記録ID: 2968423
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山滑走
甲信越
守門袴腰・駒ノ神 下黒姫沢
2021年03月01日(月) [日帰り]
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 08:14
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 1,282m
- 下り
- 1,284m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
<注意点> ・全般に雪崩、クラック、クマ対策(近くの浅草岳周辺ですでにクマの痕跡情報あり。このエリアでもクマ出没の可能性あり) ■下黒姫沢 ・沢に穴がいくつか空いていた。 スノーブリッジの踏み抜き、崩壊に注意。 ・左岸右岸どちらからも雪の崩落の可能性あり。 右岸の支流の沢から大量のデブリが2箇所(毎年見かける場所)まだ雪崩れていない右岸の同等の支流の沢があり、今後大規模な雪崩の可能性大 ■駒ノ神と袴腰の鞍部〜袴腰山頂 ・急斜面 雪の状態や天候で登攀のレベルが激しく変化する。必要な装備、技術を的確に判断。無理なら引き返す勇気。 ・標高約1430m 急斜面に小さな雪庇で雪の段差あり。 <個人的記録、感想> 守門袴腰 守門岳の最高地点の袴岳(1537m)の東隣のピーク。 袴岳より10m低いだけだが、登山道がないので訪れる人は極めてまれ。 形が「袴腰」に見えることが名前の由来だと思う。 守門黒姫やその付近の稜線、または八十里越あたりからは、尖った三角形に見え、カッコイイ。 以前、守門黒姫付近で見た天に突き出る守門袴腰。 久しぶりに見たくなった。 どうせなら、近くから見たいと思い、守門袴腰の隣の駒ノ神(1423m)へでかけた。 林道を暗いうちに抜け、下黒姫沢に入る。前日のスキーのトレースがあり助かる。約1週前になかった大量のデブリ(雪崩跡)に驚く!これに直撃したら終わり。 雪崩に注意しながら進む。 沢からブナの森の尾根に入り一安心。締まった雪は歩きやすい。 広々とした雪原を過ぎ、急登。 稜線に出ると、隠れていた景色が広がる。 見たかった守門袴腰の三角形、守門の隣の烏帽子山。新潟平野、故郷の街も見える。 景色を楽しみながら、稜線をのんびりと進む。 ついに駒ノ神!! 来たかったピーク! やはり守門袴腰がデカイ! カッコイイ!! 烏帽子山、隠れていた粟ヶ岳が見える。守門黒姫、浅草岳。大好きな山々が新鮮な角度で見える。乾杯。 前日のトレースのパーティは守門袴腰の三角形にシュプールを描いていた!駒ノ神から破間川源頭に滑り、登り返して守門袴腰山頂わずか下まで行き、滑ったようだ。すごいな!!いつかはやってみたいなと思う。 少し時間に余裕があるので、稜線をもう少しだけ守門袴腰の近くまで行ってみようと考えた。 地形図で守門袴腰〜駒ノ神間を何度も見ている。いつかは歩いてみたいと思っている。急な部分があり、この場所が難所と予想している。目の前にその急な部分が見える。小さいが雪庇(雪の段差)もできている。 将来の下見。どんな感じか行けるところまで行ってみよう。そうと決まれば出発。 前日のトレースは破間川源頭へ。この先の稜線はノートレース。すべて自己判断。 鞍部からいよいよ登り。雪は柔らかくなり、シールがよく効く。だんだん急になりジグザクに登る。気がつくとカッコよく見えた守門袴腰の三角形はすぐ右側に見える。さらに急になり稜線の斜面は細くなる。まだまだ行けそう。 雪の段差が目の前に迫る。動物の足跡が段差に並行についている。登れなかったようだ。斜めに登るが表面の雪が鉛直方向崩れスリップし始める。やばい。一番急な部分のようだ。 スキーを担ぎアイゼンに履き替えるか?雪が柔らかく、アイゼンの歯は効かないかも。第一この場所で装備転換は危険だ。一歩一歩慎重に、雪を踏みしめ固めるようして進む。 最大の問題。雪の段差をどう切り抜けるか?? スコップで崩し、取り付きを作る方法もあるが、急なため危険。 少しでも段差が低い部分を探す。ここだ! ストックで少しずつ崩す。 次にスキーの先端で崩す。 段差にスキーの先端をかける。谷側をストックで支えているが不安定。ここで滑落したら終わりか!!など余計なことをすぐに忘れ、全集中! 一番慎重に、そして緊張な瞬間。 やった! 段差の上に立った。 下見のつもりが一番の難所を越えてしまった。 上を見るとまだまだ急だが、少し広い斜面が広がっている。空も近い。山頂は近い。 右側に守門袴腰の三角形の斜面を見ながら登る。最上部分には前日のシュプールは無い。帰りはここを滑ってみよう。滑走の下見、どこから入るか?雪の状態、クラックや木々など障害物の有無を確認しながら、ひたすら登る。 斜面が無くなり目の前の視界が開ける。 おお!! 守門最高地点へ続く白いナイフリッジの尾根。 なじみの袴岳、青雲岳、大岳。大雪庇。 いつもと違う角度からは新鮮だ! 守門袴腰をより近くで見たいと思って出発したが、足元に見ることになってしまった。 この山頂は2度目。 前回は6月、最高地点の袴岳から稜線を藪こぎしながらきた。 雪の季節に、それも駒ノ神から来たのははじめて。 誰もいない。 私以外のトレースもない。 静かな山頂で のんびりと景色を堪能する。 もっとゆっくりしいたい気持ちもあるが、気温3度超。どんどん上昇し、天気は下り坂予報。 遅い時間ほど雪崩の確率も高くなる。 いよいよ滑走。 憧れの守門袴腰の三角形斜面にシュプールを描ける!! ももちろん先端からだ! ワクワクとドキドキ!! スキーを履き、破間川源頭を覗きこむ。 下から見た時より斜度はいけそうな感じ。 すでに雪は重くなっている。 慎重に楽しもう。 目を閉じ深呼吸。 ドロップイン!! 軽くターン。 えっ!見えてなかったクラックが!! 幅は小さいのでそのまま滑走。 広い広い斜面が広がる!! 少し大きめのターンで確実かつ大胆に!! 夢が叶った。 すでに軽い雪ではない。 このまま破間川源頭へ滑って、登り返してもいいが、重い雪の滑走は楽しさ半減。 雪のいい時にまた来て楽しもう。 ノーシュプールの三角形の上部を一筆書きしただけで斜滑降。 登ってきた稜線へ戻る。 振り返って、自分のシュプールを眺め、ニヤける。 駒ノ神へ少し登り返し。 再び駒ノ神。 ここからは前日のトレースがあり緊張がちょっととけた。 しかし、他に誰もいない。安全第一で、帰りの滑走を楽しもう。 稜線を戻る。 前日のシュプールを参考に、登りの取り付きより早めに斜面にドロップイン。 広いバーン。気持ちいい。 まだターンを楽しめる斜度だが、斜滑降で登ってきたトレースに戻る。 広い台地付近も斜滑降。 シュプールは登りトレースより西側に続いている。 コースをいろいろ覚えたいのでついていく。 下黒姫沢を上部から楽しんでいた。沢はボール状になっていて面白い。雪崩や沢の穴に気をつければ楽しい。 あっという間に沢の登りのトレースと合流。このあたりからは、斜度が緩やかになり、小さな登り返しがいくつかある。歩くこともある。時々斜面の上を見て雪崩に注意しながら進む。下黒姫沢を覆うデブリを再度観察。凄まじいパワーを想像し、気を引き締める。 林道に戻り一安心。 橋を渡り、最後の登り返し。 お疲れさま!! 夢が叶ったことは、もちろん嬉しいが、 無事に下山できたことが一番嬉しい。 |
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