上河内岳
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- GPS
- 20:18
- 距離
- 24.8km
- 登り
- 2,725m
- 下り
- 2,740m
コースタイム
- 山行
- 9:39
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 9:46
天候 | 山行の2日間は晴れ(山行前日、平野部は雨。山間部は降雪) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
今の時期、ほとんど車停まっていません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・ウソッコ沢小屋上部付近までは積雪無し ・横窪峠〜横窪沢小屋までの下りは凍結箇所有りの為アイゼン装着(チェーンスパイクでは怖くて下れませんでした) ・横窪沢小屋上部からは積雪増え始め、アイゼンからスノーシューへ換装 ・標高2000m付近トラバースはアイゼン装着 ・尾根上ルートに戻った後は小屋までスノーシュー ・稜線上〜上河内岳山頂まではスノーシュー(雪に埋もれたハイマツの踏み抜き頻発なので最低でもワカン装着推奨) ・茶臼小屋からの下山はアイゼンとチェーンスパイク装着 ※スノーシューはMSRライトニングアッセントですが、これが無かったらソロで登頂は敗退濃厚でした。 |
その他周辺情報 | 茶臼冬季小屋開放されています。 とても綺麗で快適。 小屋内からは富士山も見えます。 ※携帯電話電波状況 BIGLOBE SIM(docomo回線)→5年前購入のSH auキャリア回線→iPhone8 上記2つで比較 ・沼平ゲート付近→△docomo ×au ・大吊橋〜ウソッコ沢小屋→×docomo ×au ・横窪峠→○docomo ×au ・横窪沢小屋→×docomo ×au ・横窪沢小屋上部〜尾根上→○docomo ×au ・茶臼小屋→○docomo ×au ・茶臼岳分岐〜稜線上→◎docomo ○au |
写真
今回はカメラの望遠レンズや三脚、ショベル、テント(冬張含む)などフル装備なので一泊予定なのに24kgの荷物。(念のため2泊出来る食料も持参)嗜好品として酒の代わりにジュース類も1リットル持ってきました。
実は某SNSで、ラッセル厳しすぎて上河内岳登る気力残って無い。と呟いたところ、tomhigさんから「頑張ってみたらどうか?」と励ましのお言葉があったので気持ちが再燃しました!
途中このような急傾斜のトラバースがあります、
雪質が湿っていてアイゼンが効かないのでズルズル下へ滑ってしまう。
早い時間の通過をお勧めします。
ドコモ電波入ります。
その時、茶臼岳の稜線方面から突然ゴォー、バキバキといった雪崩?土砂崩れの様な物凄い轟音が響いてきました。木々が薙ぎ倒された様です。
感想
天気や家庭の事情もあり、1月下旬に登った日光白根山以降しばらく雪山から遠ざかっていました。
その為、体力的な心配もありましたが、甲斐駒以来の積雪期南アルプスに登ってみたいという気持ちだけが日に日に膨らんでいきました。
そしてついに月曜日の休暇も取れ家族からの遠征許可も降りるという絶好のチャンスが訪れることに。
このチャンス逃してはいけない。
ですが、3月の南アルプスは1年で最も雪深くなると言われている時期。
芝沢ゲートからの聖岳も検討していましたが、山行前日から南岸低気圧接近の降雪予報で登頂は無理と判断して選択肢から外しました。
そして、「標高3000m未満ならどうにかなるでしょ」みたいな安易な考えで上河内岳に決定。
そして、約半年ぶりに茨城から畑薙第一ダムへ車を走らせます。
沼平ゲート前には自車含めて3台の駐車車両があり、一人は釣りの方、もう一人の方は深南部方面へ歩いて向かわれている姿が見えました。
三脚や交換レンズ等撮影機材や冬季テン泊装備等含め約24kgの荷物を担ぎ、自転車で畑薙大吊橋へ出発して橋を渡るところから山行スタート。
ズシリと重い荷物が肩に食い込みますが、ヤレヤレ峠から沢区間は順調に歩を進め横窪峠に到着。
ここで正面に翌日登る予定の上河内岳の姿が見えました。
その後、横窪沢小屋の上部から本格的な積雪量となり、踏み抜きが酷い為スノーシューを装着。
基本、横窪沢小屋上部からは尾根通しで進みますが、標高1950〜2000m付近で最初のトラバース区間に当たります。
地形図を見る限り尾根通しで行けると判断して強引に進みましたが、大きな垂直の岩が立ちはだかり詰んでしまいました。
一旦下り、仕方なくトラバースルートへ切り替えます。
雪質が悪く、履き替えたアイゼンも中々効かない為、通過に難儀しましたがなんとかクリア。
その後、再び尾根通しで進みますが、急登と深く重い雪に苦しめられて体力がどんどん削られていきます。
疲労から「一刻も早く小屋で寝たい」という気持ちが出始め、この時点でテントを張る選択肢は無くなっていました。
ラッセルを続けるとこの日最大の核心部、標高2300m上部〜茶臼小屋手前までのトラバース(2回目)に差し掛かりますが、この辺りで一段と雪が深くなります。
疲労と相まって100m進むのに1時間くらいかかりそうなペースのラッセル。
なんとか茶臼小屋へ到着しましたが、夕景を撮影する気力も起きず、早くシュラフに包まれて眠りにつきたい気持ちで一杯。
もう、疲労困憊で翌日に上河内岳へ登る気力は残っていませんでした。
「もう100m登るのも無理だし明日起きたら、ゆっくり食事取って即下山しよう」そう思い始め、、
弱気な呟きをSNSに書き込み、夕方には眠りに付き夜中目を覚ますと、相互フォローして貰っているtomhigさんから「登頂頑張ってみたらどうか」との返信が!
ここで沈んでいた気持ちが再燃。ガッツリと食事を取った後は再び上河内岳登頂を狙う準備に入ります。
ヘッデン装着で小屋を出発し稜線まで上がりますが、前日の疲労蓄積が凄いなんてもんじゃありません。笑
その後、暗闇のだだっ広い稜線でルート取りを何度もミスして余計な消耗しましたが、息切らしながらもなんとか上河内岳に無事登頂することが出来ました。
山頂からは正面に聖岳がドーンと構える。
「辛い思いしたけど来て良かった」そう思えた時間でした。
しかし、下山を考えると雪が腐り始める前にトラバース区間を通過したいので、日の出前に山頂を後にします。
空が明るくなり始め、茶臼岳との分岐点までは写真を撮りながら絶景の稜線スノーシューハイクです。
積雪直後ということもあって霧氷やエビの尻尾だらけの世界を独り占め。
絶景を堪能後、充分満足して小屋へ戻りデポ荷物の再パッキング。
下山開始後、トラバース区間は通過に多少難儀しましたが、その他はサクサク下山。
途中、アイゼンが片方無くなっているのに気付き、回収の為少し登り返しました。(少し登り返した辺りに落ちていたのでホッとしました)
ウソッコ沢小屋の5号吊橋跡付近で初めて人の存在に気づきます。
ヘルメット被った作業員風の方数名が作業していました。
少しお話したところ、「許可が降りたので倒壊した吊橋を再び架ける作業に入ります」とのこと。
どうやら、ウソッコ沢小屋起点で作業するようだ。すぐ上空にはヘリも飛んできたので資材や物資の運搬だろうか。
こんな山奥まで来て作業してくれるとは、登山者からすると感謝の気持ちでいっぱいです。
その後、沢区間を通過してヤレヤレ峠までの登り返しは疲労MAXの体には相当堪えて牛歩状態でしたが、無事畑薙大吊橋へ帰還。
今思えば「上河内岳ならどうにかなる」みたいな舐めた気持ちで山行開始しましたが、3月の南アルプスの厳しさを見せつけられ体感させて貰った山行でした。(その分、頑張ったご褒美も)
まだまだ経験も体力も足りない事を実感した為、今回の経験を今後の山行レベル向上に繋げていきたい所です。
以上、ダラダラと長文失礼しました。
終始トレース無し、フルで担いで行ったんですか
「一月に行った甲斐駒の3倍くらい疲れた」
そりゃそーです、南岸低気圧まだ来てないですし、あっちは通年営業の小屋あってスタッフさんが入下山、挙句花谷さん目当てで入山者多いですから(笑)
下りの時間が上りの時間の半分…雪山ってこんなもんです、いかに雪にまみれて悶えるかですから。
それにしても稜線復路の景色は壮観。
南ア屈指の景観だと思います。
帰宅やら雪の緩みの不安もあったかと思いますが上河内で聖、赤石、悪沢の三連星がモルゲンでピンクに染まる様子見たら良かったのに〜って思っちゃいましたよ
それとコインの裏表の関係になりますが二日目のタイムマネージメントお見事です、帰り遠いですからね〜。
私よりも全然歩けると思いますし、考えながら焦らずステップアップすれば塩見や北岳もイケるんじゃないですかね、この条件下の上河内行けたんですから。
塩見もイイですが上河内で黎明の聖見て聖もチャレンジしたくなったんじゃないですか?浮気はダメですよ
南アの山塊はどっしりして挑戦し甲斐有ります。
南部は一昨年の10月以来ご無沙汰なもので懐かしい気分でレコ拝見しました、ありがとうございます。
今年は畑薙や椹島行きたいなぁ。
あらためて当日は励ましのお言葉ありがとうございました。
疲労によりポキッと折れていた気持ちがtomhigさんの一言で復活しましたから。
本当に登山をやる上でメンタルは重要なのだと実感しました。
おっしゃる通り、上河内山頂で聖、赤石、悪沢のモルゲン南部BIG3を望みたかったのですが、それを腐れ雪状態でのトラバース区間通過を避けたい気持ちが勝ってしまいました。😰
(いつになるか分かりませんが次回の課題にします)
あと、憧れの冬季塩見岳についてですが、tomhigさんに心の中が透かされているようで😅
今回、あの美しくも大迫力の山容を見てしまうと、やはり「いつか聖も狙わねば」と思うのは当然でして、、、笑😂
ただ、仮に私が聖を狙うとなると未経験である長野側の芝沢ゲートからとなるでしょうから、無雪期に一度歩いてある程度コース概要を把握したい所です。(無雪期に一度、芝沢ゲートから聖、光、池口周回とかやってみたいです)
それにしてもtomhigさんが南部から一年半ご無沙汰とは意外でしたね。
南部といえば、昨年の秋は偶然赤石岳避難小屋の榎田さんとお会い出来ましたが、南部を訪れた際にはあそこも泊まりたいですよね!
今年はまだ南部の小屋やバス運行など未定ですが、吊橋の復旧などされているところを見ると営業再開の兆しなのかなと勝手ながら思ってしまいました。
tomhigさんはこれから山岳会の岩登り等が忙しいと思いますが、南アを歩かれた際のレコもこれから楽しみにしています。
それでは長々と失礼しました!
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