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Yamareco

記録ID: 320364
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲信越

中ノ岳−丹後山

2013年07月13日(土) ~ 2013年07月14日(日)
 - 拍手
体力度
6
1~2泊以上が適当
GPS
29:00
距離
20.8km
登り
2,280m
下り
2,251m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

7/13(土)
4:30十字峡登山口−7:20日向山−9:15池ノ段分岐−9:55中ノ岳山頂−10:00中ノ岳避難小屋−10:27中ノ岳山頂−10:45池ノ段分岐−12:25-13:45小兎岳[道迷い]−14:08荒沢岳方面分岐−14:12兎岳−14:40大水上山−15:20丹後山−15:25丹後山避難小屋
7/14(日)
6:15丹後山避難小屋−8:17栃ノ木橋登山口−8:50ゲート−9:20十字峡登山口
天候 雨ときどき曇り
稜線部では風も(一番強いところでも、進めなかったりよろけたりするほどではなかった)
過去天気図(気象庁) 2013年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
三国川ダム(しゃくなげ湖)左岸の県道233号線を十字峡へ。
ダム湖右岸の道は、ダム管理所の手前あたりまでしか行けないようだ。
「十字峡までの道が通行可能となりました」(2013年5月31日 三国川ダム管理所)
url=http://www.hrr.mlit.go.jp/saguri/news/2013/20130531.pdf

十字峡登山センター前に駐車。
10台ほど駐車可(無料)。
連休だけあって、天気が悪いにもかかわらず帰る時点でほかに6台止まっていた。
コース状況/
危険箇所等
〈登山ポスト〉

登り口の階段横。
用紙も完備。

〈道の状況〉

■十字峡−中ノ岳
最初の急坂で息を切らしてしまうと後が苦しいので、ゆっくり登った。
なかなか雨が降り出さず、あらかじめ着込んだレインウェアが暑くてまいったが、五合目で休憩したときには肌寒かった。
五合目を過ぎると、いくつか雪渓がある。そのまま進んでいけば登山道があらわれる。雪渓の傾斜はないので、トレッキングポールでもあれば十分。
池ノ段から頂上にかけても、ピッケルやアイゼンは必要ない。傾斜のある雪の斜面を通らなくても、雪のないところに踏み跡がある。

■中ノ岳−小兎岳
登山道はすべて刈払いがされており、やせ尾根で崩落しかかった箇所にはトラロープも渡してあった。
ごく小さな雪田が連続して2箇所あるが、傾斜があってこわかった。滑り落ちても死んだり大けがをしたりする危険はなさそうだが、滑り落ちたくない。
1つめは、中ノ岳方面から来ると登りになっている。反対方向から来たときにピッケルなしで下るのは不安だと思った。
2つめは、そのすぐ後に出てくるほんの数メートルのトラバースなのだが、薄い雪が凍っていて、ピッケルの石突きがほとんど刺さらない。どうしようと思った次の瞬間に足を滑らせた。下まで落ちたとしても5〜10メートルほどだが、足を痛めたりしかねない。
雪のある部分のすぐ下側は土が露出していた。枯れたカヤが濡れて滑りそうで踏み跡もないので雪の上を進もうとしたのだが、土を渡った方がよかった。

■小兎岳−兎岳
刈払いはすんでいるが、鞍部の手前で登山道が雪の下に消える。ガスでまったく眺望がきかず、地図とGPSだけでは状況が把握できなかった。小兎岳から藪こぎをこころみて失敗し、あろうことか小兎岳に逆戻りしてしまった。そのときたまたまガスが薄れて、雪田を進んだ先に登山道があることがわかった。雪田の傾斜はゆるやかだが、ピッケルがあると安心。

■兎岳−丹後山
ひたすら快適な登山道を安心して歩ける。

■丹後山−栃ノ木橋登山口
それなりに急なところもあり、濡れた木の根は滑りやすかったが、ゆっくり下れば問題ない。

■栃ノ木橋登山口−十字峡
大雨の後は、林道を横切る水流を何ヶ所も徒渉しなければならない。水勢は強いが足をすくわれるほどではなかった。トレッキングポールがあると心強い。

下山後の温泉:
さくり温泉健康館
入浴料370円。10時〜21時。
http://www.moegien.jp/Sakuri.html
ファイル
(更新時刻:2013/07/15 04:10)
(更新時刻:2013/07/15 04:11)
十字峡登山口。ダム湖右岸方面の道路は立入禁止。看板によれば8/31まで工事予定。
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十字峡登山口。ダム湖右岸方面の道路は立入禁止。看板によれば8/31まで工事予定。
中ノ岳一合目。
ヤドリギのブナ。
ヤドリギのブナ。
水場への道。
中ノ岳二合目。
中ノ岳三合目。
中ノ岳四合目。
中ノ岳五合目。
日向山の三等三角点。
日向山の三等三角点。
日向山の雨量観測所。
日向山の雨量観測所。
五合目を過ぎるとすぐ最初の雪田があらわれる。
五合目を過ぎるとすぐ最初の雪田があらわれる。
中ノ岳六合目。
中ノ岳七合目。
中ノ岳八合目。
日向山に雪田が点々とある。
日向山に雪田が点々とある。
中ノ岳九合目(池ノ段分岐)。
中ノ岳九合目(池ノ段分岐)。
池ノ段からすぐに雪田があるが、傾斜がなくごく短いので、ピッケルなしでも通行は可能。
池ノ段からすぐに雪田があるが、傾斜がなくごく短いので、ピッケルなしでも通行は可能。
中ノ岳山頂標識の石柱。
中ノ岳山頂標識の石柱。
中ノ岳の三等三角点。
中ノ岳の三等三角点。
中ノ岳の祠。
中ノ岳避難小屋。天水タンクはもちろん満タン。
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中ノ岳避難小屋。天水タンクはもちろん満タン。
中ノ岳避難小屋で休憩。室温は小屋の温度計で14℃。
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中ノ岳避難小屋で休憩。室温は小屋の温度計で14℃。
ヤセ尾根の崩落箇所にはトラロープ。
ヤセ尾根の崩落箇所にはトラロープ。
右上に数メートル登ると登山道の続きがある。
右上に数メートル登ると登山道の続きがある。
凍った雪に乗ったらたちまち足を滑らせた。
凍った雪に乗ったらたちまち足を滑らせた。
道なりに進むと凍った雪に踏み込んでしまうが、すぐ下の雪のないところを通れば安全だ。
道なりに進むと凍った雪に踏み込んでしまうが、すぐ下の雪のないところを通れば安全だ。
雪を避けて登山道に上がれる。
雪を避けて登山道に上がれる。
ガスで先が見通せず、雪田を下るのが不安になって引き返してしまった。
ガスで先が見通せず、雪田を下るのが不安になって引き返してしまった。
ピークに引き返すと、さっきは見落とした小兎岳の標識が倒れていた。
ピークに引き返すと、さっきは見落とした小兎岳の標識が倒れていた。
ヤブの中で前方に見えた小ピークにたどり着くと、そこは出発点の小兎岳だった。
ヤブの中で前方に見えた小ピークにたどり着くと、そこは出発点の小兎岳だった。
小兎岳でガスが薄れ、雪田の先に登山道が見えた。
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小兎岳でガスが薄れ、雪田の先に登山道が見えた。
兎岳中腹から小兎岳をふりかえる。雪田はたいして危険ではない。
兎岳中腹から小兎岳をふりかえる。雪田はたいして危険ではない。
荒沢岳方面分岐。
荒沢岳方面分岐。
兎岳山頂。
兎岳の三等三角点。
兎岳の三等三角点。
大水上山山頂。
利根川水源碑。
水源碑のプレート。
水源碑のプレート。
刈払い機がデポされていた。
刈払い機がデポされていた。
浅いヤブの美しい尾根。
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浅いヤブの美しい尾根。
そのヤブには立ち入るべからず。
そのヤブには立ち入るべからず。
丹後山山頂。
丹後山の二等三角点。
丹後山の二等三角点。
丹後山避難小屋。
丹後山避難小屋。
丹後山避難小屋のトイレは外にあるので、悪天候のときはちょっとやっかい。
丹後山避難小屋のトイレは外にあるので、悪天候のときはちょっとやっかい。
丹後山九合目。標識には巻機山の方向も示されているが、トラロープで進めない。踏み跡もなかった。
丹後山九合目。標識には巻機山の方向も示されているが、トラロープで進めない。踏み跡もなかった。
丹後山八合目。
丹後山七合目。
丹後山六合目。
丹後山五合目。
丹後山四合目。
丹後山三合目(松の巨木)。
丹後山三合目(松の巨木)。
丹後山二合目。
丹後山一合目(鉄砲平)。
丹後山一合目(鉄砲平)。
丹後山の栃ノ木橋登山口。
丹後山の栃ノ木橋登山口。
増水した三国川沿いの林道を行く。
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増水した三国川沿いの林道を行く。
川底を転がる岩が雷のような音をたてる。
川底を転がる岩が雷のような音をたてる。
ところどころ水流を徒渉しなければならない。
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ところどころ水流を徒渉しなければならない。
見た目は怖いが、足をとられたり滑ったりする危険はまずない。
2
見た目は怖いが、足をとられたり滑ったりする危険はまずない。
林道入口のゲートと登山ポスト。
林道入口のゲートと登山ポスト。
水煙は泥のにおいがした。
1
水煙は泥のにおいがした。
ダム湖左岸の道も大雨で通行止めになっていた。今朝来た人たちに上で何人も会ったが、パイロンが立てられる前に通ったのだろう。
ダム湖左岸の道も大雨で通行止めになっていた。今朝来た人たちに上で何人も会ったが、パイロンが立てられる前に通ったのだろう。
連続雨量80mm、時間雨量40mmで通行止めになる。
連続雨量80mm、時間雨量40mmで通行止めになる。

装備

個人装備
レインウェア
ゴアテックス
つば広帽子
あごひも付き
ウール手袋
トレッキングポール
1
ピッケル
35Lザック
腕時計
SUUNTO vector
GPS
GARMIN etrex20
デジタルカメラ
NIKON coolpix aw100
山と高原地図
2011年版
電子国土地形図
コンパス
3L
スポーツ飲料
0.5L
行動食
100g
食糧
900g
おにぎり・パン・レトルトおかゆ・もち・粉末おしるこ・粉末スープ
非常食
560g
カロリーメイト・ゼリー飲料
炊事道具
600g
ライター・アルコールバーナー・アルコール200ml・コッヘル・カップ・スプーン
エアマット
350g
銀マット
40g
ウォームアップシーツ
230g
シュラフカバー
260g
非常用シェルター
180g
防寒着
280g
タオル
洗車用
救急用品
コムレケアなど
防虫ネット
蚊取り線香
60g
携帯ケース
ホイッスル
熊よけ鈴
100g
補助ロープ
1200g
8mm×20M
ハーネスセット
800g
ハーネス・カラビナ×2・スリング120cm・ATC
ヘッドランプ
330g
予備電池
ナイフ
40g
細引き
5M
貴重品
鍵・証明カード類・お金
AMラジオ
100g
ズック
440g

感想

山歩きを再開してから初めて、泊りがけで縦走をした。
天気がよくないので、沢のないコース。
ビバークはたいへんなので、避難小屋の利用できるコース。
12kgの荷物をかついで2日連続で歩く自信がないので、荷物が軽ければ日帰りも可能なコース。
それでもコース選びに問題があったとすれば、十分な情報のえられない初めての山にいきなり挑戦してしまったことだ。
そして、経験の浅い登山者にありがちなミスを少なくとも3つやらかした。

[b]防寒着[/b]
暑さへの心配だけで、寒さをほとんど想定していなかった。
雨のなかでビバークになったような場合の防寒対策が不十分だった。
用意したのはロングの薄手アンダーウェア上下だけ。
シュラフを持っていないことを考えると、薄手フリースの上下は最低限必要だった。
そうなるとパッキングが厳しくなるが、結果的にはレインウェアを常に着ていたので、フリースを収納する余地はあった。

[b]残雪斜面のトラバース[/b]
ピッケルの刺さらない凍った雪を渡ろうとした。
絶対にそんなことをすべきではなかった。
その箇所は土の部分を渡ることができるので、アイゼンが必要だったとはいえない。
ただし、事前に状況がよくわからなければアイゼンも持参すべきだった。
ザックはどうしても重く大きくならざるをえない。
凍った雪に足を滑らせたとき、たまたまピッケルは「教科書通り」の持ち方をしていた。
滑り出しながら滑落停止の体勢でピックを斜面に刺すというか少しでも引っかけようとしていると、ガツンという衝撃とともに滑落が止まった。
ピックと石突きが同時に土の斜面に刺さっていた。
滑落した距離はせいぜい2メートルほど。
高校登山部時代に高体連の講習で教わった滑落停止が初めて実地に役に立った。
転んだ瞬間に滑り出すのを止めるのが一番有効らしいが、とてもそんな反応はできなかった。
[url=http://www.yamanakama-sirius.org/oyakudachi/gijutsutext/Yukiyama/yukiyamaText.htm#015]滑落停止技術(山なかま・シリウス)[/url]

[b]ガスの中でのルートファインディング[/b]
池ノ段からずっとガスで眺望がきかなかった。
小兎岳まで標識がなく、GPSを見ても景色と照らし合わせることができないので現在位置がピンとこない。
小兎岳の標識は倒れており、見過ごしてしまった。
そのすぐ先で登山道は雪田に消える。
雪田をトラバースしても登山道があらわれず、そのまま雪田を下るとGPS上の登山道からどんどん逸れてしまうのが不安で、とりあえず先ほどのピークに戻る。それが小兎岳だった。
兎岳をめざしてヤブをこぐことにした。
地図コンパスやGPSを片手にという進み方ができず、だんだん方向の確認がおろそかになる。
ガスが薄くなったときに、うっすらと小さなピークが見えた。
がんばってそのピークまでたどりついてから位置を確認すると、そこは出発点の小兎岳だった。
つまり、話には聞いていたリングワンダリングをしてしまったのだ。
そのときさらにガスが薄れて兎岳があらわれ、ルートが一目でわかった。
ガスやヤブの中での行動については、比較的安全な状況で今後積極的に経験を積んでいきたいと思う。
今回の行動は無謀で危険だった。
ちなみに、y7maruさんの読図テストでも私は同じようなまちがいをしている。
[url=http://www.yamareco.com/modules/diary/9397-detail-54756]【読図テスト】迷った時にどう行動するかのテストを作ってみた。(2013年07月12日 y7maru)[/url]

丹後山避難小屋には栃ノ木橋口からあがった人たちが11人もいて、よい意味でにぎやかだった。
登山道や登山口で出会った人たちと情報交換できたのもよかった。

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