ウメコバ沢左俣遡行・仁田元川日向沢右俣左沢下降
- GPS
- 10:30
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 1,005m
- 下り
- 1,010m
コースタイム
- 山行
- 10:14
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 10:29
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
※前日に80mm程度の雨が足尾で降って増水していた。 【アプローチ】 ・銅親水公園から大ナギ沢出合の先までは車も通れる工事用道路。 ・その先は工事用道路の廃道だが踏み跡は濃く、計1時間半くらいでウメコバ沢出合に至る。 【ウメコバ沢左俣】 ・F1:2段滝。増水していたので激シャワーだったが平水なら恐らく登りやすい。左岸にある残置ロープ沿いにも登れるが、残置ロープは傷んでいたので要注意。 ・F2:登れる滝だが増水により厳しそうなので左岸から巻いた。 ・F3:右岸壁を容易に登れる。 ・F4:昔はエイドクライミングで登られていたが最近は登られていないと思われる。左岸ルンゼから小さめに巻くことを意識して巻くのが良い。油断するとそのままF5も巻いてしまうとか。 ・F5:左壁を快適にフリークライミングできる(IV+)が、増水していたので落ち口の渡渉が核心だった。平水なら問題ないと思われる。クラックが多く、中間支点はカムのみでOK。 ・F6:下部は容易。最上段は右壁を登るががやや難しい上、岩も脆い。過去に事故も起きている。 ・左俣:単調で長いといわれる右俣に比べ、滝が続き面白い。ロープを出すような滝はないが、枝沢が多いので入る枝沢によっては違うかもしれない。最後はガレ場登りになるが、長くはない。 【仁田元川日向沢】 ・二俣までは、多少の滝はあるがいずれもクライムダウン可能。巻くのも容易。 ・二俣から下は、殆どゴーロばかりの沢。渓畔林の中を歩いて時短を図るのが良い。 ・1020m附近はゴルジュ状で、増水のため枝沢の滝の激シャワーを浴びながら下ったが、恐らく平水時なら大したことはない。 ・仁田元川五号砂防堰堤は、本堤はスリットで通れるが、副堤は不透過型で降りられない。副堤の上の左岸の護岸を登ることになるが、ここが高さ4m、IV+程度ある。 【下山】 ・ひたすら林道を歩くのみ。最初は車が入れないほど荒れているが、すぐに車も通れる林道となる。 |
写真
感想
当初はウメコバ沢出合あたりで1泊し、初日は三沢と小足沢、2日目にウメコバ沢の予定だったが、日曜の天候が怪しいため、日帰りでウメコバ沢へ。
アプローチは長いが、周囲の岩場や枝沢を見ながら歩いたら、予想ほどは飽きなかった。そのうち無名沢や黒沢、丹平次沢も登ってみたいと思う。
想像以上に冷たい松木川本流の渡渉をこなし、沢装備を身に着け、いざウメコバ沢へ。F1は左岸の残置ロープを無視し、直登。意外とぬめっていて、水勢も強かったので、後続にはお助け紐を出した。
F2は、通常水が無いはずのCSの左側にも水が普通に流れているのを見て、登るのをやめる。残置ロープもある左岸から簡単に巻いた。
ここからはゴーロっぽい渓相にはなるが、周囲の岩壁の景観は素晴らしく、楽しみながら登っていく。F3等の小滝も良いアクセントである。
F4は、いかにも難しそうである。一応触ってみたが、下部からしてぬるぬるで厳しく、1mくらい登ってやめる。定石通り左岸ルンゼに入り、大きく巻きすぎないよう気を付け、早めに左へトラバースしていくと、うまい具合に景観の良い岩の上に出たので、ちょっと休憩。その後、トラバースしてF4の上に出た。アイスの終了点として使うのであろう残置が多数。
すぐにF5。今回はこの滝を登りに来たようなものなので、「え、登るの?」とか言うさとけんさんを振り切って、さっさと登攀を始める。基本的に乾いていて快適な岩登りで、スタンスはある程度大きく、沢靴でも問題ない。時折ジャミングを決めながら快適に登っていき、落ち口に達すると、立派なアイス用の終了点がある。ここでピッチを切ろうかと思ったが、先を見ると激流の渡渉である。ここも渡ってから終了点を作った方がスムーズだろうと思い、激流を覚悟を決めて跳び越え、左岸側でハーケンとカムで終了点構築。滝登攀に慣れていないC葉さんやyoriponさんは苦労したようだったが、エイドも交えながらなんとか登ってきた。最後の渡渉もびしょ濡れになっていたりで大笑い。
ほどなくしてF6。下部は何ともないが、上部は割と悪く、しかも増水もあって余計に登りにくい。昨年度に同じ会のメンバーが事故っていることもあって、慎重に登った。後続にはお助け紐。C葉さんは小さく巻いていた。
F6が終わるとすぐに二俣。今回の狙いは左俣なので、水量は少ないが左俣へ。すると小滝が連続し、普通に面白いし、景観も良い。増水のおかげで上部まで水もあり、かなり良い。最後はガレ場となったが、短い詰めで鞍部に出られ何よりである。
鞍部で休憩したが、ここは風が吹き抜け寒い。休憩もそこそこに日向沢へと下り始める。ウメコバ沢側とは全然違って植生が豊かで、そのコントラストが興味深い。夜の焚火の焚き付けにしようとダケカンバの皮を剝ぎながら下っていくと、だんだんと谷地形になり、水が出始める。
日向沢は容易な沢で、滝はあるものの、斜瀑ばかりで苦労するようなところはなく、下降向き。疲れてるのか寒いのか、他のメンバーは巻いていたが、それも簡単そうだった。
仁田元川本流に出ると、残念ながら単調なゴーロが続いている。渓畔林を歩きを主とし、時々渡渉しながら下って行った。時折、枝沢に立派な滝がかかり、目を楽しませてくれる。
だいぶ下って1020m附近で沢がゴルジュ状となり、説明しづらいが下りにくい様相。最も易しそうルートは枝沢の滝のシャワーをもろ被りするので、他の下り方を探ったが、結局難しく、C葉さんを先頭にびしょ濡れになりながら滝の下を通った。さとけんさんが「ばかじゃないの!?」とか言っていたが、勿論そうである。
これで終わりかと思ったが、まだ終わらなかった。スリット堰堤のスリットを通ったはいいが、副堤が下れず、護岸を登る羽目に。排水用パイプに中途半端に枝が差し込んであったり、護岸なのに微妙なカチがあったりで、普段クライミングをしているかどうかが如実に出る登攀であった。
漸くこれで沢下降も終了し、荒れた工事用道路に出る。いつまでも荒れていたら面倒だなと思ったが杞憂で、すぐに車が通れる道になり、あとはひたすら下山した。
【総評】
なぜか最近急に人気が出てきているウメコバ沢だが、景観は素晴らしく、登り応えのある滝もあり、詰めも快適とあって、アプローチと下山の長さを補って余りある魅力を持つ沢であると思う。特に左俣遡行がお薦め。仁田元川の下降は割と単調なので、中倉山経由の方が良いかもしれない。
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