立山
- GPS
- 07:25
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 947m
- 下り
- 963m
コースタイム
天候 | 雲のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
写真
感想
願いもむなしく、ガスが晴れない中を、前泊した「みくりが池温泉」を発ちました。ちなみに「みくり」とは「神庫裡」と書き、「神々の台所」を意味します。途中、国の重要文化財に指定されている「室堂」を拝観しました。この「室堂」は、現在は立山信仰の今昔を伝える資料館ですが、実は昔から参拝者が宿泊したり、祈祷したりする日本最古の山小屋です。実際、20年ほど前まで現役の山小屋として使用されていました。
まだ雪渓が残る登山道をトラバースしながら「一の越山荘」に登り上げ、ホットココアで温まりました。ここからが急勾配となり速度が一気に鈍ります。息子はぐんぐん行きますが、落石や滑落が心配なので離れる度に注意しなければなりません。社務所が見えてからも亀さんのような足取りに変わりなく、やっとのことで「雄山(3003m)」に立ちました。社務所でお祓いを受けた後、息子は高校合格祈願の絵馬を奉納し、お守りを賜りました。また人生初のお神酒を口にしてメロメロでした。たぶん下戸かもしれません。断崖絶壁に鎮座する「峰本社」でもお祓いを受けましたが、ガスっていたので恐怖心が薄らぎました。
続いて本峰最高峰の「大汝山(3015m)」に登りました。ここに立たないと「立山」に登ったことにはならないので最初から予定していました。次に三峰の一つ「富士ノ折立(2999m)」に登り、「真砂岳(2861m)」を経て、「別山(2880m)」に至りました。この頃から青空が抜け出し、「別山乗越(2760m)」に建つ「剣御前小舎」では、眼前に「剣岳(2999m)」の鋭鋒が聳えていました。ここで山菜そばを腹に入れて大休止し、ガスが引くのを待ちました。
「雷鳥平(2300m)」に下りるコースは花々が咲き誇りまさに「浄土」の如きで、しかも一枚ずつ雲が剥がれだし、まるで菩薩の御光に導かれているような空間でした。「賽の河原」の背後には本峰直下の「山崎カール」が大きく口を開け、ここは娑婆ではなく、紛れもなく「あの世」であることを実感しました。天幕賑やかな「雷鳥沢キャンプ場」に下山し、「みくりが池温泉」に登り返して「立山」主稜線の周回を無事に成し終えました。
「室堂ターミナル」に向かう途中、「室堂平」は固有種のタテヤマリンドウが盛りで、草地はもう黄色に染まり始めていました。息子は、「玉殿の湧水」が気に入ったようでペットボトルに詰めて持ち帰りました。期待の雷鳥とは対面できませんでしたが、ガスガスの山頂部に阿弥陀の世界を、そして花咲き、清き水巡る川に浄土を見た想いで、まさに霊山「立山」の真髄に触れた登山となりました。
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