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Yamareco

記録ID: 316013
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
尾瀬・奥利根

会津駒ヶ岳・大先輩の遭難慰霊碑を訪ねる

2013年06月30日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
12.3km
登り
1,271m
下り
1,259m

コースタイム

6/30(日)
4:00起床
5:00車で登山口に移動開始
5:15登山口駐車場
5:25滝沢登山口
6:55水場
8:30会津駒の小屋8:50
9:08会津駒ヶ岳
9:45中門岳10:00
10:05会津駒の小屋11:30
13:40登山口
天候 晴れのち雨強し
過去天気図(気象庁) 2013年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
19時30分都内出発、東北道・西那須野塩原ICを下りて国道400号線、121、352号を経由して約90km。桧枝岐村民グランド着23時45分頃。

コンビニは西那須野塩原ICから塩原方面に5分ほどいったところにセブンイレブンが2軒、その先40分ほど行った国道121号線に1件コンビニがありましたが、こちらは深夜も営業しているか不明。

村民グランドの駐車場に車を止めて車中泊しました。他に登山者らしき車はなし。
ここの無料駐車場は登山での利用可能だそうです。トイレもあります。 

朝方に登山口まで車で移動しました。
コース状況/
危険箇所等
残雪は駒の小屋手前からあり。ただ、当日午後から大雨だったので、今はかなり融けていると思われます。
小屋から山頂〜中門岳間はほとんど雪道です。

下山後の温泉は、桧枝岐温泉駒の湯へ。大人500円也
http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/spa/hinoematakoma/hinoematakoma.htm


帰りに蕎麦を食べて帰京しました。
六代目まる家http://www.naf.co.jp/maruyashinkan/sobamaruya.stm

国道を御池方面に向かって登山口から2〜3分ほどです。


車中泊の場所の情報はpippiさんの記録を参考にさせてもらいました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-313643.htm
早朝、車中泊した村民グランドの駐車場です
2013年06月30日 04:56撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 4:56
早朝、車中泊した村民グランドの駐車場です
雲は多少あるけれどいい天気
2013年06月30日 04:57撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 4:57
雲は多少あるけれどいい天気
トイレもあって駐車場も広く、車中泊にはちょうどよかったです。
2013年06月30日 04:58撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 4:58
トイレもあって駐車場も広く、車中泊にはちょうどよかったです。
車で10分ほど林道を登り、つきあたりのゲート付近に駐車。登山開始
2013年06月30日 05:25撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 5:25
車で10分ほど林道を登り、つきあたりのゲート付近に駐車。登山開始
有名な階段
2013年06月30日 05:25撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 5:25
有名な階段
最初は樹林帯の九十九折
2013年06月30日 05:59撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 5:59
最初は樹林帯の九十九折
まだ5時台なのに意外と暑い
2013年06月30日 07:05撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 7:05
まだ5時台なのに意外と暑い
ところどころ赤テープがあって快適
2013年06月30日 07:06撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 7:06
ところどころ赤テープがあって快適
2013年06月30日 07:12撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 7:12
2時間弱歩いた頃から残雪が表れます
2013年06月30日 07:28撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 7:28
2時間弱歩いた頃から残雪が表れます
踏み跡明瞭なので問題ありません。アイゼンなくても大丈夫でした。
2013年06月30日 07:50撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 7:50
踏み跡明瞭なので問題ありません。アイゼンなくても大丈夫でした。
2013年06月30日 07:55撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 7:55
2013年06月30日 07:57撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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木道沿いのベンチが見えてきたら、小屋まであと一歩。
下ノ沢越しに大戸沢岳
2013年06月30日 08:03撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 8:03
木道沿いのベンチが見えてきたら、小屋まであと一歩。
下ノ沢越しに大戸沢岳
木道は少々滑りやすかったです
2013年06月30日 08:05撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 8:05
木道は少々滑りやすかったです
下ノ沢はかなり急峻な沢になっていますね。大正15年の遭難はこの谷に迷い込んだそう。
2013年06月30日 08:05撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 8:05
下ノ沢はかなり急峻な沢になっていますね。大正15年の遭難はこの谷に迷い込んだそう。
ところどころ雪の上に木道が出ています。もうあと少ししたら、雪はなくなってしまうんでしょうね。
2013年06月30日 08:11撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 8:11
ところどころ雪の上に木道が出ています。もうあと少ししたら、雪はなくなってしまうんでしょうね。
この大斜面を一気に登ると小屋
2013年06月30日 08:14撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 8:14
この大斜面を一気に登ると小屋
小屋のベンチから会津駒ヶ岳山頂方面
2013年06月30日 08:32撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 8:32
小屋のベンチから会津駒ヶ岳山頂方面
小屋から山頂までは快適な稜線歩きです。
2013年06月30日 08:38撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 8:38
小屋から山頂までは快適な稜線歩きです。
つつましやかで、いい小屋です。いつか泊まってみたい。
2013年06月30日 08:44撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 8:44
つつましやかで、いい小屋です。いつか泊まってみたい。
小屋からトイレに向かう途中に、キリンテ方面の分岐があります。
2013年06月30日 08:45撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 8:45
小屋からトイレに向かう途中に、キリンテ方面の分岐があります。
平ヶ岳方面はかなり霞んでいます
2013年06月30日 08:48撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 8:48
平ヶ岳方面はかなり霞んでいます
燧ケ岳は山頂に雲が
2013年06月30日 09:00撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 9:00
燧ケ岳は山頂に雲が
雪の稜線を過ぎると、樹林帯の中の木道。滑りやすい
2013年06月30日 09:02撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 9:02
雪の稜線を過ぎると、樹林帯の中の木道。滑りやすい
小屋から15分ほどで山頂。
2013年06月30日 09:11撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 9:11
小屋から15分ほどで山頂。
中門岳まで行く人は少ないようです
2013年06月30日 09:12撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 9:12
中門岳まで行く人は少ないようです
いろいろな人の記録を見て、
この稜線歩きを楽しみにしていました。
2013年06月30日 09:14撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 9:14
いろいろな人の記録を見て、
この稜線歩きを楽しみにしていました。
会津朝日岳
2013年06月30日 09:15撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 9:15
会津朝日岳
越後駒ヶ岳が見えましたが、やはり霞んだ上に雲があってよく見えず
2013年06月30日 09:16撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 9:16
越後駒ヶ岳が見えましたが、やはり霞んだ上に雲があってよく見えず
2013年06月30日 09:18撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 9:18
燧ケ岳はやはりキレイですね。GWに吹雪で敗退したので、いつか再チャレンジしたい。
2013年06月30日 09:21撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 9:21
燧ケ岳はやはりキレイですね。GWに吹雪で敗退したので、いつか再チャレンジしたい。
2013年06月30日 09:37撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 9:37
2013年06月30日 09:42撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 9:42
池塘越しに残雪かぶった緑深い山々。これぞ東北の山ですね。
2013年06月30日 09:42撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 9:42
池塘越しに残雪かぶった緑深い山々。これぞ東北の山ですね。
中門岳はこの付近一帯を言うそうですね。
2013年06月30日 09:44撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 9:44
中門岳はこの付近一帯を言うそうですね。
山頂の碑が若干斜めっているのが気になります
2013年06月30日 09:59撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 9:59
山頂の碑が若干斜めっているのが気になります
そうこうしているうちに、ちょっと雲いきが怪しくなってきたので、引き返します
2013年06月30日 10:04撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 10:04
そうこうしているうちに、ちょっと雲いきが怪しくなってきたので、引き返します
途中、雪の上から動かないトンボを発見
2013年06月30日 10:04撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 10:04
途中、雪の上から動かないトンボを発見
光と影、緑と白のコントラストがいいですね。
2013年06月30日 10:11撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 10:11
光と影、緑と白のコントラストがいいですね。
2013年06月30日 10:22撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 10:22
西の空はかなり暗くなってます
2013年06月30日 10:23撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 10:23
西の空はかなり暗くなってます
帰りは山頂を通らず巻き道経由で
2013年06月30日 10:27撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 10:27
帰りは山頂を通らず巻き道経由で
巻き道の入口に赤のポールが立っています。
2013年06月30日 10:27撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 10:27
巻き道の入口に赤のポールが立っています。
ここの木道、特に滑りやすかったです
2013年06月30日 10:28撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 10:28
ここの木道、特に滑りやすかったです
小屋について昼食。帰り運転するのでノンアルコールビールで。
2013年06月30日 11:01撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 11:01
小屋について昼食。帰り運転するのでノンアルコールビールで。
ガスってきた
2013年06月30日 11:39撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 11:39
ガスってきた
小屋にお別れ告げて、いざ下山
2013年06月30日 11:40撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 11:40
小屋にお別れ告げて、いざ下山
この斜面の下り、滑りやすくちょっと難儀でした
2013年06月30日 11:44撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 11:44
この斜面の下り、滑りやすくちょっと難儀でした
2013年06月30日 11:50撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 11:50
下山途中でとうとう雨に
2013年06月30日 12:30撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 12:30
下山途中でとうとう雨に
そしてかなりの本降り。登山道が川になっていました
2013年06月30日 13:35撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 13:35
そしてかなりの本降り。登山道が川になっていました
やっと到着
2013年06月30日 13:38撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 13:38
やっと到着
林道の側溝から水が溢れています
2013年06月30日 13:40撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6/30 13:40
林道の側溝から水が溢れています
早高生の遭難碑。国道から登山口に入る橋のたもとにあります。行きの時は見落としていました。

自分の出身高校の先輩です。
2013年06月30日 15:54撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 15:54
早高生の遭難碑。国道から登山口に入る橋のたもとにあります。行きの時は見落としていました。

自分の出身高校の先輩です。
大正十五年十月十八日第一早稲田高等学院在学中於駒ヶ岳遭難檜枝岐村民ノ真摯ナル努力モ空シク遂ニ永眠ス
昭和三年十月十八日当三周忌友人一同建之
2013年06月30日 15:54撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 15:54
大正十五年十月十八日第一早稲田高等学院在学中於駒ヶ岳遭難檜枝岐村民ノ真摯ナル努力モ空シク遂ニ永眠ス
昭和三年十月十八日当三周忌友人一同建之
大正15年10月18日、早稲田高等学院の3名が会津駒ヶ岳からの下山中に霧に巻かれて道を失っい、さらに季節はずれの新雪に見舞われ、そのうちの2名が疲労凍死したそうです。

2013年06月30日 15:55撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 15:55
大正15年10月18日、早稲田高等学院の3名が会津駒ヶ岳からの下山中に霧に巻かれて道を失っい、さらに季節はずれの新雪に見舞われ、そのうちの2名が疲労凍死したそうです。

吉野玉雄、西田健哉遭難之碑

手を合わせてから、帰京の途に着きました。
2013年06月30日 15:55撮影 by  TG-620 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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6/30 15:55
吉野玉雄、西田健哉遭難之碑

手を合わせてから、帰京の途に着きました。

感想

以前から行きたいと考えていた会津駒ヶ岳に行ってきました。

 会津駒ヶ岳については、高校時代ワンゲル部の顧問の先生から「むかし会津駒ヶ岳で、学院生の遭難があった」という話を聞いて、なんとなく「いつか行ってみたい」と思っていましたが、やっとこの機会に訪れることができました。


 都内を20時前に出発しましたが、みなさんの記録にもあるとおり、東北道・西那須野塩原ICを降りてからがとにかく長く、暗い山道を延々と運転しなければならず、かなり大変でした。インター降りてから2時間弱の山道です。

 高速を降りて5分くらい走るとセブンイレブンがあるので、ここで食糧を調達。ちなみにコンビニはこの先40分くらい走った国道121号線沿いにもヤマザキストアがありました。通ったのは22時半くらいでしたが、24時間営業しているかは不明です。

 あらかじめ調べておいた村民グランドの駐車場には12時ちょっと前に到着。
 ここはトイレもあるし、登山口まで車で10分くらいと便利な場所。ちなみに車は自分の1台のみ。意外と少なくて驚く。

 翌朝は4時起床、前夜にコンビニで買った朝食を食べて、5時頃出発、10分くらいで登山口に到着。

 ここで改めて出発の準備をして5時30分前に出発。

 最初はしばらく樹林帯の登り。まだ5時台なのにかなり蒸し暑い。もう夏山なんだなとしみじみ。

 50分に一度の割合で休憩しながら登ったので、途中の中間点にある水場はそのまま通過。

 2時間ほど歩くと、ようやく残雪が表れてくる。雪はゆるくて、アイゼンなしでも問題なく登れる。残雪が表れると、右前方に下ノ沢を挟んで山頂が見え隠れするようになる。
 緑の山肌に残雪をまとった姿が非常にきれい。残雪になったり、ときおり木道が表れたり、雪に埋もれた中にわずかに池塘が顔を出していたりと、変化があって楽しい。

 3本目で駒の小屋に到着、ここで20分くらい休憩。この手前に雪の大斜面があり、そこの登りが爽快でした。

 駒の小屋から山頂手前までは快適な雪の稜線歩きで最後5分ほど木道の階段を上がると山頂に到着。着いたときは2名ほどいましたが、しばらくすると誰もいなくなり、しばしの間山頂を独占。

 遠くは少し霞んで雲が出ているものの、燧ケ岳の端正な双耳峰がくっきりときれい。さらに遠くには平ヶ岳も。ただこちらはほんのわずかしか見えませんでした。

 さて、10分ほど山頂に滞在して、この後は中門岳までの稜線を散歩。

 中門岳まで行く登山者は少ないようで、この部分の往復で3パーティーしか会いませんでした。

 中門岳付近は特に池塘が美しく、行って損はなかったです。越後駒ヶ岳の大きな山容もすばらしかったし、遠くに見えた会津朝日岳もゆるやかそうな山頂が魅力的。
 会津や越後の山々は、やはり魅力的ですね。最近この山域が好きになってきました。


 中門岳からの帰りは山頂は通らず巻き道へ。この巻き道、意外に木道が滑って2度ほど転倒してしまった。この辺りからじょじょに遠くの空の雲行きが怪しくなってくる。

 小屋についての昼食は天気が怪しかったので軽く済ませ、12時前に下山開始。けれど歩き始めて1時間ほどで強い雨へと天候は急変。

 しばらくすると登山道が沢になるくらいの豪雨になってしまいました。

 帰りは休憩無しでひたすら歩き続けたので、写真を撮る暇もありませんでした。

 久しぶりに本格的な雨に遭遇。縦走だったら、100%停滞を選ぶくらいの大雨でした。



 さて、冒頭でも触れたとおり、今回会津駒ヶ岳を選んだのは、高校のずっと上の同窓生がこの会津駒ヶ岳で遭難死して、慰霊碑が建っているという話を聞いたから。行きのときには見落としていましたが、下山時にやっと見つけることができました。国道沿いの、意外と分かりやすい場所に建っていました。


 深田久弥の『日本百名山』の「会津駒ヶ岳」の頁でも、この遭難について触れられています。


「橋のたもとに、早稲田高等学院の生徒二人の遭難碑が、高田早苗学長の筆跡で立っていた。それは大正十五年(一九二六年)十月十九日の出来事で、一行三人は霧に巻かれて道を失った上に、季節はずれの新雪に見舞われ、そのうちの二君が疲労凍死したのであった。(中略)
顔に傷を作って檜枝岐へ着いた時はもう薄暗くなっていた。親切な宿の主人は『上ノ沢でよかった。下ノ沢だったら絶対下れません。早高生の遭難は下ノ沢で、屍体をわざわざ尾根まで運びあげてからおろしたのです』と言った。」


 事故があったのが1926年、自分が新制の54期卒でしたから、かれこれ自分の卒業した77年前という計算になります。

 10月の会津ですと、もう年によっては雪が降るようですね。登山道の右手に見えた下ノ沢は急峻で、地形図を見ると崖や滝が点在していて、確かに「絶対下れません」というのも納得。
 
 山頂からの尾根はなだらかなので、確かにガスが濃かったらルートを見失いやすかったです。ガスで道に迷った上に雪が降り始めて、焦って下ノ沢方面に沢筋を下ってしまい、進退窮まって疲労凍死に至ってしまったのかもしれません。

 深田久弥も会津駒ヶ岳からの下山時に道に迷って、沢筋を強引に下って大変な目に遭ったという話が出てきます。「下ノ沢だったら助からなかった」という話が出てくるということは、相当険しい谷なのでしょう。


碑文には
「大正十五年十月十八日 第一早稲田高等学院在学中 於駒ヶ岳遭難 檜枝岐村民ノ真摯ナル努力モ空シク遂ニ永眠ス
昭和三年十月十八日当三周忌友人一同建之」

とありました。碑文にわざわざ村民の救助活動のことが書かれていたことからも、遭難事故に村が総出で尽したことが想像できます。

石碑は当時の大学のほうの総長だった高田早苗が揮毫していました。

当時はかなり衝撃的な出来事だっただろうことが想像できます。

 やっと見つけた石碑を前に、ゆっくりと手を合わせてながら、山で斃れた同窓の先輩の冥福を静かに祈り、帰京の途につきました。

 いろいろと感慨深い山行でした。

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コメント

wadachiさん、はじめまして!
会津駒ケ岳は未踏ですが、たくさんのレコで駒の小屋を拝見していつかは訪れたい小屋となりました。
次の雪のシーズンにと思っていましたがグリーンシーズンも素敵ですね!

それにしてもレコを拝見して驚きました。
なんとhibaはwadachiさんの先輩にあたるようで
ワンゲル部ではありませんでしたが。。

静かな山行、先達に学ぶことは多いですね。
素敵なレコありがとうございました。
2013/7/4 18:27
ありがとうございます(^^)
wadachiさん、こんにちは。初めましてですね

このたびは、私の拙いレコを見て下さいまして有難うございます。
wadachiさんのレコは的確に書かれているので、初めての方でも分かりやすいですね。
先程改めて自分のを読んだのですが、物凄く分かりにくくて(^^;)
解読出来たwadachiさん、凄いです

中門岳の碑も木道もだいぶ現れてきたようで、融雪の早さに驚かされました。
これからは緑の中に延びる木道、点在する池塘。
雰囲気が良さそうなので、再訪したいと思っております。

石碑に無事に手を合わせることが出来て良かったです。
wadachiさんが訪れたこと、喜んでいるのではないかと思います
2013/7/5 13:03
先輩でしたか
kamehibaさん
コメントありがとうございます。先輩だったんですね!
当日すれ違ったのは団体さん含めて30人くらいでしょうか。他の有名な山に比べて少なかったので、静かな山歩きを楽しめました。
2013/7/6 19:13
車中泊の場所、参考になりました。
pippiさん

車で山にいくごとに毎回悩むのは車中泊の場所なので、情報ありがたかったです。

あれだけたくさんあった雪も今月末には全て融けてしまうなんて想像できないくらい、雪が多かったですね。

今度は秋にでも小屋泊で行ってみたいです。
2013/7/6 19:15
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