雁峠・甲武信ヶ岳
- GPS
- 17:25
- 距離
- 32.2km
- 登り
- 3,079m
- 下り
- 3,013m
コースタイム
09:30 新地平BS
11:35 雁峠
12:34 燕山
13:15 古礼山(2112m)
13:42 水晶山(2158m)
14:18 雁坂峠
14:35 雁坂小屋(テント泊)
【7/28(日)】
03:00 起床・撤収開始
04:50 雁坂小屋発
05:30 雁坂嶺
06:10 東破風山(2260m)
06:35 破風山(2317.7m)
07:02 破風山避難小屋
07:50 分岐
08:00 甲武信小屋
08:18 甲武信ヶ岳(2475m)-09:00
09:15 甲武信小屋
09:30 木賊山
10:30 近丸新道との分岐
11:35 林道と合流
12:32 七ツ釜五段の滝
12:45 水辺ー13:30
14:57 西沢渓谷入口
天候 | 【7/27(土)】 晴れのち雷雨 【7/28(日)】 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
【電車】 06:43 立川駅 08:12 塩山駅 【バス】 08:30 塩山駅BS 山梨貸切自動車(940円) 09:27 新地平BS <7/28(日)> 【バス】 15:10 西沢渓谷入口 山梨市営バス 16:08 山梨市駅 【電車】 16:15 山梨市駅 17:42 高尾駅着 17:50 高尾駅発 18:05 立川駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【雁峠→雁坂小屋】 雁峠の東にそびえるのは笠取山で、西にそびえるのは燕山(つばくらやま)です。 どちらに進む道とも、笹原に登山道が設けられています。 燕山を経て、古礼山までの登山道は登山道の笹がきれいに刈られています。 水晶山の山頂は展望がなく、ベンチが設えてあり、その先は、奥秩父特有の鬱蒼とした樹林帯に入り、木の根元や倒木にはコケがびっしりと繁茂しています。 展望が開けると雁坂峠に至ります。 峠から北側に下る登山道を下りると雁坂小屋に到着します。 【雁坂小屋】 雁坂小屋は、青いトタン屋根が目印で、手前の赤い建物に小屋番さんがいて、その建物に隣接して水場があります。 小屋の正面から黒岩尾根登山道入口となり、少し進むとトイレの建物を貫くように登山道が設けられています。 小屋の敷地内の路面は水はけがよく、雨の翌日でも泥濘はなく、テン場も水たまりはありませんでした。 【雁坂峠→甲武信ヶ岳】 雁坂峠から、雁坂嶺を経て東破風山を過ぎると、露岩の登山道になります。 森林限界を超えているようで、登山道の左右にはハイマツやシャクナゲの木が伸びています。 破風山を過ぎると露岩の急降下になり、下り切ると笹原の中に破風山避難小屋が現れます。 小屋から登り返し、木賊山山頂を巻く道との分岐を経て、甲武信小屋に至ります。 【西沢渓谷】 徳ちゃん新道を下ってその入口を右折するとすぐに西沢渓谷入口があります。 吊橋を渡り、笛吹川沿いにいくつもの滝や奇岩、洞が案内板とともに現れます。 滝壺や水深の深い箇所の水はエメラルドグリーンの鮮やかな色彩を放っています。 渓谷の最上部に名瀑100選に名を連ねている七ツ釜五段の滝があります。 この滝の先に登山道から少し外れて水辺に下りれる箇所があります。 渓谷の終点で左折すると渓谷の入口に戻れます。 往路と異なり、復路は目立ったスポットはなく、廃線となったトロッコレールが敷設された登山道が緩い下り坂で伸びています。 切り出した材木を降ろすために設けられた道の名残で、ところどころ作業事故が起こった方の名を冠した地名が記されています。 現代では考えられない過酷な労働環境だったことを忍ばせる登山道です。 |
写真
感想
【計画】
前山行で日本三大急登の黒戸尾根を登下山できたし、芳しくない天候の中、南アルプス北部を3泊4日で周回することもできました。
自分にとっては大きな目標であり、挑戦する気持ちで臨んだものの、あっけなく終わった感がありました。
その前に行きたかった山行、中断している計画があって、その中の一つが奥秩父・雁峠から甲武信ヶ岳の区間を繋ぐことでした。
すでに、雁峠から奥多摩駅間、甲武信ヶ岳から瑞牆山荘までは、それぞれ1泊2日で踏破しているので、今山行は、雁峠・甲武信ヶ岳間を結んで奥秩父縦走三部作を完結するのが目標です。
日帰りでは厳しいですが、1泊すれば時間的には余裕が生まれるので西沢渓谷を観光するオプションを盛り込みました。
【寝不足】
出発前夜、妻の友人が訪ねてきて、お酒が入って話に花が咲き、腰を上げたのが深夜1時半!
隣町までクルマで送り、帰宅して就寝したのが午前3時半。
2時間ほど眠って出発です。
新地平BSから雁峠までは順調で、特段問題はなかったのですが・・・
雁峠で昼食を済ませ、出発しますが、進むにつれて体が重く感じ、生あくびばかり出ます。
あと少し、という水晶山のベンチでゴロリと横になり、ウトウト・・・
程なく目が覚めて雁坂峠を経由して雁坂小屋に到着しました。
小屋番さんとお話をしている間は、ばっちり目を覚ましていたのですが、テントを張り終えると再び睡魔に襲われます。
時刻は午後4時で、今寝てしまったら、夜眠れなくなるのではと心配する自分に、もう一人の自分が「10分だけ仮眠しよう」と誘惑し、その誘惑に負けて横になります。
ZZZzzz・・・
途中、すごい雨と雷だなぁ、と思ったものの、はっきりと目を覚ますことはありませんでした。
ハッと気がつくと午後9時半でした。
夕食を食べていないのですが、作るのが面倒で、トイレだけ済ませて再びシュラフにもぐりこみます。
10時間近く眠って、気力・体力ともに回復し、2日目は終日、元気に歩くことができました。
やっぱり睡眠は大切なのだ、と痛感しました。
【雁坂小屋にて】
「挨拶をしない人は事故に遭っても助からない」
雁坂小屋の小屋番さんから、そう聞かされました。
どういうことか問うと、小屋を手伝うベテランさんが、おっしゃった言葉だそうで、
(1)挨拶をしない→(2)行き交う登山者に印象を与えない→(3)道迷いや遭難をしても情報が提供されない→(4)捜索が難航する→(5)事故に遭っても助からない
というような、(風が吹けば桶屋が儲かる的な)関連があるのだそうです。
そして、訪ねてきても挨拶をなさらないハイカーを叱るときもあるそうで、その理由が↑だというのです。
なるほど、御挨拶をしない方よりもする方、御挨拶だけの方より一言二言言葉を交わした方の方が行き先や服の特徴など記憶に残っています。
私は今まで、相手の方よりも先に、相手の方よりも大きな声で御挨拶をし、こちらからなにがしかの声をかけ、その時の反応で足を止めてお話をすることもありました。
無意識にしてきたこととはいえ、間違っていなかったと言われたようで、これからも一瞬の出会いを大切にしていこうと心にとどめました。
ところで、当の小屋番さん、私を見かけるなり、それはそれは元気のいい大きな声でご挨拶をなさっていました。
「お疲れさまでした」「わざわざお越しいただいて」「ゆっくりしていってください」・・・そんな言葉を次々投げかけてくださいました。
浅い経験ですが、小屋番さんからこれほど歓待を受けたことはありません。
登山道の笹が刈られていたのか気にされていて、私が、十分な道幅を確保して綺麗に刈られていて快適だったことを告げると、「それはよかったぁ」と胸をなでおろしていました。
登山道の整備も小屋番さんの大事なお仕事で、私が歩いてきた道は別な小屋の方の分担のようでした。
テン場に向かう際、「何かあったら遠慮なく言ってください」優しい笑顔でそう言うと小屋の中に入って行きました。
気さくで、明るく、元気で、何よりお人柄がいい。
既に多くのファンがいるとは思いますが、私もその一人になりました。
【西沢渓谷】
西沢渓谷は、軽装でも行ける気軽なハイキングコースです。
ヤマレコユーザーにとってはちょっと物足りないコースですが、山歩きを始める前の私だったらひぃひぃ言っていたんだろうなぁ、と思いながら歩きました。
デイパックを背負っている方やワンちゃんのお散歩で来ている方、ラブラブでデートしている方、その中には、少しの登り坂の途中で休んでいる方もいます。
短いコースに大小様々な滝やちょっと?な奇岩が次々と現れて訪れる人を楽しませてくれます。
最後に現れた七ツ釜五段の滝は、正面の橋から見ることができます。
五段に連なる滝と鮮やかなエメラルドグリーンの円形の滝壺を擁し、西沢渓谷のハイライトにふさわしい光景を見せてくれました。
【雨上がりのテント】
フライシートを焦がして穴を開けてしまいました(T_T)
テントの前室で朝食のお湯を沸かすため、火の点きが悪かったのでクッカーを載せずにジェットボイルにライターで点火してしまったのです。
炎の先が高くまで上がり、クッカーを載せた時にはフライを少し溶かして小さな穴まで開いています。
幸い火事には至らず、大惨事にならずに済んだことを幸いと思うようにしました。
帰宅後、気を取り直してAmazonでリペアセットを注文しようとしましたが、「お取り扱いできません」と。。。
楽天市場もnaturumも、montbellのwebshopでさえ、取り扱っていないとのこと。
前山行ではコンデジを紛失し、今回はフライに穴を開け・・・
ここのところ「ついていないなぁ」、という事態に遭遇します。
日頃の行いがよほど悪いのでしょうね。
【暦】
東京(東京都)
2013年7月27日(土)
日の出 4:45
日南中時 11:48
日の入り 18:50
月の出 21:31
月南中時 3:10
月の入り 9:31
今回も思い出に残る山歩きを楽しむことができました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
テン場でご一緒だったmoonsetと申します。
新地平でザックにヤマレコバッチを付けたソロの男性が下車されたので、笠取辺りでテントかな?と思っておりましたが雁坂にいらしていたのですね^ ^私と同じ日程のテン泊ですがこのルートの違いったら…。う〜ん…やはり私はまだまだ修業が足りませんね^_^;
雁坂のテン場は私は二回目で、一度目に伺った時は前歯が金歯のおじさんが「よくきたなぁ〜」と笑顔で優しく迎えて下さいました。この間あのおじさんはどなたかお訊きしたら、地元川又のご近所の方で、今は三人交代で雁坂小屋をみているそうです。静かな場所ですし且つ小屋の方の丁寧な対応で、ラルクさんが仰るように私もこの雁坂小屋がお気に入りの一人です。
ヤマレコバッチですが付けていると直ぐにユーザーさんと分かりますね〜。私も検討しようかしら…。
これからもお気をつけてお山歩き楽しまれて下さいね
moonset さん、はじめまして。
早々にコメントをいただきありがとうございます。
ひょっとして、朝、雁坂峠でお写真を撮っていらっしゃった方でしょうか?違っていたらごめんなさい。
一番乗りだろうと思ったのに、既にいらっしゃったので、ちょっとびっくりして、ご挨拶もそこそこに失礼して立ち去ってしまいました。
バスの中でヤマレコバッヂ見られていたのですね。
いい年をしてちょっと恥ずかしいとお思いでしょうが、声をかけられることもあって着けています。
雁坂小屋は、地味で小さな小屋ですが、トイレや水場が近い上、静かでとってもいい雰囲気でした。
また近いうちに訪れようと思っています。
またどこかでお目にかかれるのを楽しみにしています。
はい、私です。おはようございます〜って 。
ラルクさんと、多分小屋泊の方かソロの男性が同じ位の時間に同じ方向へ行かれています。
テントですと景色や星空、お花を好きな時間に自由に撮れるのがいいですね。私など、こんな山行やっているので歩く距離な一向に進歩しません
他のレコで拝見しますと、ラルクさんテントは春に買われたばかりだったのですね。それも初テントで石尾根往復とは・・・ そうそう、今回の穴が空いてしまったフライシートの修理も出来るといいですね〜
バッチ、いいと思いますよ!降車の時に気がついたのですが、もっと早くに気づいていたら絶対にお声かけしていたと思います
また何処かでお会いできるといいですね
今年2度目の甲武信登頂ですね!!
お疲れ様でした
前回のデジカメ、今回のフライと残念でしたね
でも、今回写真見る限りでは行動中は雨に降られてなさそうですね。
悪天候予報の週末でしたから、きっと日ごろの行いが悪いなんてことはありませんよ
七ツ釜五段の滝は涼しげでいいですね
新緑や紅葉の時期もさぞかし綺麗なのでしょうね。
写真9はバイケイソウ、写真29はオトギリソウでしょうかね
LArcさん、こんばんは!
甲武信ヶ岳から下山したあとに西沢渓谷って!!
いつもながらに凄いなぁ と思いながら拝見しました!
森林限界を超えた稜線も気持ち良いのですが、
苔や笹原、樹林の道を見るとなんだか落ち着きますね〜
そして、雁坂小屋に凄く良さそうな所ですね!
「是非お邪魔してみたいなぁ〜」
と思いました!
レコを読んで
最近テント担いでないので、久々に担いでみたくなりました!
(忘れてた「重さ」にびっくりしそうですが )
それにしても
リペアセット見つかるとよいですね…
どこも品切れ状態だとすると
カスタマサービスかHPから問い合わせしてみる感じでしょうか…
kiyopon先生、コメントに加えて花の名前を教えていただきありがとうございます。
尾瀬で白い花をつけていたコバイケイソウをたくさん見ていたので、「似ているなぁ」と思いながら写真に収めたのです。
更新して名前を書き加えました。ありがとうございます。
西沢渓谷は周りより空気が2℃ほど涼しい、そんな印象です。
マイナスイオンを浴びて体が浄化されたような、そんな気分になれました。
紅葉の時期、きっといい景色だろうと思いますが、kiyopon先生でしたら春、お花を狙ってみてはいかがでしょう。
keichiro01さん、いつもコメントありがとうございます。
西沢渓谷は、手軽なハイキングが楽しめる上、高度がなくても十分涼しさを感じることができます。
それと、奥秩父と言えばコケが実にいい味を出しているのです。
鬱蒼とした森の香りを肺いっぱいに吸い込むと、まさに森を味わっているような気になります。
さらに雁坂小屋、直近の百名山クラスは歩いて3時間ほどの甲武信ヶ岳なので、山頂で御来光を迎えるのにはちょっと厳しい立地ですが、それだけに穴場のテントサイトです。
ホント、いい小屋ですのでおススメです。
テント・・・(T_T) 買って半年もしないうちにフライに穴を開けてしまうとは、「ドジな奴だ」とお笑いのことでしょう。
keichiro01さんも前室でのコンロはお気を付け下さい。
そんなヘマはやらないって?
そうでしょう、そうでしょう。。。なんとも情けない話です。
奥秩父主脈、着々とつながっていますね!
(というか繋がっちゃった!)
シラビソやツガ系の樹林帯は苔が多くていい雰囲気ですよね!?
西破風山の下りも開放的で気持ちいいし〜
また行ってみたくなりましたよ!(笑)
ところでmoonsetさんの写真22に写っている
黄色いモンのテントはLArcさんじゃないですか??
今回はテントがやけどを負ったそうでご愁傷様です
日の出のイオンモールにモンベルショップがあるので
そこで相談するのもいいかもしれませんね!?
奥秩父主脈お疲れ様でした!
CCR-54さん、いつもコメントありがとうございます。
奥秩父主脈、3回に分けてつなげました。
本当は3泊4日か、がんばって2泊3日で一気通貫したいところです。
苔むした樹林歩きや短いですが森林限界も楽しめるので最近、奥多摩率が低下しています。
私の焦がしテントはmoonseさんのレコには写っていません。
雁坂小屋のテン場は、何箇所かに分かれていて私はmoonsetさんたちより奥に張りました。
御心配いただいているヤケドの傷は、この際、リペアキットではない「当て」をしちゃおうかと思ってます。
そうするとステラ間違いをしなくてすみますので。
誤解のないように申し上げますが、決して負け惜しみではありませんので!・・・・(T(エ)T)
なんだかますます、雁坂小屋に惹かれます
小屋番さんの話、私も同感です。
(もちろん、静かな山、自分だけの山を楽しみたい人もいるので
賛否両論かもしれませんが。)
私は以前こんな話を聞いたことがあります。
山小屋で小屋番と語らうことを知っているのが山屋だと。
その山のことをいちばんよく知っているのが小屋番であり、
その山に来る人をいちばん歓迎するのが小屋番であること。
山屋はそれをわかっているからこそ、小屋番と酒を酌み交わすのだ。
今のご時世、ネットがたくさんの情報を普及させていますが、
語り継がれて知り得るものも大事にしたいと思うんです、ワタクシ。
もちろん大規模な山小屋では、なかなかできないでしょうが、
例えば私が駒の小屋を好きな理由の一つは、小屋番さんとの距離が近いこと。
そういえば、先日の苗場の山口館の小屋番さんとも、
もっと話してもよかったかな、とも思えたり(笑)。
LArcさんの論点とはずれてしまったかもですが、
雁坂小屋の小屋番さんが登山客を非常に気にかけているのが伝わってきましたし、
遭難事故を最小限に食い止める有効的な手段にもなりそうですね!
となれば、他の登山客との「こんにちはー!」も同じことがいえそうですね。
そして仲良くなった登山客には、無事に下山してほしいと願えますしね。
山小屋談議(!?)がしつこくなって、ごめんなさい。。。
以上!!
wwさん!そうです!ヤマ談義をしに山小屋に行くのです!
仲間と一緒にいったのだったら仲間と、ソロなら他の登山者や小屋番さんと。
相手はいくらでもいますね。
この日がきっかけで雁坂小屋が好きになったのです。
きっとwwさんも気に入っていただけるはずです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する