大日ヶ岳 ひるがの高原コース 〜ブナ新緑とキクザキイチゲ〜


- GPS
- 04:50
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 760m
- 下り
- 760m
コースタイム
10:47 いっぷく平
11:58 展望台
12:20 大日ヶ岳山頂 着
〜昼食休憩〜
12:57 大日ヶ岳山頂 発
13:11 展望台
13:49 いっぷく平
14:48 ひるがの高原登山口 着
天候 | 晴れ のち 曇り 暑くなく寒くなく快適 山頂も特に寒くない |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山口まで東海北陸自動車道ひるがの高原スマートインターより15分ほど |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪登山道の状況≫ ・整備の行き届いた道です。特に危険個所も無く、急登区間も長くないので、安心して歩くことができます。 ・道標は少なめですが、山頂まで一本道なので残雪期以外は迷う心配も無さそうです。 ・本日は標高1550m付近から残雪あり。雪はザラメ状でアイゼンは不要でしたが下りはあると安心かもしれません。 ・1550m付近から登山道が残雪で埋まっていますので、尾根筋を外さないように進みます。帰りは登山道へ復帰するポイントの赤布を見落とさないよう注意。 ≪トイレ≫ ・登山口から山頂までトイレ無し。 ・東海北陸道利用ならひるがの高原SAで、それ以外ならひるがの自然観察園付近の公衆トイレで済ますのが無難。 ≪危険動物情報≫ ・ヒル、ヘビには遭遇せず ・笹藪の中から動物のうなり声 熊だったかも 熊鈴は必携と思われる |
写真
感想
早朝の勤務が終わって朝7時半に自宅を出発。
関から東海北陸道に乗ると、あっという間にひるがのに着いてしまいます。
高速道路様さまですね〜。
高鷲インターを過ぎると左手には今日の目的地の大日ヶ岳。
今日はよく晴れていて、山頂からは大パノラマが楽しめそうで気持ちも高揚してきます。
自宅を出発して2時間弱で大日ヶ岳登山口に到着。
そこそこメジャーな山でひるがの高原コースは一番人気のコースとのことなので、果たして駐車スペースは残っているかと心配して来てみると、駐車場には私の車が1台だけ…。
今日はまさか私一人だけ…?!
出発前からかなり心細くなりますが、ここまで来て帰るわけにもいかないので、気合を入れて、9時28分、頂上に向けていざ出発。
道は序盤から雑木林の中を進みます。
周りの木々は美しい新緑。
聞こえるのは野鳥の声、自分が落ち葉を踏みしめる音、そして熊鈴の音。
静かで美しい森を淡々と進みます。
少し進んで左手に杉の植林地が現れる箇所でチゴユリが迎えてくれました。
小さくはあるものの立派なユリ形をした花がなんとも可憐な花でした。
何か所か短い急登箇所があるものの、総じて平坦で歩きやすい登山道。
標高が上がるにしたがって周りはブナの森に。
日の光が差し込む新緑のブナの森はこの上ない美しさでした。
ただ、雪解けして間もないからか、森の中は花は少なめな感じで、先ほどのチゴユリ、急斜面にはスミレやキランソウがちらほら見られる程度でした。
写真を撮りながらゆっくり登り、1時間半ほどで休憩ポイントのいっぷく平に到着。
ガイドブックには周りのブナの森が圧巻とありますが、そのとおりの風景。
風景はとてもきれいなのですが、自分一人という心細さもあり、大自然に圧倒されるような感覚を受けました。
かなりゆっくり登っているので、他のパーティの追い上げにあっても不思議はないのですが、誰も来ないところを見ると、今日は本当に自分独りなのか…。
小休止の後、頂上へ向けて出発。
いっぷく平を出発して間もなく、足元に白い花。
もしや、これは、……キクザキイチゲではないか!
先の冠山林道歩きではもう咲き終わっていたので、今シーズンはお預けと思っていましたが、思いがけずここで会えてとても感激しました。
花がしっかり開ききっていないものが多いのが難点だが…と思っていると一輪だけきれいに開いてくれているものを発見。
しかも一番見たかった青紫色の個体!
花の咲き方が菊ににて一つ咲くので菊咲一華。
うまく言葉で表現できないですが…
大きめのきれいな花がなんとも華がある感じで、なんとも美しい花でした。
この春見た花の中で一番のお気に入りの花となりました。
さらに登って行くと周囲の木々も冬枯れのものが多くなり、左右はネマガリタケ(クマザサ…?)の茂みに。
雪で倒れた笹を払いながら進んでいくと…
右手の茂みの中で、何かがグルル…と低くうなったような!!!
全身に戦慄が走り、一目散にその場を離れました。
空耳だったのか、笹が風に揺れる音を聞き違えたのか、もしくは本当に熊とニアミスだったのか…。
その後下山するまで、熊との遭遇に怯え、心細いというよりも恐怖を感じながらの行程になったのは言うまでもありません。
次第に残雪が現れ、1550m付近で開けた尾根に出ると登山道が雪で埋まるほどの残雪となりました。
ここからは尾根筋を外さないように、雪の安定していそうなところを選んで進みます。
しかし、これほどの残雪の上を歩くのは初めてだし、ところどころ太ももまで踏み抜く箇所もあるし、なかなか緊張させられました。
雪はザラメ状で転んでも止まりそうではありますが、下りのことも考えるとアイゼンがあれば安心と思いました。
小ピーク上の展望台を経て、最後の急斜面を登り、12時20分、大日ヶ岳山頂に到達しました。
登りはじめる頃は青空だった空もすっかり曇り空となり、白山にも厚く雲がかかっています。
それでも圧倒的な存在感の白山。これほど近くでその雄姿を見たのは初めてで心を打たれました。
ウイングヒルズやダイナランドからのコースもあるので山頂まで行けば誰かに会うだろうと思いきや、広い山頂には自分独り…。
誰もいないし、誰も来ない。
よく言えば山頂独り占めでしたが、今日はづくづく心細い山歩きでした。
天気も下り坂のようなので、昼食後は早々に引き返します。
登りが怖かった雪の急斜面は下りが怖い。
登りはキックステップでいいのですが、下りはどうやるんだろう?
かかとから蹴りこんで、足場を作って、一歩ずつ慎重に下りましたがこれで良かったのか…。
雪道歩きの指南本くらい読んでから来ないといけないですね…。
尾根から登山道への入り口のポイントの赤布を見落とさないように注意しながら、登山道に復帰。
行きに何かのうなり声を聞いた気がした笹藪を通過する時は緊張も頂点に。
見通しが利かないポイントでは熊鈴だけでなく、自分も大声(奇声?)を出して、素早く通過しました。
1時間ほどで無事にいっぷく平に戻りました。
天気が少し回復して森が明るくなり、周りの笹藪も落ち着いて見通しが利くようになったので、やっと一息つけました。
行きに出会ったキクザキイチゲたちに帰りもご挨拶。
帰りは花が開いているかと思いましたが、相変わらず開ききっていない花が多い。
またつぼみの株もあり、もうしばらくは花が楽しめそうな感じでした。
明るい光が差し込む新緑の森はため息が出る美しさ。
登山道は新緑のプロムナードで、最高に気持ち良い道でした。
今日は誰とも会わずに終わるかと思いきや、登山口も間近になった地点で団体さんとすれ違いました。
いっぷく平まで行くとのこと。山で人に会うことがこれほど心強く感じるとは…。
下り始めて2時間弱で無事登山口に帰還。
ブナの新緑とキクザキイチゲを楽しめて、良い山行になりました。
かなり怖い思いもしましたが…。
今日はなぜ人が少なかったのか考えてみると、周りの立ち寄り温泉が木曜定休のところが多いからでは、という結論になりましたが、実際のところは果たして…?
帰りにミズバショウが見たくてひるがの高原自然観察園に寄り道して帰りました。
残念ながらミズバショウはほぼ終わりでしたが、リュウキンカやツボスミレ、花名不明の花に出会うことができました。
コメント
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少しお邪魔します。
最後の花の画像ですがムラサキサギゴケではないでしょうか。
間違ってたらごめんなさい。
yossiiさん こんばんは。
花名教えて下さってありがとうございます。
教えて頂いた情報を元にネットで調べたみましたが、花の姿、咲く季節ともムラサキサギゴケで間違いないようです。
また一つ花を覚えることができました
ありがとうございました〜
念願がかなってキクザキイチゲに会えて本当によかったですね。
上品な薄〜い紫色が素敵です。
52枚目の写真ですが、それは多分、スズメバチの巣ではなく・・・
何らかのキズができた部分を木自身が修復した跡のコブかと思いますよ。
一度こうしたコブができると収縮することはなく、そのまま成長するらしいです。
それと〜11・12枚目の写真はオオカメノキ(ムシカリ)だとおもいますよ?
それと〜、熊だったかもしれませんが、遭遇しなくてよかったですね。
miya162さん こんばんは。
花の名前、いつも教えて下さってありがとうございます
オオカメノキというんですね。葉っぱがカメの甲羅みたいに見えるのでこの名前みたいです。
アジサイの仲間かと思いましたが、ちょっと違いました
木のコブのことも教えて下さってありがとうございます。
樹木の世界も奥が深くて興味深いですね〜。
花だけでなく樹木についても楽しみながら覚えていきたいです
笹藪の中から聞こえたあのうなり声はなんだったのか、今でも思い出すと背筋が寒くなりますが…。
山は野生動物たちのフィールドなので、いつかは森の住人と遭遇してしまうかも…ですね。
少し怖いですが、でも山には行きたいので、十分注意して出かけたいと思います。
miya162さんも気をつけて登られて下さいね
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