岳沢〜天狗のコル〜奥穂〜前穂〜岳沢(奥穂・前穂は28年振り)
- GPS
- 11:10
- 距離
- 5.6km
- 登り
- 1,265m
- 下り
- 1,257m
コースタイム
8/18 岳沢小屋5:20 − 7:05天狗のコル8:10 − 9:40ジャンダルム10:05 −
11:35奥穂12:05 − 13:05紀美子平 − 13:45前穂14:20 − 14:50紀美子平 −
16:35岳沢小屋
8/19 岳沢小屋 − 上高地
天候 | 曇り時々晴れ。ガスまとわりつき |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全て危険箇所、気を抜ける場所は無いという認識が賢明である。 |
写真
感想
岳沢〜天狗のコル〜ジャンダルム〜奥穂〜前穂〜岳沢。標準では凡そ10時間の
コースである。休憩も含むと...なので、日没までに戻れるかどうか微妙。ならば
未明に出発という手もあるが、暗い山道はアブナイのでそれは無し。
目指す稜線付近にガスが纏わり付いていて「ウゥ〜ン」なのだが、小屋のレンタル
ヘルメットをザックに括り付け、まずは天狗のコルへ。天狗沢は殆どが急登。第1〜
第4お花畑まではまあまあの登山道だが、そこを過ぎてコルまでは急傾斜且つガレて
いて歩き難い。路面にあまり圧力を掛けず、足を「そぉ〜っと」置くような感じで登
る。
岳沢小屋から天狗のコルまで2時間半のところ、2時間切った。「まあまあ、いい
ペースじゃん!」起床から飲まず食わず休憩無しで腹も減ったので、避難小屋跡に腰
を下ろして朝飯にする。奥穂からの縦走者と暫し情報交換。途中で一瞬だけ槍の穂先
が見えただけで後は...とのこと。眺めは殆ど期待できないようだが、まだ梅雨明
け十日の範囲内で雨の可能性は低いので、「まあ、行くってもんだわな。」
赤ヘル被って稜線に出ると飛騨側からはやや強風。リッジでこの風だとチョット嫌
だな。信州側はまあまあ晴れてるが、反対側はガスで真っ白状態。「あぁ〜あ」だょ
。途中で数パーティー数十人と行き交う。既にお盆は過ぎているので、進行方向渋滞
やすれ違いでの待機は無し。すれ違いでの挨拶がてら「このガス晴れてくれたらいい
のにねぇ」「そうですね。でも、そのお陰で下が見えないので恐怖感があまりないの
はいいですね」ごもっとも。でも、チョットは恐怖感に浸ってみるのも、このルート
の醍醐味ってもんなんだけど
眺めがイマイチの中、ジャンの登り口へ。情報によると西穂側と奥穂側、双方の登
降ルートの内、前者の方が易しいとのことなので、迷わずそちらを選ぶ。途中鎖場も
あったがそれは使わずに左寄りのルートをフリーで登ってピークに到達した。ガスは
濃淡が変動するものの、スッキリ晴れる瞬間は無し。証拠写真の後、暫らく一人瞑想
に耽る。淡いガスの向こうにロバの耳(と思しきところ)をアンザイレンして下降し
ている人が見える。遠目には「あんなとこ、どうやって?」という感じなのだが、実
際はその場に近づいてみると、それなりにやりようはある。ルートを付けた昔の人は
エライ。ほぼ同じルートを下降して縦走路に戻り、奥穂側のルートを観察する。西穂
側を選択して正解。
馬の背付近の登降。前述のとおり、その場まで来ると何とかなるようにルートは付
いている。ただ、後で振り返ってみてこの辺りが一番グレードが高かったと思う。
そこを過ぎて馬の背が見えてきた。更にその先に奥穂のピークの人だかりも。馬の背
の手前にアンザイレン準備中の3人パーティーがいるのが見下ろせた。追い抜いても
いいのだが、昼飯時近くでチョット小腹も空いたので、食べながらお手並み拝見とす
る。小生と先方の物理的位置関係から云っても、正に上から目線である。(失礼!)
馬の背も遠目には「どうやって?」という感じだが。至近距離で人が登っているのを
見てるとそれほどのものではない。ザイルの準備に10分以上かけていた模様だが、
アンザイレンしての登高は5分足らず。ザイル撤収はどの位かかったのだろうか。(
死角位置で見えなかった) 他人が口を挟むことではないな。しかし、「もし、一人
落ちた時、確保できるのかな。残りの2人が巻き添えになるかも。落ちる訓練や、突
然に自由落下した時の確保訓練、やってるのかな?」等々、見ながら考えていた。ま
あ余計な詮索か。
さて、小生の番。側まで来てみると「やはり」だ。ただ、チョンボしたら一巻の終
わりなので、極力「慎重に、確実に」だ。岩自体はしっかりしているのでイヤらしく
は無い。ほどなく、奥穂のピークに到着。この場に立つのは28年振りだ。当たり前
の様に人の数が桁違いである。あまり長居はしたくないのだが、ガスがもう少し晴れ
てくれるのを期待して、暫く待機してみた。燕、大天井、蝶、常念、前穂の方面はま
あまあだが、他は「...」槍の穂先なんぞは「それはどこ?」である。天狗のコル
方向もぼんやり。
疲れと天気の状況次第では奥穂の小屋泊も想定していたが、何れもほぼ良好。時間
行程も順調なので、予定どおり岳沢まで戻ることにして、前穂へ向かう。吊尾根の途
中で涸沢上空を飛ぶ県警ヘリ(機体色で判った)を見た。「遭難事故」だろうか?(
帰宅後にググってみたところ、やはりそうであった。) 吊尾根も気を緩めてはいけ
ないが、本日前半に比べたら相当ラクちんである。紀美子平にザックデポはせずに前
穂ピークへ。ここも28年振りだ。眺めの状況は相変わらずだ。針ノ木が見えた。で
かくて特徴があるので直ぐ分かる。北尾根やったのは41年前だった。実質フリーで
やれるルートだが、当然、万が一は有るので、実際にはやらない。やる人いるかも?
その後、吊尾根の途中からショートカットして。涸沢雪渓グリセードで下ったなぁ。
今は、そんなことシラフでは出来ない。そういえば今日は何時もの恒例「宴」やって
ないなぁ。まあ、今日はやめとくのが賢明だ。前穂ピークの登降に思いの外時間食っ
てしまった。疲れのせいかな。
さあ、あとは下るだけ。紀美子平からの下り始めの鎖場。これが結構長い。時間帯
によっては渋滞必至であるが、今の時間は幸いなことに見える範囲内は小生のみ。た
だ、チョット滑り易い岩質で厭らしかった。雷鳥広場を過ぎ、岳沢パノラマを過ぎて
、小屋の屋根が見えてくるが、なかなか着かない。ところで、岳沢小屋スタッフのブ
ログによると、この重太郎新道では新聞沙汰にならない程度の事故は結構あるとのこ
と。やせ尾根や切り立った稜線とは全く別物であるが、そんな感じはした。肉体的・
精神的な疲労はドンドン貯まっていくが、途中で何パーティーか追い抜く。多少の元
気は残っていた。未だ明るい16時30分に岳沢に到着した。
さあ、ビアだ酒だ焼酎だ。失礼ながら、殆どの小屋がアルコールはへぼいのしか置
いてない(特に何処行ってもスーパードライばっかり。最悪。純米酒なんて見たこと
ない。)ので、重いけどいつも運び上げている。(余談・針ノ木小屋はエビスだった
ので◎)各地の山小屋の皆さん、もう少しご配慮いただけるとありがたいです。(山
は酒飲むのがメインじゃないってか。ごもっともです。でもねぇ。山だからこそ、ち
っとはましなアルコール呑みたいのです。)
コメント
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天狗のコル、ジャンダルムそして奥穂。
凄い、単独行で難関ルートの完登やりましたね
岳沢小屋2泊目の祝杯は、さぞ上手かったのでは
はい!やりました。
ご推察のとおり、祝杯は旨かったのですが、ビアが冷え冷えでお肴が
もう少しハイソだったら、もっとよかったのになぁ。デス。
ずぅ〜っと前から、ソノ気はあったのに、アーダコーダで、先送りし
ていたのですが、ようやくです。
ガイド本等では、一般縦走路では最難関の一つということで、ロック
不得意の小生としては、多少の不安もありましたが、「喉元過ぎれば
...」「終わってしまえば...」でした。
でも、久方振りに達成感を覚えました。
来年は残り半分の西穂〜天狗ノのコル間をやらなくっちゃね。
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