰堤(えんてい)の駐車場に車を入れた。我々の車以外に車はない。トイレが2基あるが、使用禁止になっていた。

大善寺の門下から登山道が始まっている。寺の敷地を抜けて、害獣ゲートをくぐると本格的な登山道。最初やたらきついという、柏尾山までの急登である。

歩きながら妻が聞く。「今日はどれくらい登るの、頂上まで何分ぐらい?」
歩きながら僕が答える。「4時間半?」

「はああああああああ!!!????」

最近話題の女子高生によるヒット曲みたいな反応をもらうことができた。

ほら急げモタモタしてたら日がくれるぞ、と息子にハッパをかけだす妻。急登をキビキビ登る息子。悪くないですねーこういう展開。

柏尾山の道はガレとまではいかないが、直線的に割れた岩石がたくさんある。いいかたちに割れるので息子は面白がり、ナイフや立方体、三角柱などの岩を採取、そして「パパもってかえってね」? え? すっごいささるんだけどこれ。「サバイバルのときにナイフとして使えて便利だろう」と息子はいう。イノシシをしとめるその日までこれを持てというのか。

妻のハッパにより、ここ最近のなかでもっとも早く息子のエンジンがかかった。柏尾山山頂に、ふもとから45分で到着。標準タイムから5〜10分ほど早い。急登部分でこれは素晴らしいペースだ。

このルートを選んだ理由のひとつは、なだらかな尾根部分が多いこと。乾徳山のとき、斜度のあまりない尾根を通過するときはかなりのハイペースだった。息子さんがそのように動けるなら、このコースもうまくクリアできる。

想定したとおり、息子はたいらなところは走り抜けていく。ついていくのが多少大変だが、ああわたしいま運動してる!みたいな感じがして気持ちいい。

快晴の下の幅広い尾根、これは歩いていてもう本当に気持ちがいい。ときどき斜度が出て、またなだらかになる。ごほうびみたいなコース、しだいに塩山方面が見渡せるようになってくる。きれいな緑色をしたウスタビガのまゆも見つけた。

道がゆるやかにくだりはじめたら、それは急登開始の合図。本日2回目のきびしい坂、甲州高尾山の入り口だ。

かなりの角度がある斜面だが、小刻みなジグザグ道になっているからなんとか登れる。危険ではないけれど、あんまり後ろは見たくない感じだ。

登り続けるのがキツいので、途中でひとやすみ。ここでもウスタビガのまゆを見つけた。タマゴかいくつかついている。ウスタビガは自分が生まれ育ったまゆに産卵することがあるのだという。快適に暮らせたところだから子供にもオススメ、ということなのだろうか。なんだかかわいい話だ。タマゴつきなのでそっとしておいた。

急登をさらに登ると、林道と出合う。ピカピカの電波中継機のようなものを横目に登り進め、またしてもウスタビガのまゆ。息子はこのまゆがどこように枝に結びついているかを学んでいたようだ。

道がゆるやかになって、さあ、甲州高尾山に登ったよ!……と思ったら、道しるべに甲州高尾山山頂はあっち、って書いてある。ここは、甲州高尾山剣ヶ峰? 木には「宮宕山」……まあいいや、高尾山行こうね!

ほとんど斜度のない尾根を進んだら、ありました、甲州高尾山山頂! 高尾山登ってきたんだよー、てのをやりたかったんです!

南アルプスがちらりと見える、標高1092mの高尾山、ちょいと地味。まあとりあえずお茶でも飲もう。そして先に進もう。

甲州高尾山を過ぎたあたりから、展望が開けてくる。平成以降すでに4回も起きている山火事で木がなくなっての展望だとしたら、ちょっと素直に喜べない、けど、やはりスケールの違う開放感。これは、すごい。

圧巻は、甲州高尾山山頂から10分ほど歩いたところにある小ピーク。坂をすこしのぼったらいきなり、360度のパノラマビューの中にいた。ちょっと怖いぐらいに遠くまで見える。これはスゴいわ、、、

少し坂をくだって、大滝不動尊からの道と合流。そしてまた尾根道をのぼってゆく。大きく展望がひらけていて、ここも山火事のあとだとわかる。

息子が頂上だと勘違いした小ピークで道は向きを変える。道しるべには、もう少し行くと富士見台があると書かれている。そこでひとやすみしよう。

尾根上に、富士山がよく見えるピークがまたあった。しかしここではないらしい。さらに進んだところにあるほんとうの富士見台にはちゃんと標柱が立っていた。さすがのきれいな富士山、記念写真を撮っておこう。

そして、これから進む道が見える。このピークを下って、最後の急登。ひと組、足元を見ながらゆっくりおりてくるのが遠くからわかった。なかなか急なのかもしれない。

下り坂を過ぎると、思っていたとおりの急登が待っていた。かなり足が疲れてきている。でも、頂上まであと少し。背丈の低い松が生えている。

きつい坂を登りきると……林道。そして「火の用心」ののぼりが立つコンクリートの階段。なんだかここだけ公園みたいだ。

階段からすぐの景色の良いところで、ハイカーさんがひと組休んでいた。息子に「えらかった?」と声をかけたが息子はよくわからず、かわりに妻が「えらいを使うってことは東海のかたですか?」とたずねる。静岡から来たのだという。

ここからは10分くらいだよ、と教えてもらった。あとほんとにちょっとだ!

最後かと思うと、足の疲れがどっと出てくる。辛抱強く歩いていく。小高くなっているところに標柱が立っている。あそこか! 息子が一番乗りとして乗り込んだ。やった、ついについに頂上!!

棚横手山に登りました!!!長かったーー!!

大富士見台、という別名のとおり、ここからの富士山はほんとうに雄大。さあ、ごはんにしよう。

肉味噌のおにぎらずにかぶりつき、ベトナムフォーをすする息子。長い山歩きのあと富士山を見ながら食べるごはんはやはり本当においしいのだ。

さっきのパーティーはこんなに長く歩いてきたのか、と妻がいうので、いや不動尊から登れば高低差430くらいだよ、と答えたところ

「はああああああああ!!!????」

最近話題の女子高生によるヒット曲みたいな反応をもういちどもらうことができた。

あとからハイカーさんがきて奥の山頂を往復し、もうひと組のハイカーさんは山頂でゆったり休んでいた。われわれはそろそろ下を目指そう。

ゆるい尾根部分はそらきたとばかりに息子が駆けおりていく。林道を横切り、急坂では少し慎重に。このルートは帰り道もまた下界に飛び込んでいくようで本当に気持ちがいい。

さて、行きかえりがまったく同じルートというのは面白くない。ここは大滝不動尊方面に少しおりて林道を進んでみることにしよう。

稜線からトラバースするようにして、林の中をくだってゆく。大善寺方面よりも道はよくふまれていて、人気のコースだとわかる。

ほどなくして林道に到着。谷の奥に真っ赤な不動尊が見えた。ここで林道からはなれて直進すると、見晴らし台……とあるが、ほこらがあって甲州御嶽山? 塩山方面が見渡せるが、見晴らしは正直さっきまでいた尾根のほうがずっといい。

ここから林道はゆるやかなのぼりになるが、さほどつらいものではない。淡々と歩き続けてゆく。この林道歩き、それなりに長い。

やがて、ピカピカのアンテナが見えてきた。甲州高尾山直下で林道と登山道がクロスするところに戻ってきた。えっ、あんなに歩いたのにまだここなの?と妻。そう、残念ながら3度の急坂はひとつもスキップできないルートなんですよ。あ、もうヒット曲は間に合ってます。

林道からいきなり急坂をおりてゆく。やはりここの斜面は相当な角度だ。それでもきちんとした道がジグザグを刻んでいるので歩きやすい。妻はピーギャー言っているようだが息子は楽しそうにおりていく。

急坂が終わると、あのなんとも気持ちのいい尾根道。ずっとここを歩いていたい……と思うが息子は基本爆走である。

鉄塔が見えてくる。柏尾山までおりてきたのだ。ここから道は90度近く曲がり、最後の急坂になる。

すこしザレっぽい急斜面、気を抜くとすべりそう。昔設置された足場が朽ちて鉄釘が長く出ているところもある。息子はあやうくこれで腹を打ちそうになった。

テンポよく駆けおりて、害獣よけフェンスの扉をあけて下界に到着。6時間、10キロを超える山歩き、本当によく歩いた。

このあとはシャトレーゼ勝沼店で甘いものを補給、山梨市の初花で汗を流して東京へ。久しぶりのフル規格の山登り、たまにはこういうのをやりたい。体のボロボロっぷりとうらはらに、心地よい満足感に包まれていた。

そしてなぜ子供というのは全く疲れないの?

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