湯ノ台口から雪渓歩き☆チョウカイフスマ咲く鳥海山
- GPS
- 34:00
- 距離
- 12.3km
- 登り
- 1,170m
- 下り
- 1,170m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
【復路】1931山形-2220東京 (山形新幹線つばさ158号 9360円) *オリックスレンタカー山形西口店 3日間11700円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■道の状況 湯ノ台ルートを使いましたが、地元の登山者の話によると、今年は残雪が多いそうで、河原宿小屋から大雪渓小雪渓と全部雪の上を歩くことになります。道標も雪の中に埋まってますし、ロープをはったり目印をつけたりもされてないので、朝一番だと他の登山者の踏みあともわかりづらく心細かったです。しかしながら天気が良かったので、地形をよくよく見て、雪渓の左側の端を歩くように登って行ったら正解でした。その後は特に難しいところはありません。神社から新山までは急な岩場ですが、ルートにはペンキで印がつけてあり問題なし。 ■下山後の温泉など 自分は吹浦の海辺にある西浜キャンプ場(持込みテント600円)に泊まっていたので、隣にある鳥海温泉・あぽん西浜(入浴料350円、21時まで)に入っても良かったのですが、汗をかいて気持ち悪かったので、途中の湯ノ台温泉・鳥海山荘(入浴料500円、21時まで)に入りました。山荘といっても上品なリゾート施設で、ここでのんびり過ごすのはオススメです。ちなみに、あぽん西浜併設のとりみ食堂にて定食や丼ものの食事ができますが、ラストオーダー19時と早いので注意。至近の道の駅鳥海の名物・岩ガキは17時には終了していて、吹浦には他に飲食店もなく、近くのスーパーの品揃えもイマイチ。キャンプ生活を楽しむには、遊佐のマックスバリューまでいかないとダメみたいです。そして山の静かなテン場に慣れた身には、下界のキャンプ場は電車や車の音がうるさかったので、次は設備がきれいで静かな滝の小屋に泊まると思います。 |
写真
装備
個人装備 |
免許証
保険証
クレジットカード
ガイド地図
手帳
計画書
携帯トイレ
水筒
アミノ酸飲料
ティッシュ
アルコールティッシュ
バンドエイド
タオル
帽子
雨具
防寒着
スパッツ
手袋
筋サポタイツ
下着
着替え
洗面道具
日焼け止め
ファーストエイドキット
ヘッドランプ
カメラ
携帯電話&充電器
時計
非常食
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共同装備 |
テント
フットプリント
シュラフ
ウレタンマット
コンロ
ガスカートリッジ
調理用具
コッヘル(鍋)
食器
ゴミ袋
キャンドル
ライター
ナイフ
プラティパス
調味料
|
感想
東北のどの山に登ってもだいたい見える、美しいコニーデ、鳥海山。いつ登ろうか考えて、ガイドブックに載ってるようなキスゲの咲く時期もいいけど、やっぱり雪がたっぷりついた初夏がいい!だけどその時期は公共交通手段(バス)がまだ開通してないから、どうしても前泊+レンタカーでピストンになってしまう。。。ソロだと高くつきそうだな。。。とためらっていたものの、探していれば道は開けるもので、麓の町の国道沿いに道の駅&温泉を併設したキャンプ場があるではないか!しかもレンタカーは海の日の連休前の平日なら格安!ってことで、月山とセットで山形遠征を組むことに。
憧れの山にどこからアプローチするか。これについても色々比較検討した結果、どれも長所があり、どの時期に何を優先して見たいか、に尽きるという結論に至りました。私の場合、雪渓を歩きたい、チングルマよりチョウカイフスマが見たい、なるべく人が少ないルートがいい!ってことで、せっかく吹浦のキャンプ場に泊まるというのにわざわざ湯ノ台口へまわることになりました。
前の日にちょっとしたアクシデント(怠慢)から月山で雨に降られて地図の入ったスマホとそのバックアップデバイス、そしてカメラと大事なものを濡らしてしまったため、地図+カメラなしで歩くことにちょっと凹みつつも、朝4時すぎにはテントを出て出発。登山口へは当然一番乗りかな?と思いきや、車が1台停まってました。むう。上には上がいるもんだ。
登り始めは樹林というか笹薮&灌木帯で、もくもくと歩いていると薮からワサワサ!ワサワサ!と大きな音がして凍り付く。く、熊さんのもぐもぐタイムにお邪魔した?!と思いきや、タケノコとりのおじさんでした。やーもう、びっくりしたなあ。
少し歩くともう滝の小屋、さすが東北の避難小屋だけあって無人なのにピカピカで設備が整っているし、すぐ近くに水場もある。うーん、ここに泊まるべきだったか。。。そこから石づたいに沢を渡って雪渓を抜ける道があったけど、どこから夏道にとりつくのかわからなかったので、いったん戻って橋がかかっているのが見えたので往路は安全確実に遠回りして登ることに。岩がごろごろした道をがんばって歩いていると、だんだん灌木がどんどん低くなり森林限界を抜け、眺めの良い道になる。前も後ろも自分が進む方向がクリアに見えると、こんなに気持ちいいことはないね。上にいけば行くほど、鉾立のほうの尾根もよく見えてくるし、帰りに歩きたいと思っている千畳ヶ原と月山森の地形も俯瞰できるようになってくる。
河原宿につくと、目の前はスキー場のゲレンデですか?といわんばかりの斜面がどーんと目に入る。これが噂の心字雪渓かー。自分のホームゲレンデの白馬八方でいうと、兎平から上みたいな中上級者に嬉しい斜度で、さらにスカイラインコースみたいな優雅なS字カーブを描いていて、変化があって楽しそう!でも歩いて登るのは結構しんどそう。。。というか、雪渓のどこを歩いたら良いのか目印がないし、早朝で踏み跡も不明瞭。うーん、ここは地形をよくよく観察して自分の野生の勘に頼るべし。。。ちょっと血沸き肉踊る瞬間です。そうそう、こういうのやりたかったんだ、私。
下から見上げると右手の方が急カーブにえぐれていて、あそこで足を滑らすとやっかいだな、しかもところどころクレバスではないが裂け目ができていて、ガスに巻かれた日には危ないかなと。ざっと見た感じそんなだったので、なるべく左側の端っこに沿って登って行くことに。幸い、雪は柔らかいし日帰りで荷物は少ないしストックもダブルで持っていたので、危ないことはひとつもなく、照りつける陽射しにただただ息を切らして足を前に出すだけ。大きい雪渓を登り終えて、次に小さくてさらに急な雪渓にとりかかる。こっちはちょっと危ないけどさすがに踏みあとがしっかり残っていたので、素直にたどって歩くと、最上部に夏道がちゃんと出ていました。1時間半、たっぷり雪渓歩きを堪能したわー。
ほどなくして伏拝岳ピークに到着。突然目の前に広がる千蛇谷と新山のゴツゴツした景色に度肝を抜かれ、外輪山のかっこいい尾根伝いを歩けば、次々とお花があらわれ。今時分はイワウメがまっさかりでした。こんなに大量のイワウメとアオノツガザクラに占領されたところってのも初めてかな?そういえばこの外輪山には肝心のチョウカイフスマが小さく目立たないように咲いているという話だったので、両側の絶景に気を取られつつも細心の注意を払って足元チェックしながら七高山を目指す。と、見慣れない白い星形のお花がひっそりと。。。これだ!間違いない!いや〜可愛らしいっす。固有種ですもんね。来た甲斐があったというものだ。
七高山のピークに着くと、目の前の新山直下の急な雪渓をガンガン下りてく登山者がいた。いや〜、私にはあそこを下る勇気はないなあ。。。やっぱりセオリー通り、いったん神社に下りて、裏側からまわるしかないかな。と七高山から折り返して千蛇谷に降りる分岐点まで歩いていると、さっき見た登山者と会ったので、ご挨拶。その方は愛知県の自宅を4月に出たっきり、ずっと東北の山をフラフラしながら旅しているのだとおっしゃっていました。いい生活だな。神社に着く頃にはすっかり飲み水が底をついてしまいそうだったので、小屋で調達しようかとのぞいてみたけれども人気なし。仕方なく、雪渓をほじって水筒をかき氷状態にして、おにぎりを食べてから、新山にとりつく。あとでお腹痛くなるかな、、、
荷物は小屋の前に置いて空身で来たので、ゴリゴリの岩場も楽しいばかり。別にKEENのピレネーでも十分雪渓も歩けるし岩場ものぼれるじゃん?ペンキの→にだいたいは従って歩いたら、あの魔界にそびえ立つ不気味な塔のように見えたピークも、あっという間に征服。四方八方の眺めを楽しんだ。
さて悩みどころは帰り道。折からの暑さで日本海からどんどん水蒸気が蒸発しているようで、まだ午前10時すぎだけど、もうすでにだいぶガスが上がって来ている。特に、鳥海湖方面は真っ白になっている。予定では千蛇谷をどんどん下って七五三掛のお花畑を見てから鳥海湖をぐるっとまわって仙人平から千畳ヶ原を通って月山森を巻いて河原宿に降りるつもりなのだけど。上から見てる限りでは、仙人平から千畳ヶ原までの夏道がたぶん埋まっていて、しかもガスが沸いてるし、ルートファインディングに苦労しそう。愛知のおじさんは、鳥海湖はまだ雪の下でよく写真で見るようなブルーではなかったというしな。。。逡巡していると、千蛇谷を汗水たらたら登って来た、いかにも地元の人そうなソロのおじさんがいたので、挨拶して道の状況を聞いてみた。すると、「まあ七五三掛に確かに花は咲いてますよ、でもこの辺に咲いてるのと基本的に同じ。ああ、チングルマとハクサンイチゲはあったかな。でもキスゲはまた遠くまで行かないと咲いてないし、千畳ヶ原のあたりは一度も歩いたことのない人には迷いやすいからやめた方がいいでしょう」とはっきりおっしゃる。良かった、聞いといて。
外輪山の帰り道も、全然退屈ではありません。帰りの雪渓もスリルがあって楽しいし、何より知ってる道なのでリラックスして花を愛でる余裕もある。雪渓ではこれから上がろうという人たちが陽射しにやられて座り込んだり、顎を出したりしていました。途中ガスがひどくなったり黒っぽい雲が寄って来たりもしたので、夏山はやはりお昼までに登っておきたいものだ、と思った。ひとり、日に焼けて屈強そうなおじさんがいたので、どこまでですか?と聞いてみたらやはり地元の方で、「しょっちゅう上がって来ているので今日はすぐそのへんの先まで行って戻って来ます」とのこと。いるんだな、東北には、こういうパトロールみたいなかんじで地元の山を毎週登ってる人が。河原宿の手前で、雪渓右手にあがると木道があり、月山森の方に道がついている。本来なら復路に使いたかった道。時間に余裕があったので、少しブラブラしてみた。うーん、何とも魅力的な雰囲気。次回は絶対にここをあるこう。秋がいいかな。小屋について、沢でおいしい水をたっぷり汲んでランチ休憩を取っていたら、先ほどの屈強なおじさんが戻って来たので、一服の間に色々話を聞くことができた。河原宿のあたりは、その昔(40−50年前)、キャンプ場だったそうです。今はすっかり笹原になってしまったけど、その奥にはキスゲが群生しており、なかなかに居心地がよいところだったとか。いわれてみれば、その方向に確かにキスゲの黄色が見えました。それから各登山口からの道の比較とか、車道の除雪の話とか、神社の経営する小屋の話とか、天候の話とか色々尽きなくて面白かった。そのおじさん曰くは、湯ノ台口が一番変化に富んで面白く、6月下旬が安定して晴れが多いとのこと。今年は特に雪が多かったということだから、まあ初めて来た割にはラッキーだったのかな。
大満足で下山して、汗でべたべたになった体をしずめるべく、林道途中で寄り道して、湯ノ台温泉へ。さきほどのおじさんオススメの、鳥海山荘だ。山荘とはいえちょっと汚れた登山者には気が引けるようなかんじの上品なリゾートで、温泉もこじんまりとしているけれど綺麗で露天もあり、眺めが良い。すっかりくつろいでしまいました。
あー鳥海、ほんと楽しかった。百名山どころか、好きな山ベストテンに入っちゃうかもしれないな。
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