鋸岳 戸台からピストン 急登のガレ場にヘトヘト (山梨百名山88座目)


- GPS
- 12:39
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 2,021m
- 下り
- 2,011m
コースタイム
この山の鎖場は容易ではありません。
今までの山梨百名山の中で鶏冠山、乾徳山の長めの鎖場を経験してますが
足下が見えない所へ下りていくことへの恐怖感、岩がもろく手を掛けたら崩れると
今までにはない体験をしました。
山梨百名山の1座として登られ方もいると思いますが、
ロープワーク等を覚えて行かれる方が、より楽しく後悔のない山行になると思います。
今回は正直、考えが甘かったと思っていますし、鹿窓、第二高点に行けずに
悔しい思いをしました。一緒に行ったfickleさんも悔しかったと思います。
ということで、この山に日帰りで登られる方の一助になればと思い、できるだけ詳細を記入します。
◆必要なスキル
・セルフビレイができる→鎖場対応
・ヘルメット→鎖場での落石対応
・ルートファインディング→ピンクをロストする場面が多い
・渡渉点をいかに早く通過できるか→川の水量が変化する
・ガレ場が登りやすいように底の堅い靴が良い→鳳凰三山の鳳凰小屋から地蔵まで のザレ場のように3歩進んで2歩下がる。
・アプローチが長く、急な樹林帯、ガレ場はかなりつらいので体力勝負。
その後に、さらに鎖場が待っている。
◆最短で進み安全に帰る為のポイント
〜畚个鷲須
飲料水、行動食は十分に持ち、休憩に時間をかけない
水量が多いと判断した場合、渡渉ポイントは探さず、素直に靴を脱ぎ渡る。
もしくは水陸両用靴で渡渉が終わるまで進む。
今回の水量は膝までありました。
水の勢いがあり、流される可能性があります。
濡れて困る物は防水対策を。
また、ストックがあるとバランスが取りやすいです。
渡渉するときは、足裏で滑らないか川底の感触を確かめながら、
足裏を持ち上げず、摺り足で進むとバランスを崩しにくいです。
下山時にケルンの脇から川岸を下りながらで靴を脱がずに渡れる
ポイント探すもなかった。
ゥレ場はとにかく右側をひたすら登り、コルを確認しながらルートを探す。
ピンクに惑わされない。
鎖場は安全優先で。
◆コースタイム
5:58駐車場−第一堰堤(河原へおりる)−6:44第二堰堤(水門がある)−6:50第三堰堤(北沢峠の標識と階段あり)−広い河原を反対側へ渡る(渡渉2カ所)−7:12第四堰堤−7:47角兵衛沢渡渉点8:10−8:33角兵衛沢一合目(横岳分岐)−8:55三つの大岩−9:59大岩下ノ岩小屋(昼食)10:43−12:03角兵衛沢のコル−12:24鋸岳第一高点12:40−12:50小ギャップ−13:06−13:16鋸岳第一高点−13:29角兵衛沢のコル−14:39大岩下ノ岩小屋15:05−15:36三つの大岩−16:10角兵衛沢渡渉点−17:20第四堰堤−広い河原を反対側へ渡る(渡渉2カ所)−17:41第三堰堤(北沢峠の標識と階段あり)−第二堰堤(水門がある)−第一堰堤−18:38駐車場
※時間が無いところは写真がなくわかりません。
◆山行時間
登り歩行時間(駐車場→小ギャップ) 5:29
下り歩行時間 (小ギャップ→駐車場) 5:06
休憩及び昼食 1:26
停滞(渡渉、足踏み) 0:39
計 12:40
◆行動距離
19.7km
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
◆水場 大岩下の岩小屋にあり。 水量確認できず。 ◆登山ポスト 駐車場にあり。 ◆トイレ ありません。 道の駅はせ か 北沢峠行きバス基地の仙流荘 で借りる。 ◆登山道 ガレ場は歩きにくく、歩く度に自分で落石させます。 複数人数で行く場合は、お互いに注意が必要。 鎖場はロープワークを習得しておく必要を感じます。 鎖だけで下りることは危険と感じ、 第一高点から第二高点へ行きませんでした。 長いアプローチや渡渉点探し、道をロストすることもあり体力的にもかなり必要です。 今までで一番きつかった。 ◆服装 上:ベースレイヤーの上に速乾吸湿のTシャツとアームカバー 下:機能タイツにショートパンツ ◆水 飲料用:バーム1箱ほぼ飲みきり 煮炊き用:水 1箱飲料用にも使用し、ほぼ使い切り。 ◆会った人 登り 2人(釣りする方) 頂上 0人 下り 0人 |
写真
感想
山梨百名山難山4の鋸岳に挑戦。
梅雨の合間の晴れを狙い、1週間fickleさんと天気の相談をしつつ、土曜日は好天が見込まれる為、決行。
3時半に起きて準備を始めると嘘のように天気が良い。
予報通りだ。
4時にfickleさんが私の家に到着。
伊那ICまで車を飛ばし、仙流荘の前を通過。
北沢峠へ向かう人が結構いる。
さらに進んで、駐車場到着。
先着1台。竿入れを持っているので釣りかもしれない。
準備をして長い河原歩き開始。
だらだらと長いが、天気がどんどん良くなっているのでテンションUP。
三つ目の堰堤(第三堰堤と勝手に命名)を過ぎ、広い河原に。
ここで渡渉が2回ある。
本来ならピンクを追って斜めに対岸を目指せば最短でいける。
靴を脱がずに行けないか、左岸を暫く歩き、行ける所までいくと
なんとなく浅瀬に飛び石が。
私がまず無事に渡り、fickleさんにストックを渡す。
ストックを使いながらfickleさんも渡るが、ドボン。
彼はこの後、クチャクチャとした感触が靴の中で続くことに。
その後は右岸を進む。
ピンクを見つけながら樹林帯の中や河原を進む。
角兵衛出合に到着。
一番深い渡渉。
流れもそこそこに速く、靴を脱がずに渡れないか少し上流まで行ってみるがみつからない。
fickleさんはあきらめて靴を脱ぎ、釣り人に手助けしてもらいながら渡渉。
私も靴を脱ぎ、ストックを使いながら渡渉。
渡渉で大分時間をロスする。
ケルンを抜けて樹林帯の急登に突入。
入り口付近でロスト。
渡渉を抜けた気の緩みか・・・
とにかくピンクを見つけながら沢沿いを進んで下さい。
尾根伝いはロストしてます。
横岳峠との分岐を大岩下方面へ進む。
三つの大岩がある辺りから、さらに苦しい登りが始まる。
この頃からかfickleさんのペースがダウン。
顔色も悪くなって来たので、大岩下ノ岩小屋で休憩に早めの昼食を取る。
シャリバテだったのか、その後はfickleさんも回復。
長いガレ場の急登を登りにかかる。
しばらく右側を登っていたが、ガレ場の真ん中にピンクを見つけた為
左側へ行ってみる。
急だがガレていない為、登りやすい。
テン場も発見した。
しばらく左側を進むが、小さい石のガレ場が現れ歩きにくいので再び、右側へ渡った。
すると、木々が生い茂る中に登山道がジグザクとできている。
このガレ場はとにかく右側を登るが正解だ。
fickleさん、私よりも体格がいいので、ガレ場にかなり苦しんだ。
踏み出す度に、ガラガラと滑ってしまう。
なんとかコルに取り付く。
コルの辺りはお花畑状態。
八ヶ岳まで見渡せなかったが、白州町方面も眺めがよく
大岩山??、水晶のナギ??辺りが見えているようだ。
比較的段差がある岩場の急登を登りきると第一高点到着。
甲斐駒、仙丈は見えないが、まずまずの展望が得られた。
ここで小休止後、第二高点へ向かう。
小ギャップの鎖場が見えて来た。
第一高点側の下りが6m位。第二高点側の登りは20m位。
下りの方はオーバーハングしているのか下がよく見えない。
私が周囲を散策していると、fickleさん、既に鎖を下りだしている。
上から見ていて怖い感じ。
「うわっと」言う声がして、その後、ガラガラとすごい音をたてて石が落ちていく音。
右手をかけた岩が、ボロッと落ちたそうだ。
一瞬、右手で岩を支え、自分の方へ落ちないように外側へはじいた。
その間、左手、一本で落ちないように体を支えていた。
一旦、登るように声をかけ、二人で協議。
鎖場が3カ所あるはずだが、鹿窓の鎖場が一番危険な様子。
最初でつまずき、さらに時間も大分押してきている。
既に13時。
鹿窓、大ギャップ、第ニ高点、中ノ川乗越で2時間弱かかる。
下りに2時間。河原歩きが2時間とすると19時。
疲労と道迷いも考えると、20時頃になりそう。
ヘッデンはあるが、体力的にも厳しいと判断し、引き返すことにする。
なんとなく、二人とも納得がいかない雰囲気の中、下山を開始。
fickleさんはガレ場で何度か転んだ。
どうしても石が流れて踏ん張れないからだ。
昼食を取った場所で、小休止。
第二高点で飲むために取ってあったオールフリーを分けて飲む。
なんかモヤモヤしたものがあったが、これで良かったと二人とも納得。
また、登れば良い。山は逃げない。
でも、キツイ山だから、リベンジするかな??
長い樹林帯を下る。
登山道と同じ向きに生えた根っこに乗るとツルツル滑る。
疲れているが気が抜けない。
やっとの思いで、角兵衛沢出合に到着。
川を沿いを登山口へ進みながら靴を脱がずに渡渉できないか探す。
もう進めない所まで来たが、やはり渡渉できそうな所はない。
靴を脱ぎ浅瀬を探して渡る。
ここから長い河原歩き。
大分バテバテの二人。
雨も降らずにラッキーだったが、夕日がまぶしい。
振り返ると、双子山と駒津峰。そして鋸岳。
厳しい山であった。
駐車場につくと、渡渉点で助けてくれた釣り人の方も
ちょうど帰り支度をしていた。
釣果はイワナが10匹以上。
往復4時間かけて、ポイントまで来て釣りを楽しみ
全てキャッチ&リリース。
高山植物を持ち帰らない、山の掟にも似ている。
帰りに伊那名物ソースローメンを頂く。
焼きそばの物を食べたことがあるが、麺が汁に浸っておりびっくり。
こちらが元祖だそうだ。
今日は山に翻弄された1日であった。
コメント
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日、月で同じコースを甲斐駒ヶ岳まで縦走してきました。
ガレ場の通過は、このレコを読んでいたので迷わずに行けました。
ありがとうございました。
是非、リベンジしてください。
hagakure様
レコがお役に立ち、こんなにうれしいことはありません。
できるだけ詳細に、迷いそうな所はマークを入れてレコを書き一助になればと思っています。そんなことからコンタクトを頂き仲間が増えて行くのも楽しいです。一緒に行ったfickleさんとは黒戸尾根からリベンジをしようかねと話をしていました。いずれにせよ、ロープクライミングはできるようになりたいです。
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