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Yamareco

記録ID: 3391866
全員に公開
沢登り
北陸

【越美】長トコ谷から笹ヶ峰(夏小屋谷遡行・シンノ谷下降)

2021年07月26日(月) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 福井県 岐阜県
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GPS
--:--
距離
7.8km
登り
873m
下り
866m

コースタイム

日帰り
山行
11:20
休憩
0:00
合計
11:20
5:50
40
駐車地
6:30
160
長トコ谷・滝ヶ谷出合(530m二俣)
9:10
140
夏小屋谷・シンノ谷出合(850m二俣)
11:30
60
12:30
150
15:00
90
夏小屋谷・シンノ谷出合(850m二俣)
16:30
40
長トコ谷・滝ヶ谷出合(530m二俣)
17:10
駐車地
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
大河内集落跡(大河内川と古草谷の出合のあたり,標高点413m付近)から大河内川沿いの林道を1.2kmほど奥に進むと右手に車3台分ほどの空き地があり,そこに駐車。
コース状況/
危険箇所等
【長トコ谷】
・日野川は広野ダムの奥で大河内川と名前を変えるが,その大河内川の530m二俣の右俣が長トコ谷(左俣は滝ヶ谷)。長トコ谷は,さらに笹ヶ峰に直接突き上げる焼小屋谷,笹ヶ峰と夏小屋丸の間に突き上げる夏小屋谷,そして夏小屋丸とロボットピークの間に突き上げるシンノ谷の3つの枝谷に分かれる。
・長トコ谷のハイライトは,滝ヶ谷との出合の直後に出てくる3段30m滝と,焼小屋谷の出合の手前に出てくる3段25m滝。どちらの滝も姿が美しく,なかなか見ごたえがあり,スケールという点ではこの流域随一ではないかと思う。前者は2段目まで滝身左手を直登した後に3段目は左岸巻き,後者は左岸巻きでクリアできる。
・長トコ谷の下部は上記の2つの大滝をはじめ滝が多く出てきて結構盛り上がるが,夏小屋谷とシンノ谷の二俣(標高850m付近)以降は目立った滝はほとんど出てこず,夏小屋谷もシンノ谷もめっきり平凡化してしまうのが少し残念(同じ枝谷でも焼小屋谷は結構小滝が多くて面白いのとは対照的)。ただ,シンノ谷源頭部では小さな枯滝がいくつか出てくるので,どちらかというと(今回とは逆に)シンノ谷を登路とし,夏小屋谷を下降路としたほうがいいかもしれない。なお,源頭部での藪漕ぎは,シンノ谷のほうが楽(夏小屋谷はかなり激しい灌木漕ぎを強いられるが,シンノ谷は稜線直下まで沢形が続いているため,ほぼ藪漕ぎなしで稜線に出られる)。
・なお,この谷は,特に上部で地下水が盛んに湧出しているようで,焼小屋谷との出合を過ぎると,急に水温が下がり,透明度も上がって水がおいしくなる。おそらく,越美国境稜線に蓄えられた雪解け水が直接湧き出ているのではないだろうか。登れば登るほど冷たくておいしい水にありつけるのもこの谷の楽しみの一つ。

【笹ヶ峰〜夏小屋丸(P1294m)の稜線】
・ 登山道はないが,一面の笹原で遮るものがないため,眺望は非常によく気持ちのいい稜線。笹ヶ峰〜夏小屋丸〜ロボットピークの区間は,笹の背がそれほど高くなく,獣道も走っているため,意外に快適に歩ける区間が多い。ポイントは獣道を外さないように慎重に歩くことと,稜線の東側が藪が薄いことが多いのでそちらを意識的に歩くこと。夏小屋丸周辺は灌木も混じってちょっと藪が濃いが,それほど長くは続かないので我慢できる程度。

※ オロロ(アブ)はまだいませんでした(単にもともといないだけなのかは不明)。
駐車地の空き地のすぐ先に,ロボット尾根取りつきの見慣れた看板がある。しかし,今日は大河内川をそのまま遡って長トコ谷に入るため,この看板は無視して林道を奥に進んでいく。
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駐車地の空き地のすぐ先に,ロボット尾根取りつきの見慣れた看板がある。しかし,今日は大河内川をそのまま遡って長トコ谷に入るため,この看板は無視して林道を奥に進んでいく。
適当なところで大河内川に入渓すると,さっそく谷は狭まり,小滝が連続し始める。
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適当なところで大河内川に入渓すると,さっそく谷は狭まり,小滝が連続し始める。
この辺りの滝は全部直登できて楽しい。
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この辺りの滝は全部直登できて楽しい。
イワタバコの真っ盛りで,谷じゅう紫の可憐な花が咲き乱れていた。
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イワタバコの真っ盛りで,谷じゅう紫の可憐な花が咲き乱れていた。
ほどなく長トコ谷(右俣)と滝ヶ谷(左俣)の出合である標高530m二俣。写真は滝ヶ谷の出合滝。
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ほどなく長トコ谷(右俣)と滝ヶ谷(左俣)の出合である標高530m二俣。写真は滝ヶ谷の出合滝。
右俣の長トコ谷を進むと,すぐに3段30m滝(下から大体10m・2m・18m)にぶつかる。高い岩壁の中にかかる立派な滝だ。前回来たときは,大増水の最中だったので近づくことすらできなかったが,平水の今日見てみると,滝身の左側が容易に登れそうだったため,直登していく。
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右俣の長トコ谷を進むと,すぐに3段30m滝(下から大体10m・2m・18m)にぶつかる。高い岩壁の中にかかる立派な滝だ。前回来たときは,大増水の最中だったので近づくことすらできなかったが,平水の今日見てみると,滝身の左側が容易に登れそうだったため,直登していく。
1段目の10m滝を登り,2段目の2m滝と3段目の18m滝を眺める。
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1段目の10m滝を登り,2段目の2m滝と3段目の18m滝を眺める。
2段目の滝の滝壺を見下ろす。岩盤の真ん中に円くえぐられた洗濯槽のような滝壺だ。
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2段目の滝の滝壺を見下ろす。岩盤の真ん中に円くえぐられた洗濯槽のような滝壺だ。
3段目の滝。美しい直瀑。
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3段目の滝。美しい直瀑。
3段目は直登は難しそうだったため,対岸にジャンプで渡って左岸の急斜面を巻き上がり,落ち口に降り立つ。
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3段目は直登は難しそうだったため,対岸にジャンプで渡って左岸の急斜面を巻き上がり,落ち口に降り立つ。
その上はところどころ小滝は出てくるが,通過は容易。
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その上はところどころ小滝は出てくるが,通過は容易。
しばらく進むと,この綺麗な5m直瀑。つるつるの岩盤に囲まれており直登は困難。前回来たときは,左岸を巻き上がったが,同じルート取りをしてもつまらないので,今回は右岸から巻いてみることにした。
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しばらく進むと,この綺麗な5m直瀑。つるつるの岩盤に囲まれており直登は困難。前回来たときは,左岸を巻き上がったが,同じルート取りをしてもつまらないので,今回は右岸から巻いてみることにした。
5m滝の手前にあるこの20mほどのナメ滝をよじ登り,右岸から巻きに入る。このナメ滝の登り自体は楽しかったのだが,滝の上は意外に両岸が立っており,容易に巻きに入れず,無駄に大高巻きになってしまった。やはり左岸巻きのほうが経済的なようだ。
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5m滝の手前にあるこの20mほどのナメ滝をよじ登り,右岸から巻きに入る。このナメ滝の登り自体は楽しかったのだが,滝の上は意外に両岸が立っており,容易に巻きに入れず,無駄に大高巻きになってしまった。やはり左岸巻きのほうが経済的なようだ。
5m滝を巻き終え,さらに谷中をすすむ。
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5m滝を巻き終え,さらに谷中をすすむ。
ソバナが至る所で青い可憐な花を覗かせていた。
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ソバナが至る所で青い可憐な花を覗かせていた。
シモツケソウも花盛り。
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シモツケソウも花盛り。
小滝を越えていく。
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小滝を越えていく。
と,前方に大きな滝の気配が。
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と,前方に大きな滝の気配が。
5m・5m・15mの3段25m滝が出現。左岸の草深い急斜面を巻き上がっていく。
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5m・5m・15mの3段25m滝が出現。左岸の草深い急斜面を巻き上がっていく。
最上段の15m滝の雄姿。風格のある滝だ。
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最上段の15m滝の雄姿。風格のある滝だ。
滝を眺めながら急斜面を巻き上がっていく。
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滝を眺めながら急斜面を巻き上がっていく。
3段25m滝の上も,3mほどの幅広滝が控えていた。
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3段25m滝の上も,3mほどの幅広滝が控えていた。
右岸から焼小屋谷が出合うのを見送り,さらに谷を直進する。
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右岸から焼小屋谷が出合うのを見送り,さらに谷を直進する。
ウォータースライダーのような滝。
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ウォータースライダーのような滝。
細長いナメ滝。
しかし不思議なのが,焼小屋谷を過ぎてから急にはっきりと水温が下がったことだ。手をずっと水に浸していると痛いくらいの冷たさだ。水の透明度も増している。おそらく,雪解け水が直接湧き出ているのだろう。
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しかし不思議なのが,焼小屋谷を過ぎてから急にはっきりと水温が下がったことだ。手をずっと水に浸していると痛いくらいの冷たさだ。水の透明度も増している。おそらく,雪解け水が直接湧き出ているのだろう。
そして夏小屋谷(左)とシンノ谷(右)の出合。ちょっと迷ったが,夏小屋谷のほうが等高線がくねくねしており,滝が多そうな気がしたため,夏小屋谷に入る。
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そして夏小屋谷(左)とシンノ谷(右)の出合。ちょっと迷ったが,夏小屋谷のほうが等高線がくねくねしており,滝が多そうな気がしたため,夏小屋谷に入る。
タマガワホトトギスの群落があった。
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タマガワホトトギスの群落があった。
トリカブト。
最初は谷幅が狭く,険しそうでいい雰囲気。
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最初は谷幅が狭く,険しそうでいい雰囲気。
岩間滝。
しかし,しばらく進むと,谷は開けてしまい,結局ほとんど滝が出てこないという…。前回登った焼小屋谷は割と滝が出てきたので期待していたのだが,夏小屋谷はどうやら穏やかな谷のようだ。
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しかし,しばらく進むと,谷は開けてしまい,結局ほとんど滝が出てこないという…。前回登った焼小屋谷は割と滝が出てきたので期待していたのだが,夏小屋谷はどうやら穏やかな谷のようだ。
そして,割とすぐに水切れとなってしまった。しかし,この水が本当に冷たい。普通の沢水ではなく,明らかに雪解け水由来の湧水だ。冷たい湧水で喉をうるおし,藪漕ぎにそなえてプラティパスにたっぷり水を補給。
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そして,割とすぐに水切れとなってしまった。しかし,この水が本当に冷たい。普通の沢水ではなく,明らかに雪解け水由来の湧水だ。冷たい湧水で喉をうるおし,藪漕ぎにそなえてプラティパスにたっぷり水を補給。
水の枯れた急な沢筋を稜線へと登っていく。
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水の枯れた急な沢筋を稜線へと登っていく。
沢は藪っぽい岩壁に突き当たって終わっていた。
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沢は藪っぽい岩壁に突き当たって終わっていた。
ロボットピーク(右)と夏小屋丸(左)が見える。稜線までもうすぐだ。
ロボットピーク(右)と夏小屋丸(左)が見える。稜線までもうすぐだ。
ここから激しい藪漕ぎに突入。一番厄介な灌木系の藪で,しかもかなりの急斜面。藪をつかんで強引に体を引き上げていく。
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ここから激しい藪漕ぎに突入。一番厄介な灌木系の藪で,しかもかなりの急斜面。藪をつかんで強引に体を引き上げていく。
稜線はまだか…
灌木の藪を突き抜け,ついに笹の稜線に出た。登山道はあるはずもなく,一面笹の海だが,腰〜胸丈くらいの笹で,比較的はっきりした獣道が走っているので,意外と歩きやすい。奥に見えるのは夏小屋丸とロボットピーク。
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灌木の藪を突き抜け,ついに笹の稜線に出た。登山道はあるはずもなく,一面笹の海だが,腰〜胸丈くらいの笹で,比較的はっきりした獣道が走っているので,意外と歩きやすい。奥に見えるのは夏小屋丸とロボットピーク。
そして何より,ほぼ360°の展望だ。不動山や千回沢山も見える。
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そして何より,ほぼ360°の展望だ。不動山や千回沢山も見える。
左から釈迦嶺,冠山,若丸山,能郷白山の姿も。
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左から釈迦嶺,冠山,若丸山,能郷白山の姿も。
獣道を外さないようにしながら,すぐそこの笹ヶ峰を目指して笹を漕いでいく。何しろ遮るもののない藪尾根なので,灼熱地獄だったらどうしようと心配していたのだが,この日は意外に涼しい風が吹いていてしのぎやすかった。
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獣道を外さないようにしながら,すぐそこの笹ヶ峰を目指して笹を漕いでいく。何しろ遮るもののない藪尾根なので,灼熱地獄だったらどうしようと心配していたのだが,この日は意外に涼しい風が吹いていてしのぎやすかった。
そして,笹ヶ峰の三角点に到達。三角点のほかにはプレートなどは一切ない。
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そして,笹ヶ峰の三角点に到達。三角点のほかにはプレートなどは一切ない。
三等・長所。点の記には「俗称 ナガトコノシン」とある。恐らく,今日遡ってきた長トコ谷が由来と思われる点名だ(「シン」は,枝谷に対して本谷を指す言葉)。
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三等・長所。点の記には「俗称 ナガトコノシン」とある。恐らく,今日遡ってきた長トコ谷が由来と思われる点名だ(「シン」は,枝谷に対して本谷を指す言葉)。
三角点の周りは猫の額ほどの切り開きがあるが,藪に囲まれていて意外に眺望は良くない。積雪期は遮るもののない360°の眺望が得られるピークなので,同じ場所に思えないほどだ。
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三角点の周りは猫の額ほどの切り開きがあるが,藪に囲まれていて意外に眺望は良くない。積雪期は遮るもののない360°の眺望が得られるピークなので,同じ場所に思えないほどだ。
しかし,山頂の東側は比較的笹の背が低いため,このように素晴らしい眺望が得られる。笹ヶ峰の名にふさわしい,笹の海の稜線が果てしなく続いている。
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しかし,山頂の東側は比較的笹の背が低いため,このように素晴らしい眺望が得られる。笹ヶ峰の名にふさわしい,笹の海の稜線が果てしなく続いている。
さて,笹ヶ峰を後にして,稜線を南下し,夏小屋丸を目指す。こんな風に獣道が走っているので,意外に快適に進める。
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さて,笹ヶ峰を後にして,稜線を南下し,夏小屋丸を目指す。こんな風に獣道が走っているので,意外に快適に進める。
笹ヶ峰を振り返る。青々とした一面の笹の中に続く一筋の獣道。無雪期の笹ヶ峰も,なかなか美しい。
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笹ヶ峰を振り返る。青々とした一面の笹の中に続く一筋の獣道。無雪期の笹ヶ峰も,なかなか美しい。
夏空の下,夏小屋丸へ。
夏空の下,夏小屋丸へ。
夏小屋丸の北側の鞍部は,ちょっと藪が濃く,一時的にがっぷり四つの藪漕ぎになるが,短いので我慢できる程度。
夏小屋丸の北側の鞍部は,ちょっと藪が濃く,一時的にがっぷり四つの藪漕ぎになるが,短いので我慢できる程度。
笹ヶ峰を振り返る。
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笹ヶ峰を振り返る。
夏小屋丸から不動山に続く稜線と,不動山,千回沢山。
夏小屋丸から不動山に続く稜線と,不動山,千回沢山。
夏小屋丸に到着。夏小屋丸も展望がよく,ほぼ360°の眺望。ロボットピーク(右)と大河内山(左)が見える。
夏小屋丸に到着。夏小屋丸も展望がよく,ほぼ360°の眺望。ロボットピーク(右)と大河内山(左)が見える。
能郷白山方面。
福井の山々。一番左端は上谷山だ。
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福井の山々。一番左端は上谷山だ。
美しい夏雲が奥美濃の山々の上空を渡っていく。
美しい夏雲が奥美濃の山々の上空を渡っていく。
さて,ここから長トコ谷のシンノ谷に下降する。
さて,ここから長トコ谷のシンノ谷に下降する。
シンノ谷は稜線直下からはっきりとした沢形が始まっており,ほぼ藪漕ぎなしで下っていくことができる。
シンノ谷は稜線直下からはっきりとした沢形が始まっており,ほぼ藪漕ぎなしで下っていくことができる。
夏小屋谷が平凡だったので,シンノ谷も同じようなものかと思っていたら,枯滝がいくつか出てきた。いずれもクライムダウンor巻き下りでクリアできるが,これはどちらかというとシンノ谷のほうを登路にしたほうがよかったかな…。
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夏小屋谷が平凡だったので,シンノ谷も同じようなものかと思っていたら,枯滝がいくつか出てきた。いずれもクライムダウンor巻き下りでクリアできるが,これはどちらかというとシンノ谷のほうを登路にしたほうがよかったかな…。
ほどなく水が復活。やはりこちらの谷も水が切れるように冷たい。頭から清冽な水をかぶって体を冷やした。
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ほどなく水が復活。やはりこちらの谷も水が切れるように冷たい。頭から清冽な水をかぶって体を冷やした。
結局,源頭部で小さな枯滝がいくつか出てきただけで,それ以降は滝らしい滝はほとんど出てこず,シンノ谷も概ね平凡な谷だった。
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結局,源頭部で小さな枯滝がいくつか出てきただけで,それ以降は滝らしい滝はほとんど出てこず,シンノ谷も概ね平凡な谷だった。
でも,谷にみなぎる奥深さは格別で,雰囲気は良い。
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でも,谷にみなぎる奥深さは格別で,雰囲気は良い。
途中,沢の中に謎の鉄棒が突き刺さっていた。真っ黒に錆びており,かなり古いもののようだ。この山域で人工物と言ったら,ロボットピークにかつてあったと言われるロボット雨量計くらいしか思いつかないので,その構造物が雪崩などで谷底に落ちてきてしまったのかもしれない。
途中,沢の中に謎の鉄棒が突き刺さっていた。真っ黒に錆びており,かなり古いもののようだ。この山域で人工物と言ったら,ロボットピークにかつてあったと言われるロボット雨量計くらいしか思いつかないので,その構造物が雪崩などで谷底に落ちてきてしまったのかもしれない。
クサボタン。
さて,夏小屋谷と合流した後は,3段25m滝を登りと同じく左岸巻きで巻き下り,
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さて,夏小屋谷と合流した後は,3段25m滝を登りと同じく左岸巻きで巻き下り,
滝ヶ谷出合の直前の3段30m滝も左岸を巻き下って,
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滝ヶ谷出合の直前の3段30m滝も左岸を巻き下って,
林道に帰着。沢を出て林道に上がったとたん,それまでの肌寒いくらいの空間から一転,むわっと蒸し暑い熱気にいきなり包まれ,今日一日歩き回っていた長トコ谷が別天地だったことを実感した。
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林道に帰着。沢を出て林道に上がったとたん,それまでの肌寒いくらいの空間から一転,むわっと蒸し暑い熱気にいきなり包まれ,今日一日歩き回っていた長トコ谷が別天地だったことを実感した。

装備

備考 ・フェルトソール沢足袋使用。ぬめっている印象はそれほどなかったため,ラバーの沢靴も可と思われます。
・40mロープ携行(不使用)

感想

 越美国境の藪の秘峰・笹ヶ峰に設置されている三角点の点名は,「長所(ナガトコ)」という。おそらく笹ヶ峰に突き上げる大河内川源流の長トコ谷に由来する点名で,この谷の尽きるところにそびえる山,という意識が往時の人々の中にあったのだろう。だから,笹ヶ峰に登るにあたって,長トコ谷はなかなか由緒のある登路,と言えるのかもしれない。
 長トコ谷は,2020.6.13に一度訪問しており,その際は笹ヶ峰にダイレクトに突き上げる焼小屋谷を選んだ。焼小屋谷は小滝の連続するなかなか楽しい谷だったが,長トコ谷の本谷に当たるシンノ谷や夏小屋谷は,気になりながらもまだ訪問していなかった。先日,お隣の前谷の本谷に当たるヨセン谷を遡行してかなり面白かったので,長トコ谷の本谷筋も覗いてみたいな,と思い今回の山行となった。
 滝の多い前谷・ヨセン谷に隣接しているので,シンノ谷や夏小屋谷もきっと変化があって面白いに違いない,と期待していたのだが,実際はシンノ谷も夏小屋谷もほとんど滝が出てこず,ごくごく穏やかな谷だった。長トコ谷の下部は30m近い立派な滝を2本も擁しているだけに,その奥のシンノ谷や夏小屋谷でもう一押しあれば完璧だったのだが,ちょっと残念。しかし,逆に言えば笹ヶ峰への登路として便利な谷と言えるかもしれない。それに,この谷の奥深さは格別で,人工的な痕跡はほとんど出てこない。ただただ深い緑と清冽な水,そして稜線の藪があるだけである。そんな空間を一日歩き回っているだけでも,来てよかったなとしみじみ思える。
 ほんの一,二週間前まで,谷の中はギボウシやバイケイソウ,サワフタギやヤブデマリなど,白系の花が多かったのに,今日谷に入ってみたら,イワタバコの紫やシモツケソウの赤など,一気に夏模様になっていてびっくりした。梅雨が明けたとたん急に暑くなって面食らっていたが,谷でも梅雨明けは急にやってくるものらしい。また当分,谷の色彩を楽しめそうだ。

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