石鎚山 北壁 トイルートと回収登攀
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- GPS
- 10:35
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 1,763m
- 下り
- 1,759m
コースタイム
天候 | 晴れ 昼以降は北壁は寒い |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
天候により3度目の計画で漸く実現した石鎚山北壁。日曜日の季節外れの雪で所々に雪が残っていて少し怖い感じもありましたが、これまでにないぐらいの晴天で高度感抜群のクライミングを楽しみました。
今回は弾丸ツアー、前日の20時頃に自宅を出発し仲間をピックアップ後、石槌を目指す。夜間は石槌スカイラインが通れない為に寒風山トンネルを出た処から、40キロのクネクネ道から土小屋を目指す。0:50に土小屋に到着。すぐに前泊用テントを張りウィスキーを一杯だけ飲んで消灯。普段の山行では早朝出発ばかりだが、流石に朝は寒そうなので6時起床にして7時半出発予定。鳥のさえずりで起床。もう外は明るい。ゴソゴソと朝食を食べ終えると、同じ日に山行を合わせてくれた先輩が軽トラでやってきた。みんな準備が早く結局、7時過ぎには土小屋を出発した。朝から晴天の右も左も絶景の中、ゆっくり土小屋を目指す。東陵分岐で先輩と一旦、お別れ。整備が大変だったろうなあ〜と感じる丸太の通路を通りながら三ノ鎖を目指す。見えてからが意外に遠いが見上げると北壁がそばにあり飽きさせない。三ノ鎖から、いよいよトラバース開始。4人とも初めてなので慎重に踏み跡を辿る。踏み跡の周りには結構、ゴミが落ちている。稜線から落ちてきたのだろう。プルタブ式の空き缶もあり懐かしい。思っていた以上に藪で踏み跡も後半は判りにくい。北壁の基部まできたが、トイルートの取付はよくわからない。人気のルートだろうから、直ぐに判ると踏んでいたが、それらしき場所は見当たらない。二手に分かれて探す。ロープ出した方がいいかな?と思うぐらいの、なんとなく踏み跡がある斜面を木を掴みながら登っていくと、踏み跡がしっかりある場所に出た。壁には古いリングボルトやハーケンがあるので、そのあたりを探しているとペツルのハンガーを見つけた。もしかしたら1ピッチ目を登ってしまい、ここが2ピッチ目のスタートなのかもしれない。革新はないが、ここからスタートしようと決め、いよいよトイルートスタート。いつものように取付でジャンケン、先にどっちが行くかのジャンケンも負け、相方にも負け、私は最終になったが、稜線に出る最終ピッチにリードが回ってくるので嬉しい。一人目がルートを探りながらだが順調にロープを伸ばしていく。大陽が丁度、上から出てきて眩しくて、殆ど見えない。3人が進み最後にフォローでスタート。土混じりの壁を左にトラバース気味に登って行く。湿った泥と動く岩もあり緊張感がある。支点も古いリングボルトかハーケンが多い。リードがアブミを出して越えた場所も難しく、AOで抜けて少し行くと終了点に着いた。そのまま、すぐにリードで最終ピッチに入る。もの凄い壁である。慎重に見ていけば、ある程度フリーでも行けそうな感じもしたが、雪や泥を踏んだクライミングシューズで微妙な箇所に立つのが怖く、そして、上では先に登った仲間が待ってるし、なによりアブミの練習をしてきたので、本番で使ってみたい(笑)という気持ちが勝り躊躇なくアブミを出した。広島の岩場より、次の支点が近く楽にアブミを掛けていけるので怖さもない。前半のアブミ区間を越えると土と雪が詰まったトイを踏みながら進む。最後はまたアブミを使い稜線に抜けた。稜線に手を掛ける最後の部分が少し難しかった。すぐにピナクルでセルフをとりフォローを引き上げる。最後に登ってくる仲間は、上から見下ろされ、色んな事言われるので大変だ(笑)全員、登攀完了。稜線で今月が誕生日の二人にサプライズ誕生日会をして、ラッペル準備。以前にはあった、ハンガーは全て撤去されている。トイルートを抜けた場所にあるピナクルでラッペルするのもちょっと怖い。結局、少しあがった場所にある大きな岩にスリングを掛け超高度感のあるカンテルートのある壁を降りて行くと、立派なハンガーがあり、そこからもう一回ラッペルで、ちょうどレリーフのあたりに下降終了。さて、ダイレクトルートの取付はどれかな〜と探しているとロープを回収をしてくれていた仲間が一生懸命ロープを引っ張っている。私も手伝い2人に引くが下りてこない。。。ロープの先っちょが、リングに引っかってるんだろうと思い緩めたりなんだりするがロープは降りてこない。。。そうこうしてるとロープの回収をしてくれていた仲間が「あ!」とナニかを思い出した。なんと末端のコブの解き忘れであった。。。まあ、やってしまった物はもうしょうがない。まだロープは三本あるし、最悪、2本持って頂上までいけば回収もできる。時間も思っていた以上に押してきたので、結局、ダイレクトは諦め、ロープの回収の為に先ほどのラッペル開始時点まで登り返そうと決め、1−2ー1で全員、登ろうとスタート。濡れている箇所もあるし一番強いO君でも、かなり慎重に登っている。しかも北壁は、もう陰になっていて寒くなってきた。時間も厳しくなってきたので1人はロープ回収後、先にラッペルの用意をする事にして私ともう1人だけ登る事に変更。私が2番目でスタート、乗越ていくような箇所やバランシーな箇所もたくさんあり、難しい、、、何カ所がAOしながら、なんとか到達。ダイレクトは行けなかったが、もう大満足な登攀だった。無事にロープを回収し、またラッペルで降りる。今日の登攀は終了。まだ時間もあるしラッペルで登山道まで帰ろうかという事になり、藪の中をラッペル開始。しかし、これが中々、大変だった。結局、登山道手前までラッペル4ピッチ、歩いてきた道を帰った方が断然、早かったが、これぞアルパインという感じで、みんな擦り傷だらけで登山道に着いた時はホッとした。下山予定時刻も過ぎていたので、早足で土小屋を目指す。これも意外に遠い。17:30頃に漸く、土小屋に到着した。スカイラインから帰りたいので急いで車に荷を積め、漸くホッとして皆で反省会をしながら広島まで帰りました。
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