葛葉川本谷〜塔ノ岳(初めての丹沢の沢、ワラジでGO!)
- GPS
- --:--
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 1,512m
- 下り
- 1,395m
コースタイム
天候 | 関東東海上の低気圧より湿った空気が流入 曇り時々雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
大倉からバスで渋沢駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
葛葉川本谷の滝はだいたい直登できる やや逆層気味なので注意 ルートを選べる滝も多いので無理せず登れる 詰めは、途中で沢を外したら足元がもろくて登りづらかった。 大倉尾根は6年前より整備が進んでいた |
写真
装備
個人装備 |
ハーネス 1
ATCガイド 1
カラビナ 3
スリング 3
環付きカラビナ 2
ヘルメット 1
地下足袋 1
ワラジ 2
トレッキングシューズ 1
地図 1
携帯 1
デジカメ 1
防寒具 1
雨具 1
コンパス 1
ナイフ 1
レスキューシート 1
軍手 1
コンロ 1
ガス缶 1
水筒 1
雪平鍋 1
行動食
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感想
もう我慢できんということで丹沢の沢に出かける。
我慢できんとは先日自作したワラジを試したいというのと、山に行きたくて仕方ないというのの両方だ。
山は3ヶ月ぶりくらい、沢も去年は6月初めには入っていたのにもう8月だ。
ワンゲルで沢を始めてから、ずっと行ってみたいと思っていた故郷の山、丹沢の沢を登る。
久々だし単独だしということで、難易度の低そうな葛葉川本谷を選ぶ。あわよくば久々の塔ノ岳も狙う算段だ。
塔ノ岳を目指すのは6年ぶりかもしれない。
最寄りの駅へ向かう始発のバスの飛び乗って、秦野駅を目指す。天気は悪いが、久々の沢に心はウキウキだ。
秦野駅からバスで菩提原に向かい、徒歩で葛葉の泉を目指す。
途中、久々のキジや轢かれたアオダイショウを見かける。そういえば、前回の山行でも轢かれたヘビ見たな。
小一時間ほどで入渓点の葛葉の泉到着。天気はあいにくのガスガスだ。しっとりと登ろう。
ハーネス、ヘルメット、そしてワラジをシューズの上に装着する。果たして本当に大丈夫なのか。
どきどきで入渓していく。久々なのもあって、慎重に石の上に足をおいて飛び石してみる。
お、滑らない滑らない。素晴らしい。かなり、岩に吸い付く感じだ。
先人の知恵の偉大さに感動しつつ、足を進めていく。
するとさっそく、小滝がいくつか続く。岩盤質で期待できる渓相だ。
続いて、3m程の右岸から直登。ワラジでの登攀は不安だったが、問題ない。
すぐに出てくる、2段の滝も適当に登る。
と、ワラジが少し靴からずれている。どうやら、最初の耳が後ろ過ぎて、靴の先端からずれやすくなっているようだ。
今更修正できないので、次回からの改善点。山行中は時折、直しながら進んでいく。
少し進むと、両岸が切り立ってきて、函の中に7mほどの滝をはじめ、いくつか滝が続いている。少ししか進んでいないのに大きめの滝だ。
ふと岩壁に目をやると、お気に入り花であるイワタバコが目に入る。
花を見るのはほんとうに久々だ。再会に心が踊るが、写真はぶれていた。残念。
久々の滝で、いきなり大きめの滝なのでビビっていたが、意外とすんなり直登できる。
ただ、登りやすそうに見ても逆層気味なので注意が必要。
初心者をつれていくなら、大きめの滝はザイルを出したいところだ。
その後もいくつか滝をこなすと、滝で合流する二股へ。
地図ではいくつか二股があるのだが、分かりづらいのか勘が鈍っているのか、ここまで確認できなかった。
思ったよりも進んでいる。
二股の先へ進むと幅の広い岩壁から直瀑気味に落ちる7mの滝へ。
これは直登できなさそうなので、左岸巻き。
微尾根にはっきりと踏み跡がついており、これを辿って、バンド状に入って滝上へ。
再び、函状になって、なかに連瀑がかかっている。
全体的に小さく、流木を使ったりしながら登る。最後の4mくらいの滝が少し登りづらかったかもしれない。
これを過ぎると、林道が沢を横切る。距離的には半分くらい。
1時間できた。予定では3時間で遡行の予定なので、速いペースだ。まあ、山行にした記録も人多いので、単独なら当然か。少し休憩。
ちなみに右岸から林道へエスケープできるそうだ。
さて、気を取り直して後半にとりかかる。
ここからはさらに岩盤質で、スラブ状の部分も多く出てきてスリップ注意というところだが、我らがワラジ君はなんのその。
結局この遡行中はスリップというものはなかった。すごいよ、靴からずれるけど。
ただ、少し痛み始めたかな。頑張れ。
一枚岩の斜滝や、流しそうめんをやってみたいけど絶対無理な樋状の滝などをこなしていく。
ふと周りを見渡すと、最初は植林の人工林だったのが、広葉樹の混交林に遷移している。
まあ、濃い緑ですこと。霧の中によく映えます。
5mほどのチョックストーンの滝を右岸から直登。
ふと岩の上に手を置くとブヨっとしたので、びっくりして見るとアズマヒキガエル。
岩の上での存在感は素晴らしいものがある。触ってごめんよ。
ちなみに、林道を横切ってからの二股は小さいものも全て確認できた。
最後の詰め上がり以外は水が流れている方へ取ればいいが、水量多い時期は確認が必要かもしれない。
すこし、ゴーロを超えると、スラブ状3段の滝。
見るからに登りづらそうだが、1段目の右岸の際を攻めると意外とすんなり。
2段目からは水流ぎわを登る。下部のほうの滝に比べると少しもろくなっているので
浮石注意。
明るく開けた3股へ出る。ほとんどおしまいに近い。
一番左を取る。だいぶ水量も少なくなってきたので、水を組んでおく。
いくつかスラブ状の滝が出てくる。逆層気味なので多少苦労するが、頑張って登る。
左岸から涸れ沢が入るとりわけツルンとした滝が最後。右岸から登る。
滝の上に詰めの始まりを示すデポ旗があるそうなので、探すとちょっと進んだ右岸の涸れ沢についていた。
このまま詰め上がると、崖にあたったりして大変そうだ。
涸れ沢の最初の段差を超えて、さて詰めていこうと思うと左岸に踏み跡が付いている。
あれ?これでいけるのか思い、ちょっと悩んで登っていく。
しかし、しばらく登って結構足元がもろく登りづらくなった。どうやら正規ではないようだ。
恐らく、鹿道か何かだろう。まぁ、登れば尾根に出るでしょと登って行くが、なかなかしんどい。
足元は崩れるは、たまに掴むものが無くなるはで無駄に消耗。まぁ、大変なブッシュこぎよりマシか。
楽な方へ楽な方へ行くと、再び沢にあったところは、広く開けた源頭だった。
今まで、暗かったのでなかなか気持ちいい。晴れていれば後ろに秦野とか見えるのかな。
ここで、ワラジくんはお役御免。お疲れ様。あとひと沢くらい行けそうかな。丸1日遡行したらおじゃんといったところか。
源頭の左の尾根に乗ると登山道があった。遡行終了。
結局詰めで時間がかかり、2時間40分ほど。三ノ塔まで登ってちょうど3時間くらいかと思い登っていく。
が、登りがなかなかしんどい。
ここ数ヶ月山に行っていなかったのが良くなかったのか、沢中で太ももが消耗したのか、ペースが上がらない。
ひぃひぃ言いながら、明るく開けた三ノ塔へ到着。
ここで、当初の予定通り、表尾根を登り、塔ノ岳を目指すか、疲れているので三ノ塔尾根を下ってエスケープするか迷う。
しかし、単独だからって日和ってはならぬと、塔ノ岳を目指す。
天気は雲が薄くなったりかかったりといった感じ。暑くてしょうがないという程ではないが、低温サウナの中にいるようだ。
表尾根は植物がちらほら。オトギリソウやウツボクサ、シモツケなどが咲いている。
そういえば、中高生のころも暑さを避けアルプスなどに行っていたので、この時期の丹沢はよく知らない。
丹沢の沢を初めて訪れたのもそうだが、この時期自体が丹沢再発見になりそうだ。
と、考えながら度々出てくる登りに苦しめられながら進むと、雨脚が強まる。なんてこったい。まぁ、沢登りで濡れてるからいいが。
濡れて、滑りやすい鎖場に注意しながら、表尾根の小ピークを1つ1つ越えていく。
防鹿柵などもあり、シカの影響が窺い知れる。明らかに植生が貧弱なところもちらほら。心なしかシラミバエも多い気がする。
塔ノ岳まで2時間半から3時間くらいかかると思っていたが、意外と2時間ちょいで着いた。
諦めずに登ってよかった。視界は無いけど。塔ノ岳は登った回数の多い山の1つだけど、勝率悪すぎる。
尊仏山荘におじゃまして、飲み物とバッジを購入して休憩させてもらう。
山荘では親子連れがお昼ごはんを食べていた。
こちらも、お湯を沸かしてカップラーメンを食べる。うむ、うまい。
山小屋のオヤジと、沢の話や、今年の冬の話などをする。
そういえば、ヒルには吸われなかった。雪が多いと登山客が増えるそうだ。
さて、お腹を満たしてダルさ知ったる大倉尾根へ足を進める。毎度のことだが気が重くなる。
でも、この尾根がなければ表尾根日帰りはしんどいかもしれない。
と、意外と下りやすい。あれま、6年間で結構整備されたのか。
そういえば、表尾根にも大倉尾根にも緊急時に場所が伝えられるように番号付きの看板が立っていたりしている。
このような努力をしている方々には頭が上がらない。
そういえば、防鹿柵も増えた。昔から対策はしていたが、強化が進んでいるようだ。
無い所ではマルバダケブキやアザミなど、毒草や食べづらい植物が残っている。
それにしても、マルバダケブキも数が減ったような気がするのは気のせいだろうか。
大倉尾根に点在する山小屋を次々と通りすぎて下っていく。
花立山荘では、源次郎谷を遡行してきたという方とであった。こんな日に沢登りしている人が自分以外にもいて嬉しい。
丹沢の他の沢ももっと遡行してみたい。
大倉尾根の下りも思ったより時間がかかっていない。整備の賜物か。
ぐんぐん下り、もうすぐ下山というところで、登ってくる方と出会った。
こんな時間にと思ったが、どうやら荷揚げをしている。聞いてみると、すぐ上にある見晴茶屋の管理人だそうだ。
大倉尾根のボッカ駅伝の話などで盛り上がり、少し長話してしまったが、良い休憩になった。
ヒグラシが大合唱するなか、ヤブミョウガが最盛期を迎えている森を抜けて、少し夕焼け空のいつもの大倉バス停へ下山。
久々の下山後の炭酸飲料の旨さに感動しつつ、バスに乗り込んだ。
今回は久々の丹沢で目一杯、行動した。
初めての丹沢の沢。新たな丹沢の発見だ。短かったが、魅力的で他の沢にも足を運びたくなるいい沢だった。
手作りワラジでの遡行。不安もあったが、本当に滑らなくて先人の知恵の素晴らしさに驚いた。いろんな場面で使っていきたい。
同じ山、同じ登山形態でも、登り方・工夫しだいで新たな面白さ、発見があることを思い知らされた山行であった。
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