雪の伯耆大山に初めて登ってみた(雪山登山初日)
- GPS
- 08:30
- 距離
- 7.2km
- 登り
- 959m
- 下り
- 954m
コースタイム
- 山行
- 7:40
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 8:40
天候 | 曇り⇒晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道はすべて雪、危険個所はなし。 |
その他周辺情報 | 下山後、剣山へ移動 |
写真
装備
個人装備 |
ピッケル
|
---|---|
備考 | 鼻水が出っぱなしなので、ティッシュをかなり多めに持っていけばよかった。 |
感想
今回は初めての雪山登山である。自分は体力も技術も気力もない。それでも雪山に登ることにしたのは、山のパートナーから、「大山夏山登山道に無雪期に登るのであれば、いっそ積雪時に登ってみれば。装備は貸すよ」と言われたからである。確かに無雪期であれば、まあ、何とか登れるに違いなかろう。雪山経験者で大山を季節を問わず、あらゆるルートを知り尽くすパートナーがいれば、雪山も可能かもしれない、と方針を変えた。「ただし、冬の好天の一日を狙って登る」とも言われた。年明けからひと月ちょっと、天気予報を毎日チェックし、ここがチャンス到来とばかり、2月12日に大山、翌13日に剣山に登ることにした。ピッケル、アイゼン、和かんじき、スノーシュー、グローブはパートナーから借り、その他の雪山装備は自分でそろえた。
夏山登山口そばの民宿に宿泊し、12日7時過ぎに出発。道路は除雪されているが、登山道に入るや否や雪道である。最初は、登山靴のままストックを持って登り始めたが、いつしか雪の斜面(無雪期なら木段なのだろうか、夏山登山道は初めてなのでよくわからない)の勾配が増すとともにつるつると滑り出しもどかしさを覚えるとともにちっとも登れなくなった。すかさず、パートナーから「アイゼンを履くか」とアイゼンを装着する。見事なほどにアイゼンは雪面をザクっと突き刺して全く滑らずに登れるようになった。気持ちよいほど快調にはなったが、アイゼンでの歩き方にまだ馴染めず違和感も覚えた。地面は一面雪、あとは樹々で目印になるものがなく、どのあたりを登っているのかわからないまま、ようやく五合目、もう少し登ると森林限界を超え、9時20分に避難小屋があるという六合目に達した。
「ここからは勾配がさらに急になるので、ストックはしまい、ピッケルを使う」とパートナーから指示がおり、初めてのピッケルの登場となった。宿で準備した朝食の弁当を摂った後、ピッケルを左手に持って登り始めたが、いつもストックに体重を載せて登っているので、身体をかがめるようにピッケルを突きながら登るスタイルにどうも慣れない。が、確かに滑ったらどこまでも滑落しそうなので、この体勢で登るしかない。このあたりから、慣れないアイゼンとピッケルを使った登りに身体の負担が増してくるようになる。歩みが思うようにいかず、のっそりとなってしまった。八合目、分岐、頂上台地はまだかな、と思いながらも少しずつ登り、ようやく11時に弥山頂上小屋まで辿り着いた。少し上に新しくできたという山頂の石柱があり、登頂、と思ったら、パートナーから「雪山の弥山山頂は三角水準点だ」と言われ、さらに登り、ここが一番高いところ、と思われる場所までさらに登った。確かに、ここは見晴らしから言っても山頂である。東のすぐ先に剣ヶ峰、そこから槍ヶ峰、さらに奥には烏ヶ山や蒜山が見える。北側は日本海、南側は大山南壁。この時間になると、曇りがちだった空には陽が差し込み、雪山の山頂からの展望を存分に楽しめた。風もほとんどなく、寒さも和らいでいたので広い山頂でしばらく展望を楽しみ、昼食のパンを齧り、11時40分に下山を開始する。
下りはきつかった。六合目まではピッケルとアイゼンの装備であったが、下りの急斜面に自分の大腿四頭筋が踏ん張れず、膝が前に出てしまい、踏み出すたびに膝痛が発症してしまった。全くスピードが出ず、膝の痛みをこらえながらとにかく六合目まで降りるしかなかった。パートナーをかなり待たせながらも12時20分に六合目まで降りきり、ここで少し休憩をとった。無雪期と雪山の登山スタイルの違いを身体で感じ取った。下りは、行者分かれから行者登山道に入った。登山道は雪で覆われ、雪道がはっきりできていない。ここを降りられるのかと思ったが、この時期は登山道のとおりに降りなくても雪の中をずんずん歩いて降りることができる、ということだそうで、おっかなびっくり実践してみる。途中で和かんじきを取り出してくれ、これに履き替え、道のない雪の斜面を降りていった。和かんじきで歩くと、ずぼずぼはするがすっぽり雪の中にはまることはなく、歩みはぼそぼそだが、少しは気持ちよく歩けた。大山北壁が正面に聳える大堰堤では、パートナーはスノーシューを取り出してくれ、これを履いてしばらく歩いてみた。和かんじきよりもさらに沈み込みは小さいが、縦横とも大きさがあるため、慣れないとかなり歩きにくいことも実感できた。が、北壁を前にしてスノーシューで雪面を歩くのはかなりの雪山気分を味合わせてくれる。ここはパートナーの計らいであろう。最後に大山寺の参道は一番雪かきをして整備すべき道であるはずなのに、雪がそのまま残っており、ツルツルとなっていた。ここで二回も滑って転んでしまうこととなった。
雪山初日は下りで時間を要したこともあり、8時間30分の長丁場となってしまったが、雪の中の世界を歩くというのはなかなか味わうことのできな貴重な体験であった。
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