札内岳 (123/123)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 18.9km
- 登り
- 1,608m
- 下り
- 1,607m
コースタイム
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:35
- 山行
- 9:24
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 10:05
- 山行
- 2:27
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:27
天候 | 2/26 曇り時々雪 2/27 晴れ 2/28 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
締まった雪面はほとんどなく、ひたすら深雪。 9割以上スノーシュー ごく一部アイゼン |
その他周辺情報 | 新嵐山荘 日帰り入浴270円 |
写真
感想
昨年の2月に十勝幌尻岳に登った時、頂上から見た札内岳の山容がとてもきれいで、近いうちに登ってみたいと思っていた。夏道の無い山なので、登るなら沢か積雪期。ルートを見ると、どちらかと言えば積雪期の方が容易そう。3〜4月の残雪期に日帰りしている記録をよく見るが、今年のその時期は異動で忙しくなりそうな気がして時間が取れるか微妙だった。そんなわけで、前倒しして2月の厳冬期にテン泊で行ってみた。
一筋縄に行けるとは思っていなかったので、4日前に日帰りで1100mあたりまで下見もしておき、本番に備えた。
・1日目 2/26
前夜のうちに十勝入りし、一眠りしてから戸蔦別川林道へ。
初日は尾根の途中のテン場まで行ければよいのでゆっくり出発。市街地では晴れていたのに、山に入ると雪が降りだして少し不安になった。
林道には4日前の自分のトレースがあり、雪も締まり気味。が、五ノ沢出合の手前からトレースは消失し、明らかに4日前より積雪が深くなっている・・・。
五ノ沢の900m二股からはそのまま沢を詰めて北東尾根に上がっている記録をよく目にするが、今の時期では吹き溜まっていてラッセルがきつい上、雪崩の心配もあった。なので左側の急斜面に取り付き、・1269を経由して尾根伝いに上がるルートを取る。このルートなら雪崩のリスクは少なく、途中に平坦な場所もあるのでテン泊に良さそうだった。
急斜面を重装備でラッセルしながら登るのはなかなかしんどかった。スノーシューでジグを切りながら登るが、雪が崩れ落ちてしまい足場が安定しない。気休めにラジオを聴きながら地道に標高を上げて行った。
・1269の平坦地は予想通り風も当たらず良い感じだったので、テントを設営。当初は1泊の予定だったので、初日の夜は豪華にキムチ鍋にした。冬山で食べる鍋は最高だった。満腹になって18時に就寝。
・2日目 2/27
4時過ぎに起床。
静かでとても寝心地が良かった。下界の道の駅とかで車中泊するより快適かもしれない。
昨夜の鍋の残りを解凍して朝食にし、明るくなったころに出発。
この日は日帰り装備なので急登のラッセルも少しは楽だった。1400mで傾斜は緩くなり、ブッシュが多いものの登りやすい尾根になった。1590mで北東尾根に合流すると、目指す札内岳が見えてきた。しかしまだまだ遠い・・・。
札内岳に続く尾根は屈曲とアップダウンの繰り返しで、意外と距離が縮まらない。東側に雪庇が発達していて、それを避けるために西側のブッシュをかするようにして進む。・1655を過ぎるとようやく歩きやすくなってきた。
・1771の先で雪庇が斜め上に発達していて、これを避けるには急斜面をトラバースしないといけない所があった。短い区間ではあったが、アイゼンに換装して進んだ。
テン場から6時間40分かかり、ようやく札内岳に到着!
快晴、弱風の頂上で360°の大展望を楽しんだ。幌尻岳〜戸蔦別岳のあたりだけガスがかかっていたが、2月のこの時期にしては文句ない好条件だったと思う。達成感に浸りつつ、次の山行に想像を膨らませていた。
40分ほど休憩して、折り返し。当初は1泊の計画で、この日のうちに下山する予定だった。しかし登りでかなり時間がかかったので、ちょっと厳しそう。下山して温泉に浸かってインデアンカレーを食べたい・・・。そんな誘惑が頭をよぎったが、明日も好天予報だし、無理にナイトハイクしてまで急ぐ必要もないだろう。
・1269のテン場に戻ったのが16時。もう1泊することにした。
食糧の残りが少なく、スープと行動食で夕飯にした。微妙に空腹を感じながら就寝・・・。
・3日目 2/28
この日はテントを撤収して下山するだけ。
登りで苦労した急登も、下りは脚を動かさなくても勝手に滑り落ちて行く。スノーシューで滑降(?)を楽しみながら沢まで降りた。
新嵐山荘の風呂が10:30〜なので、時間調整しながらピリカペタヌ沢をのんびりと進む。青空を眺めていたら少し名残惜しい気分になってしまった。。
9時に林道入口に帰還。
今回の山行にて、北海道百名山123座(山渓新版+山渓初版+道新)を全山単独で踏破することができた(厳密にいうと最高点に達していない山もあるが・・・)。どの山も印象的でまた登りたいと思えるような所ばかりだった。
山域で言えばやはり日高が一番面白かった。整備された道が少ないからこそ、どうすれば登れるか考え、準備し、挑戦する。そんな過程を経て登頂できたときの喜びは格別だった。
北海道百名山については改めて日記にまとめておこうと思う。
コメント
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北海道百名山の単独踏破、お疲れ様です。
神威岳の山頂でマダニに噛まれた者です。
あの時は、ありがとうございます。
札内岳に重装備の踏破は、かなり大変だったでしょうね 尊敬します。
私も札内岳を計画してますが、冬にテント張った経験がなく、日帰りを予定してますが、se11482さんは、どんなシュラフを使って快適に寝たのでしょうか?
whippetさん、こちらこそ神威岳ではお世話になりました。
熊の気配が濃いところでwhippetさん達の存在が心強かったです。
シュラフはナンガのオーロラ900DXを使っています。ダウンジャケット、テントシューズ等と組み合わせれば−20℃くらいまでは快適に寝れますね。
−25℃とかになるとさすがに寒くて目が覚めてしまいますが・・・
良いシュラフはお値段もお高めですね
シュラフ買う時は同じの買わせていただきます。
またまた偉業を達成された記事を拝見して驚嘆しております。
しかも下見もありの冬季の山行とはスゴイ、今回も自作の山名標識が眩しいですよ ! 僕の知人が去年8月に札内岳をピリカペタヌ沢を遡行し達成していてこの山にも憧れております。
本当にお疲れ様でした。
tannayさん、コメントありがとうございます。
下見をしておくとルートや積雪、所要時間を予め把握しておけるので、当日スムーズに進むことができました。
夏に登るとすればピリカペタヌ沢を始めいくつかルートがあるようですが、地形的に難しい所が無い積雪期の方が自分にとっては容易に思えました。
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