芦別岳・ポントナシベツ岳・シューパロ岳・夕張中岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 3,129m
- 下り
- 3,113m
コースタイム
27日 4:35Camp1−7:42シューパロ岳8:09−12:23Camp1 13:22−16:00 1579峰北のコルCamp2
28日 5:19Camp2−6:30 1298峰西のコル荷物の一部をデポ6:51−9:05夕張中岳9:40−11:23デポ地12:13−17:24山部自然公園駐車場
天候 | 26日晴れ 27日晴れ 28日曇りのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
芦別岳は登攀用具を使ってたくさん楽しんできた山だが、最近は周辺の未踏の山々(私の)に興味が湧いて居る。
普通の年だったら雪が融けて藪が出てしまい登れない時期だろうが、今年は雪解けが遅く、1週間前に麓から見た芦別岳周辺は白く輝いていた。これならまだ登れると、今回はポントナシベツ岳(1682m)、シューパロ岳(1436m)、夕張中岳(1493m)を、芦別岳(1721.1m)を越えて山中2泊3日で登る計画を立てた。
25日、山部自然公園で前泊
26日、芦別岳新道コースを登って行くと標高600mあたりから残雪が出始めた。ワカンも持ってきたが、雪は硬く不要だった。泊り装備に汗が目にしみる。そんな時、呻吟坂負けるなの看板に、呪文のように「負けるな!負けるな」と唱えると神秘的な?力が湧いてきた。単純な登りが続いていた時だったので、実にタイムリーな標示文句だった。
振り返ると水の張られた田んぼや、緑の耕作地の上に蜃気楼のように十勝連峰、大雪の山々が春の霞の上に浮かんでいた。
半面山を過ぎると、本谷を登って下山中の二人の若者に会う、「いいな〜あの元気」いつもの無いものねだり、そんな自分をしかるもう一人の自分・・・会話は続く。
強い日差しに雪焼けが心配になり日焼け止めを厚めに塗る。
雲峰山に登り着くと芦別岳山頂にたくさんの人が見えていた、本谷を登った人のようだ。
下ってくるその人達にエールを頂き、最後の急登に息を弾ませ、左から回り込んで本谷を登ってきた単独者に続いて芦別岳頂上に立った。
今回はポントナシベツ岳、シューパロ岳、夕張中岳が先に目に飛び込んできて、山の様子を観察する。すれ違った人からの情報で、今日地元のF山岳会の二人がポントナシベツ岳に登ったとのことだった、その人達の足跡が見えていた。
今日のCamp予定地ポントナシベツ岳北のコルへ広い雪面を下って行き、コル近くにテントを設営、雪を溶かし、お湯を沸かして味噌汁、コーヒーを飲む。飲み物が無くなったら途中でコンロを出す予定で、1Lしか持たなかった飲み物はすでに底を付き、渇いた咽喉が喜んでいた。
そんな大休止の後、行きたがらない身体を叱咤しつつポントナシベツ岳往復に向かった。途中少しの這い松漕ぎはあったものの、たいしてしごかれもせずに疲れてはいたが初めてのピークに立てた。
夕張マッターホルン(1415,2m)が鋭い山容で見えていて、昨年一緒に登った人達やその時のことが思い出された。あの日も天気の良い日だった。
帰路、誰も居ないだろうからと、腹の底から大声を出してみたら、芦別岳の頂上に人影が現れた、聞こえたのだろうか?
27日、夜中じゅう風があってテントがばたつき、うるさくてあまり寝た気がしない朝を迎えた。天気は予報通り今日も良い天気のようだ。テントはそのままにしてシューパロ岳(1436m)往復に向かう。
スキーが欲しくなるような広いルンゼを標高差270mほど下ると広い平坦な地形になる。
前方には1367Pがシューパロ岳の砦の様相を呈している。直上するか、左(南側)の裾を行って途中から雪の斜面を登るか、右に延びる砦の塀のような支尾根の弱点から登るかだろう。
近づいて行き観察すると、リスクの最も少ないのは右の支尾根の様だ、弱点を探しながら下っていくとほぼ末端まで行かされた。標高差100m弱のアルバイトが加算されたが安心ルートだった。
左から右へと残雪を繋いで登り南稜上に出ると頂上はすぐだった。どうにか腰を下ろせるスペースしかない這い松と潅木の頂上だった。
天気は良く展望もよくこのような高条件の時に登れて良かった。南には夕張マッターホルン、北には夕張中岳の二つの鋭峰がいいね〜、尖った山は大好きだ。
復路、サングラスをしていても眩しく感じる。さらに無風の所はサウナのような熱気を感じ、下着1枚になるが汗が吹き出る。太い岳樺の陰に入りズボンも下ろして一服。
1、2、3・・・と100までの歩数数えの繰り返しでルンゼを登りテントに着く。
ビニール袋に入れておいた雪は飲料水となっていて旨かった。さらに温かい飲み物も作って腹ごしらえと休憩。
テントを撤収し明日登る予定の夕張中岳に向け芦別岳北尾根(旧道コース)をたどった。旧道コースってこんなに怖かっただろうかと思いながら歩みを進め、1579Pを下ったコルでCamp2とした。
昨年登山道の整備をして下さった方がいたようで、笹刈りと潅木や這い松の枝払いがされていた。ありがとうございました。
28日、風の吹く音は聞こえていたが、テント場は旨いことに風の当たらない場所だった。
1457Pから夕張中岳に向かって下る尾根に雪が繋がっているか心配だった。1457Pを過ぎた先で雪が繋がっていた。しかし下っていくと竹やぶ斜面となり崖となりそうなので左からそれを避けて雪の尾根上に降りれた。振り返ってみれば左斜面を大きく回り込めば雪は繋がっていたが上からでは様子がわからなかった。
1298Pを越えた所で、泊り装備をデポ。身軽になって夕張中岳へと歩みを進めていくと這い松の生えた細い尾根もあったが、問題はなかった。
いよいよ雪の急斜面の登りとなる。亀裂が入りずれながらも崩れ落ちずに残る雪はどんな条件で止まっているのだろうか?そんな所も登らなくてはならない。今はただ崩れないでくれと願いながら登っていった。
標高差20mほど這い松を漕ぎ、枯れた這い松が目に付く夕張中岳(1493m)の頂上に登りついた。風が無ければ昼寝でもしたくなる様な所だった。
贅沢だが、こうも毎日天気が良いとこの素晴らしい山岳景観も、もう腹いっぱいと言った感じだった。ただ入山規制になる前はずいぶんと遊ばせてもらった崕山は別だった。あの壁に打ち込んだマイピトンは今も健在だろうか?一人で話し相手が居ないせいか、思い出が次々と出てくる。
力強くピッケルを刺し込みながら下りきると、急に日差しが強くなってきた。
この3日間天気が良いのはよいが、雪面からの照り返しによる暑さにへたれぎみだ。
デポ地に着いて水作り、温かい飲み物作りをしながら再パッキング。
一旦平坦地(沼)へ下りそれを縦断してコルを越えユーフレ沢へと下り旧道コースを下ったが、以前に比べ登山道の荒廃が進んでいた。今回の山行の核心部は登山道の出た旧道コースだった。
プラブーツで歩く最後の砂利道はクッションが悪く疲れた足に辛かった。
ルート図とグラフにヒグマ目撃地点と標示されますが、私が入力したものではありません。削除の仕方もわからずです。
コメント
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10年前の記録を見て頂きありがとうございます。
すごいとかよく歩かれたと驚かれるような記録ではないです。
健脚ではないので時間をいっぱい使って楽しみました。
コメントありがとうございました。
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