北ノ俣 黒部五郎 三俣蓮華 双六 スキーツーリング


- GPS
- 50:57
- 距離
- 41.7km
- 登り
- 3,140m
- 下り
- 3,037m
コースタイム
- 山行
- 7:29
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 7:36
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 1:43
- 合計
- 10:18
天候 | 29日晴れ 最高気温13度 30日曇り 最高気温10度 31日晴れ 最高気温10度 下山時新穂高で15度 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
このコースは特に公共交通機関の便が悪く、定時のバスを逃がすと入山口と下山口の移動に2日を擁してしまう恐れが有ります。 今回の山行は2名でしたので、新穂高の下山口に車一台をデポジット。 もう一台に便乗して、入山口の神岡町山の村和佐府へ移動した。 新穂高から和佐府までは、グーグルマップによる距離計測で53kmある、すれ違い困難な山道考慮で、1時間半の移動時間を見ておかなければならない。 新穂高から山の村和佐府へは、山吹峠経由の道路もあるが、例年GWになってやっと通行できる道路なので注意したい。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
山域全般に4月下旬の様子だった。 季節外れの暖気のお陰で、避難小屋内の気温はプラスのままで、水も氷る事は無かった。 |
写真
歩いて居るには良いが、速度の出る滑走に成ると見えなくて、デコボコが分からない、下って居るのか登って居るのかが見えな(g)い、怖かった〜(泣)
感想
スキーを使っての北ア縦走に成ります、ジャンルを山滑走にするか迷いましたが、ほとんど歩いて居る状態なので「ピークハント 縦走」のジャンルにしました。
29日 月曜日 晴れ
午前7時に新穂高の登山者駐車場でasakunaikawa(以降asさん)さんと待ち合わせて居たが、早めの6時10分ごろに新穂高へ到着するとasさん既に到着して居た。
ジャンケンで勝った方が新穂高の登山者駐車場に車を置いて行く事にした。asさんの車を新穂高の登山者駐車場にデポジットして、graveltrek(以降gr)の車で神岡町山の村和佐府へ向かう、そこは新穂高から53kmも離れた遠い所なのだった。
1時間半ほど掛かって和佐府へ到着。
予定通りと言うか・・・和佐府の赤い橋にはしっかりと雪が残って居て車ではその先に進めない。
橋のたもとの邪魔に成らない位置に車をデポジットして、シートラーゲンで出発。
久しぶりの連泊登山のザックが肩に痛い、スキーを入れると17kgの重量か?しかしasさんのザックの方がはるかに重い様だ。
歩き始めてから1時間ほどで雪が繋がる様に成り、やっとザックから板を下してスキー歩行が始まった。
2時間半もかかってようやく飛越トンネルへ到着した、切りが良いのでここで一本とした。
いつもの様にトンネルに向かって右手の斜面を詰めて、上の鉄塔を目指して上がる。
ツボ脚のトレースが消えかけては居るが見て取れる。
ここから寺地山までは、数回訪れている場所なので途中にあるポコはかわしながら進みたい。
寺地山に着くころには、重荷に耐えかねて二人とも弱音ばかりを口にする。ジジイってヤダな(笑)
以前は恐怖でしかなかった寺地山から北ノ俣の避難小屋までの下りだったが、今年来てみるとなんと言う事は無い坂に変わって居た、誰か気を使って坂を削ってくれたのか?
避難小屋には午後3時半ごろ到着した、スタートを1時間早く出来たのに到着は30分遅れた。少し嫌な予感がする。
就寝用のシュラフなどを広げ、いつでも寝られるように準備して、その他の荷物は広げたい放題にした。
3月の平日の月曜日に、北ノ俣に来る奴なんて自分たち以外に絶対居ない自信があった。(笑)
北ノ俣避難小屋の水場はまだ雪に埋まっており、水は止まったままだった。
今日はgrのガスを使って二人分の水を作った、今夜の夕食の分と明日の朝ご飯用、明日の行動中の分と、2人で3リットルほどを確保した。
酒はasさんがペットボトルに入ったワインを1本、grが25度の焼酎を500cc。
asさんのワインはあっという間に無くなって、grは明日のためにと半分を残して置いた、酒はもっと持ってくるべきだった。
午後6時ちょっとに「asさん?」と呼びかけた頃には、asさん既に別世界へトリップした後だった。
仕方ないのでgrもシュラフに潜って目を閉じた。
30日 火曜日 曇り
3時半に目を覚まして、出発の準備を始める。
昨日の疲れが残るジジイ二人の動作は遅い、温かい朝ご飯を詰め込んで朝一からスキーを履く。
北ノ俣の稜線までがけっこう遠い、上部の雪の付き方が悪そうに見えるのが心配だ。
稜線まであと50m有るか無いかで雪が切れた、はい松の上も歩ける状況では無いので、仕方なくここでシートラーゲンにチェンジ、すこし歩けば稜線なのに。
北ノ俣岳で記念撮影を済ませた、この後はやっとクライミングシールを剥がして赤木岳山腹までスキー滑走だ。
asさん曰く「やっと滑れるのか?」
スキー滑走と言うと耳障りが良いが、右上がりの斜面をずっと斜滑降で滑って行くのは辛い。
赤木岳山腹で再びクライミングシールを貼り付け、中俣乗越を超えながら黒部五郎岳を目指して進んで行く、その大きなウマ沢の斜面は登り切れないんじゃないかと言う不安を抱くほど、急で広大だ。
予定より1時間以上遅れて黒部五郎岳に到着。
さて、いよいよ黒五のカールの滑走だ!!、けっこう楽しみにしていたイベントだったが、なんと”フラットライト”と言う最悪の敵が出現。
地面(雪面)の凹凸や上り坂下り坂の区別が利かない・・・・とても怖くて腰が引けて楽しめる物じゃなかった。
やっと視界が利くようになったのは、黒部五郎小屋が近くなってから。
気持ちよく滑る事が出来ると喜んだが、山全体がテカッと鈍く反射して光フィルムクラストの下が、モナカ雪だった。
板がうまく回せなくて笑った・・笑うしかなかった(泣)
黒部五郎の小屋の東の大きな斜面を登らないと先に進めない。
三俣蓮華岳まではどれくらい時間が必要だろう?ここまで結構遅れているので、暗くなる前に双六小屋に着けるかが心配に成って来た。
五郎の小屋の時点で、2時間近い遅れがあって気が焦る、しかし二人とも重いザックに足が進まず、気が焦って進むのは時間ばかりだった。
三俣蓮華に午後2時半到着? その先稜線を通って双六岳か? 巻き道を通って双六小屋か? 中道を通るか?
三俣蓮華から見る巻き道は、右肩上がりの方斜面がずっと続いて居て足への負担が半端無さそうだ。
幸い風は強めではあるが、気温が高いお陰で寒くは無い。
ここは無難な稜線通しで双六岳まで行こう。
夏の中道の分岐辺りで気が変わってしまい、中道をスキーで滑り降りる事にしたが、これがgrには失敗だった。
標高を落としては駄目だと思いながらも、滑らない板に負けて落とし過ぎてしまった標高。
途中にあるポコに捕まり、板を脱いだ。
潜る足に耐え切れず、シールを貼りなおしたりして、手間取ってしまった。
そんなgrを後ろから見ていたasさんは、うまく標高を落とさずにクリア・・・負けた(泣)
双六小屋への最後の斜面を滑り降りたが、モナカ雪で泣かされた。
この日も早々に夕飯を食べて、6時半過ぎには寝てしまった。
ジジイ二人は静かでいい!
この日、ボレーのスキークランポンのベースの取付が緩んでしまった。
そうゆう事も有ろうかと、自分で作った特別工具でネジを締めようとしたら、工具がポッキリと折れてしまった、お先真っ暗に成ってしまった。
クトーが使えないとこの先厳しいな〜。
小屋の中で、折れた工具にウィペットのピックの先端を力強く押し付けながら回すと、幸いな事にディスクのナットが緩んでくれた。
ディスクを外して、クランポンベースの取付ねじを六角レンチで増し締めし直して、一件は事なきを得た。
31日 水曜日 快晴
冬季小屋の明り取りの窓から光が入ってきて朝だとはわかっていた。
asさんが出入り口の上げ戸を動かすと「 ワぁ!!!! 」っと叫んだ。
何事かって身構えると「無茶苦茶ええ天気やぁ!!」って・・・・脅かすな〜(笑)
最初の予定では双六から西鎌尾根を通って、槍の肩に寄って飛騨沢を下る予定だった、しかし自分たちの歩みの遅さにそれは無理だと悟ったので、エスケープルートに選んでいた双六沢を滑り降り、オオノマ乗越を超えて秩父沢を下るルートに変えた。
これで時間は余るほどに成る・・でもジジイ二人は早起きだけはちゃんと出来るので、ゆっくり支度して6時半に出発。
陽の当たらない双六沢の雪はまだ緩んでおらず、”ガァ〜〜ザァ〜〜”と氷を削る音を響かせながら分岐まで下る、朝から脚が痛い事。
双六川からオオノマ乗越までの斜面は雪が良く締まって居てブーツアイゼンで気持ちよく登れた。
気持ち良いのと疲れないのは意味が違うので誤解をしないで欲しいが、ブーツも潜らずにサクサク気持ちよくアイゼンが喰い込む心地よさは、やってみないと分からないだろう。
しかしasさんは「クトーで行ける!」と言い、絶対にスキーを脱がない。
直登するgrに、ジグザグにしか登れないasさんとの差は開くばかり、おまけにasさんは途中でストックを流してしまい、20mほどバック(笑)なのでgrは乗越の頂上で暫く待った。
オオノマ乗越から秩父沢へ滑り込んだら、ターンのたびに転ぶ・・・また転ぶ。
スキーブーツのヒールロックを忘れて、グラグラの足元で降りていた。asさんは「学習能力が無いな〜」と笑った、おっしゃる通りです。
ヒールロックをした後は、気持ちよく秩父沢を滑走!!!!!!!!!
この秩父沢のレコを見ると、雪が腐って大変だったと言うのが多かったが、今日の秩父沢は当たりだった!
ワサビ平小屋はまだ雪に隠れて居た、おかげで左俣林道の随分下の方まで雪が繋がって居て、板を履いたまま下る事が出来た。
午前11時に成る前に新穂高へ無事に下山できた、きつかったけど楽しかった。
山スキーで泊りは初めてでワクワク、ドキドキで参加する
ルートが長く、そして荷が重く歩きも滑走も苦労する
1日目は初経験、シールハイクだけで終わる
2日目はもっと行動時間が長く黒部五郎の小屋で泊まりたいと思う
3日目は秩父沢滑走、荷が重く振り回されながらも最後まで十二分に楽しめる
3日間、他の登山者とは会わない、貸し切り山行は良いもんだ
graveltrekさん、ありがとう
コメント
この記録に関連する登山ルート
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双六周辺でスキーのシュプール跡みかけました
ナイスザラメだったのではないでしょうか
こちらこそお久しぶりです。
良い天気に恵まれ、本当にナイスなザラメ雪でした、おかげで逝きました(笑)
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