レンゲツツジとスズラン咲く烏帽子岳・湯の丸山〜池の平・高峰温泉
- GPS
- 08:48
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 991m
- 下り
- 757m
コースタイム
【day2】0515湯の丸キャンプ場-0705烏帽子岳0715-0815湯の丸山-0845つつじ平-0915湯の丸キャンプ場1100-1200池の平湿原1310-1350高峰温泉
天候 | day1: 晴れ時々曇り day2: 曇りのち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
【復路】1617高峰温泉〜2017新宿(JRバス 3000円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■道の状況 梅雨入りして道がぬかるんでいるようです。危険箇所は特になし ■登山ポスト 見かけませんでした ■温泉 湯の丸高原ホテル 600円(受付の人は24H入れますと言ってましたが、、、?) 高峰温泉 500円 (11:00-16:00) ■飲食店 湯ノ丸高原には地蔵峠にホテルと土産物屋が数軒、 高峰高原にはオシャレなカフェを併設したビジターセンターがありますが、火水は定休 高峰高原ホテルにはレストラン(割と高価)がある模様 |
写真
装備
個人装備 |
免許証
保険証
クレジットカード
ガイド地図
手帳
計画書
携帯トイレ
水筒
アミノ酸飲料
ティッシュ
アルコールティッシュ
バンドエイド
タオル
帽子
雨具
防寒着
スパッツ
手袋
筋サポタイツ
下着
着替え
洗面道具
日焼け止め
ファーストエイドキット
ヘッドランプ
カメラ
携帯電話&充電器
時計
非常食
|
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共同装備 |
テント
フットプリント
シュラフ
ウレタンマット
コンロ
ガスカートリッジ
調理用具
コッヘル(鍋)
食器
ゴミ袋
キャンドル
ライター
ナイフ
プラティパス
調味料
|
感想
レンゲツツジのいい季節に、湿原キャンプしたいな〜、どこがいいかな〜、梅雨だから軽めのコースで、濡れたら冷えるから温泉あるところかな〜、となると尾瀬・日光か上信越高原かな〜、と登山ガイドをいくつか見ていて、ロンリープラネットの『Hiking in Japan』の一行からヒントをもらう。それは「浅間山」と題して、実際には高峰高原から黒斑山をピストンしたあと、水ノ塔山、東篭の登山と縦走して池の平湿原に出て、三方ヶ峰と見晴岳を通って湯の丸高原に下りるコースを紹介したものだったが、最後に「このエリアを味わう最良の方法は、観光客が帰った後の湯ノ丸高原か浅間山荘でキャンプすること」と書いてある!これだ!
調べてみると、湯の丸高原のツツジは60万株もあり国の天然記念物に指定されているため、季節運行の路線バスが6月下旬〜7月上旬のつつじ祭り期間中のみ毎日2便走っているという。しかも6月中に限り、高峰温泉から新宿行きの直行バスがキャンペーン価格になっているタイミングの良さ。逆コースで縦走するにはうってつけではないか。
そんなわけで、天気予報を見ながらあわててブーツを磨いて寝袋とテントを日干ししてパッキング。
前回の谷川主脈縦走が台風3号の近づく最中でさんざん雨に打たれて、翌週は台風4号のせいでほぼ毎日絶望的な雨量。今度こそは梅雨の中休みを狙いたいけど、仕事もあるし、慎重になりすぎるとお花が終わっちゃうし、、、で悩ましいところですが、tenki.jpの予報で晴れないし曇りが2日続いたオフの日にすかさず今シーズン初のソロテント泊に出撃しました。
1日目は素晴らしいお天気で、小諸駅でのバス乗り継ぎの1時間余りを利用して懐古園とその周辺を歴史散歩。青空の向こうに真っ白な雲がたなびく浅間連峰が見え、停車場ガーデンのお花もいきいき咲いており、期待が高まります。湯の丸高原行きのバスに乗車したのは自分ひとりでした。。。廃止路線まっしぐらだな>< バスのアナウンスによると、湯の丸高原の先にある鹿沢温泉は昔から効能あらたかで名が通っており、湯治に通う人が苦労して峠を超えていたそうで、その人たちの安全を祈願して道路沿いに百体の千手観音が設置されたとのこと。それで湯ノ丸高原ホテルのある峠のことを地蔵峠というのか〜。
地蔵峠の駐車場には平日にも関わらず、車がびっしりと停まっており、人気の高さがうかがえます。ホテルでキャンプ場の受付をしてもらいます。ロンプラにも書いてあったけど、とても感じの良いお出迎えで、ホテル宿泊者とキャンパーに対する差別?はみじんも感じられず、温泉は24時間入れますよ、でも小学生の団体さんが夜7時頃はちょっと騒がしいかもしれません、と丁寧に教えてくださいました。ちなみに持込みテントは大中小と大きさによって料金が分れており、自己申告制ですw
キャンプ場は臼窪湿原の方へ15分ほど上がったとこにあり、件の小学生たちが炊事場でさかんに飯ごう炊さん&カレー作りに励んでいました。サイトは明るく開けた草地で、針葉樹に縁取られそこかしこに白樺とレンゲツツジが美しいコントラストを描いています。奥には木道が敷かれた湿原がすぐ。どこに張っても良さそうなので、炊事場とトイレからなるべく遠く、湿原の近くのフワフワの草の上に陣取ります。お天気は下り坂予報だったけど、雨は大丈夫そうだったので、テントを張る前にまずは湿原と登山道のチェック。アマドコロとアヤメが少々咲いておりました。ひとまわりして帰って来たら、カレーを食べ終えた賑やかな小学生たちはホテルの方へと下りてしまい、サイトには私ひとりぼっち。あれ?みんなバンガローに泊まるんじゃないの?汗 ゲートに熊出没注意って看板出てたけど大丈夫???汗
そういえば夏至を迎えたばかりでやたら日が長い。私もアンチョビと夏野菜のパスタの夕食を終えたあとの時間を持て余し、小学生に続いて温泉に浸かろうかとも思ったけど、帰り道に薄暗い道を(熊におびえつつ)歩くのがおっくうでやめておいた。夜は晴れて星も出ていたようだけど、朝方にはテントを叩く雨の音がした。標高1800mを超えているので気温はだいぶ下がったと思うけど、厚めのダウンシュラフを持って来たので快適に眠れた。
翌朝明るくなったところで天幕の外をのぞくと、霧がたちこめもやっとしているが雨は降っていない。今日は早めの行動が勝負だな、と思っていたので、4時には起きて朝食の支度をして、テントは張りっ放しでサブザックに小さく荷物をまとめ、5時過ぎには出発。ヤマレコを色々読んでいて、湯の丸山のリフト下の登りが案外キツイので巻き道を使って烏帽子岳に先に回った方がラク、という情報を得ていたので、縦走前半で無駄にエネルギーを消費したくなかったため素直に臼窪湿原を左に見ながら烏帽子岳登山口と書かれた看板のところから樹林帯をゆるやかに登っていく。この朝のピーンと張りつめた涼しさの中を登るのは本当に清々しい。しばらく行くと、レンゲ平への分岐に出て、そこからはカラマツの明るく平坦な道を歩いて、左手に見晴らしが良くなってくる。ほどなくして湯の丸山と烏帽子岳の鞍部があり、そこからはいよいよ烏帽子岳の斜面を登って行くのだけど、ここが素晴らしいお花道!!!!
この時期どこの山域でもお目にかかるマイヅルソウとコイワカガミのお出迎えはもちろん、ゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、サラサドウダン、グンナイフウロ、ハクサンチドリ、スズラン、ツガザクラ、ベニバナイチヤクソウ、ミヤマハンショウズルと、会いたかった私好みのあのお花このお花が次々と登場し、標高を上げて行くとズミもまだ元気に咲いていて大興奮。お花たちにあまりに可愛らしく足止めされるため、コースタイム通り前に進めません、とまっすぐ家に帰らずついついキャバクラに寄ってしまい妻に怒られるダメな夫の言い訳みたい。違う言い方をすると、曇りの朝で光量が足りず、マクロで撮ろうとすると手ブレを起こしてマトモに撮れず何度もやり直しを迫られる。うーん、やっぱり手ブレ補正がついたカメラじゃないと、、、って今度はカメラのせいかい。
そんなこんなで、2時間もかかってようやく頂上付近のガレ場にさしかかり、あたり一面、見事に笹原&レンゲツツジの斜面を見下ろす。ガスが時おり晴れると、湯の丸山やスキー場のゲレンデが見えたり、遠くにどこの町だかの盆地が見えるけど、四阿山を同定することはできなかった。
可愛いお花たちが引き止めるのを必死に振り切って、今度は湯の丸山へと直登する。途中で雨がポツポツ降り出し、雨具を着て蒸れながらあえぎながら、やっと到着した頂上はやっぱりガスの中で、眺望は得られず。まあ後のお楽しみは眼下に広がるレンゲツツジ大群落を眺めつつの楽な下りかな、と消化試合モードで下りていると、次から次へと登山者のグループが上がってくる。ほぼ全員に、山頂の眺めはどうか、烏帽子まで行ったものかどうか、聞かれたので、お花がすっごいですよ〜、行く価値はありますよ〜、と強力オススメしてみたものの、皆さん既にお疲れ気味で、賛同を得られず、、、うーん、やっぱり先に烏帽子行っといて良かったかも。ツツジ平ではジェリービーンみたいなカラフルな雨具を着た大量のハイカーが大声でおしゃべりしつつ徘徊していたので、早々に切り上げ、リフト降り場の所からまっすぐキャンプ場に戻りました。確かに広い牧場のような斜面に満開に咲いた圧倒的なボリュームのツツジ群落を霧の中で見るのは幻想的で、大人と言えどもはしゃぎたくなってしまうのかもしれないけど、私はやっぱり上の方で見たツツジが良かったな。
雨が強くなって来たので、テントの中に入ってラーメンを作ってあったまり、たっぷり休憩したあと、ノロノロとテントを撤収して地蔵峠へ。湯の丸高峰林道からほどなくして「熊出没注意」と書かれた薄暗い登山道の入口に、意を決して入って行く。樹林帯のほうが雨に打たれずに済むかと思ったけど、人っこひとり歩いてないコメツガの森は、いかにも「出そう」な雰囲気で怖い。実際こういうシチュエーションで今まで2回も熊に遭ってるからな。。。しかし足元にはユーモラスな形のギンリョウソウがひょこひょこ顔をもたげ、マイヅルソウやゴゼンタチバナたちが応援してくれているので、おそるおそる気配を伺いつつ歩いていると、突然前からもそっとした四つ足の動物が近づいてくるではないか!フリーズして動けないでいると、相手はクマちゃんではなくカモちゃんで、チカラが抜ける。好奇心が強く物怖じしないカモシカは、じっとしているとどんどん近寄って来て、こっちに絶えず目を配りつつもぐもぐタイム。あまり逃げないのでひとつ撮影してやろうとザックをおろして雨蓋を開けた所で、逃げられた。なんだよう。しかしこれで緊張がとけて、ガシガシ登っていると、前から小学生の団体さんが下りて来た。ほどなくしてリフトの頂上らしきところに出て、車道をつっきる。当初予定では、見晴岳と三方ヶ峰経由で池の平湿原へと向かう登山道を歩く予定だったのだけど、どこで間違えたのか、池の平へ直行する登山道の方へ入ってしまった模様で、あっという間に池の平の駐車場前に出てしまった。頭の中に描いていた地図が無効になってしまったので、いったん駐車場の脇にある避難所に入って、一休みしつつ作戦タイムをとることにした。
小屋の中はすでに満員のお客さんがテーブルを囲んでもうもうと蒸気を上げてのランチタイムだったので、私は隅のほうに濡れものを全部脱いで、腰をおろしてお湯をわかし、甘いカフェオレとマドレーヌで脳内に栄養を送る。さてどうしよう。時計はまだ12時を回ったばかり、コマクサを見に三方ヶ峰に戻ってから篭の登山の稜線に上がる時間はあるっちゃある。その場合、池の平湿原一周はちょっと難しいかな。しかしいずれにせよ標高2000mまで上がって来て、途端に風が強まったので、このあと3時間も濡れて歩くことを考えるとちょっと憂鬱。考えた末、避難小屋の隣にある詰所にいる指導員の方に傘をお借りして、荷物を残してとりあえず湿原まで偵察に行ってみることにした。開けた所に出てみると、傘があおられて体ごと持って行かれそうなほどの強風。しかもお花の種類はまだ少ない。湿原のまわりをふちどる稜線は魅力的なラインを描いていて誘われるけれども、谷川の縦走の時の疲労感が瞬時にしてよみがえったので、湿原の半分ぐらいまで木道を歩いたけれども小屋に引き返すことにした。そうして、林道をまっすぐ下りるエスケープルートで高峰温泉に直行して、バスが来るまでのんびり過ごすことに決めた。
池の平から先の林道は舗装されていないガタガタ道で、通る車も少なく、木々に遮られて多少は風の影響も少なかったので、あっという間にランプの宿に着いてゴール。14時前だった。品の良い山小屋風ホテルにずぶ濡れのまま入って行くのは申し訳ない気持ちでいっぱいだったけれど、こちらの従業員の方もたいへん優しく迎えてくださり、私から烏帽子岳から歩いて来たことを聞き出すと、ザックやブーツも含めて濡れものは全部暖炉の一番前に置いて乾かしてくださいね、そして新宿行きのバスの時間までたっぷり時間はあるし、今日はお客さんも少ないので、ゆっくり温泉に使ってください、と労をねぎらってくださり、小生感激しきり。実は以前、黒斑山の帰りに立ち寄ったことがあるのだけど、心なしかその時よりもずっと温かい応対だったような?同業相哀れむみたいな?でも今回は谷川の反省を思いっきり生かしてるから、中はあまり濡れてないし疲れてもいないんですけど、ここはオアシスですね。。。
ゆっくり1時間かけて気持ちのいいにごり湯に浸かり、居心地の良いカフェスペースで野沢菜おやきとクマザサのお茶を美味しくいただき、山の本や雑誌をひろげながらもう1時間くつろいで。バスの時間までには濡れものもだいぶ乾いて、本当に助かりました。そして若手の従業員の方が、土砂降りの中、目の前のバス停まで他の宿泊客の分ともども私のザックを持つと言って聞かないので、根負けしてお願いしてしまいました。。。うううなんと心のこもったもてなしだろう。私も年をとって余裕のある生活をするような日が来たら、いつか絶対ここに泊まってたくさんお金を使うんだ、と心に決めたのでした。
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