行者還トンネル西口から急登を登り詰めて弁天ノ森着。ここから200mほど西に歩いたところにある小さなピークから登山道を外れ,南側の小尾根を下降していく。
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行者還トンネル西口から急登を登り詰めて弁天ノ森着。ここから200mほど西に歩いたところにある小さなピークから登山道を外れ,南側の小尾根を下降していく。
この小尾根は一部急な箇所があるものの基本的に藪もなくて歩きやすく,スムーズに水晶谷の1060m二俣まで下降することができた。
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この小尾根は一部急な箇所があるものの基本的に藪もなくて歩きやすく,スムーズに水晶谷の1060m二俣まで下降することができた。
水晶谷は基本的にゴーロがひたすら続き,歩きやすい谷。単調な下りだが,周囲は自然林が美しく,雰囲気は良い。
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水晶谷は基本的にゴーロがひたすら続き,歩きやすい谷。単調な下りだが,周囲は自然林が美しく,雰囲気は良い。
やっぱり大峰の水は青く見える。不思議だなぁ。
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やっぱり大峰の水は青く見える。不思議だなぁ。
こんな小滝も時々出てくるが,谷が広いので簡単にかわせる。
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こんな小滝も時々出てくるが,谷が広いので簡単にかわせる。
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白川又川の本谷が近づくと,両岸に岩が目立つようになり,ところどころ岩塔がぬっと立っている。
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白川又川の本谷が近づくと,両岸に岩が目立つようになり,ところどころ岩塔がぬっと立っている。
もうすぐ白川又川本谷との出合というところで出てくる15mほどのナメ滝。左岸側が階段状になっており,歩いて下っていくことができる。
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もうすぐ白川又川本谷との出合というところで出てくる15mほどのナメ滝。左岸側が階段状になっており,歩いて下っていくことができる。
最後の一段がちょっと高かったため,立ち木にロープをかけて降りたが,降りてから改めて見ると,滝の水流の中をクライムダウンできそうだった(今日はちょっと水量が多いので気づかなかったが…)
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最後の一段がちょっと高かったため,立ち木にロープをかけて降りたが,降りてから改めて見ると,滝の水流の中をクライムダウンできそうだった(今日はちょっと水量が多いので気づかなかったが…)
白川又川本谷と出合ってから,本谷を遡るとすぐ出てくる見事な20m滝。水晶谷を少し戻り,先ほどの15mナメ滝のすぐ横にある壁の切れたところから左岸巻きする。(右岸巻きもできるが,結構大変らしい)
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白川又川本谷と出合ってから,本谷を遡るとすぐ出てくる見事な20m滝。水晶谷を少し戻り,先ほどの15mナメ滝のすぐ横にある壁の切れたところから左岸巻きする。(右岸巻きもできるが,結構大変らしい)
一昨年,奥剣又谷を遡行したときは,この20m滝の左岸巻きは全く苦労した記憶がなかったため,油断していたところ,どうやら下降点を見逃したらしく,大高巻きとなった挙句,ロープいっぱいの空中懸垂までやらされてしまった。無駄に消耗した…。
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一昨年,奥剣又谷を遡行したときは,この20m滝の左岸巻きは全く苦労した記憶がなかったため,油断していたところ,どうやら下降点を見逃したらしく,大高巻きとなった挙句,ロープいっぱいの空中懸垂までやらされてしまった。無駄に消耗した…。
しばらく進むと,奥剣又谷の名物,水がピューッと飛び出す25m滝。しかし,梅雨時の今日は水量が多いせいか,ピューッと感があまり出ておらず,普通に迫力のある直瀑となっている。
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しばらく進むと,奥剣又谷の名物,水がピューッと飛び出す25m滝。しかし,梅雨時の今日は水量が多いせいか,ピューッと感があまり出ておらず,普通に迫力のある直瀑となっている。
正面から。正面から見たほうが高さが伝わる。
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正面から。正面から見たほうが高さが伝わる。
さて,今日は左俣の口剣又谷を遡行するので,25mピューッと滝のほうではなく,左側の谷に入る。水量は少なくなり,普通の河原といった感じ。穏やかな始まり方だ。
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さて,今日は左俣の口剣又谷を遡行するので,25mピューッと滝のほうではなく,左側の谷に入る。水量は少なくなり,普通の河原といった感じ。穏やかな始まり方だ。
時々こんなナメ滝が出てくるくらいで,穏やかな谷が続く。「口剣又谷は奥剣又谷より厳しい」と聞いていたため,なんだか拍子抜けだな,と思いながら歩いていると…
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時々こんなナメ滝が出てくるくらいで,穏やかな谷が続く。「口剣又谷は奥剣又谷より厳しい」と聞いていたため,なんだか拍子抜けだな,と思いながら歩いていると…
唐突に両岸に高い壁がぶっ立ち,暗く禍々しいゴルジュに。あまりの急変ぶりに少し気圧されながらその中に入り込んでいくと…
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唐突に両岸に高い壁がぶっ立ち,暗く禍々しいゴルジュに。あまりの急変ぶりに少し気圧されながらその中に入り込んでいくと…
ゴルジュをふさぐように,10mほどの滝が出現。両側は相変わらず高い壁で,高巻きは難しそう。
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ゴルジュをふさぐように,10mほどの滝が出現。両側は相変わらず高い壁で,高巻きは難しそう。
この滝は,滝身左側が手掛かりが豊富で,割と簡単に登れる。登ってから見下ろして撮影。
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この滝は,滝身左側が手掛かりが豊富で,割と簡単に登れる。登ってから見下ろして撮影。
この先どんな悪場が続くかと思いながら恐る恐る登っていくと,谷は再び開けてしまった。
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この先どんな悪場が続くかと思いながら恐る恐る登っていくと,谷は再び開けてしまった。
周囲の緑が気持ちいい。サワグルミやトチノキ,時々トウヒやコウヤマキが混じる。ブナよりもカエデのほうが多い気がする。
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周囲の緑が気持ちいい。サワグルミやトチノキ,時々トウヒやコウヤマキが混じる。ブナよりもカエデのほうが多い気がする。
ゴーロの谷が続く。結構ゴーロ歩きの区間が長く,もしかしてこのまま稜線?と思っていると…
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ゴーロの谷が続く。結構ゴーロ歩きの区間が長く,もしかしてこのまま稜線?と思っていると…
左手に突然きれいな滝が。1100m二俣の左俣にかかる滝だ。あまりにきれいな滝だったので,左俣にも興味を惹かれたが,地形図上では面白そうなのは右俣なので,予定通り右俣を進むことにする。
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左手に突然きれいな滝が。1100m二俣の左俣にかかる滝だ。あまりにきれいな滝だったので,左俣にも興味を惹かれたが,地形図上では面白そうなのは右俣なので,予定通り右俣を進むことにする。
右俣の入り口も小滝になっている。これは右手を簡単に登る。
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右俣の入り口も小滝になっている。これは右手を簡単に登る。
と,その先に大きなチョックストーンが挟まった8mほどの滝。これは直登は難しそうだな…。
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と,その先に大きなチョックストーンが挟まった8mほどの滝。これは直登は難しそうだな…。
両岸はいつの間にか高い壁になっており高巻きは難しそうなので,右手のこの浅いルンゼを登り,草付きバンドをトラバースして滝上に出た。バンドは足場が悪くちょっと緊張するが,手掛かりになる木の根があるので何とかなる。
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両岸はいつの間にか高い壁になっており高巻きは難しそうなので,右手のこの浅いルンゼを登り,草付きバンドをトラバースして滝上に出た。バンドは足場が悪くちょっと緊張するが,手掛かりになる木の根があるので何とかなる。
その先は両岸には高い壁が不吉に屹立しているものの,谷中には何もなくしばらく進んでいける。
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その先は両岸には高い壁が不吉に屹立しているものの,谷中には何もなくしばらく進んでいける。
キイチゴがたくさん生っていて,休憩がてら美味しくいただいた。
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キイチゴがたくさん生っていて,休憩がてら美味しくいただいた。
ヤマアジサイもきれい。
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ヤマアジサイもきれい。
と,前方の谷が急に凶悪なオーラを放ち始めた。周囲の岩壁が凄いことになっている。おそらく,1300m付近の二俣と思われる。
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と,前方の谷が急に凶悪なオーラを放ち始めた。周囲の岩壁が凄いことになっている。おそらく,1300m付近の二俣と思われる。
右手の谷が一番水量が多い。断ち割ったような狭いゴルジュの中に,8mほどの滝と巨大なチョックストーン,さらにその上にも滝が見えている。最初の滝は何とか登れそうだが,果たしてその上は通過できるだろうか…。
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右手の谷が一番水量が多い。断ち割ったような狭いゴルジュの中に,8mほどの滝と巨大なチョックストーン,さらにその上にも滝が見えている。最初の滝は何とか登れそうだが,果たしてその上は通過できるだろうか…。
前途に不安を抱えながらも,1段目の滝は右隅を登る。
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前途に不安を抱えながらも,1段目の滝は右隅を登る。
下から眺めて一番不安だったその上のチョックストーンは,右隅に登攀可能な狭いコーナーがあり,何とか抜けることができた。
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下から眺めて一番不安だったその上のチョックストーンは,右隅に登攀可能な狭いコーナーがあり,何とか抜けることができた。
しかし,その上にも滝が…。この滝も,多分右端が登れる。しかし,一旦取り付いたら,万一詰まった場合にクライムダウンが難しそうな形状の滝だ。未練を残しつつも,この滝には取りつかないことにした。単独なので,慎重にならないといけない。
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しかし,その上にも滝が…。この滝も,多分右端が登れる。しかし,一旦取り付いたら,万一詰まった場合にクライムダウンが難しそうな形状の滝だ。未練を残しつつも,この滝には取りつかないことにした。単独なので,慎重にならないといけない。
丈夫な流木に支点を取って懸垂下降して本谷に戻り,今度は直進方向の谷を進んでいく。こちらも荒々しい岩壁に挟まれた中に巨岩が詰まり,不吉な感じだ。水はほとんど枯れている。
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丈夫な流木に支点を取って懸垂下降して本谷に戻り,今度は直進方向の谷を進んでいく。こちらも荒々しい岩壁に挟まれた中に巨岩が詰まり,不吉な感じだ。水はほとんど枯れている。
この谷も奥で二つに分かれており,まずは左手の枝谷を試みる。入り口が10mほどの滝になっているが,段々になっており難なく登れた。
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この谷も奥で二つに分かれており,まずは左手の枝谷を試みる。入り口が10mほどの滝になっているが,段々になっており難なく登れた。
しかしその上が5mほどのCS滝…。これはちょっと無理かな…。両岸も垂直の壁で高巻きもできない。巨岩にロープをかけて懸垂下降し,すごすごと後退。
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しかしその上が5mほどのCS滝…。これはちょっと無理かな…。両岸も垂直の壁で高巻きもできない。巨岩にロープをかけて懸垂下降し,すごすごと後退。
残るは右手の枝谷。こちらも入り口からいきなり巨大チョックストーンが鎮座しており,厳しそうな眺め。左手の壁に取りついてチョックストーンをかわすように登り,枝谷に入る。古い残置ハーケンがあった。
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残るは右手の枝谷。こちらも入り口からいきなり巨大チョックストーンが鎮座しており,厳しそうな眺め。左手の壁に取りついてチョックストーンをかわすように登り,枝谷に入る。古い残置ハーケンがあった。
巨岩が詰まるが,これは何とか登れる。
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巨岩が詰まるが,これは何とか登れる。
しかし,その先が…。再び巨大なチョックストーンが立ちふさがり,あと一歩が登れない。ハンマーをひっかけて手掛かりにできないか何度か試みたが,うまくいかない。残念だが,タイムアップだ。運よく,この箇所から細いバンドが岩壁の上の草付きにつながっており,灌木に半ば飛びつくようにして小尾根に這い上がり,谷を脱出した。
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しかし,その先が…。再び巨大なチョックストーンが立ちふさがり,あと一歩が登れない。ハンマーをひっかけて手掛かりにできないか何度か試みたが,うまくいかない。残念だが,タイムアップだ。運よく,この箇所から細いバンドが岩壁の上の草付きにつながっており,灌木に半ば飛びつくようにして小尾根に這い上がり,谷を脱出した。
小尾根はかなりの急登だが,心配していたような岩壁に突き当たるようなこともなく,何とか登っていける。稜線はそう遠くないはずだ。
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小尾根はかなりの急登だが,心配していたような岩壁に突き当たるようなこともなく,何とか登っていける。稜線はそう遠くないはずだ。
トウヒにブナやカエデ(オオイタヤメイゲツ?)が混じる大峰らしい植生。クロツグミの美しい声がしきりに響いている。
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トウヒにブナやカエデ(オオイタヤメイゲツ?)が混じる大峰らしい植生。クロツグミの美しい声がしきりに響いている。
30分ほどの急登で稜線に出た。明星ヶ岳の南の1658mピークの少し南のあたりだ。沢装備を解除。
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30分ほどの急登で稜線に出た。明星ヶ岳の南の1658mピークの少し南のあたりだ。沢装備を解除。
明星ヶ岳に向けて稜線を北上。ところどころ岩壁が屹立しており,岩を巻きながらチクチクするトウヒの若木をくぐって登山道を歩いていると,大峰に来たなぁという気分になる。
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明星ヶ岳に向けて稜線を北上。ところどころ岩壁が屹立しており,岩を巻きながらチクチクするトウヒの若木をくぐって登山道を歩いていると,大峰に来たなぁという気分になる。
舟ノ垰からの楊枝ノ森,七面山にかけての眺め。眼下の谷は険谷として名高い舟ノ川だ。
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舟ノ垰からの楊枝ノ森,七面山にかけての眺め。眼下の谷は険谷として名高い舟ノ川だ。
明星ヶ岳を通過。よく考えたら,明星ヶ岳に登るのは初めてかもしれない。
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明星ヶ岳を通過。よく考えたら,明星ヶ岳に登るのは初めてかもしれない。
ほどなく八経ヶ岳。
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ほどなく八経ヶ岳。
眼下には今日辿ってきた谷が一望できる。中央付近が下降した水晶谷と白川又川本谷の出合,その右側に奥剣又谷と口剣又谷も見えている。こうして見ると,穏やかな切れ込みにしか見えず,まさかその中に荒々しい側壁と巨岩の連打を蔵しているようには到底見えない。
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眼下には今日辿ってきた谷が一望できる。中央付近が下降した水晶谷と白川又川本谷の出合,その右側に奥剣又谷と口剣又谷も見えている。こうして見ると,穏やかな切れ込みにしか見えず,まさかその中に荒々しい側壁と巨岩の連打を蔵しているようには到底見えない。
梅雨前線が活発なので天気はどうかなと心配していたが,ガスの合間に展望も楽しめた。
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梅雨前線が活発なので天気はどうかなと心配していたが,ガスの合間に展望も楽しめた。
八経ヶ岳を眺めつつ帰路を急ぐ。それにしても,美声のクロツグミがよく鳴いている。
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八経ヶ岳を眺めつつ帰路を急ぐ。それにしても,美声のクロツグミがよく鳴いている。
弥山通過。小屋泊まりやテント泊の人で賑やかだった。谷では全く人に会わなかったので,ギャップにちょっと戸惑う。
このあと,弁天ノ森を経由して行者還トンネル西口に下山。この区間,地形図以上に長く感じるのはどうしてだろう…。
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弥山通過。小屋泊まりやテント泊の人で賑やかだった。谷では全く人に会わなかったので,ギャップにちょっと戸惑う。
このあと,弁天ノ森を経由して行者還トンネル西口に下山。この区間,地形図以上に長く感じるのはどうしてだろう…。
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